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議事録作成

【記入例つき】衛生委員会・安全衛生委員会の議事録の書き方|保存・周知の義務も解説

常時50人以上の労働者を使用する事業場では、衛生委員会を毎月1回以上開催し、所定の事項を記録して保存する義務があります。法令に議事録の様式は定められていませんが、記録すべき事項や保存・周知のルールは定められています。

ただ、いざ書こうとすると、

  • 埋まった状態の見本を見て、今月の分をそのまま書き起こしたい
  • 自社は安全衛生委員会として開いているが、記載は何か変わるのか
  • 全員が集まれない月に、オンラインや電子メール等を使って開いてよいのか

といった迷いが出てきます。

そのためこの記事では、議題ごとの記入例を先に示したうえで、労働安全衛生規則第23条が求める3つの義務、安全衛生委員会として開く場合の違い、集まれない月の開催方法までを解説しています。「今月の分をどこまで書けば足りるのか」と迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

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衛生委員会は毎月あります。同じ項目を毎回ゼロから書き起こしていると、記録を残すことより入力そのものに時間が溶けていきます。Otolioは会議業務を丸ごと自動化するAIエージェントです。委員会の音声から要点と決定事項を自動でまとめるため、担当者は出てきた内容を確認して整えるところから始められます。まずは今月の委員会でそのまま試してみてください。

目次

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そのまま写して使える衛生委員会の議事録の記入例

衛生委員会の議事録に、法令で定められた様式はありません。労働安全衛生規則(安衛則)第23条が求めているのは3つです。

開催の都度、委員会の意見とそれを踏まえて講じた措置の内容、そのほかの重要な議事を記録する必要があります。その記録は3年間保存し、議事の概要は遅滞なく労働者へ周知しなければなりません。発言を一字一句残す逐語録は求められていません。

記入例はひな形として使えますが、各回の内容に合わせて、法令が求める事項を具体的に記録してください。

以下に2つの記入例を置きます。事務が中心の事業場と、製造や現場を持つ事業場です。安全衛生委員会として開いている場合も基本書式は同じなので、安全側の委員や議題を反映して使えます。氏名・日付・部署名は自社のものに置き換えてください。

事務中心の事業場の記入例

長時間労働とメンタルヘルスが毎月の柱になる事業場の例です。冒頭に前回決定事項の進捗確認を置いているのは、毎月開く会議では前回の記録が今回の出発点になるためです。

衛生委員会 議事録

開催日時:2026年10月14日(水)15時00分〜16時00分
開催場所:本社3階 第2会議室
出席者:議長 山田(総括安全衛生管理者・総務部長)、衛生管理者 佐々木(総務部)、産業医 田中、衛生に関し経験を有する委員 鈴木(営業部・労働者側の推薦に基づき指名)、衛生に関し経験を有する委員 高橋(開発部・労働者側の推薦に基づき指名)

前回決定事項の進捗確認
決定事項:長時間労働者への面接指導の案内文を全部署へ配布する
担当者:総務部 佐々木、期限:9月30日、進捗:完了(9月25日配布)

議題1:9月の時間外労働の状況報告
背景・経緯:半期末にあたり、例年9月は時間外労働が増える。
討議の要点:時間外労働が月45時間を超えた従業員は3名(開発部2名、営業部1名)。いずれも半期末の納期対応によるもので、10月以降は平準化する見込みとの報告があった。産業医から、本人の申出を待たずに面接指導を案内すべきとの発言があった。
委員会の意見:45時間を超えた該当者には、申出の有無にかかわらず面接指導の案内を個別に行うべきである。
決定事項:該当者3名へ産業医面接の案内を個別に送付する。
事業者が講じた措置:10月16日、該当者3名へ案内を個別送付した。
今後の対応予定:10月の実績を次回委員会で報告する。担当者:総務部 佐々木、期限:11月11日

議題2:メンタルヘルス相談窓口の周知方法の見直し
背景・経緯:相談窓口の利用件数が前年同期を下回っており、案内が届いていない可能性がある。
討議の要点:案内は社内ポータルにのみ掲載しており、共有端末を持たない従業員には届いていないとの指摘があった。休憩室への掲示と、給与明細への同封案が挙がった。
委員会の意見:端末を持たない従業員にも届く方法を併用すべきである。
決定事項:休憩室3か所に案内を掲示し、11月の給与明細に案内文を同封する。
事業者が講じた措置:10月20日、掲示用の案内文を作成した。
今後の対応予定:掲示と同封の完了を次回委員会で報告する。担当者:人事部 中村、期限:11月11日

