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Copilot Studioでできること・できないこと|非エンジニアが作れる範囲と料金

Copilot Studioでできること・できないこと

Copilot Studioは、Microsoftが提供するノーコード・ローコード型のAIエージェント作成基盤です。「非エンジニアでも業務用のAIを作れる」ことに期待が集まっています。

ただ、いざ社内で検討を始めると、

  • 具体的に何が作れて、何が作れないのかがはっきりしない
  • 現場の非エンジニアだけで、どこまで自走できるか判断がつかない
  • 料金がクレジット制と聞いたが、月にいくらかかるのか見当がつかない

といった悩みが出てきます。

そのためこの記事では、Copilot Studioでできること・できないこと、料金の実額、最小構成の作り方を整理します。

作りたいものを並べたとき、外していい仕事もあります

作りたいエージェントを書き出すと、会議の記録や要約のように「毎回発生するのに手が回らない仕事」が必ず混ざります。

自作すれば、その品質と運用も自分たちで持ち続けることになります。会議業務を丸ごと自動化するAIエージェント「Otolio」は、その部分を作らずに済ませる選択肢です。自社の会議でそのまま試せます。

Copilot Studioとは?「作る側」のAI基盤

Copilot Studioは、Microsoftが提供するAIエージェントの作成基盤です。ノーコード・ローコードでチャットボットや業務エージェントを作れます。非エンジニアでも、社内文書に基づくFAQボット・社内問い合わせ取次・簡易な業務エージェントまでは自走で作れます。一方、自由対話・複雑なUI・重いAPI連携はPower FxやAPIの知識が要り、非エンジニアには難しい領域です。

前身はPower Virtual Agentsです。現在はMicrosoft 365 Copilotのエージェント作成基盤にもなっています。SharePointなどの社内文書をナレッジソース(AIが参照する情報源)に設定します。それだけで社内向けのAIボットが立ち上がります。

Microsoft 365 Copilotとの違い

Microsoft 365 Copilotは「AIに指示して自分の仕事を助けてもらう」使う側の道具です。一方でCopilot Studioは、「自社の業務に合わせたAIの代理人(エージェント)を設計する」作る側の道具です。

経理担当者がMicrosoft 365 Copilotに「先月の交際費レポートを要約して」と聞くのは、使う側の使い方です。経理部門が「社員の交際費の疑問に社内規程を参照して答えるボット」を組んで配置するのが、作る側の使い方です。

同じ「Copilot」の名前でも、目的も担い手も違います。混同したまま検討を進めると、社内の議論が「作る側の話」と「使う側の話」で噛み合わなくなります。

なぜ「非エンジニア×AI」の期待が集まっているか

生成AIの精度が実務に耐えるようになり、大手が相次いでノーコード基盤を整えました。同時に、情シスがAIプロジェクトを抱えきれなくなっている現実もあります。業務部門は「情シスに頼まなくても自分たちで作りたい」と考えるようになりました。Copilot Studioは、その期待の受け皿です。

ただし、これまで情シスが担っていた品質・運用・セキュリティの責任は、現場側に降りてきます。

参考記事:AIエージェントの種類とは?行動モデル・実装方式・用途別にわかりやすく整理

Copilot Studioでできること|作れる4類型

非エンジニアが自走で作れる範囲は、大きく次の4類型に整理できます。

  • FAQボット:登録済みの質問と回答のペアから返す、最も基本の型。ヘルプデスク・社内制度案内が代表例
  • 社内文書ナレッジボット:SharePointやPDFを接続し、生成AIが文書から答えを組み立てる型。就業規則の検索が代表例
  • 業務取次ボット:会話で情報を集め、承認依頼やチケット発行を橋渡しする型。連携先はPower Automate(マイクロソフトの業務自動化ツール)
  • 簡易エージェント:複数のツールやデータを組み合わせ、条件分岐で行動を選ぶ型。営業サポートの一次対応が代表例

上に行くほどノーコードで完結し、下に行くほどローコードに近づきます。まずは1類型で成果を出してから広げるのが現実的です。

業務別の具体像

「AIボット」のままではイメージが湧きにくいため、業務別に挙げます。

  • 総務:出張規程・慶弔対応のFAQボット。定型質問を24時間受け付け、担当者は例外案件だけを扱う
  • 情シス:VPN設定・パスワードリセットの一次対応ボット。チケット起票までPower Automate経由で自動化する
  • 営業支援:商品スペック・競合比較の社内ナレッジボット。営業担当が客先で即答したい場面で使う
  • カスタマーサポート:既存FAQを接続した外部向けチャットボット。有人対応に切り替える条件を会話ルールで制御する

