【お知らせ】スマート書記は「Otolio(オトリオ)」にサービス名を変更しました ― 会議音声を活用したAIエージェントへ
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Teamsの音声プロファイルとは?話者識別の仕組みと社内で確かめる3点

Teamsの音声プロファイルとは

TeamsやCopilotを入れた会社では、会議のAIをどこまで使うかを決める場面が増えています。会議中の発言から声の特徴を登録する「音声プロファイル」も、そのひとつです。

ただ、社内に説明しようとすると次の壁に当たります。

  • 音声プロファイルという機能名を社内から聞かれたが、何のためのものか説明できない
  • 既定で有効と読んだものの、自社の会議で何が起きているのか判断できない
  • セキュリティ部門が全社の方針で外部ツールとの連携を止めており、話が前に進まない

そのためこの記事では、機能は既定で有効でも登録は本人が決めるという線引きから、声のデータの保存先や消えるタイミングまでを公式情報で整理します。なお、ここに書いた公式情報は2026年7月30日時点で確認したものです。設定の名前や提供の状況は変わることがあるため、実際に判断するときは自社の管理画面と公式ドキュメントで確かめてください。

声のデータを持たずに、誰の発言かを残す

会議業務を丸ごと自動化するAIエージェント「Otolio」は、声の特徴をその会議の中だけで使って発言者を分けます。社員の声を登録して保管する設計ではないため、声のデータをどう扱うかというルールづくりから始める必要がありません。

文字起こしの精度は90%以上(当社調べ)。会議の音声やデータを機械学習に使わず、国内のデータセンターで保管しています。ISO/IEC 27001(情報セキュリティの国際規格)も取得しているため、機密性の高い会議も社内で運用できます。14日間の無料トライアルで、普段の会議でそのまま試せます。

Teamsの音声プロファイルとは何か

Teamsの音声プロファイルは、会議中の発言から声の特徴を登録して、誰が話したかの割り当てや雑音の抑制に使う機能です。組織では既定で有効になっていますが、登録するかどうかは社員本人が決めます。Microsoftの公式には、機能が使えるようになったあとも本人のオプトインが必要だと明記されています。オプトインとは、自分で申し込んで同意することです。

先に押さえておきたいのは、この2つが別の話だということです。機能が有効になっている状態と、社員の声が登録されている状態は同じではありません。混ぜたまま社内で話すと、実態より大きな話になります。

声の特徴で発言者を割り当てる

音声プロファイルでできることは、公式に3つ挙げられています。

  • 周囲の雑音と、自分以外の人の声を抑える
  • 誰が話したかを文字起こしに割り当てる
  • Teams Rooms(会議室に置くTeams専用の機器)がある会議室で、Copilotの精度を上げる

並べてみると、上の2つは会議の聞きやすさと記録の読みやすさの話です。3つ目だけが、会議室の機器と組み合わせたときの精度の話になります。自社にTeams Roomsがなければ、効いてくるのは上の2つです。

登録の入口は2つあります。Teamsアプリの設定にある「認識」から自分で登録する方法と、会議中に出てくる案内から登録する方法です。どちらも本人の操作から始まります。対応する言語には日本語も含まれます(Teamsアプリの言語で決まります)。日本語で使っている会議でも、登録は進む前提で考えることになります。

公式の機能名は「音声と顔の登録」です。対応するカメラがある環境では、顔のプロファイルも同じ仕組みで作れます。顔の登録も本人のオプトインが必要で、あとから解除もできます。ただし対応するカメラがある環境に限られるため、この記事では多くの会社に関わる声のデータに絞って扱います。

声が仕事の入口になるという流れ自体は、Teamsの外でも進んでいます。デスクトップで声を使う働き方の変化はChatGPT Voiceがデスクトップに登場で扱いました。ここから先は、声を「個人を見分けるデータ」として見ていきます。

登録するかは本人が決める

機能が既定で有効であることと、社員の声が登録されることは別の話です。Microsoftの日本語版の公式ページには、太字でこう書かれています。

音声プロファイルと顔プロファイルの登録を開始するには、機能を使用できるようになった後も、ユーザーはオプトインする必要があります。

管理者が何もしていない状態でも、社員が自分で申し込まないかぎり声のプロファイルは作られません。気づかないうちに全社員の声が集まっていく、という設計ではないわけです。