その他・連絡事項:11月は定期健康診断の実施月。未受診者への受診勧奨を各部署で行う。

次回開催予定:2026年11月11日(水)15時00分〜16時00分

記入例のポイントは、議題ごとに欄が4つに分かれていることです。4つの欄は、討議の要点、委員会の意見、決定事項、事業者が講じた措置です。安衛則が記録を求めているのは、このうち委員会の意見と講じた措置、そして重要な議事です。欄を分けておけば、条文が求める部分がどこにあるかを探さずに済みます。

製造・現場のある事業場の記入例

製造業や建設業など、安全委員会と衛生委員会の両方を設けなければならない事業場では、それぞれに代えて安全衛生委員会を設置できます。記録・3年間の保存・周知のルールは共通ですが、審議する範囲と委員の構成には安全側の要件が加わります。夏場の回を例にします。

安全衛生委員会 議事録

開催日時:2026年6月10日(水)10時00分〜11時00分
開催場所:第1工場 会議室A(産業医はオンラインで参加。使用ツール:〇〇)
出席者:議長 伊藤(総括安全衛生管理者・工場長)、安全管理者 村上(製造部)、衛生管理者 小林(総務部)、産業医 田中(オンライン参加)、安全に関し経験を有する委員 渡辺(第1製造課・労働者側の推薦に基づき指名)、衛生に関し経験を有する委員 中島(保全課・労働者側の推薦に基づき指名)、安全に関し経験を有する委員 佐藤(物流課・労働者側の推薦に基づき指名)

前回決定事項の進捗確認
決定事項:フォークリフト走行区画の区画線を引き直す
担当者:保全課 中島、期限:5月31日、進捗:完了(5月28日施工)

議題1:5月のヒヤリハット報告と再発防止
背景・経緯:5月のヒヤリハット報告は7件。うち3件が第2製造ラインの搬送工程に集中した。
討議の要点:3件はいずれも、搬送台車が通る通路に仕掛品のパレットが仮置きされていたことが原因だった。現場からは、仮置き場所が足りず通路にはみ出していると報告があった。危険性または有害性等の調査(リスクアセスメント)をやり直し、仮置き場の確保とあわせて対策すべきとの意見が出た。
委員会の意見:通路の確保を注意喚起だけで済ませず、仮置き場を物理的に確保すべきである。
決定事項:第2製造ライン脇に仮置き棚を増設し、通路の表示を床面に追加する。
事業者が講じた措置:6月15日、通路の床面表示を追加した。
今後の対応予定:6月中に仮置き棚を増設し、リスクアセスメントを再実施して次回委員会で報告する。担当者:製造部 村上、期限:7月8日

議題2:夏季の熱中症対策
背景・経緯:改正労働安全衛生規則により、一定の暑熱環境下の作業について報告体制と悪化防止の手順を定めて周知することが義務づけられた。
討議の要点:WBGT(暑さ指数)が28度以上になる工程を調べたところ、塗装工程と乾燥炉周辺の2工程が該当した。どちらも連続1時間を超える作業がある。異常に気づいた本人や周囲の人が、誰にどう報告するかが決まっていないとの指摘があった。
委員会の意見:報告の窓口と手順を文書で定め、該当工程の従業員全員に周知すべきである。
決定事項:報告体制と悪化防止の手順を定めた文書を作成し、該当2工程の朝礼で説明する。あわせて休憩場所に製氷機を設置する。
事業者が講じた措置:6月12日、手順書の案を作成した。
今後の対応予定:6月末までに周知を完了し、周知した日と対象者の記録を残す。担当者:総務部 小林、期限:6月30日

その他・連絡事項:6月の作業環境測定の結果は第1管理区分で、改善を要する箇所はなかった。

次回開催予定:2026年7月8日(水)10時00分〜11時00分

安全側の議題が入ると、記録する内容は増えます。それでも欄の作りは変わりません。安全衛生委員会として開く場合に何が変わるかは、「安全衛生委員会として開くと何が変わるか」でまとめて説明します。

