Teams会議の要約に必要なライセンスと費用|Copilot Chat標準搭載でも別料金
2026年7月1日、Microsoft 365の価格とパッケージが変わりました。値上げと同時にCopilotの機能が足されると伝わり、「議事録のツールはもう要らないのでは」という声も社内で出ています。
ただ、確かめようとすると次の壁に当たります。
- 標準のCopilotで、Teams会議の要約まで使えるのかわからない
- ライセンスは参加者全員分が要るのか、開催者だけで足りるのか
- 総額が読めず、稟議に出す金額を組み立てられない
そのためこの記事では、Microsoftの公式情報で費用の決まり方まで整理します。「Teams会議の要約に要るライセンスと費用」を社内に説明したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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2026年7月にMicrosoft 365で変わったこと
2026年7月のMicrosoft 365の価格・パッケージ改定で追加されたのは、Copilot Chatの強化です。Copilot Chatは、Microsoft 365の契約に含まれるAIチャットを指します。強化されるのは受信トレイと予定表の把握、そしてWord・Excel・PowerPointのエージェントです。Teams会議の要約は含まれていません。
会議のAI要約を使うには、別のライセンスが要ります。Teams Premium か Microsoft 365 Copilot のどちらかです。しかもAIが作るメモとタスクをTeams上で見るには、見たい人自身にライセンスが必要です。この2点を先に押さえておくと、社内の会話がかみ合うようになります。
値上げと同時に足された機能
今回の改定は2025年12月4日に発表されました。公式には、価格の改定が2026年7月1日に発効すると記載されています。パッケージ(機能追加)のほうは2026年6月から順次配られます。
ここで1つ、混ざりやすい点があります。「2026年8月1日までに配り終える」と公式に書かれているのは、名前が挙がった7つだけです。Microsoft Defender for Office 365 Plan 1、Intune関連の5つ、Microsoft Cloud PKI です。Copilot Chatの強化はここに入っていません。8月1日は全部の機能の完了日ではない、ということです。
価格と機能は、動き出す時期も分かれています。価格については、公式に「既存のお客様は更新まで現在の価格が続く」と書かれています。一方、機能は更新を待ちません。公式のFAQには「対象となるライセンスは、支払った価格や契約期間にかかわらず、2026年のロールアウトに沿って新機能を受け取る」と明記されています。つまり、更新月が来ていなくても機能は増えていきます。テナントで機能が変わる前には、Message Centerで30日以上前に通知されるとも明記されています。
新旧の価格は、公式の一覧で次のように示されています(いずれも1ユーザーあたりの月額・米ドル)。
| プラン | 旧 | 新 |
|---|---|---|
| Office 365 E1 | $10.00 | $10.00 |
| Office 365 E3 | $23.00 | $26.00 |
| Office 365 E5 | $38.00 | $41.00 |
| Microsoft 365 E3 | $36.00 | $39.00 |
| Microsoft 365 E5 | $57.00 | $60.00 |
| Microsoft 365 F1 | $2.25 | $3.00 |
| Microsoft 365 F3 | $8.00 | $10.00 |
| Microsoft 365 Business Basic | $6.00 | $7.00 |
| Microsoft 365 Business Standard | $12.50 | $14.00 |
| Microsoft 365 Business Premium | $22.00 | $22.00 |
この表に載っていないものがあります。公式にはこう書かれています。
Standalone Microsoft Teams and Copilot SKUs are not included in this update.
