【人事向け】人事面談の質問例|状況ごとの面談目的、ポイント、注意点も詳しく解説
この記事でわかること
- 人事面談の目的と進め方
- 人事面談の質問例と避けるべき質問
- 人事面談を成功させるための4つのポイント
人事担当者や上司が、従業員や部下との間で定期的に行う人事面談。せっかく人事面談をするのであれば、その面談を通して部下の状態や状況をなるべく具体的に把握し、更なる成長につなげたいものです。
しかし、実際に質問を考えるにあたって、「どのような質問であれば相手から正直なレスポンスを貰えるのか」「そもそもどのような質問をすれば良いのか」とお悩みの方もいるでしょう。
本記事では、面談の種類に合わせた質問例と人事面談をより効果的なものにするためのポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
とにかく質問例の一覧を知りたい方は、質問例をご覧ください。
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人事面談の4つの種類
人事面談はその目的や頻度によって4種類に分けられます。種類によって聞くべき質問と期待できる効果がそれぞれ異なりますので、目的に合わせて使い分けるようにしましょう。
以下ではその4種類の面談をご紹介します。
1. 目標設定面談
目標設定面談は、その名の通り部下の目標を設定するための面談です。会社や組織、チームの方針などのもと、個人的な目標設定のために行われます。
具体的な流れとしては、部下が提示した目標を上司が修正しつつ承認する形になります。
上司は最終的にその目標が部下にとって納得して取り組めるものにする必要があります。そのため、過去の面談内容と部下の現状を把握し、適切なフィードバックを返すことが重要です。
状況例は以下の通りです。
- 新年度の始まり(4月や1月など)に、部下の役割やチーム目標に基づいて個人目標を設定する面談。
- 入社1〜3か月の間に、期待される役割やスキル成長に基づいて目標を設定する面談。
- 異動先の部署で、新しい業務内容に基づく目標設定をする面談。
- プロジェクトの前に、部下が担当する業務やその成功基準を決定する面談。
目標設定面談の質問例を知りたい方は、目標設定面談の場合をご覧ください。
2. 中間面談
中間面談は1年、半年、4半期に一度など、定期的に開かれる面談です。この中間面談は、目標達成までの中間時点で、上司と部下の間で進捗やKPI(重要業績評価指標。目標までの達成度のこと)の確認、課題の洗い出しを目的にして行われます。
具体的には、
- 部下が上司に現時点までの自分の行動の報告
- 上司から部下に対する指導、アドバイス
- 両者の評価のすり合わせ、課題の洗い出し
- 必要に応じて最終目標の修正
を行います。中間面談を行うことで、当初の目的の忘却防止やモチベーションの維持に役立ちます。
状況例は以下の通りです。
- 年度初めに設定した目標に対して、6月や10月に進捗状況を確認する面談。
- プロジェクト期間中に、設定したKPIに対する進捗を確認する面談。
- 昇進や役割変更後、一定期間が経過したタイミングで新しい業務や目標の進捗を確認する面談。
- 入社後1〜3か月の中間時点で、業務習熟度やスキルの進展をチェックするための面談。
中間面談の質問例を知りたい方は、中間面談の場合をご覧ください。
3. フィードバック面談
フィードバック面談は、4半期や半年など、一定の期間に出た部下の業績や成果について、上司から部下へフィードバックをするための面談です。
上司から部下に対して、根拠を明らかにして部下の課題点や強み・弱みを伝えることで、評価に対する納得感を高め部下のスキルアップを図ります。そして上司からのフィードバックを受けて、今後の課題や効果的な行動計画を練ります。
状況例は以下の通りです。
- 半期または四半期ごとの業績評価やパフォーマンスレビューの一環として実施する面談。
- 昇進や昇格のタイミングで、過去の成果や課題を振り返る場として実施する面談。
- 部下の業績や行動に課題が見られる場合、改善を促すため、目標未達成の理由を一緒に分析し、具体的な改善方法を提示する面談。
- チーム全体のパフォーマンスレビュー後、個人面談で詳細なフィードバックを実施する面談。
フィードバック面談の質問例を知りたい方は、フィードバック面談の場合をご覧ください。
4. 1on1ミーティング
1on1ミーティングは、週1から月1の高頻度で上司と部下が定期的に話をし、部下の日常的な悩みや成長を支援するための面談です。
業務報告や業績評価ではなく、円滑なコミュニケーションを目的にして行なわれるこの面談は、離職率低下と理念浸透、そして部下の成長を促進します。