本人の権限は、もう一段強く書かれています。登録した社員は、いつでも自分で登録を解除できます。管理者があとから機能を切った場合でも、すでに登録した社員が解除する手段は残ります。

社内から「社員の声を会社が集めるのか」と問われたときは、この順番で答えると話が早くなります。機能は有効になっている。ただし登録するかは本人が決める。登録した本人はいつでも解除できる。3つを分けて示せば、実態より大きな話にならずに済みます。

Teamsで文字起こしを使う手順そのものは【2026年版】Teamsで文字起こしする3つの方法で整理しています。

参照:音声と顔の登録の概要と構成 – Microsoft Teams

会議で話すだけで登録できる高速音声登録

登録のしかたを簡略にした「高速音声登録」も出てきています。会議で話すだけで音声プロファイルが作られる方式です。今までの手動登録も残っており、置き換わるものではありません。

公開情報で確認できるのは、次の範囲です。Microsoft 365 のロードマップに、機能ID 537269 として掲載されています。2026年7月30日に確認した時点では、公開されている提供時期は2026年6月、状態は展開中でした。対象はWindowsのデスクトップアプリとMacで、一般提供と先行提供の両方が区分に挙がっています。提供の状況はそのあとも変わるため、自社での状況は管理画面と公式ドキュメントで確かめることになります。

ロードマップの説明文にも、登録にはオプトインが必要だと書かれています。登録の手間が下がっても、本人が決めるという条件は変わりません。

もうひとつ知っておきたいのが、この方式では音声の録音そのものが保持されない点です。継続的に処理する仕組みのため、登録が終わったあとに自分の声を書き出すボタンは出てきません。あとから「登録した声を確認したい」と思ったとき、手動で登録した人と結果が変わります。

参照:Microsoft 365 のロードマップ

登録した声のデータはどこに保存される?

登録された声のデータは、Office 365 の信頼されたコンプライアンス保管領域に保存されます。公式に書かれているのはこの名前までで、中身の詳しい説明はありません。コンプライアンスは法令や社内の規程を守ることを指す言葉なので、それに対応した保管の仕組み、という程度に読むことになります。本人が登録を解除すれば、その時点で削除されます。

公式ページには、保存の場所と消えるタイミング、誰が何をできるのかが一続きで書かれています。社内から聞かれたときに根拠になるのは、この部分です。

保存先と、消えるタイミング

消えるタイミングは3つ示されています。

  • 本人が登録を解除したとき(すぐに削除される)
  • 会社が本人のTeamsアカウントを削除したとき(削除から90日以内)
  • 1年間使われなかったとき(自動で削除される)

見落としやすいのは3つ目です。公式には保持のポリシーが1年間と書かれており、1年使われなかったプロファイルは自動で消えます。会社が何もしなくても、使われないデータが残り続けるわけではありません。

端末側の話もあります。音声分離という機能を使っている場合、その端末にも音声プロファイルの写しが暗号化されて置かれます。音声分離とは、自分の声だけを残して周囲の音を抑える機能です。写しは14日で期限切れになり、新しいものに差し替わります。声のデータがクラウドだけにあるとは限らない、という点は押さえておきたいところです。

なお、日本語版の公式ページは機械翻訳のため、一部の文で語順が崩れています。保存先の記述もそのひとつです。英語の原文はこう書かれています。

Voice data is stored in the Office 365 trusted compliance store.

日本語版だけを読んで判断に迷ったら、原文に当たると早く済みます。

機能を切るにはPowerShellが必要

機能を止める操作は、Teams管理センターのスイッチでは行えません。PowerShell(コマンドを打って設定を変える仕組み)からのみ設定できます。管理画面を探しても見つからないため、情シスの手を借りる前提で動くことになります。

使うのは CsTeamsAIPolicy という設定です。このうち登録に関わる項目は3つで、いずれも既定で有効になっています。

設定の名前何を許すか
EnrollVoice設定画面から自分で音声プロファイルを作る・管理する(話者識別・文字起こし・音声分離のため)
EnrollFace対応するカメラで顔のプロファイルを作る・管理する(顔から個人を見分けるため)
PassiveVoiceEnrollment高速音声登録で音声プロファイルを作る(用途はEnrollVoiceと同じ)

