Teamsが外部のAI議事録botを検知|公式の設定2つと代わりの録音方式
会議に自動で参加して録音するタイプのツールが、部署ごとに使われるようになりました。そのbotをTeams側が検知して、ロビーで足止めする仕組みが動いています。
ただ、社内で確かめようとすると次の壁に当たります。
- Teamsが議事録のbotを弾くと聞いたが、自社で何が起きているのか分からない
- 管理画面から全面ブロックできると読んだが、その設定が見つからない
- botが会議に入れなくなったとき、記録をどう残すのかを決めていない
そのためこの記事では、検知されたbotがロビーに留め置かれる仕組みと、会議ポリシーで選べる2つの設定、そしてbotが入れないときの録音方式の選び方を公式情報で整理します。なお、ここに書いた公式情報は2026年8月4日時点のものです。判断するときは自社の管理画面と公式ドキュメントで確かめてください。
会議業務を丸ごと自動化するAIエージェント「Otolio」は、Web会議に自動で参加して録音するほかに、打ち合わせが始まってからの録音、接続したマイクからの録音も選べます。会議の性格に合わせて録り方を替えられるので、入り方がひとつ塞がれても記録の運用は続きます。14日間の無料トライアルで、自社の会議でそのまま確かめられます。
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Teamsは外部のAI議事録botを検知する
Microsoft Teamsは、組織が主催する会議に外部のbotが入ろうとしたとき、それを検知して管理する仕組みを備えています。検知されたbotは、その会議のロビー設定に関係なくロビーへ置かれます。主催者が明示的に許可しない限り、会議には入れません。
ここで言う外部のbotとは、会議に自動で参加して録音や文字起こしをするプログラムを指します。公式ドキュメントでは「外部の会議アシスタント」と書かれており、特定の製品名は挙げられていません。ロビーは、会議に入る前の待機の場所です。
検知されたbotはロビーに留まる
検知の結果はロビーの表示に反映され、そのbotは参加者として扱われる前に止まります。会議のロビー設定をどうしていても、この足止めは効きます。ロビーを通さない設定にしている会議でも、botだけは待たされるということです。
入室を許可できるのは主催者で、会議の設定によっては発表者の役割を持つ参加者も許可できます。許可の操作をするときには、botを会議に入れることのリスクについて注意が表示されます。うっかり通してしまう事故を防ぐための表示です。
公式はあわせて、ロビーからの入室許可を主催者と共同主催者だけに限定する設定を勧めています。発表者の役割を持つ参加者が、確認なしに通してしまう余地を消すためです。
何を心配して作られた仕組みか
Microsoftが挙げている懸念は3つあります。参加者が気づかないうちに録音や文字起こしがされること。会議のデータが、組織の管理の外にある第三者のシステムに保存されること。そこからコンプライアンス・プライバシー・情報漏えいのリスクが生まれること。
3つ目まで読むと、この仕組みが会議の便利さを狙ったものではないと分かります。守ろうとしているのは、会議で話された内容をどこまで社内に留めるかという境目です。部署が個別に契約したツールが、その外に出ていることに気づく入口にもなります。
会議のツールが現場から先に入ってくる状況そのものへの向き合い方は、会議・議事録のシャドーAI対策で5つのステップにまとめています。
検知漏れと誤検知は公式も認めている
検知には取りこぼしがあります。公式ドキュメントには、検知できない外部botがあると明記されています。仕組みは改善を続けているところで、見つけたらTeamsのフィードバックから報告してほしいという案内も添えられました。
逆の向きの間違いも起こります。公式は、人間の参加者をbotと誤って判定することがあると認めています。その場合はロビーから参加者を許可し、「This is not a bot」と指定すれば、その会議では通常の参加者として扱われます。寄せられた報告は、検知の調整に使われるとのことです。
つまり設定を入れただけでは、会議に入ってくるものを完全には仕分けられません。この前提は、社内に説明するときに先に伝えておいたほうが安全でしょう。「弾かれるはずのものが入っていた」「人が待たされた」という報告は、どちらも起こり得ます。
参照:Manage external bots and their access to meetings hosted in your organization – Microsoft Teams
外部botを全面ブロックできる?
