ChatGPTで議事録を作る方法|足りる会議と足りない会議の分かれ目
会議が終わったあと、録音を聞き直しながら話し言葉を整えていく時間が、本業を押しのけている方は少なくないでしょう。手元のChatGPTで減らせないか、と考えるのは自然な発想です。
ただ、いざ取りかかると次のような疑問が出てきます。
- ChatGPTで議事録を作りたいが、具体的な手順が分からない
- 一度試したものの、思ったほど楽にならず理由が分からない
- ChatGPTで足りる会議と、足りない会議の線引きを知りたい
そのためこの記事では、ChatGPTで議事録を作る5つのステップを解説します。通常のChatGPTは文字になった内容の要約・整形に向き、会議を継続して録音・文字起こしする用途ではChatGPT Recordなど別の手段を使います。自分の担当する会議で足りるかを分ける4つの条件と、2026年9月時点のChatGPT Recordの制限まで整理します。
ChatGPTで議事録を作るとき、いちばん手間がかかるのは指示の書き方ではありません。会議の音声を文字にして、貼り付けるところまでです。Otolioは、会議業務を丸ごと自動化するAIエージェント。カレンダーに予定を入れておくだけでWeb会議に自動参加し、録音から文字起こし、要点の整理までを会議が終わった時点で終えています。
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ChatGPTで議事録はどこまで作れる?
ChatGPTで議事録は作れます。ただし、力を発揮するのは会議の内容が文字になったあとの工程です。要点や決定事項を抜き出し、話し言葉を読みやすい文章に整える作業をChatGPTに任せると、下書きづくりは目に見えて速くなります。
反対に、会議を継続して録音・文字起こしする工程は、通常のチャット機能の外側にあります。そのため「ChatGPTで足りるかどうか」を決めるのは、ChatGPTの性能よりも会議の側の条件です。文字起こしの元データを用意できるか、誰が話したかを分ける必要があるか、発言レベルまで残すことが求められるか、その会議が毎週続くかという4点が分かれ目になります。
なお2026年9月時点では、録音から要約までをChatGPTの中で完結できる「ChatGPT Record」も提供されています。対応するプランやOSに制限があるため、こちらは別の節で扱います。
1. 得意なのは文字になったあとの要約と整形
ChatGPTはOpenAIが提供する生成AIサービスで、文章の要約や言い換え、情報の整理といったテキスト処理を幅広く扱えます。議事録づくりで任せられるのは、主に次の3つです。
文章の要約
情報量の多い会議の記録を、短くまとめられます。文字起こしを貼り付けて「要約してください」と伝えるだけで、読める長さの文章に変わります。
大事なポイントや決定事項のリストアップ
「決定事項を教えてください」「タスクを抜き出してください」と指示すると、必要な情報だけを取り出して並べてくれます。担当者と期限をあわせて整理させることもできます。
話し言葉を書き言葉に変換
録音から起こしたテキストは、言い直しや口癖が混ざって読みづらい状態です。「読みやすい書き言葉に整えてください」と伝えれば、です・ます調の文章に整います。
この3つはどれも、「すでに文字になっている情報」を加工する仕事です。すでにMicrosoft 365を使っている組織なら、CopilotとChatGPTのどちらに寄せるかが先の分かれ道になります。違い・料金・組織としての選び方は、そちらの記事で整理しています。
2. 単体では難しい録音・話者の識別・組織的な管理
できることの裏返しとして、通常のチャット機能だけでは届かない領域もあります。工程ごとに並べると次のとおりです。
| 項目 | ChatGPT(通常のチャット機能)でできること | ChatGPT(通常のチャット機能)単体では難しいこと |
|---|---|---|
| テキストの要約 | 文字起こし済みの会議内容を要約 | (該当なし) |
| 抽出 | 決定事項やToDoを担当・期限とあわせて整理 | 発言の意図が曖昧な場合の正確な分類 |
| 文章整形 | 話し言葉を読みやすい書き言葉に変換 | 言い換え時に、すべてのニュアンスを完全に保持 |
| 録音・文字起こし | (該当なし) | 会議音声をその場で録音し自動で文字起こし |
