【画像付き】Wordで文字起こしする3つの方法!ディクテーション・トランスクリプト機能と便利なソフトを紹介
会議録音やインタビュー音源を、手元にあるWord(ワード)だけで文字起こしできないか試したい方は多いはずです。追加コストをかけずに、まずは自分の環境で回せるかを確かめたい場面です。
ただ、いざ操作を始めると、以下のような疑問にぶつかる方も多いのではないでしょうか。
- 手順が画面のどこにあるか分からず、途中で止まってしまう
- 無料でどこまでできて、どこからMicrosoft 365が必要なのかが判断できない
- 業務で回すには、月何分まで使えるか・精度が耐えるかが読めない
そのためこの記事では、Wordで文字起こしする2つの標準機能(ディクテーション・トランスクリプト)と、外部の文字起こしソフトを使う方法を画像付きの手順で解説します。あわせて、対応環境の比較表、うまくいかないときの対処法、精度を上げるコツ、業務で回す場合の判断軸まで、一気に押さえられる形にまとめました。
Microsoft 365をすでに契約している場合、Wordの文字起こし機能を追加料金なしで試せますが、音声アップロードは月300分の上限があり、専門用語や固有名詞の変換ミスも起こりやすいという壁があります。会議のたびに変換の修正に時間を取られている方、月300分では足りない方は、会議業務そのものを自動化するAIエージェントを一度試してみると、比較の答えが早く出ます。
Otolioがわかる人気3点セット資料(サービス概要・導入事例・機能詳細)をみる
Wordの文字起こし機能とは
Wordの標準機能で文字起こしをする方法は2つあります。マイクに向かって話した声をその場で文字にする「ディクテーション」と、Wordで直接録音した音声や録音済みの音声ファイルを文字にする「トランスクリプト」です。
どちらも執筆時点(2026年9月時点)ではMicrosoft 365のサブスクリプションが前提です。トランスクリプトにアップロードできるのは .wav・.mp4・.m4a・.mp3 の4形式です。アップロードした音声の上限は、Microsoft 365のサブスクリプションで月最大300分、Microsoft Copilotのライセンスがあれば月最大30,000分です。
WordはMicrosoftが提供する文書作成ソフトです。文書の作成・編集を中心に、書式設定や画像・表の挿入まで幅広く備えています。キーボード入力のほかに、音声から文章を作る仕組みも用意されています。
ただ、「Wordなら無料で文字起こしができる」わけではありません。Microsoft公式サポートは、2つの機能をどちらもMicrosoft 365の加入者向けとして案内しています。この一点を先に押さえておくと、途中で止まらずに済みます。
ディクテーションとトランスクリプトは何が違う?
違いは、文字にするタイミングと結果の出し方です。ディクテーションはマイクの音声をリアルタイムでWord本文に入力します。トランスクリプトは、Wordで直接録音した音声またはアップロードした音声ファイルを処理し、話者やタイムスタンプ付きの結果を表示します。
| ディクテーション | トランスクリプト | |
|---|---|---|
| 文字にする方法 | マイクの音声をリアルタイムで本文に入力 | Wordで直接録音した音声、またはアップロードした音声ファイルを処理後に表示 |
| 話者を分けられるか | 分けられない | 自動で分かれ、発言した時間も付く |
| 必要な契約 | Microsoft 365のサブスクリプション | Microsoft 365のサブスクリプション |
| 使える量 | 上限の記載なし | アップロード音声は月300分。Copilotのライセンスがあれば月30,000分 |
選ぶときは、リアルタイムでWord本文に入力したいか、録音した音声を話者・タイムスタンプ付きであとから確認したいかで切り分けます。
その場かあとからか、という違いは、使ったときの手触りにも出ます。ディクテーションは話しながら結果が画面に出るため、変換ミスにその場で気づいて直せます。
一方、トランスクリプトは録音や音声ファイルを処理したあとに結果を確認する仕組みです。トランスクリプトもインターネット接続が必要で、変換時間は通信速度の影響を受けるため、処理が終わるまで待つ必要があります。