SKUとは単体で売られるライセンスのことです。Microsoft TeamsとCopilotの単体ライセンスは、今回の改定に含まれないという意味です。会議の要約に関わる有償ライセンスの価格は、この改定では動いていません。値上げの分でCopilotの会議機能が入ってくる、という読み方にはならないわけです。
参照:Microsoft 365 Pricing and Packaging Updates
参照:Microsoft 365 Packaging and Pricing Updates FAQ
足されたのは受信トレイと予定表の把握
では、値上げと引き換えに何が足されたのでしょうか。公式の一覧では、Microsoft 365 E3に追加されるものとして次の6つが挙げられています。
- Microsoft Defender for Office Plan 1
- Intune Remote Help
- Intune Advanced Analytics
- Intune Plan 2
- Copilot Chat の強化
- Copilot Chat Analytics
このうちCopilot Chatに関わるのは下の2つです。強化の中身は、公式原文で “inbox and calendar awareness and access to Word, Excel, and PowerPoint agents” と説明されています。日本語にすると、受信トレイと予定表を把握できるようになることです。あわせてWord・Excel・PowerPointのエージェントも使えるようになります。
読んでのとおり、会議の発言内容も、文字起こしも、会議の要約もここには出てきません。予定表を把握するのは「いつ・誰と・何の会議があるか」を読むことであり、「その会議で何が話されたか」を読むこととは別です。稟議の場でこの2つが混ざると、話が合わなくなります。
Copilot Chatの位置づけも押さえておきたいところです。公式ブログには「仕事向けの安全なAIチャットをすべてのMicrosoft 365ユーザーに提供した」と書かれています。Copilot Chatのリリース時点での説明です。Copilot Chatはすでに配られていたもので、今回それが強化された、という順番です。新しく会議AIが標準搭載された、という話ではありません。
なお、この一覧はMicrosoft 365 E3について公式に示された内容です。ほかのプランに何が足されるかは、自社のプランのMessage Centerで確認してください。プランごとに追加される中身は同じとは限りません。
予定表を読めるAIが増えると、日程調整や会議前の準備といった段取りの仕事は自動化に近づきます。会議の段取りをAIエージェントがどこまで巻き取れるかは、Copilot Coworkの会議での使い方で整理しました。この記事では、そこから先の「会議の中で話されたこと」をどう残すかに絞って進めます。
参照:Advancing Microsoft 365: New capabilities and pricing update
Teams会議の要約は、どのCopilotなら使える?
会議で話された内容まで扱えるのは、Microsoft 365 Copilotの有償ライセンスがある場合です。ライセンスのないCopilot Chatが業務データを扱える範囲は限られており、公式の比較表では「アップロードしたファイル」とされています。Teams側では、Teams Premiumを足しても会議の要約を使えます。
社内の議論がかみ合わない原因は、たいてい呼び名にあります。「無料で使えるCopilot」はCopilot Chatを指します。「Copilotのライセンス」は有償アドオンのMicrosoft 365 Copilotです。「Teamsの会議要約」にいたっては intelligent recap という別の機能です。 3つとも会話では「Copilot」と呼ばれます。ここを分けずに話すと、誰が何をいくらで使えるのかが最後まで決まりません。
ライセンスなしで見られる範囲
「昨日の営業会議で何が決まったか教えて」。Copilot Chatにこう聞いて、答えが返ってこなかった経験があるかもしれません。仕様どおりの動きです。
Microsoftの公式サポートは、Copilot Chatの動きをライセンスの有無で並べて説明しています。
| 項目 | ライセンスなし | ライセンスあり |
|---|---|---|
| AIモデルへのアクセス | 標準アクセス | 優先アクセス |
| Webのデータをもとにした回答 | あり | あり |
| 業務データをもとにした回答(Work IQ) | Limited (uploaded files) | Full (meetings, emails, chats, files, and more) |
| エージェントの利用 | 限定的 | 高度なものを含めて広範 |
注目したいのは3行目です。Work IQとは、社内の業務データをどこまで読めるかを指します。ライセンスなしの側は “Limited (uploaded files)”、つまり自分がアップロードしたファイルだけ。ライセンスありの側には “meetings”、つまり会議が入っています。会議という語は、有償ライセンス側にしか出てきません。
この線引きは実務ではこう出ます。議事録のファイルを自分でCopilot Chatに読ませれば、その中身について質問できます。一方、自分が出た会議の音声や文字起こしを勝手に参照して要約する、という動きにはなりません。「Copilot Chatが入っているから会議の要約もできるはず」という社内の期待は、この行でほどけます。