| 話者識別 | 入力に「Aさん:」と明記されていれば区別 | 話者ラベルのない音声から話者を自動で識別する |
| 共有・管理 | チャット履歴として保存・検索 | 会議単位の共有権限や、組織的な議事録管理 |
※ChatGPT Recordなら、会議の録音・文字起こし・複数の話し手の区別まで扱えます。
表の右側を見ると、難しいとされているのは「文字になる前」と「議事録を書き終えたあと」に集まっています。録音や話者の振り分けに加え、会議単位の共有権限や組織的な管理まで続けて回したいなら、別の仕組みが要ります。
最終的な正確さを担保するには、ChatGPTの出力をそのまま完成品にせず、人が内容を確認する必要があります。この前提は、どの使い方でも変わりません。
ChatGPTで足りる会議と、足りない会議の分かれ目
「ChatGPTで議事録を作ってみたが、思ったほど楽にならなかった」。この感想が出るとき、原因が指示の書き方にあるとは限りません。そもそもChatGPTが得意な条件から外れた会議に使っていた、というケースが少なくないのです。
自分の担当している会議を、次の4つの条件に当てはめて判断します。ここでは、ChatGPTで処理できるかだけでなく、手作業を繰り返しても運用負荷が大きくならないかまで確認します。
1. 文字起こしの元データを用意できるか
最初の条件は、会議の内容をテキストにできるかどうかです。ここが埋まらないと、あとの工程はすべて止まります。
オンライン会議では、TeamsやGoogle Meet、Zoomの文字起こし機能を使える場合があります。ただし、利用可否は契約プランや管理者設定、録画方法などによって異なります。利用できる環境なら、会議後に保存されたトランスクリプトをChatGPTに貼り付けられます。
難しくなるのは対面の会議です。Otolioが商談や導入の現場で見聞きしてきた会議環境は、想像よりもずっと多様でした。たとえば、食堂の一角を区切った大部屋に大人数が集まり、拡声器とワイヤレスマイクを使って進める会議があります。スマートフォンを机に置いても、メインで話す人との距離が遠く、十分に文字起こしできないケースもあります。
屋内向けマイクの実効範囲はおおむね1〜2mで、「手が届く範囲にマイクがあるか」が目安になります。パソコンの内蔵マイクは正面の音を拾いやすい設計なので、背面や横に座った人の声は拾いにくくなります。
マイクが声を拾いきれない会議では、文字起こしの元データを用意するところが最初の壁になります。ChatGPTの出来不出来より前の問題です。
2. 誰が話したかを分ける必要があるか
2つ目は、議事録に発言者を残す必要があるかどうかです。
決定事項とToDoだけが伝わればよい会議では、発言者名を残さなくても支障がない場合があります。
一方、役員会議や取引先との交渉、労使協議などでは、会議の目的や社内ルールによって発言者の特定が重要になる場合があります。「誰が何を言ったか」まで残す必要がある会議でChatGPTを使うなら、文字起こしの段階で「Aさん:」のように話し手を明記しておきます。ラベルのない音声から話者を自動で振り分ける仕事は、通常のチャット機能の外側にあるためです。
自動で振り分ける仕組みを使う場合でも、集音の設計は結果を大きく左右します。マイクは話し手の近くに置き、拡声器を使う部屋では拡声器のそばに設置します。この2点を押さえるだけでも、手直しの量は変わります。
3. 発言レベルまで残すことが求められるか
3つ目は、記録の細かさです。2つ目の条件と似ていますが、こちらは「どこまで書くか」の話になります。
同じ会社の中でも、全発言を正確に残したい会議と決定事項だけあれば十分な会議とで、議事録に求める粒度は割れます。この2つが同じ社内に並んでいるのは、Otolioが商談で伺う話でも繰り返し出てくる光景です。求める粒度が違えば、議事録の作り方も変わってきます。用途別の決め方は、議事録の粒度を用途ごとに決める考え方をまとめた記事で整理しました。
決定事項とToDoで足りる会議なら、ChatGPTは十分に働きます。逆に逐語録に近い形が求められる会議では、要約という得意分野そのものが噛み合いません。要点に絞るという処理が、この場合は情報の欠落になるからです。
4. 単発の会議か、毎週続く会議か
最後は、同じ手作業を繰り返しても負担にならない頻度かどうかです。ここは「ChatGPTで作れるか」ではなく、「その運用を続けやすいか」を見る条件です。