議題ごとの書き分けとNG例

4つの欄は役割が違います。混ぜて書くと、後から読む人が「結局何が決まったのか」を取り出せません。

  • 討議の要点:何が論点になり、どんな意見が出たか。発言者名までは要りません
  • 委員会の意見:委員会として事業者に何を述べたか。1文で言い切ります
  • 決定事項:その意見を受けて何が決まったか
  • 事業者が講じた措置:実際に実施したこと。これからの対応は「今後の対応予定」に分けます

分けておくと、安衛則が求める委員会の意見と講じた措置がどこにあるか一目で分かります。監督署に見せる場面でも、後任に引き継ぐ場面でも、探す時間が要りません。

書けていない議事録は、だいたい同じ形をしています。たとえば、こう書かれているものです。

議題:熱中症対策 内容:熱中症対策について話し合った。各自注意すること。

何が論点だったのか、委員会として何を述べたのか、会社が何をしたのかが、1つも読み取れません。同じ回を、欄を分けて書き直すとこうなります。

議題:夏季の熱中症対策 討議の要点:WBGT28度以上となる工程が2つあり、異常時の報告先が決まっていないとの指摘があった。 委員会の意見:報告の窓口と手順を定め、該当工程の全員に周知すべきである。 決定事項:手順書を作成し、6月末までに朝礼で周知する。 事業者が講じた措置:6月8日に手順書の案を作成した。

違いは分量ではありません。法令上必要な内容が、後から確認できる形で残っているかどうかです。欄を分けておけば、委員会の意見や講じた措置、重要な議事を整理して記録しやすくなります。発言をすべて書き起こす必要はなく、要点だけを残す議事録の書き方は社内のほかの会議と同じ考え方で足ります。

ひな形は、次の項目を並べておけば十分です。

開催日時、開催場所、出席者(氏名と役職)、前回決定事項の進捗、議題、背景・経緯、討議の要点、委員会の意見、決定事項、事業者が講じた措置、今後の対応予定(担当者と期限)、その他・連絡事項、次回開催予定

一度作れば毎月そのまま使えます。表計算ソフトで記入欄を固定しておくと、担当が誰であっても同じ形の記録が残ります。会議の種類ごとに書式をそろえたいなら、議事録フォーマットの作り方|コピペで使える会議別テンプレ3種とWord・Excelでの整え方で、必要項目の決め方やWord・Excelでの整え方を確認できます。

衛生委員会の議事録に課される3つの義務

議事録を作る理由は、効率化とは限りません。上場の準備を進める会社では、主要な会議体の記録を残すこと自体が準備項目に入る、という話がOtolioの商談でも出てきます。残すかどうかを選べない記録は、質を落とさずに軽く残す形を作るしかありません。

衛生委員会の議事録も同じ性質を持っています。労働安全衛生規則第23条が、記録・保存・周知の3つを事業者の義務として定めているためです。

1. 開催の都度、議事録を作成する

衛生委員会は毎月1回以上開くものと定められています(安衛則第23条第1項)。そのうえで、開催のたびに記録を残す義務が同条第4項にあります。記録するよう求められているのは、次の2つです。

  • 委員会の意見および当該意見を踏まえて講じた措置の内容
  • 上記のほか、委員会における議事で重要なもの

条文はこの2つを号に分けて挙げています。つまり「何を話し合ったか」だけでは足りません。委員会が何を述べ、それを受けて会社が何をしたかまで記録する必要があります。

保存義務に違反した場合は、労働安全衛生法第103条第1項・第120条第1号により50万円以下の罰金の対象となる可能性があります。罰則があるから作る、と考えると毎月がつらくなります。毎月の記録が会社を守る材料になる、と考えるほうが実務に合います。

参照:労働安全衛生規則|e-Gov 法令検索

2. 作成した記録を3年間保存する

保存の期間は3年です。根拠は安衛則第23条第4項で、記録を作ることと3年間保存することが同じ条文に並んでいます。紙でも電磁的記録でも構いません。ただし電子で保存する場合は、労働基準監督官等による臨検のときに必要事項が直ちに明らかになり、写しを提出できるシステムになっている必要があります。

