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議事録作成

取締役会議事録の書き方|会社法第369条準拠の記載例・電子化・10年保管ルール

取締役会の事務局を担当していると、議事録の体裁ひとつでも「これで法的に大丈夫だろうか」と不安になる場面が多いのではないでしょうか。

しかしながら、

  • 会社法のどの条文を根拠に何を書けばよいのかが整理できていない
  • 経営会議の議事録テンプレートを、そのまま取締役会に流用している
  • 紙保管から電子化したいが、社内に説明する根拠が足りない

といったお悩みを抱える総務・法務のご担当者は少なくありません。

そのためこの記事では、会社法第369条第3項に基づく取締役会議事録の作成義務から、必須記載8項目・3パターンの記載例・署名押印と電子化のルール・10年保管の運用までを、総務・法務の実務目線でわかりやすく解説します。

取締役会の議事録は、議論の中身そのものに加えて「誰が、何を、どう決めたか」を10年残す、法定要件に基づいて作成・保管が求められる重要文書です。担当者として迷いを抱えたまま会議に臨むと、議論を聞きながら手元の体裁が気になり、論点を見落とすこともあります。まずは記載要件と書き方の型を整理し、取締役会当日の記録に集中できる状態を整えましょう。

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目次

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取締役会議事録とは|会社法上の作成義務と経営会議との違い

1. 取締役会議事録の定義(会社法第369条第3項)

取締役会議事録とは、会社法上の機関である取締役会で行なわれた議事の経過とその結果を記録する法定の文書です。会社法第369条第3項は、取締役会の議事については法務省令で定めるところにより議事録を作成しなければならないと定めています。

ここでいう「法務省令で定めるところ」とは、会社法施行規則第101条のことです。この条文に、議事録に記載すべき項目が具体的に列挙されています。

書面で作成しても電磁的記録で作成しても、法的な効力は同じです。書面の場合は紙で残し、電磁的記録の場合は電子データとして保管します。

参照:会社法 | e-Gov法令検索

2. 経営会議の議事録との違い|法定会議か任意会議か

取締役会と経営会議は、よく似た会議体に見えますが、法律上の位置付けがまったく異なります。

たとえば、取締役会は会社法に定められた機関であり、代表取締役などの業務執行取締役は、3か月に1回以上、自己の職務執行状況を取締役会に報告する必要があります。一方の経営会議は、各社が任意に設置する意思決定会議で、開催頻度・構成員・議題の範囲もすべて社内規程で自由に決められます。

観点取締役会経営会議
法的位置付け会社法上の法定機関任意に設置する社内会議
議事録作成義務会社法第369条第3項により義務法的な義務はない(社内規程で任意設定)
記載項目会社法施行規則第101条で規定各社の判断で設計
保管義務10年間の本店備置(会社法第371条)法的義務なし
署名押印出席取締役・監査役の署名または記名押印が必要法的義務なし

取締役会議事録は「会社法上の必須要件を満たす」ことが最優先で、経営会議の議事録は「社内の意思決定と情報共有のしやすさ」が優先軸になります。

社内で運用していると、経営会議向けに作成したテンプレートを取締役会にも流用してしまうことがあります。しかし、法定要件を満たさないまま運用してしまうと、後述する罰則や訴訟リスクにつながる恐れがあります。テンプレートは分けて管理することをおすすめします。

経営会議の議事録の書き方を整理したい方は、以下の関連記事もあわせてご覧ください。

参考記事:【テンプレあり】経営会議の議事録の書き方|議事録の必要性や効率化のためのAIツールも紹介

3. 議事録作成を怠った場合の罰則(会社法第976条)

取締役会議事録を作成しなかった場合や、本店に備え置かなかった場合は、会社法第976条に基づき100万円以下の過料が科される可能性があります。

過料は刑事罰ではなく行政罰ですが、会社法第976条により、取締役・監査役などの役員等が過料の対象となる可能性があります。さらに、議事録に不備があると、株主代表訴訟や監督官庁の調査の際に「取締役が善管注意義務を果たしていた証拠」として扱えなくなる場合もあります。

