Copilotの議事録作成|手順・プロンプト・使えないときの対処法
この記事でわかること
- Copilotで議事録を作成する具体的な手順
- コピペOK|Copilotで使える議事録プロンプト例
- Copilotで議事録の精度が低くなる5つの原因
Teams会議が日常化した今、議事録の作成は多くのビジネスパーソンにとって避けられない業務のひとつです。
しかし、こんな悩みを抱えている方は少なくないのではないでしょうか。
- 議事録作成に集中するあまり、会議の議論に参加できない
- 会議後のまとめ作業に時間を取られ、本来の業務が後回しになる
- CopilotをTeamsで使えると聞いたが、何をどう設定すればいいかわからない
そのためこの記事では、Copilotで議事録を作成するための前提条件・具体的な手順・精度を高めるプロンプト例・使えないときの対処法までをまとめて解説します。
Copilotの活用と並行して、議事録を含めた会議業務全体を効率化したい方には、会議前の準備から会議後のフォローアップまでをAIが自動実行する「Otolio(旧:スマート書記)」の活用もご検討ください。
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※Microsoft Copilotの仕様・機能・料金は頻繁に更新されます。本記事は2026年4月時点の情報をもとに執筆しており、最新情報は必ずMicrosoft公式サイトをご確認ください。
Copilotとは?|Microsoft 365に統合されたAIアシスタントの基本
ここでは、Copilotを議事録に活用するために知っておくべき基本と、議事録作成に強い理由を整理します。
1. Copilotの基本概要とMicrosoft Graphとの連携
Microsoft Copilot(コパイロット)は、Microsoft 365に統合されたAIアシスタントです。Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teams・OneNoteなど日常業務で使うアプリに横断的に連携し、自然言語の指示で要約・作成・分析・整理を支援します。
Copilotは大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)と「Microsoft Graph」を組み合わせて動作します。Microsoft Graphとは、組織内のメール・カレンダー・ドキュメントなどにアクセスするための仕組みです。「このメールを要約して」「この会議の要点を整理して」と指示するだけで、組織の文脈を理解したアウトプットを生成します。
すべてのデータ処理は組織のMicrosoft 365テナント(契約単位の管理領域)内で行われます。そのため、顧客データが基礎モデルの学習に使われることはなく、アクセス権やコンプライアンス設定に従って動作します。
2. Copilotが議事録作成に強い3つの理由
Copilotが議事録作成に適している理由は、主に3点あります。
1つ目は、リアルタイムで会議内容を整理できる点です。 Teams会議中にCopilotを開くと、発言の要点・決定事項・アクションアイテムをその場で整理できます。途中参加の場合も、それまでの議論をすぐに要約させられるため、会議の流れに遅れずに参加できます。
2つ目は、Intelligent Recap(インテリジェントリキャップ)による会議後の振り返りです。 Intelligent Recapは、会議終了後に要約・アクション・話題のトピック分割・発言へのタイムスタンプリンクを自動で提供する機能です。録画と文字起こし(トランスクリプト)の両方が揃っていれば、参加できなかった会議も短時間で把握できます。
3つ目は、Microsoft 365アプリとの連携でアクションまでつながる点です。 CopilotがTeams会議で抽出した決定事項やタスクを、OutlookやOneNote・Plannerへ展開することで、議事録から行動への橋渡しをスムーズに行なえます。
Copilotで議事録を作成するための3つの前提条件
Copilotを使えば議事録作成は大きく効率化されますが、前提条件を理解せずに使い始めると「使えない」「うまく記録されない」といったトラブルが起きやすくなります。ここでは、実際の業務で活用する前に確認しておくべき3つのポイントを整理します。