Otolioが実施した250件以上の導入企業アンケートでは、議事録の作成が本業を圧迫し、会議の数に追いつかないという悩みが最も多く挙がっています。60分から90分の会議1本に対し、文字起こしと議事録作成で2時間から3時間を費やしているという声も珍しくありません。困りごとの中心は、1回の重さよりも積み上がりのほうにあります。
単発の会議なら、文字起こしを用意してプロンプトを打つ往復は1回で済みます。ところが毎週続く会議では、その往復が毎週発生します。テキストを用意し、貼り付けて指示を出し、出力をドキュメントに移す作業を毎回繰り返すことになります。1回5分の作業でも、週3本の会議が1年続けば無視できない時間になります。
足りる会議と足りない会議の早見表
4つの条件を1枚に並べると、次のようになります。
| 会議の条件 | ChatGPTで足りる | 別の手段が要る |
|---|---|---|
| 文字起こしの元データ | オンライン会議の自動文字起こしやメモがある | 対面・大人数で、録音から自分で用意する必要がある |
| 話者の区別 | 決定事項が誰の発言かまでは問われない | 誰が何を言ったかを残す必要がある |
| 記録の粒度 | 決定事項とToDoで足りる | 発言レベルまで残すことが求められる |
| 会議の頻度 | 単発・不定期 | 毎週続き、本数が積み上がる |
4つとも左側に収まる会議なら、通常のChatGPT中心でも運用しやすいでしょう。右側の条件がある場合も、ChatGPTが使えないという意味ではありません。録音・話者識別・共有などを別の仕組みで補う必要があるか、手作業の負担が大きくないかを見て、ほかの手段との併用を検討します。
ChatGPT Recordとは?録音機能の対応と制限
ChatGPTに搭載された録音機能が「ChatGPT Record」です。長らく「ChatGPTは録音できない」と言われてきましたが、その前提は変わりました。先ほどの4条件のうち、1つ目と2つ目を部分的に埋める機能だと考えると位置づけが掴みやすくなります。
1. ChatGPT Recordでできること
ChatGPT Recordは、ChatGPTの画面上で会議や音声メモを録音し、テキストにできる機能です。主に次のことができるとされています。
- 会議や音声メモをChatGPT内で録音する
- 録音した音声をテキストに変換する
- 録音内容を自動で要約する
- 生成されたメモを編集・整える
- メモをメールやドキュメントなどの形式に作り直す
- 文字起こし時に複数の話者を区別する。話者名を特定できない場合は『Speaker 1』などのラベルが付き、録音後に話者名を変更できる
録音から要約までをChatGPTの中で完結できる点が、通常のチャット機能との大きな違いです。
2. 対応プラン・OS・録音時間の制限
便利な機能ですが、使える環境は限られます。2026年9月時点で押さえておきたい点を並べます。
- 利用できるのはPlus・Pro・Business・Enterprise・Eduのワークスペース
- ※Enterprise・Eduではデフォルトで無効になっており、ワークスペース所有者による有効化が必要
- 現時点ではmacOSデスクトップアプリでのみ利用可能
- 1回の録音時間は最大4時間(240分)で、上限に達すると録音が自動で終了し、それまでの内容からメモが生成される
- 他者を録音する場合は、適用される法令や社内ルールを確認し、求められる同意を適切に得る
- 日本語を含む英語以外の音声では、文字起こし精度にばらつきがある
- 出力された内容は、人による最終確認が前提となる
つまり、Windowsのパソコンを支給されている人はこの機能を使えません。ここは判断の分かれ目になりやすいので、まず自分の環境を確かめてください。対応状況の更新は早いので、使う前にOpenAI社の公式情報で対応プラン・対応OS・制限の最新を確かめておくと確実です。
参照:ChatGPT Record | OpenAI Help Center
3. 3つの選択肢の使い分け
録音から要約までを1つのアプリで終えられる点は、ChatGPT Recordの大きな利点です。一方で、複数のWeb会議ツールへ自動で参加させたり、チームや全社で共有と権限管理を続けたりする段階になると、法人での運用には専用のAI議事録ツールが向く場合があります。個人の音声メモや単発の議事録なら十分に使えますが、会議業務をまるごと自動化する用途では、まだ役割が限られます。