「期限までに作る」「決められた項目を漏らさず書く」「定められた期間きちんと保管する」という3つを徹底することが、結果的に役員と会社の双方を守ることにつながります。

取締役会議事録に記載すべき主な8項目

1. 開催日時・場所

議事録の冒頭に、取締役会が開催された日付・開始時刻・終了時刻・場所を記載します。複数拠点をオンライン会議システムでつないだ場合は、議長が出席した拠点を主たる開催地として記載し、ほかの拠点も併記しておくと丁寧です。

たとえば、本社会議室を主会場としつつ、海外拠点の取締役がオンラインで参加した場合は「東京本社A会議室およびWeb会議システムによる」のように書きます。

2. 議事の経過の要領およびその結果

取締役会で報告・審議された議題と、その結果(決議の成立・否決・継続審議など)を記載します。「経過の要領」とは逐語の発言記録ではなく、議論の流れがわかる程度の要約のことです。

たとえば、議題ごとに「報告事項」「決議事項」を区別し、決議事項については「賛成何名、反対何名、棄権何名で可決」のように決議の成立要件を満たしたことを明示します。

会社法第369条第1項は、決議について「議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数で決する」と定めています。定足数と賛成数を議事録で示せることが、決議の有効性を立証する根拠になります。

3. 特別の利害関係を有する取締役の氏名

ある決議事項について個人的に利害関係がある取締役は、その決議に参加できません(会社法第369条第2項)。議事録には、特別利害関係を有する取締役の氏名と、その取締役が決議に参加しなかった事実を必ず記載します。

たとえば、ある取締役が代表を務める会社との取引を承認する議題では、その取締役を特別利害関係者として記載し、議決から外す必要があります。記載漏れがあると、決議自体が無効になる恐れがあるため注意してください。

4. 取締役会で述べられた意見・発言の概要

会社法施行規則第101条第3項第6号では、特定の事項について述べられた意見や発言の概要を議事録に記載することが定められています。

具体的には、競業取引・利益相反取引の承認に関する事項、監査役からの報告内容、会計参与からの意見などです。発言者の氏名と発言内容の要旨をセットで残します。

ここは取締役会の透明性を支える重要なパートです。すべての発言を逐語で残す必要はありませんが、後から「誰がどんな意見を述べたか」を再現できる粒度で記録しておきましょう。

実務では、議事録に求める粒度が社内で二極化する傾向があります。全発言を正確に残したい「詳細派」と、要点だけで十分という「要点派」の二極です。取締役会・法務・コンプライアンス系の会議は詳細派の典型で、発言レベルの記録が求められます。

全社一律のテンプレートで運用すると、詳細派からは「情報が抜けている」、要点派からは「冗長で読まれない」と双方から不満が出やすくなります。会議の性質に応じてフォーマットを使い分ける視点を持っておくと安心です。

5. 出席した取締役・監査役・会計参与の氏名

その日の取締役会に出席した取締役・監査役・会計参与の氏名を全員分、さらに会計監査人・株主などが出席した場合はその氏名または名称も記載します。欠席者がいる場合は、欠席者の氏名と欠席である旨を分けて記載しておくと、定足数の確認がしやすくなります。

オンラインで参加した取締役は、その旨をかっこ書きで明示すると、議事の透明性が高まります。

6. 議長の氏名

取締役会を主宰した議長の氏名を記載します。多くの会社では代表取締役社長が議長を務めますが、定款や社内規程で別の取締役を議長として定めている場合もあります。

議長は議事の進行と決議の宣言に責任を持つ立場のため、誰が議長であったかは議事録の信頼性に直結する情報です。

7. 書面決議・電磁的方法による決議の場合の特則

会社法第370条は、取締役全員が書面または電磁的記録で同意の意思表示を行ない、監査役が異議を述べなかった場合、取締役会を開催したものとみなすことを認めています。これを「書面決議」または「みなし決議」と呼びます。

ただし、この書面決議が利用できるのは、あらかじめ定款にその旨を定めている会社に限られます。定款に定めがない場合は書面決議そのものができないため、まずは自社の定款に第370条に基づく規定があるかを確認してください。