1つ補足します。この比較表は2026年7月の改定より前の記載です。改定でCopilot Chatには受信トレイと予定表の把握が加わるため、扱える範囲は「アップロードしたファイルだけ」で止まりません。ただし増えるのはメールと予定表です。会議で話された内容は、引き続き有償ライセンス側にあります。稟議で問われるのはこの線で、そこは変わりません。
参照:How Copilot Chat works with and without a Microsoft 365 Copilot license
Teamsの振り返りは3段階に分かれる
Teams会議のあとに見られるものは、ライセンスによって3段階に分かれます。Recap(会議の振り返り画面)で何が表示されるかを、公式サポートの記載に沿って並べると次のようになります。
| 段階 | 会議のあとに見られるもの | 文字起こしの要否 |
|---|---|---|
| ライセンスなし | 録画、文字起こし、共有ファイル、メモ(手で作るもの)、アジェンダ、フォローアップタスク(手で作るもの) | 要らない(残した録画と文字起こしがそのまま見られる) |
| Teams Premium | intelligent recap(AIによる要約、AIが作るメモとタスク、目的に合わせた要約、自分の名前が呼ばれた箇所のマーカー、話者ビュー) | AIによる要約は少なくとも文字起こしが必要(5分以上の会議) |
| Microsoft 365 Copilot | Recap画面のCopilot(要約やフォローアップタスクの生成に加え、質問して深掘りできる) | 設定により文字起こしが必要 |
表の1行目にある「メモ」と「フォローアップタスク」は、人が手で書くもののことです。AIが作るメモとタスクは2行目以降にあります。同じ呼び名で中身が違うので、社内で見せるときはここを分けて説明したほうが混乱が起きません。
もう1つ、公式のページどうしで記載が食い違う機能が2つあります。トピックとチャプター(録画を見出しで区切って目的の場面へ移動できる機能)と、会議に参加した時刻・退出した時刻のマーカーです。公式サポートのRecapのページには「録画と文字起こしの両方が必要」という条件だけが書かれ、ライセンスの記載はありません。一方、公式Learnのライセンス比較表では、どちらもTeams Premium側に置かれています。どちらの記載も公式です。この2つは無料で使えると決めつけず、自社のテナントで実際に見えるかを確かめてから社内資料に載せてください。
intelligent recapとは、会議のあとにAIが要約やメモをまとめる機能のことです。表のとおり、この機能が使えるのはTeams Premiumか Microsoft 365 Copilot のどちらかです。 公式サポートには「intelligent recapはアドオンライセンスであるTeams Premiumの一部として提供される」と書かれています。続けて「Microsoft 365 Copilotライセンスの一部としても提供される」とも明記されています。
もう1つ、機能の配分を見る表があります。Microsoft Learnの比較表によると、自分が出席した会議の振り返りは無印のTeamsでも見られます。一方でAIが作るメモとタスク、欠席した会議の振り返り、話者ごとの移動(話者ビュー)はTeams Premium側です。有償になるのは、AIが手を動かすところからです。
2026年4月に有償の範囲が変わった
この配分は最近変わっています。2026年4月1日、それまでTeams Premium専用だった機能の一部がTeams Enterpriseに移りました。公式には、Teams Premiumには引き続き4つが残ると書かれています。高度な会議の保護、高度なコミュニケーション、ブランディング、そしてインテリジェンス機能です。会議のAI要約はインテリジェンス機能の側にあたります。 2026年3月以前に書かれた解説は前提が変わっているため、そのまま社内資料に転記しないほうが安全です。
どの段階に自社があるかが見えたら、次は実際の設定と作成の手順です。Teams上で議事録を残す進め方はTeamsで議事録を自動作成する方法4選にまとめています。
参照:Microsoft Teams Premium licensing
社内で確かめる3点
自社の状況を確かめる順番は、3つに絞れます。
- 入っているのはどちらのCopilotか
- 要約を見たいのは誰なのか
- その会議の文字起こしを残せるのか
上から順に見ていくと、どこまでMicrosoftの機能で足りるかが決まります。1つ飛ばすと、あとで人数か対象の会議が決まらなくなります。
やっかいなのは、Copilotがすでに社内に入っていることです。公式ブログのとおり、Copilot Chatはすべてのユーザーに届いています。画面にCopilotのボタンがある以上、「あるのに、なぜ別のものが要るのか」という問いは自然に出ます。
Otolioの導入相談でも、DX推進の担当者からよくこんな話が出ます。「もっと安いツールがあるよね、CopilotやGeminiでできるよね、と社内で絶対言われる」。言われた側が公式の根拠を持っていないため、選定も稟議もそこで止まります。上の3つは、その場で答えを返すための材料です。
入っているのはどちらのCopilotか
最初に確かめるのは、いま自社に入っているCopilotの種類です。Copilot Chatなのか、有償アドオンのMicrosoft 365 Copilotなのか。見る場所は3つあります。
- ライセンスの割り当て一覧:Microsoft 365 Copilotは有償のアドオンです。いま誰にいくつ割り当てられているかは、管理センターの一覧で確認できます
- Microsoft 365管理センターのMessage Center:機能が変わる前に30日以上前の通知があると公式に記載されています。これから何がいつ増えるかはここに出ます