ウェブ版とデスクトップ版・買い切り版の違い
Wordの使い方には3つの形があります。ブラウザで開くウェブ版、パソコンにインストールするデスクトップ版、そして一度購入すればずっと使える買い切り版です。デスクトップ版はさらに、Microsoft 365のサブスクリプション版と買い切り版(Word 2016からWord 2024)に分かれます。
文字起こし機能が動くかどうかは、この区分と契約の組み合わせで決まります。同じ「Wordの文字起こし」という言葉でも、ウェブ版とアプリ版、WindowsとMacで使える機能がそろっていません。手順に入る前に、自分がどこに当てはまるかを確かめておきましょう。
Wordで文字起こしする3つの選択肢
Wordを使った文字起こしは、大きく次の3つに整理できます。
- 直接Wordに音声入力する方法(ディクテーション機能)
- Wordで直接録音する、または音声ファイルをアップロードする方法(トランスクリプト機能)
- 外部の文字起こしソフトを併用する方法
前の2つはWordの標準機能で、3つ目はWordの外に出る選択肢です。まずは前の2つが自分の環境で動くかどうかから確かめます。
自分の環境で使えるかを確かめる
使えるかどうかは、OS(WindowsかMacか)、利用形態(ウェブ版かアプリ版か買い切り版か)、そして契約の3点で決まります。執筆時点(2026年9月時点)のMicrosoft公式サポートの記載を、そのまま表にしました。
| 使っているWord | ディクテーション | トランスクリプト |
|---|---|---|
| ウェブ版(Windows) | Microsoft 365でサインインしていれば使える | 使える(ブラウザは新しいMicrosoft EdgeかChrome) |
| ウェブ版(Mac) | Microsoft 365でサインインしていれば使える | 使える(ブラウザは新しいMicrosoft EdgeかChrome) |
| アプリ版(Windows・Microsoft 365) | 使える | 公式は「商用テナントのWindows上のWord for Microsoft 365でのみ使用できる」と記載 |
| アプリ版(Mac・Microsoft 365) | 使える(⌥+F1のショートカットでも起動できる) | 公式に記載なし |
| 買い切り版(Word 2016からWord 2024) | Microsoft 365のサブスクリプションがなければ利用できない | 対象外 |
表の読み方は単純です。最初に見るのは契約で、Microsoft 365のサブスクリプションがなければ、どちらの機能も動きません。次に見るのが利用形態です。Macをお使いで録音ファイルを文字にしたい方は、ウェブ版から入るのが確実です。公式はMac版アプリのトランスクリプトについて何も書いておらず、使えると断定できないためです。
月にどれだけ使えるか
アップロードできる量には上限があります。Microsoft 365のサブスクリプションなら、アップロードした音声は1か月あたり最大300分までです。Microsoft Copilotのライセンスを持っている場合は、1か月あたり最大30,000分まで広がります。
300分という数字は、会議の本数に置き換えると見当がつきます。週1回・60分の会議なら、月におよそ5本です。60分の会議が週2回あると、月の後半で足りなくなる計算です。日次の定例や1日がかりの研修まで文字にするつもりなら、初月で使い切る前提で考えておいたほうが安全でしょう。
先に上限を知っておけば、「気づいたら月のアップロード上限に達して使えなくなった」という止まり方を避けられます。
参照:レコーディングの文字起こし | Microsoft Support
1. 直接Wordに音声入力して文字起こしする方法(ディクテーション)
以降の画面例はすべてWordのウェブ版で操作したものです。
ディクテーション機能で文字起こしする手順
操作はホームタブから始まります。
- Wordを開く
- 上部の「ホーム」を選択
- 右側にある「ディクテーション」ボタンをクリック(または▼ボタンから「ディクテーション」を選択)