書面決議の場合は、議事録に以下の項目を記載します。

  • 取締役会の決議があったものとみなされた事項の内容
  • その事項の提案をした取締役の氏名
  • 取締役会の決議があったものとみなされた日
  • 議事録を作成した取締役の氏名

電磁的方法による決議も、同様の項目を電子データとして記録します。

8. その他施行規則第101条で定められる事項

会社法施行規則第101条には、上記以外にも以下のような記載事項が定められています。

  • 取締役会が招集権者の請求・招集により開催された場合は、その旨
  • 特別取締役による取締役会(一定の重要事項について、選定された取締役だけで決議する仕組み)の場合は、その旨

該当する会議でなければ記載は不要ですが、自社のガバナンス体制に応じてチェックしておきたい項目です。

参照:会社法施行規則 | e-Gov法令検索

取締役会議事録の書き方|3つの記載例

1. 通常の取締役会決議の記載例

最も一般的な、対面または会議システムでの取締役会の議事録です。次のような構成で記載します。

取締役会議事録

1. 開催日時:2026年6月8日(月)10:00〜12:00
2. 開催場所:東京都港区〇〇 当社本社 第1会議室
3. 出席者:

 取締役 〇〇〇〇(議長)、〇〇〇〇、〇〇〇〇、〇〇〇〇
 監査役 〇〇〇〇、〇〇〇〇

4. 欠席者:取締役 〇〇〇〇
5. 議事の経過の要領およびその結果

【第1号議案】〇〇〇〇に関する件

議長より、〇〇〇〇について説明があり、慎重審議の結果、出席取締役全員一致により原案どおり承認可決された。

【第2号議案】〇〇〇〇に関する件

本議案について、取締役〇〇〇〇は会社法第369条第2項に定める特別の利害関係を有するため、議決から除斥された。残る出席取締役全員一致により、原案どおり承認可決された。以上の決議を明確にするため、本議事録を作成し、出席した取締役および監査役全員が下記に記名押印する。

2026年6月8日
株式会社〇〇〇〇 取締役会
議長 取締役〇〇〇〇 印
取締役〇〇〇〇 印
取締役〇〇〇〇 印
取締役〇〇〇〇 印
監査役〇〇〇〇 印
監査役〇〇〇〇 印

2. 書面決議(みなし決議)の記載例

会社法第370条に基づき、取締役全員が書面で同意し監査役が異議を述べなかった場合の記載例です。

取締役会議事録(書面決議)

1. 取締役会の決議があったものとみなされた事項

   〇〇〇〇に関する件

2. 提案をした取締役の氏名

   取締役〇〇〇〇

3. 取締役会の決議があったものとみなされた日

   2026年6月8日

4. 議事録を作成した取締役の氏名

   取締役〇〇〇〇

上記の提案について、取締役全員が書面により同意の意思表示を行ない、監査役全員が異議を述べなかったため、会社法第370条および定款第〇条の規定により、取締役会の決議があったものとみなす。

2026年6月8日
株式会社〇〇〇〇
議事録作成者 取締役〇〇〇〇 印

3. 電磁的方法による決議の記載例

書面決議と同様の手続きを、電子データ(メール・社内システム・電子契約サービスなど)で行なう場合の記載例です。

取締役会議事録(電磁的方法による決議)

1. 取締役会の決議があったものとみなされた事項

   〇〇〇〇に関する件

2. 提案をした取締役の氏名

   取締役〇〇〇〇

3. 同意の意思表示の方法

   当社が運用する電子契約サービス上での電子署名による同意

4. 取締役会の決議があったものとみなされた日

   2026年6月8日(全取締役の同意が完了した日)

5. 議事録を作成した取締役の氏名

   取締役〇〇〇〇

上記の提案について、取締役全員が電磁的方法により同意の意思表示を行ない、監査役全員が異議を述べなかったため、会社法第370条および定款第〇条の規定により、取締役会の決議があったものとみなす。

本議事録は電磁的記録として保管する。

2026年6月8日
株式会社〇〇〇〇
議事録作成者 取締役〇〇〇〇(電子署名)

通常決議・書面決議・電磁的方法による決議は、それぞれ記載すべき項目が微妙に異なります。自社の運用ルールに応じて3パターンのテンプレートを用意し、決議の種類に合わせて使い分けることで抜け漏れを防ぎやすくなります。