1. 対象プランとMicrosoft 365 Copilotライセンスの確認
CopilotはMicrosoft 365のすべてのプランで自動的に利用できるわけではありません。Teams会議での議事録生成(Intelligent Recap含む)には、基本的に「Microsoft 365 Copilot」の有償ライセンス(ユーザー単位)が必要です。
2026年時点のプラン体系の概要は以下のとおりです。
| プラン区分 | 概要 |
|---|---|
| Copilot Chat(無料) | 個人・組織向けの基本的なAIチャット機能。Teams会議のRecap生成は対象外 |
| Microsoft 365 Business Basic | Microsoft 365の基本プラン。Copilotライセンスは別途追加が必要 |
| Microsoft 365 Business Standard | Officeアプリ込みのプラン。Copilotライセンスは別途追加が必要 |
| Microsoft 365 Business Premium | セキュリティ強化版プラン。Copilotライセンスは別途追加が必要 |
| Microsoft 365 Copilot(有償追加) | Teams会議のRecap生成・Intelligent Recap・全アプリへの連携が可能 |
「Copilot Chat(無料版)でTeams議事録ができる」と誤解されるケースがありますが、Teams会議のIntelligent Recapや要約生成には有償のMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要です。利用前にIT管理者またはMicrosoft公式サイトで最新の料金・対応プランを確認することをおすすめします。
2. Teamsのトランスクリプト(文字起こし)を有効にする
トランスクリプト(文字起こし)とは、Teams会議中の発言をテキスト化する機能です。2025年11月の仕様変更以降、会議中のリアルタイム要約・質問はトランスクリプトなしでも利用できるようになりました。ただし、会議後にIntelligent Recap(インテリジェントリキャップ)や詳細な振り返りを行なう場合は、トランスクリプトの記録が必要です。
なお、以下の場合はCopilot自体が利用できないか、機能が制限されます。
- 管理者がTeamsのトランスクリプト機能を無効にしている
- エンドツーエンド暗号化(E2EE)が適用された会議(セキュリティ最高レベルの設定)
- ゲストが主催する会議や、外部ユーザーが多い場合
会議前に「文字起こし」をオンにする操作は、会議の主催者が会議開始後に行なう必要があります。確実に記録したい定例会議では、主催者がトランスクリプトを起動するフローをチームの運用ルールとして定めておくと安心です。
文字起こしの精度を上げる方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
文字起こしの精度を向上させるには、音声品質の改善と認識設定の最適化の2軸で取り組むことが効果的です。マイク選びや発話方法などの具体的な改善策を解説しています。
3. 音声環境と日本語設定を整える
CopilotによるTeams議事録は「音声データ」がベースになるため、音質が精度を大きく左右します。以下の点を事前に確認しておくとよいでしょう。
- Teamsの「デバイス設定」でマイクの動作確認とノイズ抑制機能を有効にする
- 複数人が同時に話すと話者識別の精度が下がるため、一人ずつ発言するルールを設ける
- 日本語特有の同時発話・専門用語・固有名詞が含まれる会議では、誤認識が増えやすい
日本語環境ではTeamsのトランスクリプト言語を「日本語」に設定しておくことが重要です。会議ごとに設定が引き継がれないケースもあるため、定期的に確認することをおすすめします。また、専門用語や社内固有の言葉は、会議前にTeamsの招待文やチャットに用語リストとして共有しておくと、Copilotが文脈を把握しやすくなります。
組織としては、「Copilotが生成した要約は下書きとして人が最終確認する」というプロセスを明文化しておくことが、精度と正確性を両立する運用のポイントです。
Copilotで議事録を作成する4ステップの手順