定型質問への回答・情報検索・一次対応が、Copilot Studioの得意領域です。

ノーコードとローコードの分岐点

「ノーコードで作れる」といっても、途中でローコードに踏み込む分岐点があります。

  • ノーコードで完結する:定型FAQ/社内文書検索/単純な条件分岐/Teamsチャネルへの配置
  • ローコードに踏み込む:計算処理(Power Fxの数式)/外部API連携(認証設計)/複雑な状態管理

分岐点は「業務ロジックに数値計算・条件式・外部連携の設計が入ったとき」です。ここを超えると、非エンジニアだけで維持し続けるのは難しくなります。

Copilot Studioでできないこと・限界はどこか

Copilot Studioが不得意な、あるいは非エンジニアには難しい領域は次の3類型です。

  • 自由会話(雑談型AI):任意の話題に応答する対話は、Copilot Studioの設計思想に合いません。登録範囲外の質問はカバーしない前提です
  • 複雑なUI:ボタン配置・画面遷移・独自デザインの画面は、Power Appsなど別の基盤との組み合わせが必要です。単体では実現できません
  • 重いAPI連携:複数の外部システムを条件付きで呼び出し、結果を集約して返す業務は実装難度が急に上がります。認証・エラー処理・整合性の管理が絡みます

これらを「作れる」と誤解して社内に説明すると、実装フェーズで情シスの助けが必要になります。当初の「現場で自走」が崩れます。

Power Fx・API知識が必要になるライン

「経費申請額に応じて承認ルートを分岐させる」ボットを考えます。金額の閾値判定・部門ごとの承認者マスタ参照・過去履歴の照合が入った瞬間に、Power Fxで式を書く必要が出てきます。表計算ソフトの関数に近い言語ですが、実務で組むには条件式の設計思考が要ります。

在庫データを基幹システムから取得して返すボットなら、REST API(ソフト間の情報のやり取りの仕組み)の呼び出しが入ります。認証キーの管理・エラー時の挙動設計・応答データの整形は、情シスまたは経験者の領域です。

「ここまでは現場で作れる/ここからは情シスと組む」の線を、着手前に引いてください。

参考記事:AIエージェントツール6選を紹介!活用メリットや課題にも解説

Copilot Studioの作り方4ステップ

最小構成のエージェントを作る流れは、公式のクイックスタートで4段階に整理されています。画面上の操作名で追います。

  1. サインインして作りたいことを書く:ホーム画面の入力欄に「何をしてほしいか」を自分の言葉で入力します(最大1,024文字)
  2. 概要ページで中身を整える:AIが名前・説明・指示を生成するので、そこから名前や指示、トリガーを調整します
  3. ナレッジを追加する:「ナレッジ」で情報源を選び、「追加」→「エージェントに追加」で紐づけます
  4. テストしてから発行する:テストチャットで質問を投げて応答を確かめ、上部の「発行」から公開します

勘所は、3と4を何度も往復することです。指示を1行変えるだけで応答の口調が変わります。公式ドキュメントも「テストする、変える、またテストする」の繰り返しを勧めています。

注意点が1つあります。試用版ライセンスでは、作成とテストチャットでの検証はできますが、発行(公開)はできません。作成者向けのユーザーライセンス自体は無償です。ただし取得には、テナントのプリペイドパック契約が前提です(2026年7月時点)。

参照:クイック スタート: エージェントの作成と展開 – Microsoft Copilot Studio | Microsoft Learn

Copilot Studioの料金はどう決まる?

Copilot Studioの料金は、Copilotクレジットという単位で決まります。2025年9月1日に、課金の単位が「メッセージ」からCopilotクレジットへ変わりました。

3つの契約形態

2026年7月時点の契約形態は、大きく3系統です。

  • プリペイドパック:1パックあたり月額29,985円(税抜)で、25,000Copilotクレジットが付きます。米ドルでは1パック月200ドルです
  • 従量課金:Azureサブスクリプション経由で、請求期間の終わりに実際に使った分だけを支払います。前払いの約束は不要です
  • Microsoft 365 Copilot同梱:ライセンス保有者が社内向けに使う範囲は追加課金なしです

クレジットはテナント全体でプールして使い、未使用分は翌月に繰り越せません。プリペイド容量の125%に達すると、カスタムエージェントは無効になります。進行中の会話は中断されませんが、それ以降の呼び出しは拒否されます。

従量課金の単価は、1Copilotクレジットあたり0.01米ドルです。円建ての公式単価は公開されていないため、見積もりは為替を仮に置いて幅で持つのが安全です。

参照:Microsoft Copilot Credits Guide

同梱枠には範囲の制限があります。Microsoft 365 Copilot同梱のCopilot Studioで作れるのは、社内向けエージェントだけです。Webサイトやアプリなど外部チャネルへ公開するには、スタンドアロンのサブスクリプションが必要です。