署名・押印と電子化のルール

1. 出席者全員の署名または記名押印が原則

会社法第369条第3項は、議事録について、出席した取締役および監査役が署名し、または記名押印しなければならないと定めています。

「署名」は本人の手書き、「記名押印」は名前を印字したうえで実印・認印を押す方式です。実務上は記名押印で運用する会社が多くなっています。

注意点は、出席者全員が対象である点です。一部の取締役だけが押印した議事録は、形式要件を満たさず、決議の有効性を主張する根拠が弱くなる恐れがあります。会議終了後、すみやかに押印を回す運用フローを社内で標準化しておきましょう。

2. 電子署名による作成も法的に有効

電磁的記録で議事録を作成する場合は、会社法第369条第4項に基づき、施行規則第225条に定める電子署名を施すことで、署名・記名押印に代えることができます。

ここでいう電子署名とは、会社法施行規則第225条に定める「署名又は記名押印に代わる措置」としての電子署名のことです。本人の意思に基づき作成されたものであること、改ざんがされていないことを技術的に確認できる仕組みが求められます。

具体的な手段としては、以下のような選択肢があります。

マイナンバーカードを用いた公的個人認証

公的機関が発行する電子証明書で署名する方式です。法的な信頼性が最も高い一方、取締役全員のマイナンバーカード取得と運用の手間が発生します。

電子契約サービスによる立会人型電子署名

電子契約サービスの事業者が、署名者の本人確認を行なったうえで電子署名を付与する方式で、運用負荷が比較的軽い選択肢です。

タイムスタンプ付き電子署名

電子署名に加えて、特定の時点に文書が存在したことを証明するタイムスタンプを付与する方式です。長期保存が必要な議事録に向いています。

3. 法務省民事局の見解(2020年5月29日)と電子署名の選択肢

法務省民事局(参事官室)は2020年5月29日、会社の議事録への電子署名について、立会人型(事業者署名型)の電子契約サービスを用いた電子署名も会社法上の要件を満たし得るとの解釈を明らかにしました。これは会社法施行規則を改正したものではなく、既存の規定の解釈を明確化したものです。

これにより、各社の実情に応じて電子署名の方式を柔軟に選べるようになりました。事業継続計画(BCP)や働き方の変化に対応するため、押印のために出社する運用から脱却した会社も増えています。

参照:電子署名及び認証業務に関する法律 | e-Gov法令検索

取締役会議事録の保管・閲覧ルール

取締役会議事録は作成して終わりではなく、定められた期間の保管と、関係者からの閲覧請求への対応が求められます。

1. 10年間の本店備置義務

会社法第371条は、取締役会議事録を「取締役会の日から十年間、その本店に備え置かなければならない」と定めています。

紙で作成した議事録は本店の保管庫に、電磁的記録の場合は本店からアクセス可能なサーバー上に、それぞれ保管します。10年は決して短くない期間です。担当者の異動・退職があっても継続的に管理できる仕組みを整えておくことが重要です。

たとえば、紙のみで運用していると、保管庫の容量・経年劣化・検索性といった課題が発生しやすくなります。電子化と組み合わせることで、検索性と耐久性の両方を高められます。

2. 株主・債権者からの閲覧・謄写請求への対応

取締役会議事録は、株主や債権者から閲覧・謄写の請求を受けることがあります。請求の根拠は会社法第371条で、それぞれ次のように扱われます。

  • 株主:原則として、株式会社の営業時間内であればいつでも、裁判所の許可なく閲覧・謄写を請求できます(会社法第371条第2項)。ただし、監査役設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社では、その権利を行使するため必要な場合に裁判所の許可を得て請求します(同条第3項)
  • 親会社社員(親会社の株主など):その権利を行使するため必要な場合に、裁判所の許可を得て請求が可能(同条第5項)
  • 債権者:役員の責任を追及するために必要な場合に、裁判所の許可を得て請求が可能(同条第4項)