法定の保存要件とは別に、実務上は保存場所の一元化、電子データのバックアップ、保存期限の管理方法を決めておくと運用しやすくなります。

3年間の保存期間について、安衛則第23条第4項は起算日を明示していません。少なくとも各回の記録を3年間確実に保存できるよう、保存期間を短くしない形で社内の管理ルールを統一しておきましょう。

月をまたいで議事録を仕上げる場合も、保存期限の判断が担当者ごとにぶれないようにしておくと安心です。会議ごとに何年残せばよいかを一覧にしておくと、衛生委員会以外の記録も同じ物差しで管理できます。

会議体が変われば、年限も根拠となる法律も別物です。取締役会の議事録は会社法に基づいて10年の保管が求められ、記載事項も別に定められています。自社に複数の会議体があるなら、年限の一覧を1枚作っておくと迷いません。

3. 議事の概要を遅滞なく労働者へ周知する

周知は安衛則第23条第3項の義務です。開催の都度、遅滞なく、議事の概要を労働者に知らせなければなりません。方法は次の3つに限られています。

  • 常時各作業場の見やすい場所に掲示するか、備え付ける
  • 書面を労働者に交付する
  • 電磁的記録に記録し、かつ各作業場に労働者が常時確認できる機器を設置する

3つすべてを行う必要はありません。自社の環境に合う方法を1つ選べば足ります。

注意したいのは3つ目です。記録を電磁的記録として残しただけでは、まだ条文の求めに届きません。各作業場に、内容を常時確認できる機器を置くところまでがセットになっています。社内ポータルに載せて終わりにすると、共有端末を持たない現場の従業員には届きません。工場や店舗を抱える会社なら、掲示や書面の交付と組み合わせる判断も要ります。

方法を決めたあとに残るのは、実際に読まれるかどうかという別の問題です。誰に、いつ、どの粒度で届けるかは、社内のほかの議事録にも共通する悩みです。議事録を共有するときの3つのポイントもあわせて確認できます。

保存する議事録と周知する議事の概要は同じものか

同じでなくて構いません。条文が対象を分けているためです。3年間の保存がかかるのは「記録」のほうで、周知の対象は「議事の概要」です。

現実的なのは、詳しい議事録を1本だけ作って保存し、そこから個人が分かる情報を落とした概要版を掲示や配布に回すやり方でしょう。衛生委員会は健康の話を扱います。最初から全文を貼り出す前提で書くと、触れられない議題が出てきます。

なお、1つの文書に安衛則第23条第4項が求める記録事項を含め、その文書を議事の概要として周知することもできます。保存対象の「記録」と周知対象の「議事の概要」は法令上別に定められているため、別文書にする場合はそれぞれの要件を満たすようにしましょう。

参照:Q 安全委員会、衛生委員会について教えてください。|厚生労働省

労働基準監督署がどこを見ているかも、あわせて確認しておきましょう。東京労働局 足立労働基準監督署の資料では、議事録・周知・産業医欠席時の対応に関して、次のような不備が挙げられています。

  • 議事録を作成して3年間保存していない
  • 開催の都度、議事の概要を掲示する等により全労働者に周知していない
  • 産業医が欠席した場合に議事内容を提供し、助言・指導を受けていない

なお、同資料では、委員の構成、毎月1回以上の開催、法令で定める調査審議事項などについても不備が挙げられています。この3点だけを満たせば十分という意味ではありません。

参照:安全衛生委員会等を適正に運営していますか|東京労働局 足立労働基準監督署

安全衛生委員会として開くと何が変わるか

議事録に関する記録・3年間の保存・周知のルールは同じです。一方、安全衛生委員会では審議する範囲に安全事項が加わり、委員の構成にも安全側の要件が加わります。

書式・保存・周知の決まりは同じ

衛生委員会の根拠は労働安全衛生法第18条にあり、常時50人以上の労働者を使用する事業場では業種を問わず設置が義務づけられています。安全衛生委員会は、安全委員会と衛生委員会の両方を設けなければならない事業場が、それぞれに代えて設置できる組織です(同法第19条)。2つを1つにまとめたものなので、議事録に適用される安衛則第23条の決まりはそのまま当てはまります。