どちらか一方が主体となって話を進めるのではなく、双方の対話型コミュニケーションの形であるため、上司と部下の関係性やコミュニケーション力によってその質が大きく変わる点に注意が必要です。
状況例は以下の通りです。
- 部下の意欲や気分の低下が見られた際の、相談の場。
- 部下の視点や意見を聞き、チームやプロジェクト運営の改善に役立てるための話し合い。
- 日常の業務だけでなく、部下の価値観や働きがいについて率直に意見を聞く場。
1on1ミーティングの質問例を知りたい方は、1on1ミーティングの場合をご覧ください。
人事面談の4つの目的
人事面談は、その種類によってそれぞれ細かな目的がありますが、全体として共通している目的としては次の4つが挙げられます。
1. モチベーション向上
まずは、部下のモチベーション向上です。
部下のモチベーションを向上させるには、結果だけでなく、その意味や目的、過程を伝えることで意欲を高めることが重要です。また、部下の意見や本音を引き出すことで、誤解や不理解を減らし、モチベーション向上につながります。
2. 社員の成長のため・人材育成
社員の成長や人材育成という点でも、人事面談は大きな意味を持ちます。
部下自身では気づけない課題や強みを上司が伝えることで、明確な道筋や努力の方向性が示され、今後の方針を決めて業務を行えるため社員の成長につながります。
また、適切なサポートやアドバイスを通して部下のキャリアアップの支援も行うことができます。
3. 社員の勤務態度・業績の把握
社員・部下の状況を具体的に知ることも、面談の重要な目的の一つです。
まず、社員の勤務態度や業績、個人の能力、会社への貢献度などを人事面談を通して把握することで、昇給やボーナス、昇格などの重要な決定が行なわれます。
また、上司が部下の状況を把握するための人事面談も重要です。
普段の業務では部下の業務内容をすべて監視することはできないため、把握しきれない部分や相互不理解の生じる部分があります。そこで面談を通し、部下の努力や悩みをきちんと把握したり互いの価値観や考え方をすり合わせることで、部下から上司への信頼や安心感を得ることができます。
4. 人事評価の精度を高めるため・マネジメント改善
人事面談の目的の4つ目は、人事評価の精度を高めること・マネジメント改善です。
一方的な人事評価は社員からの信頼を失い離職率を高めます。そこで、チームや個人の状況を見直しマネジメントの改善をすることで、継続的に業績を伸ばすことができるのです。
面談では部下の成果に対するフィードバックをするだけでなく、上司側のマネジメントも振り返り、改善点を見つける機会として活用することで、同時にマネジメント力の向上を図ることができます。
人事面談の進め方
人事面談は、面談本番だけでなく事前準備から念入りにしておく必要があります。以下では、事前準備と面談本番に分けて人事面談の理想的な進め方をご紹介します。
事前準備
1. 最短でも2週間前までに面談の日程を決定しておく。
目標設定面談、中間面談、フィードバック面談は部下の業務やキャリアに深くかかわる重要な話し合いです。準備するものも多いため、少なくとも2週間前までには面談の日程を決めておきましょう。
2. 個人のキャリアや悩み事に関することなので、誰かに聞かれるリスクのない静かな場所を選ぶ。
人事面談では部下個人の今後のキャリアや悩みの話、1on1面談の場合は更にプライベートな話題になることも予想されます。部下が安心して話せるようにするためにも、面談は、なるべく誰かに内容を聞かれるリスクがない、静かな場所を選びましょう。
3. 何を伝えるべきかをあらかじめ明確にしておき、その根拠となる資料をまとめる。
限られた時間の中で互いに納得のできる面談にするには事前の準備が不可欠です。特に、部下の業績や人事評価はフィードバックする際には欠かせません。フィードバック内容に説得力を持たせ部下に納得してもらうためには、あらかじめ伝えるべきことを明確にし、その根拠となる数字や資料をまとめておきましょう。
4. 面談シートや記録媒体を用意する。
面談シートとは、面談において伝えるべき内容と結果をあらかじめ書いておくものです。事前に考えた伝えるべき内容をそこに記入し、面談中も机に置くことでスムーズに進行でき、かつ部下からも「きちんと準備をしてくれている」という信頼を得ることができます。
また、面談後に各自で振り返りをする際にも面談シートは役立ちます。さらに面談シートに加え、簡単なメモや互いに許可が出た場合は録音機材を用意しておくと、面談後に話した内容を確認することができます。
面談本番
1. アイスブレイク・雑談
