議事録の目的とは?4つの役割と、目的別に変わる書き方・残す範囲を解説
会議が終わると、議事録の担当が回ってきます。録音を聞き直して発言を整え、体裁を揃える作業に、会議そのものより長い時間をかけている方も少なくないでしょう。
ただ、書き始めると毎回同じところで手が止まります。
- 目的に沿った議事録にするには、何を書けばいいのか
- 発言はどこまで残し、どこから省いてよいのか
- 中身より体裁を整えることに時間が取られていないか
そのためこの記事では、議事録を作る目的を4つに整理します。その目的から書く項目と残す範囲をどう決めるかまで解説していますので、「毎回どこまで書けばいいのかを決めたい」とお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。
定例会議、経営会議、社外との商談。会議によって残したい範囲は違っても、録音を聞き直して要点にまとめる作業は毎回同じです。Otolioは会議業務を丸ごと自動化するAIエージェントです。カレンダーに予定を入れておけばWeb会議には自動で参加し、会議が終わるころには要点と次の行動がまとまっています。累計8,000社以上のご利用実績があります。
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議事録は何のために作るのか
議事録を作る目的は4つあります。会議の内容を後から振り返ること、決定事項を関係者に共有すること、次の行動と担当・期限を明確にすること、「言った言わない」を防ぐことです。このうちどれを主目的にするかを会議ごとに整理すると、書く項目や、発言レベルまで残すか決定事項中心にするかといった記録の粒度を決めやすくなります。
議事録は、会議で話し合われた内容や決定事項を、関係者が後から確認・共有できる形で残す記録です。個人用のメモと異なり、作成者以外が読み返すことも前提にまとめます。4つの目的を順に見ていきます。
1. 会議の内容を後から振り返る
人の記憶は、思っているより早く薄れます。会議の直後は覚えていた話も、数日経てば「何を検討したのか」「なぜその結論になったのか」が曖昧になります。
後から振り返るときに役立つのは、決まったことだけではありません。決まらなかったことや、選ばなかった案も重要です。あるプロジェクトで方針を決めた数週間後に「なぜこの案を選んだのか」と問われる場面を思い浮かべてください。
検討した別の案と、それを選ばなかった理由が残っていれば、当時の判断根拠をそのまま示せます。記録が無ければ、記憶を頼りに同じ議論をやり直すことになります。
2. 決定事項を関係者に共有する
会議で決まったことを、出席していない人にも正確に届けるための記録です。実際に手を動かすのは会議に出ていない現場のメンバー、という場面は珍しくありません。
ここで大事なのは、誰が読んでも同じ意味に取れる書き方をすることです。「なるべく早めに対応する」と書けば、受け取る人によって「今週中」にも「今月中」にもなります。共有したつもりが、かえって認識のずれを作ります。
3. 次の行動と担当・期限を明確にする
会議で決まったことは、実行に移されてはじめて成果につながります。そこで「誰が」「いつまでに」「何をするのか」を議事録に明記します。「次回までに見積もりを取る」ではなく、「営業担当が今週金曜までにA社の見積もりを取る」と具体化しておけば、担当者が次に取る行動や、次回の進捗確認も明確になります。
4. 「言った言わない」を防ぐ
同じ会話を聞いていても、受け取り方は人によって変わります。社外との商談や、責任の所在が問われる場面ほど、記録の有無が後の関係を左右します。
共通の記録があれば、解釈が食い違ったときに、記録された合意内容や当時のやり取りを確認できます。合意した条件、その場で出た数字、保留にした論点を残しておくことは、認識のずれやトラブルを防ぐうえでも役立ちます。
「言った言わない」問題がなぜ起きるのかを先に知っておくと、どの発言を残すべきかの判断も速くなります。
「作ること」が目的になっていないか
Otolioが実施した250件以上の導入企業アンケートで最も多く挙がるのは、議事録の作成に時間を取られて本来の業務が後回しになる、という声です。ここで問題なのは、時間がかかること自体ではありません。かけた時間が何のためだったのかを、書いた本人も説明できなくなることです。
目的が言えないと、体裁だけが残る
目的が決まっていない議事録は、何を残して何を省くかの基準を持ちにくくなります。その結果、必要以上に情報を盛り込み、読み返しにくい議事録になりがちです。作成した記録が十分に活用されていない場合は、まず残す目的と範囲を見直す必要があります。
この状態では、必要な情報を整理することより、見出しの階層や表の罫線、語尾といった体裁の調整に時間を使いすぎることがあります。体裁も読みやすさには必要ですが、まずは議事録の目的に必要な情報が残っているかを優先します。
書く人が議論に入れなくなる
同社のアンケートには、会議中はメモに集中するため議論に十分参加できない、会議後に内容をほぼすべて聞き直している、という声が繰り返し現れます。
全発言を追いかけるのではなく、残す範囲を先に決めておけば、記録に割く注意を減らし、議論にも参加しやすくなります。