- 自社の契約更新月:既存の契約は更新まで現在の価格が続きます。ただし更新月で分かるのは価格のほうだけです。機能は更新を待ちません。公式のFAQには、対象となるライセンスは支払った価格や契約期間にかかわらず新機能を受け取ると記載されています
3つを見て、あるのがCopilot Chatだけだった場合、会議の中身は対象外です。議事録をどう残すかは、ここから自社で決めることになります。すでにMicrosoft 365 Copilotが一部の社員に割り当てられている場合は、話が「誰まで広げるか」に移ります。
社内で「Copilotが入るから要らないのでは」と言われたら、名前を確かめる質問に置き換えると話が進みます。増えるのはCopilot Chatですか、それともMicrosoft 365 Copilotですか。この一言で十分です。
会議の要約に要るライセンスは誰の分か
社内では「開催者だけ買えば足りるのでは」という案がよく出ます。公式の分類を読むと、そうはなっていません。Microsoftは会議の機能を、開催者のライセンスで効くものと、使う人自身のライセンスが要るものに分けています。
| 分類 | 主な機能 | ライセンスが要る人 |
|---|---|---|
| 開催者ベース | 字幕と文字起こしのライブ翻訳、透かし、録画や文字起こしの可否の制御 | 開催者(会議中に限り参加者にも共有される) |
| 参加者本人ベース | AIが作るメモとタスク、AIが作るチャプター、話者タイムラインのマーカー、多言語の振り返り、文字起こしの話者検索、翻訳された字幕と文字起こしを会議中に見ること | 見たい人それぞれ |
開催者ベースの機能について、公式にはこう書かれています。
If an organizer has a Teams Premium license, the organizer-based features are shared and made accessible to the attendees only during the meeting.
開催者がTeams Premiumライセンスを持っている場合、開催者ベースの機能は会議中に限って参加者にも共有される、という意味です。参加者本人ベースのほうは、分けてこう書かれています。
These Teams Premium features aren’t shared or made accessible to other attendees during the meeting and only benefit the Teams Premium licensed users.
会議中に他の参加者へ共有されることはなく、ライセンスを持つユーザーだけが恩恵を受ける、という意味です。
読み替えるとこうなります。会議が終わったあとにTeams上でAIのメモやタスクを見たい人には、その人自身のライセンスが必要です。開催者が1人分持っていても、参加者の画面にAIの要約が現れることはありません。
ライセンスのない人にも、見られるものはあります。前の表のとおり、公式サポートのRecapのページでは、ライセンスがなくても録画・文字起こし・共有ファイル・アジェンダ・手で作ったメモとタスクは振り返りの画面で見られると記載されています。 AIによる要約とAIが作るメモは、その先のTeams PremiumとMicrosoft 365 Copilotの段に置かれています。生の記録は見られるが、AIがまとめたものは見られない。そういう線です。
ただし、この線には抜け道が1つあります。稟議の場で必ず出る反論なので、先に押さえておく価値があります。
公式サポートのRecapのページには、Recap画面からOutlookのメールを作れると書かれています。メールには会議の概要とフォローアップタスクが自動で入り、宛先の追加や削除もできます。これを使えば、AI要約の中身を、ライセンスを持たない人にも渡せます。ただし条件が3つあります。
- 送れるのは開催者・共同開催者・発表者だけ:公式には「Meeting organizers, co-organizers, and presenters can initiate recap emails in Teams」と記載されています
- 宛先はその会議に招待された人まで:公式には「The email recipients will be people invited to the event」と記載されています。招待していない人に届けたい場合は、この機能の外になります
- 会議の設定によっては使えない:秘密度ラベルが「Confidential Recipients Only」または「Highly Confidential Recipients Only」の場合、録画と文字起こしができない会議、録画や文字起こしの共有範囲を開催者だけや特定の人だけに絞っている場合は、AI要約の共有そのものができないと公式に記載されています
つまり、招待した相手の中で回すなら、ライセンスは要約を作る人の分だけで足りることがあります。一方、招待していない部門の人や、あとから経緯を追いたい人に届けたい場合は、この道では収まりません。受け取ったメールは静止した文章なので、そこからAIに質問を重ねることもできません。
社内で「メールで回せばいいのでは」と言われたときは、届けたい相手を確かめる質問に置き換えると話が進みます。その会議に招待した人ですか。それとも招待していない人ですか。
文字起こしを残せる会議か
人事の面談、労務の相談、役員会。記録を残すこと自体に社内の合意が要る会議は、どの会社にもあります。この会議でAIの要約が使えるかどうかは、ライセンスとは別の条件で決まります。
Teams PremiumのAIによる要約について、公式にはこう書かれています。
To use this feature, the event must be at least transcribed. For the best recap experience, record and transcribe the event.