選択肢が3つ出てきたので、使い分けを整理します。
ChatGPT(通常)
すでにテキストになった会議内容を、その場で要約したり整えたりする用途です。下書きづくりの定番といえます。
ChatGPT Record
自分の打ち合わせや音声メモを、macOSデスクトップアプリで録って要約する用途です。Google Calendarをつないでおけば、Google Meetにはカレンダーから自動で参加します。Zoom・Microsoft Teams・Webexなどの場合は、macOSアプリ側でRecordを自分で開始する形になります。
AI議事録ツール
録音から文字起こし、共有、管理までを、チームや全社で回し続ける用途です。
手元の会議メモを今すぐ整えたいならChatGPTが向いています。自分の打ち合わせをその場で録って要約したいならChatGPT Record、全社で議事録の作り方をそろえたいならAI議事録ツールが候補です。この3択に置き換えると、迷いにくくなります。
ChatGPTで議事録を作成する5つのステップ
ここからは実際の手順です。文字起こし済みのテキストを整える流れを前提に、5つのステップで見ていきます。先ほどの4条件で「足りる」と判断できた会議なら、この手順どおりに今日から作れます。
1. 会議の前提情報を整理する
まず、次の情報を手元にまとめておくと精度が上がります。
- 会議名
- 日時
- 出席者
- 議題(アジェンダ)
- 会議の目的
前提を先に渡すことで、ChatGPTが話の文脈を掴みやすくなります。逆にこれがないと、専門用語の多い会議ほど的外れな要約が返ってきます。
2. 文字起こし・メモを準備する
ChatGPTに渡すテキストを用意します。方法は主に3つです。
- 会議中にメモを残す
- 会議後に自分で書き起こす
- Web会議システムや文字起こしソフトで自動文字起こしをする
Teamsの会議なら、トランスクリプションやライブキャプションを使って文字起こしする方法でテキストを用意できます。Google Meetの字幕や録音から文字起こしする方法も、同じように使えます。
3. 文字起こしを軽く整える
貼り付ける前に、最低限の下ごしらえをしておきます。ひと手間かけるだけで、出力の精度は変わります。
- 単語だけのメモに、前後の文脈を補足する
- 「えー」「あー」など不要なフィラーを削除する
- 自動文字起こしの誤変換を軽く修正する
- 話し手を「Aさん:」「Bさん:」の形式で明記する
4つ目は、発言者を残したい会議で、文字起こしに話者ラベルが付いていない場合に必要です。話者を明記しないまま進めると、あとから誰の発言か分からなくなります。
4. ChatGPTで要約・抽出・整形する
準備したテキストを入力し、具体的に指示します。最初から凝った指示を書く必要はありません。まず短い指示で出力させ、足りない条件を後から足していくほうが、自分の会議に合う形へ早く届きます。
まずはこの1文から始めてみてください。
以下の会議内容を要約し、決定事項とタスクを箇条書きでまとめてください。
出席できなかったメンバーにも伝わる形に整えたいなら、出力の構成まで指定します。
以下の会議内容を、欠席者にも伝わる社内共有用の議事録にまとめてください。 出力は次のセクションで構成してください。
・会議名 ・日時 ・出席者 ・会議の概要 ・決定事項 ・検討事項 ・ToDo(内容・担当者・期限) ・次回会議の予定
入力が長くなって出力が安定しないときは、議題などのまとまりごとに分けて渡す手もあります。コピペで使える議事録作成用のプロンプト集には、目的別の6本のテンプレート、出力サンプルの比較、精度を上げるコツまでまとめてあります。
5. ドキュメントにまとめて最終チェックする
WordやGoogleドキュメントなどにまとめ、最後に次の3点を確認します。
- 内容に誤りがないか
- ニュアンスがずれていないか
- 抜け漏れがないか
AIの出力をそのまま完成とせず、最後は人が目を通す必要があります。ここは省けません。読みにくい箇所があれば「この部分をもっとわかりやすく」「文章のトーンを統一して」と伝えれば、その場で直せます。
機密性の高い会議でChatGPTを使ってよい?