参照:Microsoft 365 Copilotの価格|AIエージェント(Copilot Studio)

応答種別ごとの消費レート

同じ1回の応答でも、種別によって消費するクレジットは10倍以上変わります。2026年7月時点の公式レートは次のとおりです。

機能消費クレジット
従来型の回答(登録済みの定型応答)1
生成回答(生成AIによる応答)2
エージェントアクション(トリガー・推論・トピック遷移)5
コンテンツ処理ツール(1ページあたり)8
テナントグラフの基盤設定(テナント全体のMicrosoft Graph参照)10
エージェントフローアクション(100アクションあたり)13

音声で応答するエージェントは、1分あたりで課金されます。クラシック音声が10、GenAI Voiceが35、プレミアムGenAI音声が75です。

Microsoft 365 Copilotのライセンス保有者が、その認証IDで社内向けに使う場合は「無料」扱いです。社員向けの利用に限られ、社外向けは範囲外です。ただし枠は「フェアユースの制限(公正利用の範囲)」とされ、具体的なクレジット数は公開されていません。

参照:請求レートと管理 – Microsoft Copilot Studio | Microsoft Learn

月次コストの見積もり方

公式には「テナントグラフに接地した複雑な質問1件で12クレジット」という計算例があります。テナントグラフ参照の10と生成回答の2を足した数字です。

  1. 想定利用者数と月間クエリ数を仮置きする(例:利用者100人×1人あたり月10回=月1,000クエリ)
  2. 応答種別の内訳を置く(例:定型応答70%/生成回答25%/テナントグラフ参照5%)
  3. 内訳と消費レートを掛けて合計する

この例なら、700件×1+250件×2+50件×12=1,800クレジットです。25,000クレジット入りのパック1つで十分に収まります。一方、全クエリをテナントグラフ参照にすると12,000クレジット。同じ利用者数でも7倍近い差が出ます。

音声も効きます。GenAI Voiceで1日30分・月20日動かすと、それだけで約21,000クレジットです。細かい数字より、「重い応答をどこまで使うか」を先に決めるほうが早いでしょう。

参照:Copilot Studio ライセンス – Microsoft Copilot Studio | Microsoft Learn

「作れる」と「運用に乗る」は別|作った後に残る4つの責任

Copilot Studioの勝ち筋は、「非エンジニアでも作れる」ことにあります。ただ、作れることと運用に乗せ続けることは別です。作った後の管理・品質・改廃の責任は、必ず現場に残ります。Otolioが2024年5月〜2026年5月に実施した250件以上の導入企業アンケートでも、同じ声が繰り返し聞かれます。「AIツールを導入したが定着しない」「作った後の品質責任が曖昧なまま現場に残った」という内容です。

作る前に、次の4つの責任の担い手を決めておいてください。

品質責任

AIが自信のある口調で間違った回答を出したとき、誰がどう気づいて直すかを決めておく責任です。

  • ナレッジソースの更新頻度と担当者を決める
  • 誤回答を報告する動線を、会話フローの中に組み込む
  • 重要な判断(金額・承認・法令解釈)には人間の確認を挟む(Human in the Loop)
  • 回答に偏りが出たときの判断を、誰が持つか決めておく

生成AIが事実と異なる回答を作る現象(ハルシネーション)は、完全にはゼロにできません。参照元の文書が古いままなら、AIは古い内容をそのまま返します。文書の鮮度を保つことが、精度対策の大半を占めます。AIツールは「精度の数字」ではなく「精度を上げ続ける取り組みがあるか」で見る。この考え方は、作ったエージェントにもそのまま当てはまります。

改廃責任

社内で誰でも作れる仕組みは、放っておくと「作った人が異動して、誰もメンテしないボット」が増えます。棚卸しの責任です。

  • 作成時に「オーナー部門・オーナー担当者・レビュー時期」を必ず登録する
  • 半年〜1年ごとに全ボットを棚卸しし、利用ログの少ないものは廃止候補にする
  • 廃止の判断基準(利用回数・満足度・情報の古さ)を先に決めておく

判断基準がないと「なんとなく残しておく」ボットが増え、AI回答の品質は全体として下がります。

アクセス責任

ナレッジソースに含めた情報を、誰が引き出せる状態にあるかを設計する責任です。機密文書を参照させた場合、権限設計のミスは情報漏えいに直結します。

  • テナント・チーム・チャネル単位のアクセス権限を、公開前に必ず確認する
  • 人事情報・財務情報・顧客情報を含むエージェントは、閲覧範囲を明示的に絞る
  • 外部公開するエージェントには、機密ソースを接続しない原則を持つ

