AI議事録の精度は何で決まる?4つの要素と自社での見分け方
AI議事録ツールを選ぶとき、多くの方がまず「どれが一番精度が高いのか」を調べます。会議の発言が正しく文字にならなければ、あとで手直しが増えるからです。
ただ、調べ始めても手がかりが見つかりません。
- 「精度90%以上」などの数値が並んでいて、違いが分からない
- 専門用語の多い会議や、1本のマイクで複数人が話す会議でも同じ精度が出るのか分からない
- お試しを始めたものの、どこを見て良し悪しを判断すればいいのか分からない
そのためこの記事では、AI議事録の精度を決める4つの要素と、自社の会議で精度が出るツールの見分け方を解説します。「自社の会議でも本当に使えるのかを、自分で見極められるようになりたい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
専門用語の多い会議、複数人が参加する会議、拠点をまたぐ会議。Otolioは録音から要点の整理までを自動で行います。過去に作成した議事録をAIが参照するため、用語を登録しなくても、使うほど社内の言葉の認識精度が上がります。累計8,000社以上の利用実績があります。
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AI議事録の精度を決める4つの要素
AI議事録の精度を評価する際は、録音の条件・話者の分け方・専門用語の扱い・要約の作り方という4つの要素を確認します。文字起こしの精度は録音環境や会議内容によって変わるため、特定の数値だけでツールを評価することはできません。そのため、公表されている数値に加え、自社の会議で求める精度が出るか、継続的に改善できる仕組みがあるかを確認することが大切です。
AI議事録の精度はどれくらい出るのか?
「精度90%以上」という数値は、文字起こしの認識精度を示している場合があります。ただし、何を正解として数えるか、どのような音声で測定したかは製品によって異なります。そのため、同じ90%以上という表記でも、単純に比較できるとは限りません。
ただ、議事録として使えるかどうかは、文字起こしの正答率だけでは決まりません。誰の発言かを振り分ける精度も、要点や決定事項を過不足なくまとめる精度も、読み手にとっては同じ「精度」です。文字が9割方合っていても、発言者が入れ替わっていれば議事録としては使えません。
つまり、何を測ったかによって精度の姿は変わります。中身を4つに分けると、自分の会議で何が効くのかが見えてきます。
1. 録音の条件
文字起こしの精度は、ツールの性能だけでなく、録音の条件によっても大きく変わります。特に、マイクと話し手の距離、部屋の雑音、複数人の発言が重なる状況、1本のマイクで複数人の声を拾う構成などに注意が必要です。こうした条件によって音声が聞き取りにくくなると、文字起こしに誤認識が生じやすくなります。
Otolioを提供するエピックベースが自社で検証しました。上位の音声認識AIどうしを入れ替えたときより、録音の条件を変えたときのほうが、差ははるかに大きく出ました。ツールを乗り換えて得られる改善より、録り方を見直して得られる改善のほうが大きい場面は少なくありません。
録音環境を適切に整えておけば、同じ環境で行う会議の文字起こし精度を安定させやすくなります。マイクの位置や向き、部屋の環境音、話し方の工夫については、文字起こしの精度を上げる4つの方法で手順まで解説しています。
2. 話者の分け方
複数人の会議では、誰の発言かを振り分けられるかどうかが効いてきます。ここが崩れると、文字起こし自体は正確でも「誰が言ったか」を確かめる作業が丸ごと残ります。発言をそのまま残す議事録ほど、この手戻りは重くなります。
振り分けが崩れやすいのは、拠点ごとに1本のマイクを置いて複数人の声を拾う構成です。対面の会議室とオンライン参加者が混ざる形も同じで、マイクから遠い人の声ほど誰のものか判別しづらくなります。自社の会議がこの形なら、試用のときに真っ先に確かめたい要素です。
3. 専門用語の扱い
型番や社名、業界特有の言い回しは、一般的な会議では高い精度が出るツールでも誤変換が起きやすい言葉です。ある製造業の商談では、Web会議ツールの文字起こしを実際に試した担当者から、型番が正しく変換されないという声がありました。
