Copilotの議事録作成|手順・プロンプト・使えないときの対処法
Teams会議が日常化した今、議事録作成は多くのビジネスパーソンにとって負担の大きい業務のひとつです。
そんななかで、こんな悩みを抱えている方も少なくないのではないでしょうか。
- 議事録作成に集中するあまり、会議の議論に参加できない
- 会議後のまとめ作業に時間を取られ、本来の業務が後回しになる
- CopilotをTeamsで使えると聞いたが、何をどう設定すればよいかわからない
そこでこの記事では、Copilotで議事録を作成するための前提条件・具体的な手順・精度を高めるプロンプト例・使えないときの対処法までをまとめて解説します。
企業で導入しているCopilotで議事録を作るとき、以下のお悩みはありませんか。
- Copilotに出させた議事録が毎回そのままでは使えず、修正時間のほうが長くなる
- 人によって指示の仕方が異なり、上手く活用ができず組織全体に定着しない
- どう指示すれば意図した形で出るのか、思いつきではなく根拠のある書き方を知りたい
Microsoftが公式に公表している書き方をもとに、そのまま貼って使えるプロンプトをまとめました。会議の目的別に4つ、できた議事録にあとから足す応用を3つ掲載しています。Copilotの社内定着に悩んでいる方はぜひ資料をご覧ください。
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※Microsoft Copilotの仕様・機能・料金は頻繁に更新されます。本記事は2026年8月時点の情報をもとに執筆しており、最新情報は必ずMicrosoft公式サイトをご確認ください。なお、Microsoftは「Microsoft 365 Copilot」の名称を「Microsoft Copilot」へ移行中です。移行期間中は一部の設定画面・ライセンス名が旧名称のままの場合があります。
Copilotとは?
Microsoft Copilotは、Microsoft 365のアプリに組み込まれたAIアシスタントです。Teamsの会議そのものに入り込んで動くため、議事録づくりでは録音データを別のツールへ渡す工程が要りません。
1. Microsoft Graphと連携する仕組み
Copilot(コパイロット)は、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teams・OneNoteなど、日常業務で使うアプリに横断的に連携します。自然言語の指示だけで、要約・作成・分析・整理を任せられます。
Copilotは大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)と「Microsoft Graph」を組み合わせて動作します。Microsoft Graphとは、組織内のメール・カレンダー・ドキュメントなどにアクセスするための仕組みです。「このメールを要約して」「この会議の要点を整理して」と指示するだけで、組織の文脈を理解したアウトプットを生成します。
Copilotのプロンプトや応答、Microsoft Graphから参照するデータには、Microsoft 365の企業向けデータ保護が適用されます。これらのデータは基礎LLMの学習には使用されず、アクセス権やコンプライアンス設定に従って処理されます。
2. Copilotが議事録作成に強い3つの理由
Copilotが議事録作成に適している理由は、主に3点あります。
1つ目は、リアルタイムで会議内容を整理できる点です。 Teams会議中にCopilotを開くと、発言の要点・決定事項・アクションアイテムをその場で整理できます。途中参加の場合も、それまでの議論をすぐに要約させられるため、会議の流れに遅れずに参加できます。
2つ目は、Intelligent Recap(インテリジェントリキャップ)による会議後の振り返りです。 Intelligent Recapは、会議終了後に要約・アクション・話題のトピック分割・発言へのタイムスタンプリンクを自動で提供する機能です。録画や文字起こし(トランスクリプト)が保存されていれば、参加できなかった会議も短時間で把握しやすくなります。
3つ目は、Microsoft 365アプリとの連携でアクションまでつながる点です。 CopilotがTeams会議で抽出した決定事項やタスクを、OutlookやOneNote・Plannerへ展開することで、議事録から行動への橋渡しをスムーズに行えます。