Copilotを活用すれば、Teams会議中のメモ取りや会議後の議事録整理を効率化できます。ここでは、会議開始前の準備から会議後の共有まで、4つのステップで解説します。
1. 会議を開始しCopilotとトランスクリプトをオンにする
前提として、Microsoft 365 Copilotライセンスが有効であること、かつ組織の管理者がTeamsでのCopilot利用を許可していることが必要です。
会議を開始したら、上部メニューの「Copilot」ボタンをクリックします。画面右側またはサイドペインにCopilotパネルが表示されれば起動成功です。
同時に、会議コントロールバーの「その他(…)」から「トランスクリプトを開始」を選択し、文字起こしをオンにします。会議中のリアルタイム要約・質問はトランスクリプトなしでも利用できますが、会議後にIntelligent Recapや詳細な振り返りを行なう場合はトランスクリプトが必要です。定例会議などは開始時に必ずオンにする運用が安心です。
なお、Copilotとのやり取りは自分だけに表示されます。参加者全員に表示されるわけではないため、安心して活用できます。
2. 会議中にプロンプトで要約・決定事項を抽出する
Copilotのパネルにプロンプト(指示文)を入力すると、トランスクリプトをもとに即座に回答が返ってきます。会議中に活用しやすいプロンプトの例は次のとおりです。
- 「今の議論の要点を3行でまとめてください」
- 「決定事項を一覧にしてください」
- 「次に取るべき行動を整理してください」
Copilotは完全自動ではなく、ユーザーがプロンプトを入力することで動作します。「自動で議事録が作られる」と誤解しないようにしましょう。Copilotが提示した要約をその場で確認し、必要に応じて修正・補足を行なう運用が現実的です。
また、途中参加した場合は「会議の開始から今まで何が議論されましたか?」と聞くと、これまでの議論の流れを素早く把握できます。
3. 会議後にIntelligent Recapで要約とアクションを確認する
会議が終了すると、TeamsのIntelligent Recap(インテリジェントリキャップ)機能で議事録を確認できます。Intelligent Recapとは、会議後に要約・アクション・話題ごとのトピック分割・発言へのタイムスタンプリンクを自動提供する機能です。
確認方法は以下のとおりです。
- Teamsの「会議チャット」または「Copilot」タブを開く
- 「要約」タブ(英語UIでは「Meeting Recap」または「Meeting Summary」と表示される場合があります)をクリックする
- 要約・決定事項・担当者・フォローアップタスクが一覧で確認できる
Intelligent Recapでは、特定の話題が議論された時間帯にジャンプする機能も利用できます。長い会議でも「どの発言がどこにあるか」を素早く確認できるため、会議に参加できなかったメンバーへの共有にも有効です。
Recapの精度は、録音と文字起こしの両方が有効になっていることで大きく向上します。どちらか一方が欠けると機能が制限されることがあるため、会議前の設定確認を習慣化しましょう。
4. Outlook・OneNoteなどに共有し会議後アクションへつなげる
CopilotがTeams上で生成した要約やタスクは、Outlook・OneNote・Plannerなど他のMicrosoft 365アプリと連携して管理できます。
現時点では「自動同期」ではなく、以下の方法での連携が推奨されています。
- Outlook:会議イベントに要約・アクションを追記し、メールでチームに共有する
- OneNote:議事録をノートブックに貼り付け、プロジェクトごとに整理する
- Microsoft To Do / Planner:Copilotが抽出したアクション項目をタスクとして登録し、進捗管理に活用する
議事録を保存・共有するツールをチーム内で統一しておくことで、情報の検索性と再利用性が向上します。「議事録の公式保存先はどこか」をチームで決めておくことが、運用定着の第一歩です。
Teamsを活用した議事録作成の方法は、Copilot以外の手段も含めて以下の記事で詳しく解説しています。
TeamsにはCopilot以外にも複数の議事録作成方法があります。ChatGPTとの連携やAI議事録ツールとの比較など、状況に応じた最適な方法を選ぶためのガイドです。