分かれ道になるのは、専門用語への対応のしかたです。使う言葉をあらかじめ辞書に登録しておく方式と、使ううちに自動で寄せていく方式があります。どちらの方式を選ぶかによって、長期的な運用で必要になる用語登録や文字起こしの修正の手間が変わります。
4. 要約の作り方
文字起こしが正しくても、そこから決定事項とやるべきことを拾い切れるとは限りません。要約の精度は、AIに何を材料として渡し、どんな形で出させるかで変わります。
会議の背景が伝わらなかったり、出力形式が決まっていなかったりすると、決定事項や重要な発言が十分に整理されないことがあります。会議の種類に合った書式を設定できるかに加え、決定事項や担当者、やるべきことを正しく抽出できるかも確認しましょう。
いま精度が低いと感じているなら、先に原因を切り分ける
手元の議事録が読みにくいときは、原因を切り分けると直し方が決まります。例えば、音声の誤認識、つなぎ言葉の残存、表記のばらつき、話し言葉のままの文章などが考えられます。原因によって対処法が異なるため、AI議事録の精度が低い4つの原因で原因別の直し方を解説しています。
ツールを変えても精度が上がらないことがある理由
精度が高いとされるツールに乗り換えても、改善を実感できない場合があります。その背景には、録音環境やツール側の処理など、複数の要因があります。
上位の音声認識AIでも、精度差が小さい場合がある
AI議事録ツールには、外部で提供されている音声認識AIや生成AIを自社製品に組み込んでいるものがあります。そのため、製品名が異なっても、同じ系統のAIが使われている場合があります。
エピックベースの社内検証では、上位の音声認識AIどうしの精度差が小さいケースが確認されています。一方で、会議の内容や話し方によってエンジンの評価が変わることもあります。また、音声認識AIは継続的に更新されるため、特定の時点での順位が将来も続くとは限りません。そのため、エンジンの順位だけで判断せず、自社の会議で精度を確かめることが大切です。
差がつくのはエンジンの上に積む作り込み
実際の使いやすさには、音声認識AI自体の性能だけでなく、各社が追加する処理も影響します。例えば、「えー」「あのー」といったつなぎ言葉の除去、同音異義語の補正、表記の統一などです。こうした処理が充実しているか、継続的に改善されているかによって、文字起こしの読みやすさや修正の手間に差が出ます。
「今いちばん」で選ぶと調べ直しがくり返される
AIは継続的に更新されるため、検討時点で精度が高かったツールが、将来も同じ評価を維持するとは限りません。
導入時点の精度ランキングだけを選定理由にすると、新しいAIや他社製品の話題が出るたびに、比較をやり直すことがあります。実際の商談でも、他社のAIが優秀らしいという伝聞によって、選定が振り出しに戻るケースがありました。導入後の再比較を減らすには、提供元が精度改善を続ける体制まで確認することが大切です。
精度が出るツールを見分ける3つの観点
精度ランキングだけでは判断できない、3つの選定ポイントを解説します。自社の専門用語への対応、提供元による継続的な精度改善、セキュリティ要件との両立を確認しましょう。
1. 自社の言葉に精度が寄っていくか
専門用語への代表的な対応方法には、辞書に用語を登録する方式と、過去の議事録などを参照する方式があります。両者は、運用に必要な手間や精度の改善方法が異なります。
| 辞書に登録しておく方式 | 使ううちに自動で寄せていく方式 | |
|---|---|---|
| 精度が上がるきっかけ | 担当者が用語を登録したとき | 会議を重ねて議事録がたまったとき |
| 続けるのに必要な手間 | 新しい用語や呼び方が出るたびに追加登録する | 登録の作業は発生しない |
| 効いてくるタイミング | 登録した直後から | 過去の議事録など、参照できる情報が蓄積されるにつれて |
辞書登録を前提とする方式では、専門用語や社内独自の言い回しが増えるほど、登録・更新の手間がかかります。登録できる用語数に上限がある場合は、必要な言葉をすべて登録できない可能性もあります。