この機能を使うには、少なくとも文字起こしされている必要があるという意味です。録画と文字起こしの両方を行うのは、より良い振り返りにするための推奨です。録画は必須ではありません。あわせて、5分以上の会議であることも条件になります。Microsoft 365 Copilotの側は、会議の設定によって変わります。
- 設定が「会議中と会議後」の場合:「Copilotを使うには文字起こしが必要」と公式に記載されています
- 設定が「会議中のみ」の場合:文字起こしなしでも会議中は使えます。誰かが文字起こしを始めると、文字起こしされた部分について会議中と会議後の両方で使えるようになります
- Recapタブから使う場合:会議中に文字起こしがオンになっていれば、Recapタブからも利用できます
つまり、文字起こしを残さないと決めた会議では、AIの要約はほぼ出てきません。ライセンスを買っても、その会議では動かないということです。稟議書に人数分の金額を書く前に、対象の会議で文字起こしを残せるかを確かめておく必要があります。
制御そのものは、ライセンスがなくてもできます。公式には「ライセンスを持っていなくても、自分が開催する会議のCopilotは自分で制御できる」と記載されています。残すか残さないかを決める権限と、要約を見る権限は別だということです。
残せない会議をあきらめる必要もありません。全文の記録は残さず、音声だけ残しておくという選び方があります。あとから確認したくなったときに聞き直せる状態を保ちながら、逐語の記録は作らない。会議ごとに残す粒度を変えられる仕組みなら、この運用が取れます。契約する量を実際の会議時間より少なめに見積もり、記録する会議を絞って使っている会社もあります。
自社のTeamsで文字起こしをどう設定するかは、Teamsで文字起こしする3つの方法にまとめています。
参照:Catch up on meetings with Microsoft 365 Copilot in Teams
費用は「Teamsで要約を見る人の数」で決まる
Microsoftの機能で会議の記録を残す場合、費用はTeamsで要約を見る人の数で決まります。ここまで見てきた公式の分類が、そのまま金額の決まり方になっているためです。AIが作るメモとタスクは、Teams上で見たい人それぞれにライセンスが要る。記録を届ける相手を広げるほど、必要なライセンスの数が増えていきます。
会議という業務は、もともと人を巻き込む方向に育ちます。関係者を増やし、欠席者にも共有し、あとから経緯を追えるようにする。その方向と、人数で決まる料金は逆を向いています。どちらが正しいという話ではありません。自社の会議がどちらに寄っているかで、向き不向きが変わります。
人数がそのまま月額に乗る
具体的な金額で見てみます。20人が出る定例会議で、あとからTeams上でAIの要約を読みたい人が8人いるなら、必要なのは8人分です。
Teams Premiumの公式の表示価格は、1ユーザーあたり月額相当 ¥1,499 です。年払い・税抜で、2026年7月27日時点の表示です。8人分なら月 ¥11,992、20人全員に広げれば月 ¥29,980 になります。会議1本あたりの金額ではありません。届けたい相手の人数が、そのまま月額に乗ります。
参照(価格):Microsoft Teams Premium(日本語)
Teams Premiumとの使い分け
会議の要約だけが目的なら、Teams Premiumで足ります。Microsoftの日本語の公式ページに掲載されている価格を、2026年7月27日時点で並べると次のとおりです。いずれも1ユーザーあたりの月額相当です。なお、これらは日本での現行の表示価格です。7月1日の改定が日本の価格にどう反映されるかは、公式には明示されていません。
| 商品 | 月額相当(年払い・税抜) |
|---|---|
| Microsoft Teams Premium(アドオン) | ¥1,499 |
| Microsoft 365 Copilot Business(アドオン単体) | ¥2,698(2026年9月30日までのプロモーション価格・通常 ¥3,148) |
| Microsoft 365 Business Standard(単体) | ¥2,098 |
| Microsoft 365 Business Standard と Microsoft 365 Copilot Business | ¥3,523 |
Microsoft 365 Copilot Business の ¥2,698 には条件が付いています。公式の注記によると、この割引が使えるのは対象のビジネスプランを利用している既存のMicrosoft 365顧客だけです。年間契約が必要で、この価格が適用されるのは初年度のみです。2年目からは通常の ¥3,148 に戻る前提で見積もる必要があります。稟議書に初年度の金額だけを書くと、翌年に差額の説明を求められます。
会議の要約に絞れば、いちばん安いのはTeams Premiumです。intelligent recapが含まれるため、AIによる要約とメモはここで手に入ります。Microsoft 365 Copilotのほうは、Word・Excel・Outlookなど会議の外でも効くライセンスです。会議のためだけに買うなら、この差額を社内でどう説明するかが論点になります。
バンドルの数字は、単純な足し引きでは合いません。Business Standardとの組み合わせが ¥3,523、Standard単体が ¥2,098、アドオン単体が ¥2,698。単体とバンドルはBusiness Standardのページに並んで載っていますが、アドオン単体は別のページで、表示の前提がそろっているとは確認できていません。バンドルのほうが割安に見える、という程度に受け止めておくのが安全です。
参照:Microsoft 365 Business のプランと価格
参照:Microsoft 365 Business Standard
買っただけでは動かない条件
見落としやすい条件も2つあります。1つは、Teams PremiumがTeamsライセンスの置き換えではないことです。公式にはこう書かれています。
Teams Premium licenses are not a replacement for Teams licenses. Users must have both a Teams license and a Teams Premium license for Teams and Teams Premium features to work properly.