項目 衛生委員会 安全衛生委員会
設置の根拠 労働安全衛生法第18条 同法第19条(両委員会に代えて設置)
議事録の書式 法令に定めなし 同じ
記録と3年間の保存 安衛則第23条第4項 同じ
議事の概要の周知 安衛則第23条第3項 同じ
審議する範囲 衛生に関する事項 衛生に加えて安全に関する事項
委員の構成 事業の実施を統括管理する者等、衛生管理者、産業医、衛生に関し経験を有する者など 左記に加え、安全管理者、安全に関し経験を有する者など

この記事の基本書式は、安全衛生委員会にも使えます。ただし、表題だけでなく、出席者欄に安全管理者など必要な委員を反映し、安全面の議題も記録してください。「うちは安全衛生委員会なので、まったく別の書式が必要か」と迷う必要はありません。

安全側の議題が加わる分だけ記載が増える

違いが出るのは議題です。衛生面に加えて、安全面の事項も審議対象に加わります。

  • 労働災害の原因と再発防止対策のうち、安全に係るもの
  • ヒヤリハットの報告と対策
  • 危険性または有害性等の調査(リスクアセスメント)の結果と、それに基づく措置のうち、安全に係るもの
  • 安全教育の実施計画

扱う議題が増えるぶん、議事録も長くなります。議長は、総括安全衛生管理者、または当該事業場で事業の実施を統括管理する者・これに準ずる者のうちから事業者が指名した委員が務めます。

安全衛生委員会では安全管理者も委員に含まれるため、出席者欄の役職名も最初の回で整えておきましょう。

記録の作り手についても、安全側の議題では考えどころがあります。安全衛生委員会では、議長以外の委員の半数について、過半数労働組合または労働者の過半数代表者の推薦に基づいて事業者が指名する必要があります。

労使双方の意見を扱う会議では、議事録の内容について認識が分かれることもあります。録音や原資料を確認できるようにしておけば、後から認識の違いが生じた際の確認材料になります。

オンラインやメールなどで開催してよいか

オンライン開催は要件を満たせば可能です。また、委員相互の十分な調査審議ができるよう運用方法をあらかじめ委員会で定めている場合は、電子メール等の即時性のない方法でも差し支えないとされています。

根拠は厚生労働省の通達(令和2年8月27日付 基発0827第1号)です。なお、この通達が明示しているのは情報通信機器を用いた開催であり、紙の書面だけを回覧する方法まで明記しているわけではありません。

情報通信機器を使うときに満たす3つの要件

オンラインで開く場合、使う機器が次の3つをすべて満たす必要があります。

  • 委員が容易に利用できること
  • 映像や音声の送受信が常時安定しており、意見交換が円滑に行えること
  • 個人情報の漏えいや不正アクセスを防ぐ措置が講じられていること

2つ目は、通信が途切れがちな環境では開催とみなしにくい、という意味です。健康情報を扱う委員会なので、3つ目も実務では重く見ておきましょう。

忘れやすいのが記録です。情報通信機器を用いて開催した場合も、委員の意見・措置の内容・重要な議事を書面または要件を満たす電磁的記録として作成し、保存する必要があります。

録画や録音を残したから記録は要らない、とはなりません。議事録の開催場所の欄には「オンライン開催(使用ツール:〇〇)」と書き、一部の委員だけがオンラインなら、その旨も残しておきます。

参照:情報通信機器を用いた安全委員会等を適切に実施しましょう|厚生労働省・福岡労働局

電子メール等の即時性のない方法で開催する条件

原則は、対面と同じようにその場で意見を交わせることです。ただし、次のような事項をあらかじめ委員会で定めておけば、電子メールのように即時性のない方法でも差し支えないとされています。

  • 開催期間(いつからいつまでを1回の開催とするか)
  • 各委員への資料の共有方法
  • 各委員の意見の表明方法
  • 委員間で異なる意見が出た場合の調整方法
  • 調査審議の結果を踏まえて、事業者に対して述べる意見の調整方法

運用で気をつける点も、通達があわせて挙げています。

  • 委員が検討するのに十分な期間を設ける
  • 委員からの質問や意見を速やかにほかの委員へ共有し、議論の経緯を全員が確認できるようにする
  • 期限までに意見を出さなかった委員には、資料の確認状況と意見提出の意思を確認する
  • 意見の調整を担当する人をあらかじめ決めておく