ある化学メーカーの商談では、同じ物質に複数の呼び方があり、一つずつ登録するのは現実的でないという声がありました。部品を扱う企業でも、取引先によって同じ部品の呼び方が異なるという課題が聞かれています。このような環境では、辞書を継続的に管理する負担も考慮する必要があります。
Otolioは、過去に作成した議事録のテキストをAIが参照する独自のアルゴリズムで、用語を事前に登録しなくても頻出語の認識精度が上がります。この仕組みは特許を取得済みで、入力されたデータをAIの学習には使いません。導入した時点の数値で固定されず、使うほど自社の言葉に合っていく設計です。
試用では、用語登録・辞書登録の要否だけでなく、過去の議事録などを参照して専門用語の認識精度を高める仕組みがあるかも確認します。登録が前提のツールなら、誰が用語を追加・更新するのかを決めておくことが大切です。
2. 精度を上げ続ける取り組みがあるか
確認したいのは、提供元が利用可能なAIを定期的に評価し、必要に応じてより精度の高いものへ切り替えているかという点です。あわせて、エンジンを補う処理を更新し続けているかも確認します。この2つがそろっていれば、利用する側がAIの動向を追いかけ、他社製品を頻繁に比較し直す負担を減らせます。
Otolioも、求めるセキュリティ基準を満たしたAIを定期的に調べ、より精度の高いものへ切り替えています。「導入時点でいちばん」を追いかけ続けなくてよい、というのが取り組みで選ぶことの実質的な意味です。
3. 求めるセキュリティ基準を満たしたAIか
AIサービスでは、入力データがモデルの学習に使われるか、処理のために国外へ送信されるかは、サービスの契約条件や設定などによって異なります。認識精度が高くても、自社のセキュリティ要件を満たすとは限りません。組織で導入する際は、データの取り扱いもあわせて確認する必要があります。
見るべきは「無条件にいちばん精度が高いAI」ではありません。「自社の基準を満たすAIの中で、どれだけ高い精度が出ているか」です。セキュリティを選定の軸として詰めたい場合は、導入前に確認したい6つのポイントで確認する順番まで整理しています。
試用では、自社のいつもの会議で確かめる
試用で静かなデモ用音源だけを使うと、実際の会議で生じる録音条件や話者識別、専門用語の問題を十分に確認できません。確かめるのは、いつもの部屋、いつもの録り方、いつものメンバーで録った会議です。
確かめる順番は決まっています。
- 録音の条件:自社の会議の録り方で、文脈を追える文字起こしになるか
- 話者の分け方:拠点をまたぐ会議でも、発言者を適切に識別でき、誤りがあっても修正しやすいか
- 専門用語:社内でしか使わない言葉と型番が、どこまで文字になるか
- 要約:決定事項・担当者・やるべきことが正しく抽出され、少ない手直しで使えるか
問題が見つかったら、録音環境に原因があるのか、ツールの機能や精度に課題があるのかを切り分けましょう。
4つの要素を確かめたうえで候補を絞る段になったら、目的別に14本を並べたAI議事録ツールおすすめ14選が比べる材料になります。
専門用語が多い会議で精度が出た例
専門用語への対応と話者識別の精度が改善したことで、議事録の作成負担を大きく減らした企業の事例を紹介します。
2時間の会議に、議事録づくりが4時間以上かかっていた
文房具やオフィス用品で知られるコクヨ株式会社では、約2時間の会議に対して、議事録の作成に4時間以上かかっていました。発言をそのまま口語で残し、誰の発言かも明記する必要があったため、音声を聞き直しながら書き起こしていたといいます。
Web会議ツールの文字起こし機能を使うようになっても、約3時間はかかっていました。社内の専門用語がうまく変換されず、修正に時間がかかったためです。さらに、全国の拠点から参加する形のため、各拠点が1本のマイクで複数人の声を拾っていました。話者の振り分けが崩れ、「誰の発言か」を特定する作業が重荷になっていたそうです。
そこで、専門用語が正しく変換され、声質から自動で話者を見分けられるOtolioに切り替えました。結果として、議事録の作成時間は4時間以上から約30分へ、90%削減しています。