使う人はTeamsライセンスとTeams Premiumライセンスの両方を持つ必要がある、という意味です。どちらか一方では、TeamsとTeams Premiumの機能が正しく動きません。もう1つは、多くの機能が管理者による事前の設定を必要とすることです。買っただけでは動きません。
試用の条件も押さえておくと段取りが立てやすくなります。管理者が申し込む30日間の試用は25ライセンスまで。ユーザー自身が申し込むセルフサービスの試用は60日間です。公式には「試用ライセンスの期限切れと機能の停止のあいだに猶予期間はない」と記載されています。検証の終わりと契約の開始をつなげておく必要があります。
比べるときは、月額の数字だけを並べないほうが安全です。使う人数とITの慣れによって説明会や問い合わせ対応の量が変わり、その負荷は情シスの窓口に集まります。単価の比較表には出てこないぶん、あとから効いてきます。
参照:Microsoft Teams Premium licensing
人数課金と相性が悪い会議
総額が読めなくなる原因は、たいてい「全員分が要る」という思い込みです。ここは分けて考えられます。議事録を作る人と、できあがった記録を見るだけの人。多くの組織では、後者のほうがはるかに多くなります。
Microsoftの分類が効いてくるのはここです。Teams上で「見るだけの人」も課金の対象になります。作る人が10人、見る人が500人という組織では、この違いが金額をまるごと変えます。
先に触れたメールでの共有は、この人数を減らせる場合があります。ただし届けられるのは、その会議に招待した相手までです。部門をまたいで見せたい人や、招待していない人には届きません。500人の内訳が招待した相手なのか、そうでないのかで、必要な人数は変わります。
相性が悪くなるのは、見る人が作る人よりずっと多い会議です。
- 全社定例や経営会議:出席するのは十数人でも、あとから内容を追う人は部門をまたいで広がる
- 部門横断のプロジェクト会議:進むにつれて関係者が増え、記録を見せたい相手が増え続ける
- 欠席者のキャッチアップが前提の会議:出席していない人に届けることが目的なので、出席者の数では収まらない
逆に相性がいいのは、出席者が固定で少人数の会議です。記録を見る範囲もその中で閉じるなら、人数で決まる料金は素直に効きます。自社の会議をこの2つに仕分けると、どこまでMicrosoftの機能で足りるかが見えてきます。
「重要な会議だけ別の仕組みにする」というやり方もあります。ただ、この使い分けには気をつけたい点があります。ふつうの定例のつもりで始めた会議に、急に機密の話が出ることは珍しくありません。どの会議をどちらで記録するかの判断が人によってばらつくと、そこが抜け穴になります。最初から全部をカバーできる形のほうが、あとが楽です。
Otolioの導入相談でも、こんな話をよく聞きます。「さまざまな部署がAI議事録ツールを個別に使っていて、全社として推奨できるものを用意したい」。部署ごとの契約が散らばっている状態は、費用が見えないだけでなく、記録の置き場所もばらばらになります。
Microsoftの標準機能でどこまで統一できるかは、適用できる会議の範囲・文字起こしの精度・全社で同じ品質を保てるかでも変わります。この3つの軸はCopilotで議事録は十分かで扱っています。
もう1つ、検討の初期でつまずきやすいのが利用量の読めなさです。どの会議をどれだけ記録するかは、使い始めるまで固まりません。プランの選び方に迷う場合は、無料で使えるAI議事録ツールおすすめ8選で無料の範囲から確かめる方法を紹介しています。
見せる相手を増やすと費用も増えるか
費用の話は、最後に設計の話になります。人数で料金が決まる仕組みでは、記録を広げる判断のたびに費用の判断が付いてくるためです。切り離せるかどうかで、数年後の運用は変わります。
コクヨ株式会社の例が分かりやすいと思います。約2時間の会議に対して、議事録の作成に4時間以上かかっていました。Web会議ツールの文字起こしを使っても約3時間。社内の専門用語が正しく変換されず、各拠点が1つのマイクを囲む形だったため、誰の発言かの特定にも時間がかかっていました。
録音から文字起こしと話者の区別までをAIに任せた結果、作成時間は約30分になっています。削減率は90%です。担当者は「発言者の意図をくんで言葉通りに議事録をまとめている人におすすめ」と話しています。