マイクボタンが有効になり、話した内容が画面に表示されれば、音声入力が始まっています。あとはマイクに向かって話しかけるだけです。停止するときは、同じマイクボタンをもう一度クリックします。

Macをお使いの場合は、⌥(Option)+F1のキーボードショートカットでも起動できます。これで、ディクテーションによる文字起こしは完了です。
詳細設定パネルで言語や句読点を整える
ディクテーションを起動したら、歯車のアイコンから設定パネルを開けます。切り替えられるのは4つです。
- 音声言語:認識させる言語をドロップダウンから確認・変更する
- マイク:使用するマイクを確認・変更する
- 自動句読点:句読点の自動挿入をオンとオフで切り替える
- 機密性の高いフレーズをフィルター処理する:機密性の高い言葉を「***」でマスクする
日本語は正式に対応している15の言語に含まれています。既定ではMicrosoft 365の文書言語がディクテーションの言語に設定されるため、文書言語が日本語になっていれば、そのまま使えます。このほかにプレビュー段階の言語も用意されていますが、精度が低かったり句読点のサポートが制限されていたりします。
句読点を自分で入れたい方は、自動句読点をオフにしておくと後の整形が楽になります。話し終えたら、マイクボタンをもう一度クリックして止めましょう。
参照:Word で文書を音声入力する | Microsoft Support
2. 音声ファイルをアップロードして文字起こしする方法(トランスクリプト)
録音済みのデータを文字にできるのは、トランスクリプト機能だけです。始める前に、自分の環境が対象かどうかを対応表で確かめておきましょう。以降の画面例は、Wordのウェブ版(Microsoft 365)で操作したものです。
トランスクリプト機能で文字起こしする手順
入口はディクテーションと同じホームタブです。
- Wordを開く
- 上部の「ホーム」を選択
- 「ディクテーション」ボタンの▼から「トランスクリプト」を選択

トランスクリプトのウィンドウが開いたら、「オーディオのアップロード」をクリックし、文字にしたい音声ファイルを選びます。

アップロードが終わると変換が始まります。インターネットの速度によっては、音声ファイルの長さと同じくらいの時間がかかります。変換のあいだはトランスクリプトのウィンドウを開いたままにしておきましょう。ほかの作業に移ったり、ブラウザーのタブを切り替えたりしてから戻っても構いません。
変換が終わると、話者ごとに分けられた結果が表示されます。ディクテーションにはない、次の2つが自動で付きます。
- 自動で識別された話者(「Speaker 1」「Speaker 2」のようなラベル)
- 発言した時間(タイムスタンプ)

話者のラベルは後から編集できます。同じ話者が出てくる箇所は、まとめて実名に置き換えられます。文字起こし結果は、全文をWord文書に追加することも、一部分だけを選んで追加することもできます。画面に表示される追加ボタンから、必要な範囲を文書に反映しましょう。
なお、アップロードのほかに「録音の開始」という入口もあります。Wordで直接録音し、そのまま文字起こしに回す方法です。会議の場でパソコンを開いているなら、別の録音機器を用意しなくてもここから始められます。
アップロードする前に確かめること
ここでつまずく方が多いので、3つだけ先に確かめておきましょう。
- 対応する音声ファイルの形式:.wav・.mp4・.m4a・.mp3 の4つ
- 使えるブラウザ:新しいMicrosoft EdgeかChrome。ほかのブラウザでは動かない
- 音声の保存先:Microsoftのクラウドで処理され、OneDriveの「トランスクリプトされたファイル」フォルダーに保存される
つまずきやすいのはブラウザです。Microsoft公式サポートでは、トランスクリプトは新しいMicrosoft EdgeとChromeでのみ機能すると案内されています。普段お使いのブラウザがEdgeでもChromeでもないなら、まずそこを切り替えてください。
社外秘の会議音声を扱う場合は、保存先も先に確認しておくと安心です。音声はOneDriveに残るため、不要になった時点で削除できます。