Intelligent Recapは、Teams会議の録画やトランスクリプトなどをもとに、会議後の振り返りを支援するAI機能です。
Copilotで議事録を作成するための3つの前提条件
「Copilotのボタンが出てこない」「会議は終わったのに要約が生成されない」。こうしたつまずきは、前提条件を確かめないまま使い始めたときに起きます。押さえるべきはライセンス・トランスクリプト・音声環境の3点です。
1. 対象プランとライセンスの確認
CopilotはMicrosoft 365のすべてのプランで自動的に利用できるわけではありません。Teams会議でCopilotを利用するには、対象となるMicrosoft Copilotのライセンスが必要です。
一方、Intelligent RecapはTeams PremiumまたはMicrosoft Copilotの対象ライセンスで利用できます。前述のとおり名称は「Microsoft 365 Copilot」から移行中のため、契約書や管理画面ではどちらの表記も見かけます。
2026年8月時点のプラン体系の概要は以下のとおりです。
| プラン区分 | 概要 |
|---|---|
| Copilot Chat(無料) | 個人・組織向けの基本的なAIチャット機能。Teams会議のRecap生成は対象外 |
| Microsoft 365 Business Basic | Microsoft 365の基本プラン。Copilotライセンスは別途追加が必要 |
| Microsoft 365 Business Standard | Officeアプリ込みのプラン。Copilotライセンスは別途追加が必要 |
| Microsoft 365 Business Premium | セキュリティ強化版プラン。Copilotライセンスは別途追加が必要 |
| Microsoft Copilot(有償追加・旧: Microsoft 365 Copilot) | Teams会議のRecap生成・Intelligent Recap・全アプリへの連携が可能 |
「Copilot Chat(無料版)でTeams議事録ができる」と誤解されるケースがありますが、TeamsでCopilotを利用するには、Microsoft Copilotを含む対象ライセンスが必要です。利用できる機能や料金はプランにより異なるため、最新のMicrosoft公式情報を確認してください。
誰の分のライセンスが必要かで費用は変わるため、会議の要約に必要なライセンスと費用の考え方も確認しておくと安心です。
2. Teamsのトランスクリプト(文字起こし)を有効にする
トランスクリプト(文字起こし)とは、Teams会議中の発言をテキスト化する機能です。現在は、会議オプションを「会議中のみ」に設定すれば、トランスクリプトを保存せずにCopilotを利用できます。ただし、会議後にIntelligent Recapや詳細な振り返りを行う場合は、トランスクリプトの記録が必要です。
会議のCopilot設定には、主催者が選べる3つの値があります。
- 会議中および会議後にCopilotを使う(トランスクリプトの記録が前提)
- 会議中のみCopilotを使う(トランスクリプトを残さない一時的な音声認識のみ)
- オフ(Copilot・録画・トランスクリプトをすべて使わない)
既定値は組織の管理者ポリシーによって異なります。主催者は、許可されている範囲で「会議中および会議後」「会議中のみ」「オフ」から設定できます。
なお、以下の場合はCopilot自体が利用できないか、機能が制限されます。
- 管理者がトランスクリプトを無効にしており、会議が「会議中および会議後」に設定されている
- エンドツーエンド暗号化(E2EE)が適用された会議(セキュリティ最高レベルの設定)
- 自組織の外部でホストされている会議
文字起こしは会議開始後に、開催者または権限を持つ参加者が開始できます。また、会議オプションで録画・文字起こしを自動開始する設定を利用できる場合もあります。
確実に記録したい定例会議では、主催者がトランスクリプトを起動するフローをチームの運用ルールとして定めておくと安心です。
文字起こしの精度は、音声品質の改善と認識設定の最適化という2つの軸で取り組むと高めやすくなります。マイクの距離や向きなど、文字起こしの精度を上げる具体的な方法も参考にしてください。