請求があった場合に備えて、議事録の体裁・記載内容が、社外の株主・債権者による閲覧請求にも耐えうるものになっているか定期的に見直しておきましょう。

3. 紙運用と電子保管それぞれの注意点

紙運用と電子保管には、それぞれ別の注意点があります。

紙運用の場合は、保管庫の施錠管理、出し入れ記録の運用、長期保管による劣化対策(複写の作成・移管)などが課題です。一方、電子保管の場合は、改ざん防止のための電子署名・タイムスタンプ、サーバーの冗長化、アクセス権限の管理が課題になります。

どちらを選んでも、「10年間、改ざんなく、必要なときに取り出せる」状態を維持することが目的です。自社の体制と監査方針に合わせて、紙と電子のどちらか、または両方を組み合わせる方式を選びましょう。

機密性の高い取締役会議事録を効率的に作成する3つの工夫

実務でもう1つ大きな悩みになるのが「作成負荷の重さ」です。取締役会は議論の機密性が高いため外部委託しづらく、役員自身が議事録を作成しているケースも珍しくありません。

1. アジェンダと議事進行表を事前に揃える

取締役会の前に、議題ごとの議事進行表(アジェンダと決議事項のセット)を準備しておくと、議事録作成の負担が大きく下がります。

たとえば、「議題1:〇〇承認の件 → 結果:承認/否決」のように決議結果だけ埋めれば形になるテンプレートを用意しておけば、会議中の記録は要点のメモだけで済みます。

事前準備をせずに会議に臨むと、議論を追いながら構成を考えることになり、議事録担当者は議論への参加が浅くなりがちです。事前に骨格を固めておくことで、当日は議論に集中できる状態をつくれます。

2. 録音・文字起こしで「言った言わない」をなくす

機密性の高い取締役会こそ、後から事実を確認できる記録が重要です。録音と文字起こしを併用することで、「あの発言は誰がしたか」「条件付きの承認だったのか無条件だったのか」といった事実確認をスムーズに行なえます。

会議終了後にメモと録音を突き合わせることで、議事の経過の要領を正確に再現できます。記憶が薄れる前に整理することで、議事録の精度も上がります。

取締役会のような機密会議では、文字起こしを外部に委託することにセキュリティと費用の両面で課題を感じ、内製化へ動く企業が少なくありません。委託費を抑えたいというコスト面だけでなく、機密情報を社外に出さずに守りたいというセキュリティ面、納品を待たずすぐ共有したいというスピード面のニーズが同時にあります。内製で記録から共有までを完結させることは、これらを一度に満たす現実的な打ち手になります。

参考記事:機密性の高い役員会の議事録作成時間を50%削減。Otolioで情報の可視化を強化する

3. 機密管理に強いAI議事録ツールを活用する

近年は、機密性の高い会議でも安心して使えるAI議事録ツールが登場しています。会議の音声をAIが自動で文字起こしし、要点を整理してくれる仕組みです。

取締役会で活用するうえで重要なのは、機密管理と話者識別の2点です。

機密管理については、入力した音声・文字起こしデータをAIモデルの学習に利用しない設計になっているかを確認しましょう。学習に使われると、機密情報が他社の生成結果に紛れ込むリスクがあります。各社の独自アルゴリズムやデータ取り扱いポリシーを必ず確認してください。

話者識別については、複数の取締役・監査役が発言する場面で、誰の発言かを自動で整理してくれるかが重要です。出席者が10名を超える取締役会では、後から「特別の利害関係を有する取締役の発言」「監査役の意見」を抜き出す作業が大幅に楽になります。

たとえば、株式会社大和バルブの事例では、機密性の高い役員会で役員自ら議事録を作成していたところ、Otolioを導入したことで作成時間が50%削減されました。同社では、外部委託では情報漏洩リスクがある一方、役員自らの作成は負荷が大きいというジレンマがあり、内製のまま効率化できるツールを探していたとのことです。

Otolioは、特許取得済の独自アルゴリズムでお客様の音声をAIに学習させずに精度を高める設計です。話者分離は最大20名まで対応しているため、取締役会のように多人数が議論する場面でも実用的に使えます。