目標設定面談、中間面談、フィードバック面談の場合、いきなり本題に突入しても緊張で面談がうまく進行しないことが考えられます。まずは簡単なアイスブレイクや雑談から始めましょう。
雑談が苦手な方は、あらかじめ面談シートに雑談で話す内容をメモしてそれを参考にしたり相手の良いところを3つ挙げて褒めたりするところから始めると良いでしょう。
2. 対象者の自己評価、課題の確認
アイスブレイクがひと段落着いたら、まず面談で話し合うべき内容を互いに確認しましょう。そして、部下に自分の業績や人事評価に対する考えや課題、または自分で設定する目標を言ってもらいます。
ここで、部下からそれ以外の業務に関わる意見や上司に対して考えていることがあるようならば、それも併せて聞いておきましょう。
3. フィードバック
上司から部下の自己評価や課題、目標などに対するフィードバックをします。事前に準備していた資料を提示しながら、あらかじめ伝えておきたかったことも併せて伝えることで、より発言内容に説得力を持たせることができます。
部下の考えに対して、良い点と悪い点、課題などを伝えますが、すべてを否定した言い方にならないよう注意することが大切です。
とはいえ、フィードバックに慣れていない方は、最適な伝え方について悩むこともあるでしょう。そこで、ここでは簡単に、有名な3つのフレームワークをご紹介します。
1.SBI型
SBIとは、Situation(状況)・Behavior(行動)・Impact(影響)のことです。
具体的な状況と行動、そしてその影響を伝えることで、客観的で明確なフィードバックとなります。
以下に簡単な例を挙げます。
- S. フィードバックする具体的な状況を説明します。
「昨日の会議の最後の10分で…」 - B. 相手の特定の行動について述べます。
「あなたが話をまとめるときに、全員の意見を確認していましたね。」 - I. その行動がどのような影響を与えたかを説明します。
「そのおかげで、全員が関与していると感じました。」
2. FEED型
FEEDとは、Fact(事実)・Example(理由)・Effect(影響)・Do(改善策)のことです。
特定の行動に焦点を当てつつ、その行動がなぜ重要なのか(理由)を明確にし、影響と改善点を建設的に伝える形で効果的なフィードバックにします。
以下に簡単な例を挙げます。
- F. フィードバックの対象となる具体的な行動を明確にします。
「プレゼンの際、スライドを読み上げるだけになっていました。」 - E. その行動がなぜ重要なのか、行動の背景や文脈を説明します。
「スライドを読むだけだと、聞き手に話の意図や強調点が伝わりにくくなります。」 - E. 行動が与えた具体的な影響を述べます。
「そのため、参加者がスライドに頼りすぎてしまい、質問が少なくなったように感じました。」 - D. 次にどうすればよいか、具体的な改善案を示します。
「次回は、スライドを簡潔にまとめ、話のポイントを言葉で補足してみてください。」
3.KPT型
KPTとは、Keep(継続)・Problem(問題点)・Try(挑戦)のことです。
継続すべきこと、問題点とそのための行動計画を示すことで、改善のサイクルを促進するフィードバックになります。
以下に簡単な例を挙げます。
- K. 現在行っている中で「うまくいっていること」や「引き続き行うべきこと」を挙げます。
「チームメンバー間の定期的な進捗共有が良かったので、これを続けます。」 - P. 改善が必要な問題や課題を洗い出します。
「ただ、タスクの優先順位が曖昧だったため、重要な作業が後回しになりました。」 - T. 問題を解決するための具体的なアクションや、新しく試してみたいアイデアを提案します
「そこで、優先順位を設定するために、毎朝5分のチームミーティングを取り入れます。」
4. 今後の方向性、目標、課題
最後に、部下の考えと上司のフィードバックをすり合わせ、今後の方向性や目標、課題を決定します。部下にとってより適切な、無理のない目標や課題を設定しましょう。
質問例
以下では、それぞれの面談の具体的な目的と質問例をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
目標設定面談の場合
目標設定面談は、目標を設定するのに伴い、部下のモチベーション向上、進捗の確認、評価のしやすさを目的にしています。そこで、目標設定面談で必ず把握しておくべき内容は以下の2つです。
- 現在の目標は、部下にとって適切なものか
- 新たな目標を設定するにあたり、その内容に部下との間で齟齬がないか
上記の内容を把握するための、具体的な質問例をご紹介します。
【現在の目標について】