議事録作成までの手順は本記事のとおりですが、Copilotの文字起こし機能がどの条件で動く・動かないかを先に切り分けたい場合は、そちらを先に確認してください。
3. 音声環境と日本語設定を整える
CopilotによるTeams議事録は「音声データ」がベースになるため、音質が精度を大きく左右します。以下の点を事前に確認しておくとよいでしょう。
- Teamsの「デバイス設定」でマイクの動作確認とノイズ抑制機能を有効にする
- 複数人が同時に話すと話者識別の精度が下がるため、一人ずつ発言するルールを設ける
- 複数人の同時発話や、日本語の専門用語・固有名詞が含まれる会議では、誤認識が増えやすい
日本語環境では、Teamsのトランスクリプト言語を「日本語」に設定しておくことが重要です。会議ごとに設定が引き継がれないケースもあるため、定期的に確認することをおすすめします。また、専門用語や社内固有の言葉は、会議前にTeamsの招待文やチャットに用語リストとして共有しておくと、Copilotが文脈を把握しやすくなります。
組織としては、「Copilotが生成した要約は下書きとして人が最終確認する」というプロセスを明文化しておくことが、精度と正確性を両立する運用のポイントです。
Copilotで議事録を作成する4ステップの手順
Copilotでの議事録づくりは、会議前の設定から会議後の共有まで4つのステップで完結します。手を動かすのは最初の2つだけで、あとは確認と共有の作業です。
1. 会議を開始しCopilotとトランスクリプトをオンにする
前提として、Microsoft Copilotライセンスが有効であること、かつ組織の管理者がTeamsでのCopilot利用を許可していることが必要です。
会議を開始したら、上部メニューの「Copilot」ボタンをクリックします。画面右側またはサイドペインにCopilotパネルが表示されれば起動成功です。
同時に、会議コントロールバーの「その他(…)」から「トランスクリプトを開始」を選択し、文字起こしをオンにします。会議中のリアルタイム要約・質問はトランスクリプトなしでも利用できますが、会議後にIntelligent Recapや詳細な振り返りを行う場合はトランスクリプトが必要です。定例会議などは開始時に必ずオンにする運用が安心です。
なお、Copilotとのやり取りは自分だけに表示されます。参加者全員に表示されるわけではないため、安心して活用できます。
2. 会議中にプロンプトで要約・決定事項を抽出する
Copilotのパネルにプロンプト(指示文)を入力すると、会議音声やトランスクリプトなどをもとに回答が返ってきます。会議中に活用しやすいプロンプトの例は次のとおりです。
- 「今の議論の要点を3行でまとめてください」
- 「決定事項を一覧にしてください」
- 「次に取るべき行動を整理してください」
会議中にCopilotへ質問したり、任意の形式で要約させたりする場合は、Copilotを開いてプロンプトを入力します。一方、会議後のIntelligent Recapでは、条件を満たしていればAIによる要約やタスクなどを確認できます。
「会議をすれば勝手に議事録ができる」という期待とは、少し形が違います。提示された要約はその場で確認し、必要なら修正・補足を加える運用が現実的でしょう。
また、途中参加した場合は「会議の開始から今まで何が議論されましたか?」と聞くと、これまでの議論の流れを素早く把握できます。
3. Intelligent Recapで振り返る
会議が終了すると、TeamsのIntelligent Recap(インテリジェントリキャップ)機能で議事録を確認できます。Intelligent Recapとは、会議後に要約・アクション・話題ごとのトピック分割・発言へのタイムスタンプリンクを自動提供する機能です。
確認方法は以下のとおりです。
- Teamsで対象の会議チャットを開く
- 「要約」タブを選択する
- 要約・決定事項・担当者・フォローアップタスクが一覧で確認できる
Intelligent Recapでは、特定の話題が議論された時間帯にジャンプする機能も利用できます。長い会議でも「どの発言がどこにあるか」を素早く確認できるため、会議に参加できなかったメンバーへの共有にも有効です。
Recapで確認できる内容は、録画・文字起こし・共有コンテンツなど、会議で保存された情報によって変わります。重要な会議では、必要な記録設定を事前に確認しておきましょう。