参照:レコーディングの文字起こし | Microsoft Support
【補足】トランスクリプト機能には文字起こし以外の機能も
トランスクリプト機能には、録音を扱ううえで役立つ機能もあります。
- 録音した音声の保存(OneDriveの「トランスクリプトされたファイル」フォルダー)
- タイムスタンプ(該当時間をクリックすると、その部分から音声を聞き直せる)
- 再生速度の変更(2倍速まで)
聞き直しながら手直しをする場面では、この3つが効いてきます。ただし、気をつけたい点が1つあります。1つの文書につきトランスクリプトは1つしか保存できず、同じ文書で新しいトランスクリプトを作ると前のものは消えてしまいます。
すでに文書に追加したテキストは残りますが、ウィンドウからは消えます。複数の会議を扱うなら、会議ごとに文書を分けておきましょう。
Wordで文字起こしができないときは?3つの原因と対処法
Wordの標準機能で音声をうまく文字にできないときは、契約と利用環境、録音の状態、通信・ブラウザ設定の3点を順に確認します。
1. 使用しているバージョンが文字起こし機能に対応していない
ボタンがそもそも画面に出ないときは、契約か環境の条件を満たしていない可能性があります。公式サポートが挙げている確認項目は次の3つです。
- アクティブなMicrosoft 365のサブスクリプションでサインインしているか
- ウェブ版で使うなら、ブラウザは新しいMicrosoft EdgeかChromeか
- トランスクリプトを使うなら、Word for Microsoft 365が対象になっているか
Microsoft 365の契約がない状態では、買い切り版のWordでディクテーションは利用できません。Windowsで利用する場合はWindows 10以降であることも条件です。ボタンは見えているのに灰色で押せない場合は、文書が読み取り専用になっていないかを確かめてください。
2. 録音環境が整っていない
パソコンのマイクで音声を十分に拾えないと、Wordが音声を認識できず文字起こしが安定しません。特に会議室のような広い空間では、発言者にマイクを近づけてもらう、パソコン付近で話してもらう、集音マイクを追加するといった調整が必要になります。
録音環境の整え方や精度を上げる具体策は、マイク距離・向き・環境音・話し方を解説した記事でも詳しく紹介しています。
3. 通信・ブラウザ設定に問題がある
トランスクリプトにはインターネット接続が必要です。Web版で処理が進まない場合は、新しいMicrosoft EdgeまたはChromeを使っているか、通信が安定しているかを確認してください。録音を開始できない場合は、ブラウザのマイク権限も確認します。
参照:レコーディングの文字起こし | Microsoft Support
Wordで文字起こしするときに気をつけたい2つのポイント
Wordの文字起こしを業務で使う前に、押さえておきたい制約が2つあります。
1. 専門用語や固有名詞が正しく変換されないことがある
社内でしか使わない言葉や、業界の専門用語は、正確に文字にならないことがあります。Otolioの商談でも、製造業の担当者から「型番は本当に出ない」という声が挙がりました。
文字起こしソフトの中には、単語登録・辞書登録に対応している製品があります。事前に専門用語や固有名詞を登録することで、誤変換を減らしやすくなります。
Wordのディクテーションやトランスクリプトでは、音声認識用の用語登録機能はMicrosoft公式サポートで案内されていません。会議のたびに固有名詞の修正に時間を取られているなら、専用ツールとの使い分けを検討するとよいでしょう。
2. 継続利用では音声データのアップロード上限に注意する
音声ファイルのアップロードには月間上限があるため、週次・日次で使う場合は月の合計時間を事前に見積もっておきましょう。具体的な上限は前述の「月にどれだけ使えるか」で確認できます。
高い精度でWordで文字起こしするための4つのコツ
Wordの文字起こし精度は、録音環境をどう整えるかで大きく変わります。
1. マイクと話者の距離を近づける
話者とマイクの距離が近いほど、文字起こしの精度は上がりやすくなります。口元とマイクの距離をできるだけ近くする意識を持ちましょう。