外部botを会議から一律に遮断する設定は、Microsoftの公式ドキュメントには見当たりません。会議ポリシー(会議の使い方を会社としてまとめて決める設定)で選べるのは2つで、既定は「検知したら参加前に承認を必須にする」です。遮断ではなく、ロビーで人が判断する形になっています。
公式にある選択肢は2つだけ
| 管理センターの表示 | PowerShellの値 | 何が起きるか |
|---|---|---|
| Do not detect bots | AllowBots | 検知もラベル付けもしない。ほかの外部の参加者と同じ扱いになる |
| When detected, require approval before joining | RequireApprovalWhenDetected | **既定値。**検知してロビーに表示し、明示的に許可されるまでロビーに留める |
既定のほうを公式は推奨しています。安全性と使い勝手の釣り合いが取れる、という理由です。公式はあわせて、業務上の特別な理由がない限り検知を無効にしないこと、主催者にbotのリスクを伝えておくことも勧めています。監査ログについては、不自然な参加者の動きが残っていないかを月次の点検項目に足しておくとよいでしょう。
設定の場所と、誰に効くのか
自社がどちらの設定かは、Teams管理センターの会議ポリシーで確認できます。「Meeting Join and Lobby」のセクションに「Manage external bots and their access to meetings」という項目があり、ここで選びます。PowerShellで扱う場合の属性名は ExternalBotAccessMode です。
ロビーからの入室許可を誰が出せるかも、同じ「Meeting Join and Lobby」の中にある「Who can admit from lobby」で決められます。既定は主催者と発表者で、主催者と共同主催者だけに絞ることもできます。
効く範囲は会議ポリシーの単位です。テナント(会社ごとに割り当てられた利用環境)全体の既定ポリシーで決めることもできますし、対象を絞ったポリシーを作って特定のグループや利用者だけに当てることもできます。ただし公式は、業務上の特別な理由がない限り検知を無効にしないよう勧めています。切るための分け方ではなく、法務や経営会議のように取り扱いを厳しくしたい範囲を先に決める使い方が現実的でしょう。
会議ポリシーで会社が判断を求められる項目は、少しずつ増えています。声のデータを会社が持つかどうかという似た構図は、Teamsの音声プロファイルとは?で整理しました。
「3つ目の設定」の話をどう扱うか
「3つ目の設定を選べば、検知されたbotをロビーにも到達させずに遮断できる」という説明を見かけます。ただ、公式ドキュメントに載っている選択肢は前の表の2つだけで、遮断に相当する値は記載されていません。
そのため、自社の設計はいま公式で確認できる2つを前提に組むのが安全です。「ブロック設定にすれば全部止まる」と社内に説明してしまうと、その設定が管理画面に見つからなかった時点で話が止まります。今できるのは、検知を効かせたうえで、ロビーで誰が許可を出すかを決めておくことまでになります。
外から入ってくるbotは検知して止められますが、会議のプラットフォーム自身が持つAIは、既定でどう動くかを確かめる側の話になります。Google Meetの自動メモ生成について、プランごとの既定値とメモの保存先・閲覧範囲をGoogle Meetの自動メモ生成で整理しました。
参照:Manage external bots and their access to meetings hosted in your organization – Microsoft Teams
止まるのは「botという入り方」だけ
この仕組みが変えたのは、会議への入り方です。会議の記録を禁じる機能ではありません。録音の入口をbot方式だけに絞っていると、その入口が塞がれた瞬間に記録ごと止まります。逆に入口を複数持っていれば、止まるのは入り方の1つだけで済みます。
会議に入れるかは主催者が決める
会議に自動で参加する方式では、時間になると録音用の参加者が入室の許可を求めます。その通知は、会議の主催者に届きます。Otolioの操作レクチャーでこんな場面がありました。担当者が月次の重要会議をカレンダーに登録したあと、その会議の主催者が担当者本人ではないと分かったのです。登録を終えても、主催者が許可を出さなければ録音は始まりません。
対処は、時間になったら入室の許可を求める通知が届くことを主催者に先に伝えておくだけです。ただしこの段取りは製品の説明には出てこないため、担当者が自分だけで完結すると思ったまま本番を迎えると、一番残したかった会議で記録が始まりません。
Teamsが検知してロビーに留めるようになると、この段取りの重みが変わります。今までは「伝えておいたほうがよいこと」でした。これからは、伝えていないと止まる前提になります。自動化は担当者の作業を減らしますが、関係者の段取りをゼロにはしません。