作成時間の短縮につながったのは、専門用語の変換と話者識別が改善し、音声を聞き直して発言内容や発言者を確認する負担が減ったことです。専門用語が多く、複数人が参加する会議では、こうした機能が議事録作成の効率化に役立ちます。
参考記事:専門用語が多い会議の議事録作成時間を90%削減。Web会議ツールとOtolioの文字起こしの違いとは
選定の決め手は「上げ続けられるか」に集まる
専門用語の多い現場で効果が出るのは、1社に限りません。Otolioが実施した250件以上の導入企業アンケートでも、選定の決め手として「継続的に精度を高めていく取り組み」や「セキュリティ」が繰り返し挙がっています。製造業からは、専門用語が多くても正確に記録してくれるという声が寄せられました。金融業からは、セキュリティの厳しい環境でも高い精度で議事録を作れるという声があります。
共通しているのは、その時点の精度の数値よりも、これからも精度を保ち、高めていけるかを見ている点です。導入時のスペック比較だけでなく、継続的な精度改善やセキュリティへの取り組みまで確認することが、長期的に利用するツールを選ぶうえで役立ちます。
まとめ|AI議事録の精度は4つの要素と、寄っていく仕組みで決まる
AI議事録の精度について、本記事で整理した要点は次のとおりです。
- 精度は1つの数値では測れず、録音の条件・話者の分け方・専門用語の扱い・要約の作り方の4つで決まる
- エピックベースの社内検証では、上位の音声認識AIどうしの精度差が小さいケースも確認された
- 精度を大きく動かすのは、自社の会議をどう録るか、自社の言葉をどう扱うかのほう
- 導入時点の数値だけでなく、自社の言葉への対応力を高める仕組みと、自社の会議環境で実際に精度が出るかを確認する
精度ランキングは、調べ始めの入口としては自然です。ただ、それだけを拠りどころにすると、選定は流行に振り回され続けます。まずは自社のいつもの会議を1本録ってみて、4つの要素のどこでつまずいているかを確かめてみてはいかがでしょうか。
普段の会議をそのまま録って試せます。デモ用の静かな音源を用意する必要はありません。Otolioはカレンダーの予定から会議に入って録音し、話者を自動で見分けたうえで、決めておいた書式のまま要点とやるべきことを出します。14日間試せば、自社の専門用語がどこまで文字になるか、拠点をまたぐ会議で発言者が分かれるかが、手元の議事録で分かります。
よくある質問とその回答
Q. AI議事録の精度はどれくらいが目安ですか
文字起こし精度90%以上を公表している製品もありますが、一律の目安として判断することはできません。測定条件や算出方法が異なる場合があるため、数値の意味を確認することが大切です。雑音の多い部屋や、1本のマイクで複数人の声を拾う構成では結果が変わります。数値だけを見比べず、自社の会議で確かめることをおすすめします。
Q. 専門用語や社内用語もちゃんと変換されますか
専門用語の変換精度は、ツールの対応方法によって異なります。代表的な方法には、辞書に用語を登録する方式と、過去の議事録などを参照して認識精度を高める方式があります。辞書登録を前提とする場合は、用語が増えるほど登録・更新の負担が大きくなる可能性があります。一方、過去の議事録を参照する方式では、用語登録の手間をかけずに社内の言葉へ対応できるものもあります。
Q. 一番精度が高いツールを選べば間違いないですか
導入時点で精度が高いツールでも、AIの進化によって他社との優劣が変わる可能性があります。その時点の数値だけを重視して選ぶと、新しいAIが登場するたびに再比較が必要になることもあります。提供する側が定期的にAIを調べ、より精度の高いものへ切り替えているかをあわせて確認することをおすすめします。
Q. 録音の条件は何を見ればいいですか
確認したいのは、マイクと話し手の距離、部屋の環境音、1本のマイクで複数人の声を拾う構成になっていないかという3点です。録音環境を適切に整えることで、文字起こし精度の改善が期待できます。ツールを乗り換える前に、マイクの位置や周囲の雑音などを確認することをおすすめします。
Q. セキュリティを優先すると精度は下がりますか
下がるとは限りません。求めるセキュリティ基準を満たしたAIの中にも、十分に高い精度のものがあります。見るべきは、自社の基準を満たすAIの中でどれだけ精度が出ているかです。