対面の会議では特に注意が必要です。Web会議でイヤホンマイクを使う場合は自然と距離が近くなりますが、対面会議では会議室のテーブル配置によって声が届きません。人数が多い場面では集音マイクを複数用意し、どの席からも声が拾える配置にしておきます。
2. パソコン内蔵マイクでは話者の向きにも注意する
距離を近づけても精度が上がらないときは、話者がマイクの正面から外れていないかを確認しましょう。
パソコン内蔵マイクは正面の音を拾いやすい設計のため、会議中にモニターやホワイトボードを見ながら話すと、声を拾いにくくなることがあります。必要に応じてパソコンの向きやマイクの配置を調整しましょう。
3. 静かな環境で録音する
窓際やエアコンの近くでの録音は避けましょう。カフェのように周囲で会話が発生する場所も、精度が下がりやすい環境です。できるだけ静かな場所を選ぶと、後で直す量が減ります。
4. 発言が重ならないようにする
複数人の発言が重なると、音声を聞き分けにくくなり、誤変換や文字の抜けが起こりやすくなります。挙手をしてから発言する、司会が発言者を指名するなど、発言が重ならない進行を意識するだけでも精度は上がりやすくなります。
ここまでの4つは、いずれも音声そのものの質を上げる方法です。文字起こしの精度は、音声データの質とAI側の性能の両方に左右されます。音声が不明瞭な場合は、AIの性能だけでは補いきれないことがあります。まず録音条件を整えることで、同じツールでも認識結果を改善できる可能性があります。
そのため、何も準備せずに一度試しただけで見切ってしまうのは、もったいない判断になります。静かな場所でマイクを近づけて、もう1本だけ録り直してみてください。それでも専門用語の修正が大量に残る場合は、録音条件だけでなく、利用するツールの認識性能や専門用語への対応も比較してみましょう。
3. 文字起こしソフトでさらに効率よく文字起こしする方法
WordはMicrosoftの文書作成ソフトです。文字起こしは、そのなかの補助機能のひとつです。Wordに限らず、AIで文字起こしをする2つの方法を先に見比べておきたい方は、そちらから入ると全体像がつかめます。
- 文字起こし結果を要約したり、要点を抽出したりしてほしい
- 専門用語や固有名詞もできるだけ正確に文字にしてほしい
- 月300分より多い音声を継続的に文字にしたい
- Word以外のツールで音声を文字起こししたい
これらに当てはまるなら、文字起こしに特化したソフトを検討する段階です。
高性能・高機能なら文字起こしソフトがおすすめ
文字起こしの精度は録音環境だけでなく、ソフト側の機能によっても変わります。特に以下の3つは、業務利用で効いてくる機能です。
- AIによる高精度な自動文字起こし:話者分離やノイズ除去などをまとめて自動処理する
- 要約・要点抽出機能:文字起こしした内容を短時間で整理する
- 決定事項・ToDoの自動抽出:会議のあとに必要な次の一手をすぐ形にする
3つを組み合わせると、文字起こしで終わらせず「整理・共有」まで含めた作業時間を短縮できます。主要ツールの違いを比較したい方は、対応する会議・精度・セキュリティの観点から文字起こしソフトを選ぶ方法も確認してみてください。
Wordの文字起こしと専用ツールの違い|どこまでWordで足りるか
Microsoft 365をすでに契約している場合、Wordの文字起こしは追加費用なしで試せます。ただし、業務で継続的に使うと、音声ファイルのアップロード上限や専門用語の誤変換が負担になることがあります。Wordと専用ツールの違いを、比較表で整理します。
Wordと専用ツールの違いを比較表で整理する
| 比較軸 | Wordの文字起こし | 会議業務の専用ツール |
|---|---|---|
| 費用 | 追加費用なし(Microsoft 365の範囲内) | 月額課金が中心 |
| 使える分量 | アップロードは月300分まで。Copilotのライセンスがあれば月30,000分 | 上限の設計はツールごとに異なる |
| 対応環境 | 契約と利用形態によって使えない機能がある | 製品によってWindows・Mac・Web会議などに対応 |