議事録には社外秘の情報が含まれることが多く、法人利用では事前の確認が欠かせません。会議の内容をそのまま貼り付けてよいかどうかは、手順とは別に確認する必要があります。
1. 入力してよい情報を見極める
個人情報や顧客情報、契約内容といった機密情報が絡むなら、社内ルールと自分が使っているプラン・設定の確認が先です。
特に未公表の人事情報や取引条件は、入力が認められているかを確かめてください。認められていない情報は入力しません。社内ルール上、匿名化した情報の入力が認められている場合は、固有名詞を伏せる、要点を抽象化するといった対策を取ります。
2. 社内ルールとプランを確認する
企業で使うなら、情報システム部門のガイドラインやChatGPTの利用ポリシーを事前に確認しておくと安心です。使ってよい会議の範囲と入力してはいけない情報を先に決めておけば、現場が都度迷わずに済みます。
入力したデータや、ChatGPT Recordが作る文字起こし・メモの扱いは、プランとワークスペースの種別、そして設定によって変わります。Recordで録った音声そのものは文字起こしのためだけに使われ、その後は削除され、モデルの学習には使われません。
Business・Enterprise・Eduで扱うコンテンツは、既定でモデルの学習に使われない設定です。個人用ワークスペースの場合は、データコントロールから学習への利用をオフにできます。設定の手順は、AIに学習させない3つの方法でも整理しています。法人での本格利用を考えるなら、自社の基準を満たすかどうかを先に確認しておきましょう。
参照:データコントロールに関する FAQ | OpenAI Help Center
足りない会議をどう埋めるか|AI議事録ツールとの違い
商談では「文字起こしのデータをChatGPTに入れてまとめさせるのと、結局何が違うのか」という問いが繰り返し出ます。答えは、元データの正確さ・工程のつながり・記録の残り方という複数の軸に分けて初めて見えてきます。詳しい分解はChatGPTとAI議事録ツールを徹底比較した記事にまとめました。ここでは、運用を続けたときに何が残るかを整理します。
1. 通常のChatGPT運用に残る手作業
通常のチャット機能だけで議事録を作ると、人の手に残る工程がいくつか出てきます。
- 会議音声を別ツールで文字起こしし、テキストを用意する手間
- そのテキストをコピーして貼り付け、毎回プロンプトを入力する手間
- 話者ラベルがない文字起こしでは、必要に応じて「Aさん:」と補う作業
- 機密情報を入力してよいかを都度判断する手間
- 作成した議事録を、別のドキュメントやツールへ移して共有・保存する手間
一つひとつは短い操作でも、会議の数が増えるほど、この往復は積み重なります。先ほどの4条件でいえば、「毎週続く会議か」が右側に落ちたときに効いてくるのがこの部分です。
2. 会議の条件で見る選び分け
AI議事録ツールの中には、会議音声の録音から自動文字起こし、Web会議への対応、議事録の保存・共有までを一続きで扱える製品があります。どこまで対応するかは、製品ごとに違います。

引用:Otolio
Otolioは、会議業務を丸ごと自動化するAIエージェントです。カレンダーに予定を入れておけばWeb会議に自動参加し、録音・文字起こし・要点整理までを一続きで進めます。また、顧客データや音声をAIの学習に使わない設計のため、機密情報を含む会議でも運用しやすい点が特徴です。
ここではOtolioとは切り分けて、一般的なAI議事録ツールと通常のChatGPTの違いを機能で並べます。
| 機能 | ChatGPT | AI議事録ツール |
|---|---|---|
| 要約 | ◎ プロンプト次第で細かく調整 | ○ テンプレートで自動要約 |
| 決定事項・ToDo抽出 | ○ 指示すれば抽出 | ◎ 自動で抽出 |
| 文字起こし精度 | △ 単体では別ツールが必要 | ◎ 録音から高精度で文字起こし |
| 話者分離 | △ 入力に印があれば区別 | ◎ 発話者を自動識別 |
| タイムスタンプ | △ 入力に含まれる場合のみ | ◎ 標準で付与 |
| 一気通貫(会議前〜後) | △ 整理工程が中心 | ◎ 録音〜共有、準備〜フォローまで対応するツールもある |
| 共有・管理 | △ 組織的な管理には制約 | ◎ 会議単位で保存・共有 |
| 法人利用 | ○ プラン・利用ポリシーを確認 | ○ 製品ごとに管理・セキュリティ機能を確認 |