録音方式は3つある
Otolioの録音は3つの方式から選べます。会議の性格によって向き不向きが違うため、まず並べて見たほうが早いでしょう。
| 方式 | どうやって録るか | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| bot方式 | カレンダーの予定からWeb会議のリンクを読み取り、録音用の参加者が会議に入って録る | 定例やWeb会議が中心の運用。予定を入れておくだけで済む | 会議に入るには主催者の許可が要る。相手が主催する会議では、相手のテナントの設定にも左右される |
| 内部録音 | 打ち合わせが始まったあとに、その場で録音を始める | 相手のテナントの設定に左右されたくない会議 | 録音することを相手に伝え、合意を取ってから使う |
| マイク録音 | 接続しているマイクの音を録る | 対面や現場での打ち合わせ | 集音の環境によって結果が変わる |
Web会議ツールの種類は問いません。Zoom・Microsoft Teams・Google Meet・Cisco Webexのいずれでも、カレンダーに予定を入れておけばbotが会議のリンクを読み取って参加します。別の機器で録った音声を後から取り込んで文字起こしすることもできます。これは録り方そのものとは別の、取り込みの手段です。
Teams側の標準機能だけで記録を残す選択肢もあります。文字起こしとライブキャプションの使い分けはTeamsで文字起こしする3つの方法で解説しています。
文字起こしから議事録の形にするところまでを含めた4つの方法は、Teamsで議事録を自動作成する方法で比べています。
botが入れないときの選び方
選び方は会議の性格で決まります。3つの場面に分けると、判断がつきやすくなります。
社内の定例なら、bot方式のままで構いません。自社のポリシーは自分たちで確認できますし、主催者も社内にいるはずです。段取りを一度決めれば、あとは予定を入れるだけの運用に戻ります。
相手が主催する社外の会議は、事情が変わります。相手のテナントの設定は自社で変えられず、ロビーで待たされるかどうかも相手側の判断になります。この場面では、会議が始まってから自分の手元で録音を始める方式に切り替えたほうが確実でしょう。
対面や現場の打ち合わせでは、そもそもWeb会議のリンクがありません。接続したマイクから録るマイク録音が、この場面の答えになります。
相手からAIの同席そのものを断られた場面については、どう振る舞うかを事前に決めておく話をAI議事録の録音の同意はどう取る?で扱っています。本記事の3つの方式が代わりになるのは、記録すること自体には合意があり、botという入り方だけが使えない場面です。
方式を替えると変わること
替えれば万事解決、という話にはなりません。方式ごとに変わるのは、記録の残り方です。
会議に参加する録音の方式では、話者の割り当てがアカウント単位になることがあります。1台の端末から複数人が参加していると、全員が同じ話者としてまとまってしまう場合があります。マイク録音は集音の環境に左右され、マイクとの距離や向きで結果が変わります。
Otolioへのご相談では、対面が中心の組織から「自社の会議室で音が録れるのか」「誰の発言か分かるのか」が最初の関門として挙がる場面がありました。機能の比較より前に、環境の確認が来るということです。
発言者を分ける精度を上げる打ち手は、議事録で発言者が特定できない悩みを3ステップで解消にまとめています。マイクの置き方と会議の進め方で変わる部分が大きい領域です。
会議ごとに録り方を決めておく
会議の種類ごとに録り方を先に決めておくと、そのつど考える手間がなくなります。相手が主催する社外の会議は内部録音、自社の会議室での対面はマイク録音、社内のWeb会議は自動参加。この対応を決めてから、次の2つを確認します。
記録が必要な場面は、Web会議の外にも広がっています。Teamsでは、代表電話などの受電を担当者が取ったときの自動録音も入ろうとしているところです。対象は会議から外れますが、いつまで残すか・誰が聞けるかという問いはTeams通話キューが自動録音に対応へでも同じ形で出てきます。
訪問先の音声を報告書に変えた例
石川県七尾市役所のデジタル戦略室では、議会とそれに付随する委員会の議事録づくりが最初の課題でした。内容によって議事録を残すことが法令などで定められている会議があり、「あー」「えー」といったフィラーまで正確に残す必要があったため、作成にとても時間がかかっていました。
Otolioの導入後は、文字起こしが自動になり、フィラーを削除するかどうかも選べるようになりました。担当者からは「イチから作成するのと比較しても圧倒的に楽になり、細かな修正のみに業務負担を軽減できます」という言葉が出ています。