組織全体だけでなく、特定の社員やグループ単位でも切り替えられます。方針が決まるまで止めておきたい場合は、3つのどれを止めるかから決めることになります。

この設定には、登録以外の項目も入っています。音声分離のほかに SpeakerAttributionBYOD という項目があり、持ち込みの機器で会議をする会議室で、誰が話したかを割り当てるかどうかを決めます。これも既定で有効です。Teams Rooms の専用機器がない会社でも見ておく価値があるのは、この項目があるためです。

公式ページには、コマンドの例も載っています。組織全体で手動の登録を有効にする例は、次の1行です。

Set-CsTeamsAIPolicy -Identity Global -EnrollVoice Enabled -EnrollFace Enabled

ただし、この1行では高速音声登録は止まりません。PassiveVoiceEnrollment は別の項目で、既定で有効なままです。高速音声登録も止めるなら、次の1行を続けることになります。

Set-CsTeamsAIPolicy -Identity Global -PassiveVoiceEnrollment Disabled

特定の社員だけ止めたい場合は、2つの操作が要ります。設定をつくる操作と、その社員に割り当てる操作です。つくっただけでは適用されません。

New-CsTeamsAIPolicy -Identity DisableEnrollment -EnrollVoice Disabled -EnrollFace Disabled -PassiveVoiceEnrollment Disabled

Grant-CsTeamsAIPolicy -PolicyName DisableEnrollment -Identity user@contoso.com

いずれも組織や社員の設定を書き換える操作です。情シスに依頼するときは、コマンドだけを渡すのではなく、誰にどの登録を止めたいのかを言葉で添えてください。

見える範囲と、消せる範囲は一致しない

権限のかたちも押さえておきたいところです。登録した声のデータを書き出せるのは本人だけで、管理者は書き出せません。一方で管理者は、Teams管理センターから登録の状況を確認し、データを削除することはできます。

見える範囲と消せる範囲が一致していない、という形です。社員から「自分の声のデータを見せてほしい」と言われたとき、管理者が代わりに取り出して渡すことはできません。本人が自分で書き出す手順を案内することになります。

参照:Overview and configuration of voice and face enrollment – Microsoft Teams

放置していた設定が、Copilotで効き始めた

AIが新しい危険を作ったわけではありません。片付いていなかった設定が、AIによって効き始めただけです。音声プロファイルの話と、Copilotの導入が止まる話は、同じ構造をしています。

統制の整備が追いつかないという調査

AIの導入が、統制の整備が支えられる速さより先に進んでいる。そう答えた責任者が53%いました。Microsoft 365 の管理・統制ツールを提供するCoreViewが2026年に公表した調査によるものです。回答者はIT・セキュリティの責任者500人で、いずれもディレクター(部門長)以上です。所属は従業員1,000人以上の組織で、地域は北米・欧州・オーストラリア・アジア太平洋です。

同じ調査では、Microsoft 365 環境の管理が重い負担だと答えた責任者が82%いました。リスクが出たあとにAIの動きを取り消した組織は、半数を超えています。

統制が追いつかないというのは、抽象的な話ではありません。既定で有効な機能がひとつ増えるたびに、決めるべきことがひとつ増えるという話です。音声プロファイルはその具体例です。会社が申し込んだわけでもないのに、社員に登録の案内が出る状態になっています。

参照:2026 CoreView State of AI in Microsoft 365: Research Data, Findings, and Insight

もともと見えていたものが探せるようになった

Copilotは原則として、その人がもともと見られるものしか見せません。新しく情報を漏らしているのではなく、もともと見える状態だったものが探せるようになったということです。統制の話がAIの導入と同時に浮上するのは、この構造のためです。

報道によれば、Copilotの導入を延期または中止した組織は約3分の2にのぼります。理由は、機密情報がAI経由で表に出ることへの懸念です。延期を判断した割合は、経営トップ層で75%、マネージャー層で60%と報じられています。この調査の回答者は、従業員1,000人以上の組織でIT・セキュリティ・インフラ・法令順守を担う責任者279人です。所属は86%が米国、7%がカナダで、残りが英国・オーストラリア・欧州です。日本の組織はほとんど含まれないため、傾向として受け取る範囲にとどめます。

CoreViewのCEOは、報道の中でこう述べています。

It is the most senior leaders who are pausing, because they can see exactly what AI will surface – a decade of sharing links and permissions nobody cleaned up.