表の左右を見比べると、差が出ているのは要約の質よりも、その前後の工程だと分かります。判断の基準は、自分の会議がどちらの条件に当てはまるかです。それが実際の選び方になります。
なお、Otolioの位置づけは「文字起こしソフト」や「AI議事録ツール」という枠には収まりません。会議前の準備から会議後のフォローアップまでを担うAIエージェントで、文字起こしや議事録の作成は、その自動化に組み込まれた一部分です。Otolio以外の選択肢も比べたいなら、AI議事録ツールおすすめ14選の記事で目的別に整理しています。
まとめ|ChatGPTで足りるかは、会議の条件で決まる
ChatGPTは「文章の要約」「大事なポイントの抽出」「話し言葉から書き言葉への変換」が得意で、議事録の下書きづくりを大きく短縮できます。得意なのは、あくまで文字になったあとの整理です。
そのうえで、自分の会議で足りるかどうかは4つの条件で判断できます。文字起こしの元データを用意できるか、誰が話したかを分ける必要があるか、発言レベルまで残すことが求められるか、その会議が毎週続くかを確認します。
4つとも「足りる」側に収まるなら、通常のChatGPT中心でも運用しやすいでしょう。右側の条件がある場合もChatGPTが使えないわけではありませんが、録音・話者識別・共有などを別の仕組みで補う手間や、継続運用の負荷が増えます。
ChatGPT Recordは録音と話者の区別を埋めますが、macOSデスクトップアプリ限定で、1回4時間という制限もあります。複数の会議ツールをまたいで、録音から共有・蓄積まで続けたいなら、AI議事録ツールが選択肢に入ります。
社内には、条件を満たす会議と満たさない会議が両方あるはずです。全部を同じやり方で処理しようとすると、どこかで無理が出ます。ChatGPTだけで回しやすい会議はChatGPTに任せ、別の仕組みを併用したほうがよい会議だけ手段を補います。まずは今週の会議を1つ選び、4つの条件に当てはめて使い分けを決めてみてください。
Otolioは、会議が終わった時点で録音・文字起こし・要点の整理を終えています。テキストを用意する工程も、貼り付けて指示を出す往復もありません。対面の会議でも、毎週続く定例でも、同じ形で記録が残ります。音声データを外部のAIの学習に使わない設計なので、機密性の高い会議でも扱えます。14日間、実際の会議でそのまま確かめられます。
よくある質問とその回答
Q. ChatGPTに音声をアップロードして議事録を作成できますか?
2026年9月時点のOpenAIの公式案内では、通常のファイルアップロードで扱える形式として文書・スプレッドシート・プレゼンテーション・テキストファイルなどが挙げられており、音声ファイルは対応形式に含まれていません。会議を録音してテキストにしたいなら、対応するプランと環境でChatGPT Recordを使う道があります。ただし、プランとOS、1回あたり4時間までという録音時間の制限は残ります。通常のチャット機能で議事録を作るなら、別の文字起こしツールでテキストにしてから貼り付けるのが基本の形です。
Q. ChatGPTだけで議事録を完全に自動化できますか?
ChatGPT Recordを使えば、録音から文字起こし、要約までは自動で進みます。Google Calendarと連携したGoogle Meetなら、カレンダーからの自動参加にも対応しています。ただし、Zoom・Microsoft Teams・WebexなどではRecordを手動で開始する必要があり、対応プランやOSにも制限が残ります。複数の会議ツールをまたいで録音から共有・管理まで自動化したい場合は、AI議事録ツールも選択肢になるでしょう。
Q. ChatGPT無料版ではどこまでできますか?
無料プランでも、要約・箇条書きでの抽出・文体の変換といった日常的なテキストチャットを利用できます。2026年9月時点では日常的なテキストチャットは回数無制限ですが、不正利用防止措置が適用されます。一方、利用できるモデルやファイルアップロード、音声、データ分析などの機能にはプラン別の制限があります。
Q. 機密情報を含む会議でChatGPTを使っても大丈夫ですか?
機密情報が含まれるなら、社内ルールと利用中のプラン・設定を先に確認し、入力してよい範囲をはっきりさせてから使いましょう。法人利用では、情報システム部門のガイドラインや利用ポリシーを事前に読み、入力を認める情報の線引きを決めておくと安全です。機密性の高い会議を扱うなら、AI学習に使われるかどうかだけでなく、データの保存先・暗号化・アクセス制御まで含めて、自社のセキュリティ要件を満たすか確かめてください。