Copilotは「議事録作成だけでなく、決定を行動に変える」橋渡し役として機能します。すべてをAIに任せるのではなく、人のレビューとCopilotの支援を組み合わせた運用が理想です。
Copilotで議事録精度を高める5つのプロンプト例
Copilotはプロンプト(指示文)の内容によって出力の質が大きく変わります。「何を求めているか」を具体的に指示するほど、実務に使える議事録が得られます。ここでは、会議中・会議後に活用できるプロンプト例を5つ紹介します。
1. 「3行で要約してください」で短時間に全体像を把握する
「この会議の主な議論と決定事項を3行でまとめてください」のように、出力のボリュームを明示することで、スキャンしやすい要約が得られます。
特に複数の議題が混在する会議では、「議題ごとに要約してください」と加えると、トピックが整理された状態で出力されます。会議後に別のメンバーへ共有する際にも、そのままコピーできる形で得やすくなります。
2. 「決定事項と担当者・期限を一覧化してください」でアクションを明確化する
「この会議で決まったことと、誰が何をいつまでにやるかを一覧にしてください」と聞くと、担当者ごとのアクション一覧が生成されます。
会議後のPlannerやTo Doへの登録作業が大幅に省略でき、「言った・言わなかった」の認識ズレを防ぐ効果もあります。出力はあくまで下書きのため、担当者・期限の認識を参加者全員で確認してから共有することをおすすめします。
3. 「懸念点やリスクを整理してください」で見落としを防ぐ
「この会議で出た懸念点や課題をまとめてください」と聞くと、議論の中で浮かび上がったリスクや保留事項が整理されます。
特に意思決定会議や課題解決会議では、決定事項だけでなく「決まらなかったこと」「前提条件として挙げられたこと」を記録しておくことが重要です。見落としがちなリスクの可視化に、このプロンプトは有効です。
4. 「〇〇さんの発言の意図を要約してください」で文脈を補完する
「〇〇さんが〇〇について話した部分をまとめてください」のように、特定の発言者・話題を絞ったプロンプトを使うと、特定の議論の文脈を確認できます。
会議後に「あの発言の趣旨を確認したい」「誰がその提案をしたか確認したい」といった場面で活用できます。Intelligent RecapのタイムスタンプリンクとあわせてCopilotに質問することで、効率よく発言の文脈を追えます。
5. 「初心者にもわかる表現で説明してください」で共有資料として使う
「技術的な内容を専門知識のない方にもわかるように説明してください」と指示すると、専門用語を平易な言葉に置き換えた要約が生成されます。
社内の異なる部門への会議内容の共有や、役員向けのサマリー作成に活用できます。プロンプト1つで、同じ内容を対象読者にあわせた表現に変換できるのがCopilotの強みです。
なお、Copilotのプロンプト設計は「役割(どんな立場で回答してほしいか)」「条件(どんな形式・量で)」「例示(どんな形を期待するか)」の3要素を意識すると、より目的に合った出力が得られます。
Copilotで議事録を作成する4つのメリット
CopilotはTeams会議やOutlook・OneNoteなどと連携して議事録作成を支援します。ここでは、Copilotを議事録作成に活用する際の主な4つのメリットを解説します。
1. 議事録担当の負担を減らし会議に集中できる
Copilotが要約・決定事項・アクションアイテムを整理するため、議事録担当者がメモを取り続ける必要がなくなります。全員が議論に集中できる環境が生まれ、会議の質そのものが向上しやすくなります。
特に定例会議や報告会議では、毎回の議事録作業に費やしていた時間を本来の業務に充てられるようになることが多いです。
2. 決定事項・タスクが自然に抽出されフォローアップが速くなる
Copilotは単なる文字起こしではなく、会話の流れをもとに「何が決まったのか」「誰が何を担当するのか」を文脈で抽出します。会議後に内容を振り返る際にも、理解しやすい形で記録が残ります。
発言の「意図」や「感情」を完全に理解しているわけではないため、AIの出力はあくまで要点整理の下書きとして位置づけることが重要です。
3. Outlook・OneNote・Plannerと連携して会議後アクションに直結する