目的が1行で言えるか会議ごとに試す
やり方は簡単です。会議が始まる前に「この会議の議事録は、何のために残すのか」を、口に出して1行で言ってみてください。「来週の担当と期限を明確に残すため」「先方と合意した条件を残すため」。すぐ出てくるなら、書く範囲も決めやすくなります。
1行で言えない会議もあります。その場合は、議事録の書き方だけでなく、会議そのものの目的が曖昧になっていないかも確認してみましょう。目的が定まらない会議が続くようなら、書き方を工夫する前に議事録が読まれないまま終わる原因を切り分けるのも一つの方法です。
付け加えると、議事録は作成者がまとめた二次情報です。何を重要と見たかで残る中身は変わるので、目的を先に1行で決めておくほど、判断のぶれは小さくなります。
目的に合わせて、書く範囲を決める
「この発言、残したほうがいいのかな」と迷うときは、何を残すかの基準が曖昧になっていることがあります。その基準の一つになるのが、議事録を残す目的です。目的を明確にしておくと、書く項目や記録の粒度を決めやすくなります。
目的別に「残す範囲」を決める早見表
4つの目的ごとに、優先して残したい項目と記録の粒度を整理しました。会議名・日時・参加者・議題など、自社で定めた基本項目は別に残したうえで、主目的に応じて下表の項目を厚くします。
| 主目的 | 優先して残す項目 | 残す範囲 |
|---|---|---|
| 後から振り返る | 議題ごとの論点、検討した案、選ばなかった理由、結論 | 結論に至るまでの筋道。発言そのものは要点に絞ってよい |
| 決定事項を共有する | 決まったこと、適用される範囲、いつから適用するか | 決定事項のみ。議論の経過は省いてよい |
| 次の行動を明確にする | やること、担当者、期限 | 行動の一覧。背景は各1行まで |
| 「言った言わない」を防ぐ | 誰がいつ何に合意したか、条件と数字、保留にした点 | 発言に近い形。合意の場面は言い回しまで残す |
この表では、会議ごとに主目的を1つ置き、その行を優先して確認します。ただし、複数の目的がある会議では、必要に応じてほかの行の項目も加えてください。4行をすべて同じ粒度で満たすのではなく、何を重点的に残すかを決めるための表だと考えると使いやすくなります。
例外として、法令や社内規程などで議事録の作成方法や記載事項が定められている場合があります。
たとえば株主総会や取締役会の議事録は、会社法や会社法施行規則で、作成・保存や記載事項などが定められています。こうした場合は、この記事の目的別早見表だけで残す範囲を決めず、必要な記載事項を先に確認してください。
発言まで残す?決定事項だけ?
同じ会社の中でも、発言レベルまで残したい会議と、決定事項と次の行動だけで足りる会議は同時に存在します。どちらが正しいかを決める必要はありません。会議ごとに別の答えがあるだけです。そのため、1種類のフォーマットで全会議をまかなおうとすると無理が出ます。
会議別の作り分けは、議事録フォーマットの作り方と会議別テンプレートで詳しく解説しています。
発言まで残す会議では、発言の整理や校正に手間がかかることがあります。株式会社東京ドームの秘書室では、1〜2時間の経営会議の議事録に毎週約3〜6時間かかっていました。誰がどんな発言をしたのかを整理し、重複する内容を削り、主語と述語を直す校正が必要だったためです。同社はその作成時間を50%削減しています。
参考記事:最大6時間かかっていた経営会議の議事録作成時間を50%削減!他部署にもOtolioを推進した理由とは
発言まで残すと決めるなら、その分の時間をどこから出すのかもセットで決めておく必要があります。
目的を変えたら議事録の形が変わった
目的が変わると、議事録は形そのものが変わります。学校法人共済学院 日本保健医療大学の事例を見ると、その変化がよく分かります。
同大学では、新理事長・新学長の就任を機に大学運営の改革が始まり、学内・学外への情報のオープン化を進めることになりました。
大学には、認証評価機関による定期的な第三者評価を受ける制度があります。同大学では、認証評価などで外部から決定事項の背景を求められたときに対応できるよう、意思決定の過程をより詳しく残す必要がありました。ところが当時の議事録は決定事項が中心で、何がどう議論されて結論に至ったのかが十分に残っていませんでした。
そこで学長室は、運営会議や教授会の議事録を、決定事項メインから発言録型へ大きく方向転換します。目的が「決まったことを共有する」から「意思決定の過程を外にも示す」へ動いたので、残す範囲を変えたわけです。
結果として、求められたときにすぐ詳細な記録を提示できるようになり、学内の情報共有も進みました。一方で負担は増えます。1時間の会議の議事録がA4用紙15枚に上ることもありました。
録音を聞きながら手作業で文字起こしをしていた当時は、専門用語が多い回だと会議時間の7倍から10倍をかけることもありました。その工程をAIに任せたことで、1本あたりの作成時間は最大で7割ほど減っています。
参考記事:丁寧な議事録は情報の透明性を高め、さらなる信頼醸成の礎に
この事例から取り出すべきなのは「発言録型が優れている」ではありません。目的が変わったから形が変わった、という順番のほうです。形から入って発言録型にすると、必要以上に負担が増えるおそれがあります。