議事録の書き方も少し変わります。開催日時の欄に「◯月◯日から◯月◯日まで(電子メールによる持ち回り開催)」のように期間と方法を残し、各委員の意見をいつ受け取ったかが追える形にしておきましょう。

議事録を書くときに迷いやすい3つの場面

欄の分け方が決まっても、毎月手が止まりやすいのは、どこまで書くか、健康情報をどう扱うか、産業医が来られなかった回をどう残すかという3つの場面です。

1. どこまで詳しく書くか

安衛則第23条第4項が求めているのは「議事で重要なもの」であって、全発言ではありません。ここを読み違えたまま書き始めると、毎月の作業が何倍にもふくらみます。

とはいえ、どこまで書けば十分かという感覚は、同じ社内でも割れます。Otolioが企業と重ねてきた商談でも、議事録に求めるものが一社の中で二手に分かれるという話が繰り返し出てきました。

発言レベルまで残したい部門と、決定事項を中心に残したい部門が、同じ会社の中に存在することがあります。衛生委員会でも逐語録までは求められませんが、委員会の意見、その意見を踏まえて講じた措置、そのほかの重要な議事は記録する必要があります。

労働時間や作業環境の改善など、労使の認識が分かれやすい議題では、発言の趣旨も残しておくと後の行き違いを防ぎやすくなります。

発言をそのまま文字にした記録は、議事録とは別の種類の文書です。逐語録と議事録の違いを押さえておくと、自分がどちらを求められているのか判断しやすくなります。

同じ「関係者の意見を残す会議」でも、労使協議会の議事録のように、より細かな発言記録が求められる運用もあります。会議体の目的に応じて、必要な記録の粒度を決めましょう。

2. 個人の健康情報をどう扱うか

衛生委員会の議題には、健康診断の結果やストレスチェックの実施状況のように、個人の健康に関わるものが混ざります。周知する議事の概要には、個人を特定できる健康情報を載せないよう配慮しましょう。

具体的には、「Aさんの健康診断でBの所見があった」のような書き方を避け、「有所見率が〇%であった」のように統計の形にまとめます。理由は周知義務にあります。議事の概要は、その事業場の労働者に知らせるものです。個人の健康情報が入っていれば、プライバシーの侵害につながりかねません。

保存用の記録に個別の情報を含める必要がある場合も、利用目的と閲覧権限を限定して管理します。保存用と周知用で中身を変えてよいのは、条文が対象を分けているからです。

3. 産業医が欠席したときの記録

法令は、産業医の出席を一律の開催要件とは定めていません。欠席した回に意見を聴くことを義務づけた明文の規定も、同じく見当たりません。出席を開催の条件とするかどうかは、自社の委員会の運営ルールで確かめてください。

それでも、議事内容を共有しないまま次の回に進むのは避けたいところです。産業医は委員会に対して必要な調査審議を求められる立場にあるためです(安衛則第23条第5項)。共有が途切れると、専門家の意見が委員会の運営に届かないままになります。先に挙げた足立労働基準監督署のチェックリストにも、「産業医が欠席した場合に議事内容を提供し、助言・指導を受けていない」が不備の例として載っています。欠席した回こそ、後から意見を聴いた記録を残しておきたいところです。

共有の仕方にも幅があります。Otolioが事例取材で聞いた運用では、要点をまとめた文書を渡したうえで、気になった箇所の音声にその場で戻れるようにしていました。受け取る側の負担が、そのほうが軽くなるためです。要約だけでは、その場で何が引っかかっていたのかまでは伝わりません。専門家の判断を仰ぐのなら、材料ごと渡すほうが早く確実です。

後日意見を聴いた場合は、委員会当日の意見と混同しないよう、聴取日を明記したうえで「後日確認した産業医の意見」として記録しましょう。たとえば「産業医〇〇は所用により欠席。〇月〇日に意見聴取を実施」と書いておきます。経緯が残っていれば、次の委員会で「あの件はどうなったか」と探す時間もいりません。

毎月続く記録として軽くする工夫

1回分の書き方が分かったところで、来月も、その次の月も委員会は開かれます。年12回続くものとして、議題の選び方と記録にかかる手間の減らし方まで押さえておきましょう。

2026年時点で議題に上がりやすいテーマ

議題は、季節と法改正の2か所から拾うと組み立てが楽になります。審議事項そのものは安衛則第22条が列挙しているので、迷ったらそこから今月取り上げるものを選ぶのが近道です。