「使いやすくするために権限を広めに設定した結果、機密が漏れた」という事故は起こり続けています。

段階的導入で「作った後」の負荷を分散する

3つの責任を一気に整えるのは難しいため、段階的に導入する設計が有効です。

  • 最初は1部門・1業務・1ボットに絞り、PoC(概念実証・小規模な試行)を回す
  • 品質・改廃・アクセスの運用フローを、その1本で試して型にする
  • 型ができたら、次の部門・業務に広げる

「全社一気に開放」は、責任の型ができる前にリスクを広げる設計です。作れる範囲の広さと、運用に乗せる速度は別です。

会議の議事録や商談メモを扱う場合も、要約や整形のフローは作れます。ただし集音・話者の切り分け・機密性は、作る側の設計では解けません。音声をどう集めるかは、別の工程として先に決めるのが安全です。

まとめ|Copilot Studioは「線引き」から始める

Copilot Studioでできることは、FAQ・社内文書ナレッジ・業務取次・簡易エージェントの4類型です。ここまでは非エンジニアでも手が届きます。できないことは、自由会話・複雑なUI・重いAPI連携の3つです。境目は「業務ロジックに計算・条件式・外部連携の設計が入るか」で判別できます。

料金は2026年7月時点で、プリペイドパックが1パック月額29,985円(25,000クレジット・税抜)です。従量課金は1クレジット0.01米ドル。重い応答をどれだけ使うかで、月次コストは何倍も動きます。そして作れることと運用に乗せ続けることは別で、品質・改廃・アクセスの責任は現場に残ります。

「作れる/作れない」「自走できる/情シスと組む」「運用に乗る/作りっぱなし」。この3つの線引きを先に済ませれば、最初の1本は迷わず選べます。まずは小さく1本作って型を検証してみてはいかがでしょうか。

作れるものを並べ終えると、次に来るのは「どれを自分たちで持ち、どれを持たないか」の判断です。毎週発生する会議の記録は、作る手間よりも運用が長く残ります。ここを自作するかどうかは、一度手を動かすと答えが早く出ます。

会議の記録は、作らずに済ませることもできます

会議の記録・要約・タスク整理を自作すると、集音や話者の切り分け、機密性の設計までまとめて抱えることになります。

会議業務を丸ごと自動化するAIエージェント「Otolio」は、その工程をひとまとめに引き受けます。自社の会議で試せば、自作すべき範囲がはっきりします。

よくある質問とその回答

Q. Copilot Studioはプログラミング知識ゼロでも使えますか?

基本的なFAQボットや社内文書ナレッジボットまでは、プログラミング知識ゼロで作成できます。ただし、数値計算・条件分岐・外部API連携が入ると、Power Fx(数式言語)やAPI設計の知識が必要です。「どこまで自走で作り、どこから情シスと組むか」を先に線引きしておくのがおすすめです。

Q. Microsoft 365 Copilotライセンスがあれば追加費用なしで使えますか?

社内向けの利用なら、追加費用なしで使える範囲があります。ライセンス保有者がその認証IDでエージェントを使う場合、従来型の回答・生成回答・テナントグラフ参照などは無料扱いです。ただし枠は「フェアユースの制限」とされ、クレジット数は公開されていません。外部チャネルへの公開は範囲外です。スタンドアロンのサブスクリプションが必要です(2026年7月時点)。

Q. Copilot Studioで議事録を扱うエージェントは作れますか?

文字起こしの結果を要約する連携や、要点を通知するフローは作れます。ただし集音・話者の切り分け・機密性の管理は、Copilot Studio側では解決しません。議事録が主目的なら、会議の記録は専用ツールに任せ、Copilot Studioには要約後の処理を任せる設計が現実的です。

Q. 作ったエージェントの精度が出ない場合、どうすれば?

まず疑うべきは、ナレッジソースの品質です。参照させている文書が古い・重複している・記述が曖昧、といった原因が多くを占めます。文書を棚卸ししてから、会話フローの分岐設計や応答の設定を見直します。それでも精度が出ないなら、その業務がCopilot Studioの得意領域から外れているのかもしれません。無理に育てるより、他ツールと役割を分けるのも選択肢です。

この記事を書いた人
エピックベース株式会社|マーケティング部|青木喬平

2023年にエピックベースに入社し、累計利用社数8,000以上「Otolio」のマーケティングを担当。 本ブログでは、議事録・文字起こし・生成AI・AIエージェントに関するノウハウや、企業が業務効率化の実現・DXの推進に必要な情報を現場のリアルな視点からお届けしています。 ※ 本ブログはOtolio運営元であるエピックベース株式会社の社員が執筆・編集しています。

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