4. Outlook・OneNoteへ共有する
CopilotがTeams上で生成した要約やタスクは、Outlook・OneNote・Plannerなど他のMicrosoft 365アプリと連携して管理できます。
現時点で推奨されているのは、手動での連携です。
- Outlook:会議イベントに要約・アクションを追記し、メールでチームに共有する
- OneNote:議事録をノートブックに貼り付け、プロジェクトごとに整理する
- Microsoft To Do / Planner:Copilotが抽出したアクション項目をタスクとして登録し、進捗管理に活用する
議事録を保存・共有するツールをチーム内で統一しておくことで、情報の検索性と再利用性が向上します。「議事録の公式保存先はどこか」をチームで決めておくことが、運用定着の第一歩です。
Teamsを活用した議事録作成は、Copilot以外の手段も含めて選択肢があります。トランスクリプト単体の活用やChatGPTとの連携、AI議事録ツールとの比較まで含めた4つの選び方も、状況に応じて検討してみてください。
Copilotは、議事録を書くだけでなく決定を行動へ移す橋渡し役になります。理想は、Copilotが下書きを用意し、人がレビューで仕上げる形でしょう。
Copilotで議事録精度を高める5つのプロンプト例
Copilotの出力は、プロンプト(指示文)の書き方で質が大きく変わります。「何を・どの粒度で欲しいか」を書き添えるだけで、そのまま共有できる議事録にぐっと近づきます。
1. 3行で全体像をつかむ
「この会議の主な議論と決定事項を3行でまとめてください」のように、出力のボリュームを明示すると、スキャンしやすい要約が得られます。
特に複数の議題が混在する会議では、「議題ごとに要約してください」と加えると、トピックが整理された状態で出力されます。会議後に別のメンバーへ共有する際にも、そのままコピーできる形で得やすくなります。
2. 決定事項と担当者・期限を一覧化する
「この会議で決まったことと、誰が何をいつまでにやるかを一覧にしてください」と聞くと、担当者ごとのアクション一覧が生成されます。
会議後のPlannerやTo Doへの登録作業を大幅に省け、「言った・言わなかった」の認識ズレを防ぐ効果もあります。出力はあくまで下書きのため、担当者・期限の認識を参加者全員で確認してから共有することをおすすめします。
3. 懸念点とリスクを洗い出す
「この会議で出た懸念点や課題をまとめてください」と聞くと、議論の中で浮かび上がったリスクや保留事項が整理されます。
特に意思決定会議や課題解決会議では、決定事項だけでなく「決まらなかったこと」「前提条件として挙げられたこと」を記録しておくことが重要です。見落としがちなリスクの可視化に、このプロンプトは有効です。
4. 特定の発言の意図を補う
「〇〇さんが〇〇について話した部分をまとめてください」のように、特定の発言者・話題を絞ったプロンプトを使うと、その議論の文脈を確認できます。
会議後に「あの発言の趣旨を確認したい」「誰がその提案をしたか確認したい」といった場面で活用できます。Intelligent RecapのタイムスタンプリンクとあわせてCopilotに質問すると、効率よく発言の文脈を追えます。
5. 専門用語を平易に言い換える
「技術的な内容を専門知識のない方にもわかるように説明してください」と指示すると、専門用語を平易な言葉に置き換えた要約が生成されます。
社内の異なる部門への共有や、役員向けのサマリー作成に活用できます。プロンプト1つで、同じ内容を対象読者にあわせた表現に変換できるのがCopilotの強みです。
なお、Copilotのプロンプト設計は「役割(どんな立場で回答してほしいか)」「条件(どんな形式・量で)」「例示(どんな形を期待するか)」の3要素を意識すると、より目的に合った出力が得られます。
Copilotで議事録を作成する4つのメリット
Copilotを議事録に使うと、会議中の負担だけでなく会議後の動き出しまで変わります。効果が出やすいのは次の4点です。
1. 議事録担当の負担を減らし会議に集中できる
Copilotが要約・決定事項・アクションアイテムを整理するため、議事録担当者がメモを取り続ける必要がなくなります。全員が議論に集中できる環境が生まれ、会議の質そのものが向上しやすくなります。
とくに定例会議や報告会議では、毎回の議事録作業に充てていた時間を、本来の業務へ回せるようになるでしょう。