2025年6月1日には改正労働安全衛生規則が施行され、一定の暑熱環境下で行う作業について2つの義務が加わりました。

1つは、熱中症のおそれがある人を早く見つけるため、自覚症状のある人や周囲の人が報告できる体制を定め、周知することです。もう1つは、症状の悪化を防ぐための措置の内容と手順を定め、周知することです(安衛則第612条の2)。

対象になるのは、WBGT(暑さ指数)が28度以上または気温が31度以上の環境で、連続1時間以上または1日合計で4時間を超えて行われることが見込まれる作業です。

業種の限定はありません。屋外作業だけでなく、空調のない倉庫や厨房でも、温度と作業時間の条件を満たせば対象になります。自社の作業が条件に触れるかどうかは、夏を迎える前に委員会で確認しておきたい論点です。

体制整備と手順の作成・周知の義務には、罰則も付いています。体制と手順を定めないまま対象の作業をさせた場合、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されることがあります。拘禁刑とは、懲役と禁錮を一本化した刑のことです。努力義務ではありません。この点は委員会の場で共有しておきましょう。

参照:職場における熱中症予防情報|厚生労働省

先を見た議題もあります。2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務づけられます。施行日は2028年4月1日です。2026年6月10日には施行期日を定める政令が公布され、日付が固まりました。事業場を複数持つ会社なら、50人未満の拠点の扱いを早めに議題へ上げておきましょう。実施体制を作るにも予算を確保するにも、決めるまでに時間がかかります。

季節に合わせたテーマも定番です。夏は熱中症、冬は感染症の予防、年度替わりには健康診断の受診勧奨がテーマになります。ストレスチェックの集団分析の結果が出た回も、職場環境の改善を話し合う好機です。

参照:ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策|厚生労働省

担当者が変わっても水準を落とさない

衛生委員会は毎月あります。同じ水準の記録を、年12回積み上げていかなければなりません。ところが担当が代われば、どこまで書くかの感覚も書式の使い方も変わります。去年の議事録と並べたとき、別の会議の記録のように見えることさえあります。

Otolioが実施した250件以上の導入企業アンケートにも、同じ声が何度も現れます。議事録の完成度や粒度が担当者ごとにばらつく、という声です。その人がいないと書けない状態になっている、という指摘もありました。

対策そのものは単純です。

  • ひな形を固定して記入欄を動かさない
  • 決定事項の書き方を1つに決めておく
  • 過去の議事録を後任がすぐ見つけられる場所に置く

この3つを決めておくだけでも、引き継ぎで落ちる情報はかなり減ります。

衛生委員会に限らず、社内の議事録全体で書式と運用ルールをそろえたい場合は、議事録を全社で標準化する5ステップも参考になります。

記録そのものにかかる手間を減らす

毎月の負担を下げる道は2つあります。段取りで減らす道と、記録の作り方そのものを変える道です。

段取りでできることは次の3つです。手を動かす前に決めてしまえば、毎月そのつど迷う時間がなくなります。

  • 前月の議事録を複製して次月分の下地にする
  • 出席者や定例の議題など、会議前に分かる情報は先に埋めておく
  • 前回の決定事項と進捗の確認欄を冒頭に置き、確認漏れを防ぐ

そのうえで、記録の作り方自体にも見直す余地があります。同アンケートで最も多く語られていたのも、まさに議事録でした。作成に時間を取られて本来の業務が後回しになる、という悩みです。衛生委員会は毎月ある会議です。1回の負担が小さくても、年単位では無視できない量になります。

委員会の音声を録音しておけば、「あのとき何と言ったか」を後から確認できます。近年は、録音した音声をAIが自動で文字にし、要点の抽出や話者の切り分けまで行うツールも増えました。Otolioのように会議業務を丸ごと自動化するAIエージェントを使えば、担当者の仕事は一から書き起こすことではなく、出てきた内容を確認して整えることになります。

ただし、健康情報を扱う可能性があります。録音データの利用目的・閲覧権限・保存方法といった取り扱いルールは、使い始める前に委員会で決めておきましょう。

まとめ|議事録は法令が求める3点を毎月残すこと

衛生委員会・安全衛生委員会の議事録は、記入例を写して議題ごとの欄を埋めれば形になります。押さえどころは、開催のたびに委員会の意見と講じた措置を含めて記録すること、その記録を3年間保存すること、議事の概要を遅滞なく労働者へ周知することの3つです。