参考記事:専門用語が多い会議の議事録作成時間を90%削減。Web会議ツールとOtolioの文字起こしの違いとは
Otolioの料金は、初期費用とAIクレジットで構成されます。AIクレジットは、文字起こしや要約に使った分だけ減っていく月々の利用枠です。人数課金ではないため、使う人が増えても料金は上がりません。記録を見せる相手を広げるかどうかを、費用と切り離して決められます。 なお、アカウント自体は個人単位で発行します。誰がどの操作をしたかをあとから追えるようにするためで、大企業や自治体が求める要件です。操作の履歴を残す監査ログは、オプションとして用意しています。
担当者が変わっても記録は残るか
もう1つの分かれ目が、データが誰に紐づくかです。ツールを問わず共通する見方です。会議の記録が個人のアカウントに紐づく設計だと、退職や異動のときに引き継ぐ手当てが必要になります。組織に紐づく設計なら、担当者が変わっても記録は組織側に残ったままです。
数年単位で会議の経緯を追えるようにしたいなら、機能の優劣より先にここを見ておく価値があります。社員の声のデータを会社として持つかどうかも、同じ種類の分かれ目です。この論点はTeamsの音声プロファイルとは?で扱っています。
記録の置き場所を決めると、次に問われるのは誰まで見られるようにするかです。閲覧範囲や社内ルールの決め方はAI議事録のセキュリティで扱っています。
AIのモデルは今後も入れ替わります。Microsoftも優先して使うモデルを切り替えており、その動きはMicrosoft Copilot優先モデルがGPT-5.6にで扱いました。モデルだけでなく機能そのものが入れ替わる動きはCopilotがスーパーアプリに統合で扱っています。
中身のモデルが変わっても、記録がどこに残り、誰が見られるかという土台は残ります。長く使う判断をするなら、見るべきはそちらです。
まとめ|会議のAIは「誰に要るか」から考える
会議のAI要約は、Copilotが「入っているかどうか」ではなく「どのCopilotが誰に入っているか」で効き方が変わります。2026年7月の改定で足されたのはCopilot Chatの強化であり、会議の中身はその範囲の外です。会議のAI要約が要るなら、Teams PremiumかMicrosoft 365 Copilotを別に用意することになります。
判断は3つの問いを順に埋めると進みます。
- いま入っているのはどちらのCopilotか
- 会議の要約を見たいのは誰か
- その会議で文字起こしを残せるか
1つ目で対象が決まり、2つ目で人数が決まり、3つ目で使える会議が決まります。この3つが埋まると、稟議に書く金額は自然と出てきます。
順番を逆にすると迷います。先に価格表を眺めても、何人分を掛ければいいかが決まりません。人数を決めるのは料金表ではありません。「誰に記録を届けたいか」という自社の判断です。会議の要約だけが目的ならTeams Premiumがいちばん安く済みます。ただし人数で決まる以上、記録を広げたい会議ほど金額は伸びていきます。
最初の一歩として、自社の会議を2つに仕分けてみてください。出席者の中で記録が閉じる会議と、出席していない人にも届けたい会議です。後者が多いほど、人数で決まる料金とは相性が悪くなります。仕分けが終われば、Microsoftの機能で足りる範囲と、別の仕組みが要る範囲の線が引けます。まずは直近1か月の会議を一覧にして、どちらに入るかを書き出してみてはいかがでしょうか。
数え終えた人数は、いまの会議の顔ぶれです。関係者が増えるたび、記録を見せたい相手が広がるたびに、この数はまた動きます。そのたびに費用の判断が付いてくるのかどうか。稟議に出す前に、いちど自社の会議で確かめておいたほうが、決めやすくなる場面もあります。
会議業務を丸ごと自動化するAIエージェント「Otolio」は、カレンダーに予定を入れておくだけでAIが会議に参加します。録音から議事録の作成までを自動で進め、会議の内容をもとにメールの下書きまでAIが作成します。
Web会議はツールを問わず対応し、集音マイクを使えば対面の会議でも記録できます。会議の音声やデータは機械学習に使わず、国内のデータセンターで保管し、ISO/IEC 27001(ISMS)を取得しています。14日間の無料トライアルは、10時間相当の会議とユーザー数の制限なしで使えます。