止めているのは、いちばん上の立場の人たちだという指摘です。AIが何を表に出すかが見えているからで、10年分の共有リンクと権限を誰も片付けてこなかったわけです。つまり会議のAIを止めているのは、AIの性能ではありません。誰がどの記録を見られるのかを決めないまま、探せる道具を渡すことになるためです。順番が逆になっているだけです。

なお、Copilotで会議の要約を使うときに誰のライセンスがいくら必要かはTeams会議の要約に必要なライセンスと費用で整理しています。

参照:Microsoft Copilot Deployments Delayed Over Security Concerns

声のデータを持つ設計と持たない設計

会社として決めることは、突き詰めるとひとつです。社員の声のデータを持つ状態を選ぶかどうかです。

声の記録を持つ設計声の記録を持たない設計
会議をまたいだ識別登録した人は、会議をまたいで自動で名前が付く会議ごとに識別する(またがない)
会社が持つデータ社員の音声プロファイル(同意・保持・削除のルールが要る)持たない
本人の同意必要(オプトイン)声を登録するという工程がない

Teamsの音声プロファイルは左側の設計です。Otolioは右側を選んでいます。声の特徴をその会議の中だけで使って発言者を分け、個人の記録としては残しません。セキュリティの観点から、この形を選んでいます。

代わりに手放しているものもあります。声の記録を持たないため、会議をまたいで同じ人を自動で当てることはしません。会議をまたいだ識別が要る場面では、登録する設計のほうが向いています。どちらが正しいかではなく、自社の会議がどちらを必要とするかという話です。

セキュリティの検討で繰り返し出てくるのは、録音した内容がAIの学習に使われるのではないかという不安です。学習と保存は別の話です。Microsoftは公式に、音声プロファイルと顔プロファイルをモデルの学習には使わないと明言しています。学習に使わないという点だけを見れば、差は出ません。差が出るのは、声のデータを保存する状態を会社として選ぶかどうかです。

「機械学習に使わない」という表記も、それだけでは判断材料になりません。契約後に別途の申請が必要な場合や、外部には出さないが社内では活用するという場合があります。海外にデータセンターがあれば、その国の法律で扱われる可能性も出てきます。見るべきなのは、その表記にどんな条件が付いているかです。

Otolioは、顧客のデータと音声データを機械学習に使いません。特許を取得した独自の仕組みで、データを学習させずに認識の精度を上げています。保管は国内のデータセンターで、ISO/IEC 27001(ISMS)は2020年4月に取得しています。

声を登録しても効かない場面がある

声を登録すれば発言者が正しく付く、とは限りません。会議室が変わったとき、風邪をひいていたとき、マイクの種類が違うとき。こうした条件で声の認識は変わります。

話者識別の精度は、当社の知見では、どのツールでも7〜8割程度にとどまる場面があります。共通の測定基準が公表された領域ではなく、マイク、参加人数、発言の重なり、声質でも変わるため、あくまで目安として受け取ってください。とくに弱いのが発言の被りです。誰かが話している途中で別の人が入ってくると、切り替えが間に合いません。程度の差はあれ、どのツールにも共通する制約です。

事前に声を登録するより、毎回人が付け替えるほうが正確な場合もあります。事前の登録という機能を持たないツールがあるのは、この事情も背景にあります。

割り当て方そのものにも違いがあります。声の特徴で見分ける方式と、会議に参加者として入って参加者ごとに割り当てる方式です。発言が被ったときに弱いという点は、どちらにも共通します。

対面の会議や現場では、そもそも音が録れるか、誰の発言か分かるかが最初の壁になります。マイクの置き方や会議の進め方で結果が変わる部分で、打ち手は議事録で発言者が特定できない悩みを3ステップで解消で扱っています。

声を登録するかどうかを決めるときは、登録すれば解決するという前提を置かないほうが安全です。登録しても残る部分があり、そこは会議の設計と機材で埋めることになります。

自社のTeamsで確かめる3点

「うちはどうなっているのか」を確かめる順番は、3つに絞れます。機能が有効かどうか、声のデータをどう扱うと決めているか、会議の記録を誰が読めるのか。上から順に見ていくと、決めるべきことと決めなくてよいことが分かれます。