迷ったときの判断軸も、この3つから引けます。どこまで書くか迷ったら「議事で重要なものか」を判断基準にし、周知の方法で迷ったら「端末を持たない人にも届くか」を確認しましょう。集まれない月は、要件を満たしたオンライン開催や、あらかじめ進め方を委員会で定めた電子メール等の即時性のない方法も利用できます。

議事録は、決めたことの進捗を追い、職場環境を実際に良くしていくための道具にもなります。しまい込む書類で終わらせるにはもったいない記録です。まずは今月の分から、この記事の記入例に沿って組み立ててみてはいかがでしょうか。

ここまで読めば、何をどこまで書けばよいかは決まったはずです。ただ、委員会は来月も再来月もあります。年12回、同じ水準を保ち続ける負担は、1回分の手順を覚えただけでは軽くなりません。欄を決めたあとに残るのは、聞いて、まとめて、形にするという毎月の手間そのものです。

毎月の1時間を、確認するだけの時間に変える

委員会の議事録で時間がかかるのは、書式を決める作業より、話された内容を要点に落とす作業です。Otolioは会議の音声から要点・決定事項・やることを自動でまとめます。担当者は出てきた内容を確認し、自社の言い回しに整えるところから始められます。累計利用社数8,000社以上、大手企業から自治体まで幅広くご利用いただいた実績があります。まずは14日間、今月の委員会でそのままお試しください。

この記事を書いた人
エピックベース株式会社|マーケティング部|青木喬平

2023年にエピックベースに入社し、累計利用社数8,000以上「Otolio」のマーケティングを担当。 本ブログでは、議事録・文字起こし・生成AI・AIエージェントに関するノウハウや、企業が業務効率化の実現・DXの推進に必要な情報を現場のリアルな視点からお届けしています。 ※ 本ブログはOtolio運営元であるエピックベース株式会社の社員が執筆・編集しています。

よくある質問とその回答

Q. 衛生委員会と安全衛生委員会で議事録の書き方は違いますか?

書き方の基本は同じです。記録・3年間の保存・議事の概要の周知に関するルールは共通しています。安全衛生委員会では安全面の議題が加わり、安全管理者や安全に関し経験を有する者も委員構成に含まれます。議長は、総括安全衛生管理者または事業の実施を統括管理する者・これに準ずる者のうちから事業者が指名した委員が務めます。

Q. 衛生委員会の議事録を作成しないと罰則はありますか?

記録の保存義務に違反すると、労働安全衛生法第103条第1項・第120条第1号により50万円以下の罰金の対象になることがあります。議事の概要の周知も法令上の義務です。開催の都度、記録を作成して3年間保存し、議事の概要を遅滞なく周知しましょう。

Q. 議事録は紙とデータのどちらで保存すべきですか?

どちらでも保存できます。電子で保存する場合は、労働基準監督官等による臨検のときに必要事項が直ちに明らかになり、写しを提出できる状態にしておく必要があります。検索のしやすさを考えると電子データのほうが扱いやすいでしょう。安衛則第23条第4項には保存期間の起算日の明示がないため、各回の記録を3年間確実に保存できるよう、保存期間を短くしない形で社内の管理ルールを統一しておきましょう。

Q. 議事録のフォーマットは法律で決まっていますか?

決まっていません。様式を定めた法令はなく、自社で作った書式でも、公開されているテンプレートでも構いません。労働安全衛生規則第23条第4項が挙げる事項をすべて含んでいれば、形式は自由です。

Q. オンラインで開催した場合の議事録はどう書けばよいですか?

記載すべき項目は対面のときと同じです。開催場所の欄に「オンライン開催(使用ツール:〇〇)」と書き、出席者はいつもどおり氏名と役職を記録します。一部の委員だけがオンラインなら、その旨も残しておきましょう。接続の不具合で一時的に参加できなかった委員がいた場合は、その事実も書いておくと後から経緯を確認しやすくなります。なお、情報通信機器を用いて開催した場合も、記録は書面または要件を満たす電磁的記録として作成・保存する必要があります。

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