CopilotがTeamsで生成した要約やタスクは、他のMicrosoft 365アプリとの連携によって会議後アクションに直接つなげられます。
たとえば、会議後に要約をOneNoteへ保存したり、Outlookメールで共有したりする操作が容易です。PlannerやTo Doと組み合わせると、「誰が・何を・いつまでに行なうか」の管理まで一貫して行なえます。
4. Microsoft 365のテナント内で処理されセキュリティ要件に適合しやすい
Copilotは組織のMicrosoft 365テナント内で動作し、プロンプトや応答の内容は暗号化されます。顧客データが基礎モデルの学習に使われることはなく、ユーザーがアクセス権を持つ情報のみが参照されます。
一般公開型のAIサービスとは異なり、企業のセキュリティ・コンプライアンス要件に適合しやすい設計です。機密性の高い会議でAIを活用したい企業にとって、この点は大きな選定理由になります。
なおセキュリティポリシーや扱えるデータの範囲はMicrosoft側でも随時更新されるため、導入前には必ずMicrosoft公式のセキュリティ・プライバシーに関するページで最新情報をご確認ください。
Copilotで議事録を作成する際の4つの注意点
Copilotを議事録作成に活用する際には、いくつかの制約と注意点を理解しておく必要があります。ここでは、実務に影響しやすい4点を整理します。
1. 音声品質と専門用語で精度が変動する
Teams会議中に発言が重なったり、雑音が多い環境では、正確に文字起こしできないことがあります。特に日本語会議では、同時発話や業界固有の専門用語によって認識精度が変動するケースがあります。
マイクの近くで話す・静かな環境を確保する・発言の順番を意識するなどの基本対策が、Copilotの精度向上に直結します。ノイズ抑制機能はTeamsの「デバイス設定」から有効にできます。
2. 要約はあくまで下書きとして人のレビューが必要
CopilotはAIが会話の流れをもとに要約を生成するため、人間が重要と考える部分が省略されたり、ニュアンスが異なって捉えられる場合があります。
Copilotの出力は「議論の全体像をつかむためのサポート」であり、正式な記録として使用する場合は人によるレビューと補足が不可欠です。「AIが生成した議事録は必ず人間が最終確認する」プロセスを組み込むことで、精度と正確性を両立できます。
3. Teams以外(Zoom・Google Meet)では利用できない
CopilotのTeams連携機能は、Microsoft Teams上でしか動作しません。Google MeetやZoomなど、他の会議ツールでは原則としてCopilotの議事録機能は使えません。
全社的にZoomやGoogle Meetを使い続けている組織では、Copilot単体では議事録の自動化をカバーしきれないことがあります。その場合は、複数の会議ツールに対応したAI議事録ツールとの組み合わせが現実的な解決策になります。
4. E2EE会議・ゲスト主催会議では機能が制限される
エンドツーエンド暗号化(E2EE:End-to-End Encryption)が適用された会議では、Copilotは会議内容を参照できません。セキュリティレベルを最高に設定している会議ほど、Copilotの機能が制限されます。
また、外部ユーザーが主催する会議やゲスト参加が中心の会議では、要約機能が利用できないことがあります。重要な会議でCopilotを必ず使いたい場合は、自組織のメンバーが主催者になる形で会議を設計することが重要です。
Copilotで対応しにくい3つの会議パターン
CopilotはTeamsのオンライン会議に最適化された設計のため、業務現場には対応しきれない会議も少なくありません。ここでは、Otolio(旧:スマート書記)の利用企業8,000社以上から見えてきた「Copilotでは精度や運用が追いつきにくい会議パターン」を3つ整理します。
1. 対面・ハイブリッド会議では話者分離の精度が下がる
Copilotの話者分離機能は、参加者全員がTeams上で個別に接続している状態を前提に設計されています。全員が自分のPCやスマホからオンラインで参加していれば、発言者ごとの識別はかなり高い精度で行なえます。
一方で、以下のような会議では話者分離の精度が大きく下がります。