目的を果たしたまま手間を減らす
残す範囲を決めても、議事録を作成して共有する作業自体は残ります。聞き直しと要点整理に時間がかかるなら、その工程を自動化するのも一つの方法です。
文字起こしと要約を自動化する
録音した音声を自動で文字起こしし、要点や決定事項の整理まで支援するサービスが増えています。人は、生成された下書きの確認・修正から作業を始められます。
なかでもOtolioは、会議業務を丸ごと自動化するAIエージェントです。カレンダーに予定を入れておけばWeb会議に自動で参加して録音し、会議が終わるころには要点と次の行動がまとまっています。要点に付いた発言時刻をクリックすれば、その場面の音声をそのまま聞き直せます。0.5倍から2倍までの速度調整にも対応しているため、確認したい箇所だけを速く追えます。

書く人の作業は、ゼロから議事録を組み立てることから、できあがった下書きを確認し、「この会議の目的に照らして何を残すか」を判断することへ移ります。文字起こしや要点整理にかけていた時間を減らし、内容の確認や修正に時間を使いやすくなります。
自社に合うツールの選び方
選ぶときの基準も、議事録を作る目的に合わせて決めます。発言まで残す会議が多いなら、文字起こしの精度と、誰の発言かを見分けられるかどうかが効いてきます。決定事項と次の行動だけでよいなら、要約の形が自社の議事録に近いかを先に確認すると、候補を絞りやすくなります。
料金や機能は製品ごとに異なるため、候補を並べて確かめるのが確実です。目的別に整理したAI議事録ツールの比較では、失敗しやすいパターンから逆算した選び方をまとめています。
まとめ|議事録の目的に合わせて残す範囲を決める
議事録を作る目的は4つです。会議の内容を後から振り返ること、決定事項を関係者に共有すること、次の行動と担当・期限を明確にすること、「言った言わない」を防ぐことが挙げられます。4つのうちどれを主目的にするかを会議ごとに整理すると、書く項目と残す範囲を決めやすくなります。
4つのうち何を優先するかは、会議の目的によって変わります。次の行動を明確にすることが重要な会議もあれば、意思決定の経緯や合意内容を残すことを優先する会議もあります。書く範囲に迷ったら、その議事録を誰が何のために読み返すのかを起点に考えてください。
最初の一歩は、来週いちばん近い会議を1つ思い浮かべることです。その会議の議事録は何のために残すのかを、始まる前に1行で言ってみてください。言えたなら、その目的に必要な範囲を絞りやすくなります。次の会議から、目的を1行で整理してから書き始めてみましょう。
ここまで読んで、「目的から範囲を決めても、作成作業そのものには時間がかかる」と感じた方もいるでしょう。残す範囲を絞っても、録音の確認や文字起こしに時間がかかる場合があります。こうした作業を自動化し、人は内容の確認や残す範囲の判断に集中する方法もあります。
会議が終わった時点で、要点と次の行動の下書きができている。Otolioは録音から要点の整理までを自動で進め、気になる箇所は発言時刻から音声を聞き直せます。書く人は、下書きの内容を確認・修正し、この会議の目的に照らして何を残すかを判断できます。無料トライアルは14日間で、会議10時間相当まで利用でき、ユーザー数の制限はありません。普段いちばん重い会議を1本そのまま録って、手元に残る下書きの質を確かめてみてください。
よくある質問とその回答
Q. 議事録を作る目的を一言で言うと何ですか?
会議で話し合った内容や決定事項を、後から確認・共有できる形で残すためです。細かく分けると、後から振り返ること、決定事項を共有すること、次の行動と担当や期限を明確にすること、「言った言わない」を防ぐことの4つになります。会議ごとにどれを主目的にするか整理すると、書く項目と残す範囲を決めやすくなります。
Q. 議事録のフォーマットは1種類に統一すべきですか?
会議の種類や目的に応じて分けることをおすすめします。議論の経緯まで詳しく残す会議と、決定事項や次の行動を中心に残す日常的なミーティングでは、必要な粒度が異なるためです。1種類に統一すると、必要な情報が不足したり、逆に情報量が多すぎて読み返しにくくなったりします。用途に応じて複数のフォーマットを用意すると使い分けやすくなります。
Q. 全発言を残さないと後で困りませんか?
主目的によります。合意した条件や責任の所在が後から問われる会議なら、発言に近い形で残す価値があります。一方、次の行動を明確にすることが主目的の会議では、全発言を残す必要性が低い場合があります。重要なのは、必要になったときに探している情報へたどり着ける状態にしておくことです。必要に応じて、議事録の範囲を絞ったうえで、社内ルールや相手先との取り決めに従って録音を保管する方法もあります。
Q. 議事録を作らなくてよい会議はありますか?
必ずしも詳細な議事録が必要ではない会議はあります。たとえば、資料の共有が中心で、決定事項や後から確認すべき論点がほとんどない会議では、資料や簡単なメモだけで足りる場合があります。ただし、法令・社内規程・契約などで記録が必要な会議は別です。判断に迷ったら、「この会議の記録を後から誰が何のために使うのか」を確認し、それに合った残し方を選んでください。