「現在の目標(具体的な数値目標や達成目標)と、それを設定した理由は何か」
まずは現在の目標の具体的な内容と、その設定背景をしっかり理解しておきましょう。面談前に調べているかもしれませんが、部下と共通の認識しているか改めて確認しておくことで、後の誤解を未然に防ぐことができます。
「目標に対する課題はあるか。また、それを解決するための計画はあるか」
目標設定面談では、現在設定している目標の課題を具体的に認識することが非常に重要です。課題の内容や程度によって、その目標が部下にとって適切か否かを見極める重要な要素になるからです。
面談では、その課題がなぜ発生したのか、原因が突き止められそうであれば併せて聞いても良いでしょう。また、部下側は解決の手段を持っているのか、そのコストはどれくらいか、協力者はいるか、いつまでに解決できそうかも把握しておきましょう。
「目標達成に向けての進捗や目標の更新頻度についてどのように考えているか」
目標が適切かを考えるにあたり、部下の主観も重要な基準です。目標達成のために無理はしていないか、逆にもっと高い目標を設定したいか、実際に業務を行っている部下の考えも聞くようにしましょう。
【新たな目標について】
「目標設定のために必要なことは何か」
新しい目標は、過去のものと比べ、より部下の成長を促進し企業に利益をもたらすものでなくてはなりません。そのために、組織全体の目標との関連を理解した上で、過去の反省を踏まえて新しい目標を設定するようにしましょう。
「目標達成のための計画や課題はあるか」
新しい目標を設定した際、どのような順番で、誰に協力してもらいながら、どれくらいの時間をかけて達成するのかも計画しておきましょう。そうすることで具体的な道筋が見え、目標達成の可能性が上がります。
また、目標達成に向けてのリスク管理や予測不能な要素についてどのように考えているかについても確認しておきましょう。未確定な部分に対するアプローチもあらかじめ決めておくことで、安心して業務を行うことができます。
中間面談の場合
目標設定から時間が経つと、進捗が滞ったり、そもそもの目標を忘れてしまったりすることがあります。それを防ぐため、中間面談で、これまでの業務の振り返りをし、その時点までに達成したことと残っている課題を洗い出し、上司部下間の評価のすり合わせを行う必要があります。
中間面談で把握しておくべき内容は以下の2つです。
- 現在の進捗がどうなっているか
- 目標設定時から現在までに変わったことはあるか
上記の内容を把握するための具体的な質問例を以下でご紹介します。
【現在の進捗】
「現在の進捗状況はどうか。予定通りに進んでいるか」
中間面談の肝となる質問です。まずは進捗状況を確認しましょう。当初の計画からどれくらいのずれがあるのか、そのずれは想定の範囲内かなど進捗状況の中心的な部分は勿論、当初立てた予算やサポートを適切に使えているか、目標達成のためのアプローチ方法は効率的かなど、業務の細部に至るまでしっかり確認しておくようにしましょう。
「目標達成に向けての課題や障害はあるか。また、それを克服するためのめどは立っているか」
実際に業務を行う上で、障害や困難はつきものです。部下がそれにどう対応しているか、もしくはこれからどう対応していくか、また他の社員の協力や目標変更の必要があるかを確認しましょう。
長期間の目標であればあるほどモチベーションは保ちづらくなるものです。プライベートな話にならない範囲で、部下にとってのモチベーション維持方法なども聞いておくと良いでしょう。
【目標設定時からの変更点】
「目標設定時に決めた優先順位や時間管理に変更はあるか。また、その理由は何か」
目標設定時、上司部下間で認識のすり合わせをした計画から変更があるようであれば確認しておくようにしましょう。特に上司が部下の評価をする場合、評価に正当性を持たせるためにも、部下がどのようなスケジュールの中で何を優先しているのかを把握し、それが適切かどうかを中間面談のタイミングでアドバイスすると良いでしょう。
「目標達成後の新たな目標は何か」
現時点の目標を目指すことは勿論大切ですが、その背景にある組織への利益貢献や、本人の成長も忘れてはいけません。その背景を思い出させるために、目標達成後の新たな目標について聞いてみても良いでしょう。改めて全体的な視点から目標を見つめ直すことで、優先順位の付け方が変わったり、モチベーション向上に繋がったりします。
フィードバック面談の場合
1. フィードバックを受ける前の質問
部下の業績に対するフィードバックをする前に、上司が把握しておくべき内容は
- 業績に対する部下自身の自己評価
です。具体的な質問例をご紹介します。
【業績に対する部下の自己評価】