2. 決定事項・タスクが自然に抽出されフォローアップが速くなる
Copilotは会話の流れを読み、「何が決まったのか」「誰が何を担当するのか」を文脈から抜き出します。単なる文字起こしとは、処理の深さが違います。会議後に振り返るときも、理解しやすい形で記録が残ります。
発言の「意図」や「感情」を完全に理解しているわけではないため、AIの出力はあくまで要点整理の下書きとして位置づけることが重要です。
3. 会議後のタスクをOutlook連携で片づける
CopilotがTeamsで生成した要約やタスクは、他のMicrosoft 365アプリとの連携によって会議後アクションに直接つなげられます。
たとえば、会議後に要約をOneNoteへ保存したり、Outlookメールで共有したりする操作が容易です。PlannerやTo Doと組み合わせると、「誰が・何を・いつまでに行うか」の管理まで一貫して行えます。
4. Microsoft 365の企業向けデータ保護が適用される
Copilotのプロンプトや応答にはMicrosoft 365の企業向けデータ保護が適用され、内容は暗号化されます。顧客データが基礎モデルの学習に使われることはなく、ユーザーがアクセス権を持つ情報のみが参照されます。
一般公開型のAIサービスとは異なり、企業のセキュリティ・コンプライアンス要件に適合しやすい設計です。機密性の高い会議でAIを活用したい企業にとって、この点は大きな選定理由になります。
なおセキュリティポリシーや扱えるデータの範囲はMicrosoft側でも随時更新されるため、導入前には必ずMicrosoft Copilotのデータ、プライバシー、セキュリティのページで最新情報をご確認ください。
Copilotで議事録を作成する際の4つの注意点
Copilotにも苦手な場面はあります。実務に影響しやすいのは、精度・レビュー・対応ツール・会議設定の4点です。
1. 音声品質と専門用語で精度が変動する
Teams会議で発言が重なったり、雑音が多かったりすると、文字起こしは崩れます。とくに日本語の会議では、同時発話や業界固有の専門用語で認識精度が揺れやすくなるでしょう。
対策はごく基本的なものです。マイクの近くで話す、静かな環境を確保する、発言の順番を意識する。この3つがCopilotの精度に直結します。ノイズ抑制はTeamsの「デバイス設定」から有効にできます。
2. 要約はあくまで下書きとして人のレビューが必要
CopilotはAIが会話の流れをもとに要約を生成するため、人間が重要と考える部分が省略されたり、ニュアンスが異なって捉えられたりする場合があります。
Copilotの出力は「議論の全体像をつかむためのサポート」であり、正式な記録として使用する場合は人によるレビューと補足が欠かせません。「AIが生成した議事録は必ず人間が最終確認する」プロセスを組み込むことで、精度と正確性を両立できます。
3. Teams以外の会議ツールでは使えない
CopilotのTeams連携機能は、Microsoft Teams上でしか動作しません。Google MeetやZoomなど、他の会議ツールでは原則としてCopilotの議事録機能は使えません。
全社的にZoomやGoogle Meetを使い続けている組織では、Copilot単体では議事録の自動化をカバーしきれないことがあります。その場合は、複数の会議ツールに対応したAI議事録ツールとの組み合わせが現実的な解決策になります。
4. E2EE会議・外部組織でホストされた会議では機能が制限される
エンドツーエンド暗号化(E2EE)を有効にした会議では、一部のTeams機能が制限される場合があります。Copilotの利用可否も組織設定・会議設定に依存するため、事前に管理者へ確認してください。セキュリティレベルを最高に設定している会議ほど、Copilotの機能が制限されます。
また、自組織の外部でホストされている会議では、Copilotを利用できません。重要な会議でCopilotを必ず使いたい場合は、自組織のメンバーが主催者になる形で会議を設計することが重要です。
Copilotで対応しにくい3つの会議パターン
CopilotはTeamsのオンライン会議に合わせて設計されています。そのぶん、現場でよくある会議には手が届きにくい場面もあります。Otolioが商談や導入の現場で見聞きしてきたなかで、精度や運用が追いつきにくかったのは次の3パターンでした。
1. 一般的なスピーカーフォンを使う対面・ハイブリッド会議では話者分離が難しくなる