音声プロファイルが有効になっているか

最初に確認するのは、自社のTeamsで音声プロファイルの機能が有効かどうかです。既定で有効になっているため、何もしていなければ有効のままです。

確認と変更はPowerShellから行います。CsTeamsAIPolicy の3つの項目が、それぞれ有効か無効かを見ます。

有効だったとしても、すぐに止める必要があるとは限りません。登録するかは本人が決めるという条件があるためです。判断が必要なのは、社内に登録を案内するかどうか、方針が決まるまで止めておくかどうかです。

Teams管理センターからは、誰が登録済みかを確認できます。実際に登録が進んでいるかを見てから決める、という順番も取れます。

社員の声のデータをどう扱うか

次に決めるのは、社員が登録した声のデータを会社としてどう扱うかです。保存される、消える、本人が解除できる。この3つを前提に、どこまで文章にしておくかを決めます。

決めておくと後で困らないのは、次のあたりです。

  • 登録を社員に勧めるのか、本人の判断に任せるのか
  • 退職や異動のときに、声のデータの扱いをどう案内するのか
  • 社員から問い合わせが来たとき、誰が答えるのか

法令に触れるかどうかの判断は、この記事では扱いません。事実として言えるのは、保存される場所と消える条件が公式に示されていること、本人がいつでも解除できることです。ここから先は、自社の規程に照らして決める話になります。

セキュリティ部門が外部ツールとの連携を止めている場合も、確認の観点は同じです。ISO/IEC 27001(ISMS。情報セキュリティの国際規格)を取得しているかは確認の材料のひとつですが、それだけで判断できるものではありません。データを保管する国、暗号化、外部への委託先、誰が中身を見られるか、操作の履歴が残るか、いつ消えるか。どれを重く見るかは自社の規程によって変わります。

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会議の記録を誰が読めるのか

3つ目が、いちばん後回しになりやすいところです。会議の記録を誰が読めるのかは、AIが要約を出すようになって初めて問題として浮上します。それまでは、記録があっても探されなかったからです。

株式会社大和バルブの例が分かりやすいと思います。6〜7時間かかる役員会の議事録に、3〜4時間を費やしていました。専任の記録者を入れる案も出ましたが、機密性の高い会話が含まれるため、情報漏洩の観点から難しいと判断されています。結局、参加している役員自身が書くしかない状態でした。

録音から文字起こしまでをAIに任せた結果、議事録の作成時間は50%削減されています。担当者は「情報を記録する習慣に対して課題を感じている企業におすすめ」と話しています。

参考記事:機密性の高い役員会の議事録作成時間を50%削減。Otolioで情報の可視化を強化する

この例が示しているのは、記録に触れる人の範囲を絞ることが目的になる会議がある、ということです。誰でも読める前提でツールを選ぶと、そういう会議では使えません。

確認する範囲は、社内の権限だけではありません。ツールを提供している側の社員が中身を見られる設計になっていないか、操作の履歴が残るかも対象です。稟議では問われる部分なので、先に潰しておくと話が早くなります。

もうひとつの分かれ目が、記録が個人に紐づくか組織に紐づくかです。声のデータも、個人に紐づくデータのひとつです。機能そのものが終わるときに中身が手元に残るかという観点はCopilotがスーパーアプリに統合で扱っています。

閲覧範囲や確認の観点をひととおり見ておきたい場合は、AI議事録のセキュリティで扱っています。

まとめ|会議のAIは「どのデータを持つか」から決める

会議のAIをどう使うかは、機能の比較よりも先に、どのデータを会社が持つかで決まります。声のデータはその分かりやすい例です。持つと決めれば、同意・保存・削除のルールが必要になります。持たないと決めれば、会議をまたいだ識別は手放すことになります。

決める順番には向きがあります。最初に決めるのは、会議の記録を誰が読めるようにするかです。次に、その範囲を守れるデータの持ち方を選びます。機能の比較はいちばん最後です。逆から入ると、機能は選べても運用が決まらないという状態になります。

今回のTeamsの動きも、この順番で見ると扱いやすくなります。音声プロファイルは既定で有効ですが、登録するかは本人が決めます。会社が急いで決めるべきなのは、社員から聞かれたときに何と答えるかです。機能を止めるかどうかの判断は、そのあとで間に合います。