そのあとに、想定していなかった使い方が生まれました。市では健康診断などで家庭訪問を行っており、職員は日中に複数件を回って、訪問後にヒアリングの内容をまとめて報告書を作ります。
以前は訪問時のメモと記憶が頼りでした。今は訪問中に別の機器で録音し、その音声をOtolioに取り込んで文字起こしすることで、報告書づくりを効率化しているそうです。Web会議のbotが入る場面はひとつもありません。
参考記事:重要な会議だけでなく、新たな利用シーンが生まれて業務効率化を促進
録り方が変わっても確認することは同じ
録り方を替えても、確認すべきことは動きません。録った音声がどこに置かれ、誰が見られて、学習に使われないかどうか。この3つは方式によらず同じ問いになります。
Otolioの場合、顧客のデータと音声を機械学習には使いません。保管は東京リージョンの国内データセンターで、ISO/IEC 27001(情報セキュリティの国際規格)も取得しています。社内や取引先に説明を求められたときは、この3点がそのまま材料になります。
確認すべき項目をひととおり見ておきたい場合は、AI議事録のセキュリティで6つの観点に整理しています。
まとめ|botが止まっても、会議の記録は止まらない
Teamsの外部bot検知は、会議への入り方を人の判断に戻す仕組みで、公式に用意されている設定は2つだけです。
決める順番には向きがあります。最初に、自社の会議ポリシーがどちらの設定かを確認します。次に、社外の会議では相手側の設定に左右される領域があると押さえておきましょう。そのうえで、会議の種類ごとに録り方を決めます。この順で進めると、設定の話と運用の話が混ざりません。
検知漏れも誤検知も公式が認めている以上、設定だけで会議に入ってくるものを仕分けきることはできません。効いてくるのは、ロビーで誰が許可を出すかを決めておくこと、そして記録の入口を1つに絞らないことです。
まずは自社の会議ポリシーで、外部botの項目がどちらになっているかを見てみてはいかがでしょうか。そのうえで、社外の会議と対面の打ち合わせについて、録り方を先に決めておくことをおすすめします。
設定を確認して録り方を決めたところで、もうひとつ残る問いがあります。決めた録り方が、自社の会議で本当に成立するのかという点です。
会議室の広さ、マイクの位置、相手のいる会議での伝え方。ここは資料を読み比べても答えが出ない領域で、一度録ってみたほうが早く分かります。
録り方の向き不向きは、自社の会議で試すと数回で見えてきます。会議業務を丸ごと自動化するAIエージェント「Otolio」は、Web会議への自動参加・打ち合わせ開始後の録音・マイクからの録音を切り替えて使えます。無料トライアルは14日間、10時間相当の会議とユーザー数の制限なしでお試しいただけます。いちばん記録を残したい会議から試してみてください。
よくある質問とその回答
Q. Teamsの外部bot検知は、既定で有効になっていますか?
外部bot検知の既定は「検知したら参加前に承認を必須にする」(RequireApprovalWhenDetected)です。管理者が設定を変えていなければ、検知されたbotはロビーに留め置かれ、主催者が許可するまで会議に入れません。自社の状態は、Teams管理センターの会議ポリシーにある「Meeting Join and Lobby」のセクションで確認できます。
Q. 管理者の設定で、外部botを会議から完全に遮断できますか?
外部botを一律に遮断する設定は、公式ドキュメントには見当たりません。会議ポリシーで選べるのは「検知しない」と「検知したら参加前に承認を必須にする」の2つで、遮断に相当する値は記載されていません。遮断できるという説明も流れていますが、公式で確認できる範囲はこの2つにとどまります。
Q. 検知された外部botは、どうすれば会議に入れますか?
検知された外部botは、主催者がロビーから許可すると会議に入れます。会議の設定によっては、発表者の役割を持つ参加者にも許可の操作ができる状態です。許可の操作をするときには、botを入れることのリスクについて注意が表示されます。公式は、この許可を主催者と共同主催者だけに限定する設定を勧めています。
Q. 人がまちがってbotと判定されることはありますか?
人間の参加者がbotと誤って判定されることは、公式も起こり得ると認めています。その場合はロビーから参加者を許可し、「This is not a bot」と指定すると、その会議では通常の参加者として扱われます。逆に、検知できない外部botがあることも公式ドキュメントに明記されています。
Q. botが会議に入れない場合、会議の記録はどう残せますか?
botが会議に入れない場合は、録音の方式を替えれば記録を残せます。Otolioでは、打ち合わせが始まったあとに録音を始める内部録音と、接続したマイクの音を録るマイク録音を選べます。相手が主催する社外の会議では前者、対面や現場の打ち合わせでは後者が向いています。いずれの場合も、録音することを相手に伝えて合意を取ってから使ってください。