よくある質問とその回答
Q. 開催者だけがライセンスを持てば、参加者も会議の要約を見られますか?
会議のあとにTeams上でAIが作ったメモやタスクを見るには、見る人それぞれにライセンスが必要です。Microsoftは会議の機能を、開催者のライセンスで効くものと、使う人自身のライセンスが要るものに分けています。字幕のライブ翻訳などは開催者ベースで、公式には「会議中に限って参加者にも共有される」と記載されています。AIが作るメモとタスクは参加者本人ベースです。
ライセンスのない人も、振り返りの画面で録画と文字起こしは見られます。生の記録は見られるが、Teams上でAIがまとめたものは見られない、という線引きです。
ただし要約をメールで渡す道はあります。ライセンスを持つ開催者・共同開催者・発表者は、Recap画面から会議概要とフォローアップタスクを含むメールを作れます。受け取る側にライセンスは要りません。宛先はその会議に招待された人までで、秘密度ラベルや録画の共有範囲を絞っている会議では使えないと公式に記載されています。
Q. Copilotがあるのに議事録ツールを入れるのは二重投資では?
重なる範囲と重ならない範囲があるため、二重になるかどうかは自社の会議の内訳で決まります。Microsoft 365の契約に含まれるCopilot Chatは、会議の中身を対象にしていません。
Microsoft 365 CopilotやTeams Premiumを足しても、文字起こしを残さない会議、Teams以外のツールで開く会議、対面の会議は対象から外れます。重なるのは「Teamsで文字起こしを残す会議を、ライセンスを持つ人が読む」場合だけです。自社の会議のうち何割がそこに当てはまるかを数えると、判断がつきます。
Q. 文字起こしを残せない会議では、AIの要約は使えませんか?
文字起こしを残さない設定の会議では、AIの要約はほぼ出てきません。Teams PremiumのAIによる要約について、公式は「少なくとも文字起こしされている必要がある」と記載しています。録画は必須ではなく、5分以上の会議であることも条件です。Microsoft 365 Copilotの側は設定によって変わり、「会議中のみ」なら文字起こしなしでも会議中は使えます。
人事や労務の面談のように全文を残しにくい会議では、逐語の記録は作らず音声だけ残しておく選び方があります。会議ごとに残す粒度を変えられる仕組みなら、この運用が取れます。
Q. Teams PremiumとMicrosoft 365 Copilotはどちらを選べばいいですか?
会議の要約だけが目的ならTeams Premium、会議の外でもAIを使いたいならMicrosoft 365 Copilotになります。公式の日本語ページによると、2026年7月27日時点の月額相当はTeams Premiumが ¥1,499、Microsoft 365 Copilot Businessが ¥2,698 です。後者は2026年9月30日までのプロモーション価格で、通常は ¥3,148 です。
いずれも年払いの表示で、AIによる要約とメモはどちらのライセンスにも含まれます。ただしTeams PremiumはTeamsライセンスの置き換えではないため、両方を持つ必要があります。なおCopilot Businessの ¥2,698 には条件が付きます。対象プランを利用している既存のMicrosoft 365顧客限定で、年間契約が必要、適用は初年度のみです。
Q. 全社に広げると費用はどれくらい増えますか?
Teams上でAIが作った要約を見る人の数だけライセンスが要るため、費用は見せたい相手の人数に比例して増えます。開催者が1人分持っていれば足りる、という形にはなりません。
例外は、要約をメールで渡す場合です。ライセンスを持つ開催者・共同開催者・発表者がRecap画面からメールを作れば、受け取る側にライセンスは要りません。ただし宛先はその会議に招待された人までなので、招待していない部門の人には届きません。
見積もるときは、議事録を作る人と、できあがった記録を見るだけの人を分けて数えると実態に近づきます。作る人が10人、見る人が500人という組織では、金額の大半は後者の分です。500人のうち何人がその会議に招待した相手なのかで、必要な人数は変わります。全社に広げる前提があるなら、人数で決まらない料金体系のツールもあわせて比べておくと、判断の幅が広がります。