機密会議の議事録作成を内製で続けたい会社にとって、AI議事録ツールは現実的な選択肢です。導入前にはトライアルで自社の会議音声を試し、文字起こし精度と運用フィット感を確認することをおすすめします。

まとめ|法定要件を満たす取締役会議事録を正確かつ効率的に作成しよう

ここまで、取締役会議事録の法的位置付け・必須記載8項目・3パターンの記載例・署名押印と電子化・10年保管のルール、そして機密性の高い会議を効率化する工夫まで解説しました。

ポイントは次の3つです。まず、取締役会は会社法上の法定機関であり、議事録の作成・記載・保管に明確な義務があるということ。次に、経営会議の議事録と同じテンプレートで運用するのではなく、施行規則第101条に沿った記載項目を必ず満たすこと。最後に、機密性ゆえに作成負荷が重くなりがちな取締役会こそ、事前準備とツール活用で内製のまま効率化していく余地があるということです。

法令準拠と実務効率は、対立する要素ではなく両立できます。記載要件をテンプレートに落とし込み、運用を標準化することで、担当者の負荷を下げながら法的なリスクも回避できます。ぜひ、自社の取締役会議事録の運用を見直してみてはいかがでしょうか。

取締役会議事録の体裁を整え終えても、最後にもう一つ判断が残ります。それは「この運用を、ツールに任せるかどうか」です。会社法上の必須項目は人が確認すべきですが、文字起こしや話者の整理といった反復作業は機械が得意とする領域です。一度試してみると、書類の正確性と担当者の負担のバランスがどこまで変わるかが具体的にわかります。

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取締役会の議事録は、外部に出せない機密会議であるからこそ、内製のまま正確かつ効率的に作れる状態が理想です。Otolioは、AIに音声を学習させない設計と最大20名の話者分離で、機密性と作成効率の両方を支えます。14日間の無料トライアルで、自社の取締役会の実音声で精度をお確かめいただけます。

この記事を書いた人
エピックベース株式会社|マーケティング部|青木喬平

2023年にエピックベースに入社し、累計利用社数8,000以上「Otolio」のマーケティングを担当。 本ブログでは、議事録・文字起こし・生成AI・AIエージェントに関するノウハウや、企業が業務効率化の実現・DXの推進に必要な情報を現場のリアルな視点からお届けしています。 ※ 本ブログはOtolio運営元であるエピックベース株式会社の社員が執筆・編集しています。

よくある質問とその回答

Q. 取締役会議事録は紙と電子のどちらで作成するのが良いですか?

法的にはどちらも有効です。紙は伝統的な運用で監査対応に慣れている会社向け、電子は検索性・改ざん防止・リモート押印の観点で運用負荷を下げたい会社向けです。両方を併用し、電磁的記録を原本として保管し、必要に応じて紙の控えを併用する運用も考えられます。

Q. 出席取締役の押印が一部欠けた場合、議事録は無効になりますか?

直ちに決議が無効になるとは限りませんが、議事録の真正性を立証する根拠が弱くなります。やむを得ず押印が後日になる場合は、その理由を社内記録に残し、可能なかぎり早期にすべての押印を整える運用をおすすめします。

Q. 経営会議の議事録と取締役会議事録を1つにまとめて運用しても良いですか?

おすすめしません。両者は法的な位置付けが異なるため、テンプレート・運用フロー・保管ルールを分けて管理することで、法定要件の取りこぼしを防ぎやすくなります。経営会議の議事録については、以下の記事を参考にご覧ください。

参考記事:【テンプレあり】経営会議の議事録の書き方|議事録の必要性や効率化のためのAIツールも紹介

Q. 取締役会議事録の作成期限はありますか?

会社法に明示的な作成期限はありませんが、書面決議の場合は決議成立日付の特定が必要なため、すみやかに作成することが求められます。実務では取締役会の翌日〜1週間以内に作成し、署名押印を整える運用が一般的です。

Q. AI議事録ツールを使えば、署名・押印は不要になりますか?

いいえ。AI議事録ツールはあくまで議事録の作成を支援する仕組みであり、署名・押印・電子署名の法的要件を代替するものではありません。ツールで作成した議事録に対して、出席取締役・監査役が署名押印または電子署名を行なう必要があります。

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