| 専門用語・固有名詞の精度 | 業界用語や社名で誤変換が起きやすい | 辞書登録や用語設定に対応している製品がある |
| 話者の区別 | トランスクリプトで話者を分けて表示できる | 人数が多い会議での識別性能に差が出る |
| 文字起こしの後工程 | テキストが出るところまで | 要点・ToDoの自動整理まで進むものがある |
| 会議への参加 | 自分で録音・アップロードが必要 | Web会議に自動参加して録音まで任せられるものがある |
| セキュリティ | 音声はMicrosoftのクラウドで処理され、OneDriveに保存される | 保存先・学習利用の有無を確認して選ぶ |
比較表を眺めるだけでは判断しづらいので、Wordで足りる場面と、専用ツールを検討したほうが早い場面を短くまとめておきます。
Wordで足りる場面と、専用ツールを検討したい場面
Wordで足りるのは、以下のようなケースです。
- 短い音声を単発で文字にしたい
- Microsoft 365を契約済みで、追加費用なしで試したい
- 出力後のテキスト整形は自分で行う前提がある
一方、専用ツールを検討したいのは以下のような場面です。
- 音声ファイルのアップロード時間が月300分を超える
- 専門用語や固有名詞が多く、誤変換の修正に時間がかかる
- 文字起こしの後の要点整理・共有まで含めて短縮したい
Otolioが実施した250件以上の導入企業アンケートでは、会議1本の議事録に2〜3時間かかっているという声が繰り返し挙がっています。録音の聞き直しから文字起こし、まとめ直しまでを含めた時間です。Wordが引き受けるのは、このうち「文字になるところまで」です。残りの時間をどうするかで、選ぶ道具が変わります。
会議業務を丸ごと自動化するAIエージェント「Otolio」のように、Web会議への自動参加から要約・決定事項の整理までを一貫して行うサービスもあります。Otolioの利用実績は累計8,000社以上、累計ユーザー数59,000人以上です。Wordの月300分というアップロード枠では運用しづらく、文字起こし後の手作業も減らしたい場合は、こうしたサービスが選択肢になります。
まとめ|Wordの文字起こし方法には「ディクテーション」「トランスクリプト」「文字起こしソフト」の3つがある
Wordで文字起こしをする選択肢は3つあります。
- ディクテーション機能を使う方法:マイクの声をリアルタイムでWord本文に入力する
- トランスクリプト機能を使う方法:Wordで直接録音するか、音声ファイルをアップロードして文字起こしする。アップロード音声は執筆時点で月最大300分
- 外部の文字起こしソフトを使う方法:Wordの範囲を超える精度や後工程の自動化が必要な場合の選択肢
どれを選ぶにしても、まずは利用条件を確認することが大切です。手順を試す前に、自分の契約と利用形態が対象かを対応表で確認しましょう。そのうえで、音声ファイルを月に何分アップロードするかを見積もり、300分の上限に収まるかを確かめます。この2つを先に済ませておけば、途中で止まりにくくなります。
注意したい点も3つあります。
- 使えるのはMicrosoft 365のサブスクリプションが前提(公式は無料で使えるとは案内していない)
- ウェブ版でトランスクリプトを使うなら、ブラウザは新しいMicrosoft EdgeかChrome
- アップロードの上限は月300分。Copilotのライセンスがあれば月30,000分
まずは短い音声を1本、静かな場所で録って試してみてください。認識精度と修正にかかった時間が分かれば、Wordで足りるかどうかは自分で判断できます。
試した結果、テキストは出ても作業が終わらないと感じる場合は、文字起こし後の工程に時間がかかっている可能性があります。要点を拾い、決定事項を整理し、共有できる形に整える作業にも時間が必要です。文字起こし後の手作業まで減らしたい場合は、後工程の自動化も含めて比較するとよいでしょう。
録音を文字にできても、要点を拾って決定事項を並べ、共有する作業は手元に残ります。Otolioはカレンダーの予定をもとにWeb会議へ自動で参加し、録音から要約、決定事項やToDoの整理までを続けて行います。文字起こしだけでなく、共有に向けた要点整理まで自動化できるため、会議後の手作業を減らせます。