- 対面会議:会議室に複数人が集まり、1台のスピーカーフォンで音声を拾う形式
- ハイブリッド会議:会議室の参加者とリモート参加者が混在する形式
どちらも1つの音声入力の中に複数の声が混ざって入ります。Copilotは個別のアカウントと音声を紐づけて話者を識別する仕組みのため、会議室側の発言者を自動で分離することが難しくなります。
議事録で「誰が何を発言したか」の記録が重要な会議も多くあります。役員会・採用面接・プロジェクト会議などでは、対面・ハイブリッドの話者分離は実務で使いにくい精度になりがちです。対面やハイブリッドが中心の現場では、集音マイクの運用設計や最大20名の自動話者分離に対応した専用ツールとの併用を検討する必要があります。
2. 10名以上の大規模・部門横断会議では要約精度が落ちやすい
10〜20名規模で複数部門が同席する会議では、Copilotでの議事録作成は精度面・運用面の両方で課題が出やすくなります。発言者数が増えるほど話者識別の誤りが積み重なり、部門ごとの専門用語や略称も誤認識されやすいためです。
特に経営会議・部門横断プロジェクト会議・全社説明会など、専門領域の混在する会議では要約精度が落ちやすくなります。用語辞書の共有や20名規模の自動話者分離といった機能は、Copilot単体ではカバーしにくい領域です。
3. 録画・文字起こしを残したくない機密性の高い会議
Copilotの会議後Recap機能は、トランスクリプト(文字起こし)が記録されていることを前提に動作します。そのため以下のような会議では、Copilotの強みが活かしにくくなります。
- 個別案件の契約条件・M&A・人事評価など、録画や文字起こしを残したくない会議
- セキュリティポリシー上、SharePointに音声・テキストを保存できない機密会議
Copilotの処理はMicrosoft 365テナント内で完結します。しかし「そもそもデータを残さない運用」が求められる場面では、Intelligent Recapが利用できません。結果として、従来の手書き議事録に戻さざるを得ないケースが現場では発生しています。
Copilotが使えない・精度が出ないときの3つの対処法
「Copilotのボタンが表示されない」「議事録が生成されない」「日本語の認識が甘い」といったトラブルは、設定や環境の問題で起きていることがほとんどです。ここでは、よくある3つの課題と対処法を解説します。
1. Copilotボタンが表示されないときの確認ポイント
Copilotのボタンが会議画面に表示されない場合、以下の3点を確認してください。
ライセンスの確認:Microsoft 365 CopilotライセンスがTeamsと紐づいているか、IT管理者に確認します。ライセンスが付与されていても、管理者ポリシーでCopilot機能が無効化されている場合があります。
管理者ポリシーの確認:組織のTeams管理センターで「Copilotのポリシー」が有効になっているかを確認します。この設定はIT管理者のみが変更できます。管理者に依頼して確認してもらうのが最短の解決策です。
E2EE設定の確認:エンドツーエンド暗号化が有効になっている会議では、Copilotは動作しません。セキュリティポリシーとの兼ね合いで、Copilotを使いたい会議にはE2EEを適用しない設定が必要です。
2. 議事録が生成されないときのトランスクリプト設定の見直し
会議後にIntelligent Recapや要約が表示されない場合、最も多い原因はトランスクリプト(文字起こし)が記録されていないことです。
以下の手順で確認してください。
- 会議中に「トランスクリプトを開始」が押されていたか確認する
- 会議後のTeamsチャットに文字起こしデータが保存されているか確認する
- 管理者設定でトランスクリプト機能が有効になっているか確認する
トランスクリプトが途中で止まっていた場合、Copilotが参照できる情報が欠損するため、Recapの内容が不完全になることがあります。会議の重要度に応じて、録画とトランスクリプトの両方を起動するルールを設けることをおすすめします。
3. 日本語の認識精度が低いときの運用改善策
日本語の認識精度が低い場合、以下の改善策を試してください。
言語設定の確認:Teamsのトランスクリプト言語が「日本語」に設定されているか確認します。会議ごとに設定をリセットする必要があるケースもあります。