まずは自社の会議を、記録を絞りたいものと広く共有したいものに分けてみてください。分け終われば、声のデータを持つ設計と持たない設計のどちらが合うかが見えてきます。会議のAIの話は、そこから始めてみてはいかがでしょうか。

ここまで読んで、決めることが増えたように感じたかもしれません。実際に増えたのは、決めなくてよいことの見分け方です。機能が有効かどうかは確認するだけで済み、止めるかどうかは急ぎではありません。急ぐのは、社員から聞かれたときの答えを持っておくことです。

もう一段先に進むと、判断は自社の会議で確かめるしかない領域に入ります。声のデータを持たない形で記録が足りるのかは、会議の顔ぶれや録音の環境で変わります。読み比べるより、一度自社の会議で試したほうが早い場面もあります。

声を登録しない形で、記録がどこまで足りるか

会議業務を丸ごと自動化するAIエージェント「Otolio」は、録音から議事録の作成までを自動で進めます。発言者は声の特徴をその会議の中だけで使って分けるため、社員の声を登録して保管する工程がありません。

記録を見せる範囲はグループ単位で設定でき、操作の履歴を残す監査ログもオプションで用意しています。Web会議はツールを問わず対応し、集音マイクを使えば対面の会議でも記録できます。14日間の無料トライアルは、10時間相当の会議とユーザー数の制限なしで使えます。

よくある質問とその回答

Q. 社員が同意しなければ、音声プロファイルは作られませんか?

社員がオプトインしなければ、音声プロファイルは作られません。Microsoftの公式には、機能が使えるようになったあとも本人がオプトインする必要があると明記されています。組織では機能が既定で有効になっていますが、有効であることと登録されることは別です。登録した社員も、いつでも自分で解除できます。管理者があとから機能を無効にした場合でも、本人が解除する手段は残ります。

Q. 登録した声のデータは、AIの学習に使われますか?

登録した声のデータは、AIの学習には使われません。Microsoftの公式には、音声プロファイルと顔プロファイルをモデルの学習に使わず、登録機能を提供する以外の目的でも使わないと明記されています。

ただし、学習に使わないことと保存されないことは別です。登録された声のデータは Office 365 の信頼されたコンプライアンス保管領域に保存され、本人が解除するか1年間使われないと削除されます。

Q. 音声プロファイルの機能を組織全体で止められますか?

音声プロファイルの機能は、組織全体で止められます。CsTeamsAIPolicy という設定を使い、PowerShellから変更します。Teams管理センターの画面には項目がないため、コマンドでの操作が必要です。登録に関わる設定は、自分で登録する音声プロファイル、顔のプロファイル、高速音声登録の3つに分かれており、いずれも既定で有効です。組織全体だけでなく、特定の社員やグループ単位でも切り替えられます。

Q. 声を登録しないと、誰が話したかは分からないままですか?

声を登録しなくても、発言者を分ける仕組みはあります。声の特徴をその会議の中だけで使って分ける方式なら、事前の登録は要りません。ただし会議をまたいで同じ人を自動で当てることはできず、会議ごとの識別になります。なお話者識別の精度は、当社の知見では、どのツールでも7〜8割程度にとどまる場面があります。共通の測定基準が公表された領域ではないため、目安として受け取ってください。発言が被った場面の弱さは、登録の有無にかかわらず残ります。

Q. 登録した声のデータを、会社が書き出して確認できますか?

登録した声のデータを会社が書き出すことはできません。Microsoftの公式には、データの書き出しは登録した本人だけが使えると記載されています。管理者はTeams管理センターから登録の状況を確認し、データを削除することはできますが、書き出しはできません。高速音声登録の場合は、音声の録音そのものが保持されません。継続的に処理する仕組みのため、本人にも書き出しのボタンが出てきません。

この記事を書いた人
エピックベース株式会社|マーケティング部|青木喬平

2023年にエピックベースに入社し、累計利用社数8,000以上「Otolio」のマーケティングを担当。 本ブログでは、議事録・文字起こし・生成AI・AIエージェントに関するノウハウや、企業が業務効率化の実現・DXの推進に必要な情報を現場のリアルな視点からお届けしています。 ※ 本ブログはOtolio運営元であるエピックベース株式会社の社員が執筆・編集しています。

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