よくある質問とその回答
Q. 無料のWordでも文字起こしはできますか?
公式サポートは、ディクテーションもトランスクリプトもMicrosoft 365のサブスクリプション加入者向けの機能として案内しています(2026年9月時点)。無料のMicrosoftアカウントだけでは、どちらも使えません。
ホームタブにディクテーションのボタンやマイクのアイコンが見当たらないときは、次の3点を順に確かめてください。
- アクティブなMicrosoft 365のサブスクリプションでサインインしているか
- Wordのバージョンが対象か
- ウェブ版なら、新しいMicrosoft EdgeかChromeを使っているか
古いバージョンのWordでは、そもそもボタンが表示されないことがあります。
Microsoft 365を契約していない場合は、Windowsの音声入力機能(Windowsキー+H)を使うと、Word上でも音声入力ができます。
Q. Wordで画像から文字起こしすることはできますか?
Windowsのデスクトップ版Wordでは、画像をPDF化して開くことでテキストを取り込める場合があります。まず、画像をPDF形式で用意してください。JPGやPNGなどの画像ファイルの場合は、PDF変換ツールを使うか、白紙のWordファイルに画像を貼り付けてPDF形式で保存します。
次にWordを開き、そのPDFを開きます。「PDFから編集可能なWord文書に変換します」といったメッセージが表示されるので、OKを選択すると、WordがPDF内のテキストの取り込みを試みます。画像品質やレイアウトによっては、正しく認識されないことがあります。
Q. Wordのトランスクリプト機能で、音声ファイルは月何分までアップロードできますか?
執筆時点(2026年9月時点)で、Microsoft 365のサブスクリプションでは、アップロードした音声を1か月あたり最大300分まで文字起こしできます。Microsoft Copilotのライセンスがある場合は、1か月あたり最大30,000分です。週次・日次で音声ファイルをアップロードする場合は、月の合計時間が上限内に収まるか確認しましょう。仕様は変更される可能性があるため、運用前に公式サポートで最新情報を確認してください。
Q. Wordで文字起こしした結果は、業務でそのまま使える精度ですか?
文字起こしの精度は、録音環境や話し方によって変わります。一般的な発話でも誤変換は起こり得るため、業務でそのまま使えるかは実際の音声で確認する必要があります。特に社内用語や業界の専門用語、人名・製品名などの固有名詞は誤変換が起きやすいため、修正量が多い場合は、単語登録・辞書登録に対応した専用ツールも比較するとよいでしょう。
Q. Wordの文字起こしはセキュリティ上、安全ですか?
ディクテーションでは音声データや文字起こしされたテキストは保存されません。一方、トランスクリプトでは、Wordで直接録音した音声もアップロードした音声もMicrosoftのクラウドで処理され、OneDriveの「トランスクリプトされたファイル」フォルダーに保存されます。不要になった時点で削除できます。
社外秘の会議音声を扱う際は、社内の情報取り扱いルールや契約プランのデータ取り扱い条件と照らし合わせて判断する必要があります。無料のオンラインツールに音声をアップロードする前に確認したい保存先・学習利用・社内ルールのポイントは、別記事で詳しく解説しています。