専門用語の事前共有:会議前にTeamsの招待文やチャットに、会議で使う専門用語や固有名詞のリストを貼っておくと、Copilotが文脈を把握しやすくなります。
音声環境の改善:マイクの品質・設置位置・環境ノイズは、日本語認識精度に直結します。ハンズフリー対応のヘッドセットや指向性マイクの活用をご検討ください。
プロンプトで補正する:「専門用語を補足して要約してください」「〇〇という用語は△△という意味で使われています」のように、プロンプト内に文脈情報を付け加えることで、認識の誤りを補正できます。
まとめ|Copilotで議事録作成の負担を減らし会議の価値を高めよう
Copilotを活用すれば、Teams会議中の要約・決定事項の抽出・アクションアイテムの整理を効率化できます。Intelligent Recapでは会議後の振り返りも短時間で行なえるため、「議事録担当者が会議に集中できない」という課題を大幅に改善できます。
一方で、Copilotはプロンプトを入力しないと動かない・要約の最終確認は人が行なう必要がある・Teams以外の会議では動作しないといった制約もあります。「Copilotに任せれば完全自動」ではなく、「AIが下書きを用意し、人が仕上げる」という運用スタンスが、最も安定した成果につながります。
議事録作成だけでなく、会議前の準備や会議後のフォローアップまで含めた会議業務全体の効率化を目指す場合は、会議業務をAIが一気通貫で自動実行するAIエージェントとの組み合わせも選択肢となります。
まずはCopilotの基本4ステップを実践しながら、自社の会議スタイルに合わせた議事録フローを整えてみてはいかがでしょうか。
ここまで、Copilotを活用したTeams会議の議事録作成手順やプロンプト例、使えないときの対処法までを解説してきました。一方で、Copilotはあくまで「会議中・会議後の議事録作成」を支援するアシスタントであり、会議前の資料準備や会議後のタスク整理・フォローアップまでを自動実行するものではありません。
Otolio(旧:スマート書記)は、会議業務をすべて自動実行するAIエージェントです。議事録作成はもちろん、会議前の準備から会議後のフォローアップまでを一気通貫で自動化し、累計8,000社以上で利用されています。14日間の無料トライアルで全機能を試すことができます。
議事録作成の先にある「会議業務全体の効率化」を検討したい方は、まずは資料で概要を確認してみてはいかがでしょうか。
よくある質問とその回答
Q. Copilotの無料版(Copilot Chat)でTeams会議の議事録は作れますか?
いいえ。Copilot Chat(無料版)はTeams会議のIntelligent Recapや要約生成には対応していません。Teams会議の議事録生成には「Microsoft 365 Copilot」の有償ライセンスが必要です。まずIT管理者にライセンスの有無を確認することをおすすめします。
Q. Copilotが生成した議事録は参加者全員に自動共有されますか?
自動で全員に共有されるわけではありません。CopilotがTeams上で生成した要約・議事録は、会議主催者や特定のメンバーの画面に表示されます。チームへの共有はOutlookのメール・OneNote・SharePointなどを使って手動で行なう必要があります。機密性の高い会議では、共有範囲を慎重に設定することをおすすめします。
Q. Copilotで議事録を作成すると、会議音声やデータはどこに保存されますか?
会議の録画・トランスクリプトはMicrosoft 365のテナント内(SharePointやOneDriveなど)に保存されます。Copilotとのやり取り(プロンプト・回答)も同様にテナント内で処理され、外部のモデル学習には使われません。保存期間やアクセス権限は組織の管理者ポリシーに従います。
Q. Copilotで話者ごとの発言を区別できますか?
CopilotはTeamsの話者識別機能を活用して、発言者ごとに内容を区別して要約できますが、精度は音声品質・マイク環境・人数によって変動します。複数人が同時に発言した場合や雑音が多い環境では、話者の識別が正確にならないことがあります。なお、話者識別の仕様はMicrosoft側で継続的に更新されているため、最新の対応範囲はMicrosoft公式ドキュメントでご確認ください。