「現在の目標に対しどのような結果を出したか」
まずは本人が、自分の結果をどのように捉えているかを確認しましょう。どのような結果を出したか、もしくは出なかったか、その原因は何か、どのようなアプローチを行ったかなど、上司が部下の自己評価を確認するのと同時に、部下本人に客観的に自分の仕事を振り返ってもらう時間を作ることで、フィードバックに納得感を得やすくなります。
「自分の強みや良い点(改善点や課題)はどこか」
部下にとっては、強みや課題を洗い出すことで、自身の能力を客観視することができ、次の業務に生かすことができます。また、上司としても、把握しきれていない強みや課題を知ることで業務量を調整したりフィードバックに反映させたりすることができます。上司との認識のずれがあれば明確に分かる部分ですので、しっかり把握するようにしましょう。
2. フィードバックを受けた後の質問
部下の業績に対するフィードバックをした後に、上司が把握しておくべき内容は
- 上司の評価と部下の自己評価の認識のズレ
- 部下の今後の取組み
です。上記内容を把握するための具体的な質問例をご紹介します。
【認識のズレ】
「上司からの評価に対してどう考えているか」
上司からのフィードバックを受けて、部下が考えていることを言語化してもらうようにしましょう。部下にとって納得できない部分があるようでしたら、どこに上司の認識と食い違っている部分があるのか、細かく特定しておく必要があります。そうすることで、後の評価に対しても納得感を高めることができ、上司部下間の関係を良好に保つことにも繋がります。
上司部下間で認識の齟齬がある場合は、「立てた目標や部下の行動は、チーム内や組織内の価値観や目標に適切に適合しているといえるか」「会社からのサポートは十分だったか」など、業務の前提から確認するようにしましょう。
【今後の取組み】
「フィードバックを通じて、今後どのような方向性や成長の機会があると考えるか」
これまでの業務を振り返り、互いにフィードバック内容に対して納得した後は、部下が今後どのように成長したいかを確認しましょう。部下のキャリア選択の指針になりますし、次回目標を立てる際の一つの視点にもなります。具体的に成長するための取組みを予定しているようでしたら、それも併せて聞くと良いでしょう。
1on1ミーティングの場合
1on1ミーティングは、部下の悩みや仕事に対するモチベーションなどを聞くことで、上司部下間の関係を良好にし、離職のリスクを下げる効果があります。
基本的には部下の悩み相談の場であるため、業務上上司として絶対に把握しておくべき、という明確な内容はありません。
そこで、ここでは、1on1ミーティングで出すと良い話題例を紹介します。
- チームや組織の雰囲気や文化に対する感想はあるか
- ワークライフバランスやストレス管理についてどう考えているか
- キャリアや成長に対する目標や興味はあるか
- チームメンバーや上司とのコミュニケーションについてどう感じているか
- キャリアや業務における不安や悩み事はあるか
- 自己評価と他者評価のギャップがあると感じるか
- 最近のプロジェクトで成長したことや学んだことは何か
- スキルアップのために何かしていることはあるか
- 業務に対するモチベーションはどうか
- チーム内での貢献度に対する自己評価はどうか
人事面談で避けるべき3つの質問
人事面談をするにあたって、避けるべき質問も存在します。それは以下の3つです。
1. セクハラ、パワハラにあたること
人事面談に限らず、ハラスメントや差別に該当する発言をしてはいけません。たとえば容姿や結婚、出産に関わる質問やコメント、また本人を否定するような言葉、脅迫が挙げられます。
また、その人の国籍や性別、人種、宗教について言及することも差別に繋がる可能性があります。仕事に直接関係がなければ聞かないようにしましょう。
2. プライベートなこと
プライベートな質問もなるべく避けるようにしましょう。1on1面談では特に、信頼関係を構築しようとして家庭内の事情や趣味などを聞いてしまいがちです。
しかしプライベートなことを聞かれること自体に不快感を覚える人もいますし、そもそも信頼関係が築けていない時点でプライベートな質問をしても逆に信頼を失う危険性が高いです。あくまでも人事面談であることを理解して、仕事に関係する適切な質問をするようにしましょう。
3. 個人の性格、特長など言っても変わらないもの、変わりにくいものについて
個人の性格、特長などは指摘を受けても変わらなかったり、変わりにくかったりします。そういった点を指摘することは、人格否定にも繋がりかねません。本人の努力で直しにくかったり、変えづらいことを指摘された本人が自分自身を否定されたと感じて不用意に傷つく可能性もあります。本人の個性に関すること、性格などへの指摘は控えるようにしましょう。
人事面談を成功させる4つのポイント
人事面談をスムーズに行うには以下の4つのポイントを意識すると良いでしょう。順番にご紹介します。
1. 話しやすい雰囲気を作る
まずは話しやすい雰囲気を作ることが大切です。というのも、人事面談を効果的に行うには、部下の率直な意見、考えを聞くことがとても重要だからです。
緊張した雰囲気の中で質問しても、相手は委縮してしまい、正直な反応が返ってくる可能性は低いでしょう。人事面談の進め方でもご紹介した通り、最初にアイスブレイクや雑談を挟むことで話しやすい雰囲気を作ることで、相手から率直な意見をもらえるようになります。
2. 必ず聞く質問を用意する
必ず聞く質問を用意しておくことも重要です。面談を行うにあたって、絶対に聞いておきたいこと、確認したいことがあるはずです。それらは必ず質問として用意して、面談に臨むようにしましょう。
面談中、何を聞くべきか迷って無言の時間が続くのは、時間が無駄になるだけではなく、部下からの信用も失せてしまいます。また反対に、別の質問の回答で話が盛り上がって脱線してしまい、本来聞きたかったはずのことが聞けなくなってしまうことも考えられます。
あらかじめ必ず聞く質問を用意することで、より効果的な面談になることでしょう。
3. スムーズに答えやすい質問にする
質問は、スムーズに答えやすいものにしましょう。抽象的な質問を減らし、具体的な質問や短い回答で応えられるものを増やしましょう。そうすることで、上司としては聞きたいことをピンポイントに聞くことができるため得たい答えを得やすく、部下としても質問に答えやすくなります。
スムーズに答えやすい質問の作り方の例としては、
- 「今日の○○の業務」「昨日の会議」「〇月〇日の商談」など、具体的な日にちや業務を指定する
- 「特に~なところはあるか」「最も~と思う部分はどこか」など、聞きたいポイントを強調する
- 「○○において問題になっていることはありますか?サポートは必要ですか?」のように、回答が長くなりそうな質問には追加で短く答えられる質問を合わせる
が挙げられます。
聞きたいことをピンポイントで答えてもらえるように、質問の仕方は工夫しましょう。
4. わずかな表情の変化やサインを見逃さない
かなり高度なポイントになってしまいますが、面談中、相手のわずかな表情やサインを見逃さないようにしましょう。
たとえば、この話題の時には話しにくそうにしている、この話題の時は表情が明るい、など文面には表れにくいサインに気づくことで、部下の状況を把握しやすくなります。かなり難しくはなりますが、部下のサインに合わせて質問内容を変えたり言葉を選んだりすることで信頼関係を構築しやすくなり、マネジメントの改善にも繋がります。
質問・回答を効率的な記録にはAI議事録ソフトの活用を
フィードバックや部下の反応を記録することで、部下は業務を見直し、上司はマネジメントを改善できます。ただし、メモに集中しすぎると面談に支障が出ることでしょう。
そこで、面談のメモには、発言を自動で記録できるAI議事録ツールの活用がおすすめです。
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また会議中の音声の聞き直しができるように、録音中に取ったメモと音声が自動で紐付く機能もあるため、人事面談の振り返りがしやすいのも特徴の一つです。
Web会議・対面会議に対応できるのはもちろんのこと、Webと対面のハイブリッド型会議にも対応できるため、人事面談を含むほとんどの会議シーンでツールを利用することができます。
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参考記事:【2024】AI議事録ツールおすすめ13選をタイプ別で紹介!導入メリット選び方も紹介
まとめ|効果を出すには事前の準備が成功のカギ
人事面談は4種類あり、目的や効果はそれぞれ異なるものの、主にモチベーションの向上、社員の成長・人材育成、勤務態度や業績の把握、マネジメントの改善のために行なわれます。
事前に環境を整えて質問を用意し、面談本番は相手の反応を確認しつつ聞きたいことを確実に聞くとより効果的に面談を行なうことができるでしょう。面談後はAI議事録ソフト等を使って振り返りをすることも重要です。
また、質問を用意する段階で詰まっている場合は、この記事でご紹介した質問例をぜひ参考にしてみてください。
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