対面・ハイブリッド会議では、会議室側の話者認識環境によって精度が変わります。Teams Roomsでは、音声プロファイルと話者認識を設定することで、会議室内の参加者を個別に識別してトランスクリプトやCopilotに反映できます。
全員が自分のPCやスマホから参加していれば、発言者ごとの識別はかなり高い精度で行えます。一方で、以下のような会議では話者分離の精度が大きく下がります。
- 対面会議:会議室に複数人が集まり、1台のスピーカーフォンで音声を拾う形式
- ハイブリッド会議:会議室の参加者とリモート参加者が混在する形式
一般的なスピーカーフォンで複数人の音声をまとめて入力する場合は、話者識別が難しくなることがあります。一方、Teams Roomsで音声プロファイルと話者認識を設定している場合は、会議室内の参加者を個別に識別できます。
「誰が何を発言したか」の記録が要る会議は少なくありません。たとえば、役員会や採用面接、プロジェクト会議などが挙げられます。
Teams Roomsなどの話者認識を利用していない環境では、対面・ハイブリッド会議の話者分離が実務上の課題になりやすいでしょう。対面やハイブリッドが中心の現場なら、集音マイクの運用設計か、対面でも話者を聞き分けられる専用ツールとの併用が現実的な選択になります。
対面・ハイブリッド会議でCopilotを使う場合に動く条件と越えられない壁を先に切り分けたい方は、そちらの記事も参考にしてください。
2. 会議室に多人数が集まる会議では話者認識の条件を確認する
Teams Roomsで会議室内の参加者を話者認識する場合は、参加人数や音声環境によって認識精度が変わります。Microsoftは、高い文字起こし精度を得るため、会議室内の参加者を最大10名程度にすることを推奨しています。
特に経営会議・部門横断プロジェクト会議・全社説明会など、専門領域の混在する会議では要約精度が落ちやすくなります。用語辞書の共有や、参加者が多い会議でも話者を聞き分けられる仕組みは、Copilot単体ではカバーしにくい領域です。
3. 録画・文字起こしを残したくない機密性の高い会議
Copilotの会議後Recap機能は、トランスクリプト(文字起こし)が記録されていることを前提に動作します。そのため以下のような会議では、Copilotの強みが活かしにくくなります。
- 個別案件の契約条件・M&A・人事評価など、録画や文字起こしを残したくない会議
- セキュリティポリシー上、SharePointに音声・テキストを保存できない機密会議
CopilotにはMicrosoft 365の企業向けデータ保護が適用されます。しかし「そもそもデータを残さない運用」が求められる場合、会議後のIntelligent Recapは利用しにくくなります。
一方、「会議中のみ」の設定であれば、文字起こしや録画を保存せずにCopilotを利用して、会議中に要点やタスクを整理することは可能です。
組織全体で使うときに出てくる「議事録品質の属人化」
個人で使う分には、Copilotは十分に便利です。一方で、組織全体の標準ツールとして使う場合は、もう一段の注意が必要です。
Otolioが契約時に実施した250件以上の導入企業アンケートでも、「担当者によって議事録の品質にバラつきがある」「特定の人しか質の高い議事録を作れない」という属人化の声が多く寄せられました。部署ごとにツールが分かれ、全社で品質を揃えられないという悩みもあります。
Copilotでも、この属人化は起こりえます。出力の品質が、各メンバーの操作に左右されるためです。
- プロンプトの巧拙:同じ会議でも、指示の出し方で要約の粒度が変わる
- 主催者の操作:トランスクリプトを開始し忘れると、会議後のRecapが残らない
- 音声・言語設定:マイク環境や日本語設定が、人によって整っていない
そのため「Copilotを導入すれば、全員が同じ品質の議事録を作れる」とは限りません。組織で品質をそろえるには、操作ルールを明文化するか、操作スキルに依存しない仕組みを用意する必要があります。
Copilotで議事録をまかなえるかは「個人で使うか、組織の標準として使うか」でも判断が変わります。個人利用と組織標準化それぞれの向き不向きは、別の記事で詳しく整理しています。
Copilotが使えない・精度が出ないときの3つの対処法
「Copilotのボタンが表示されない」「議事録が生成されない」「日本語の認識が甘い」。この3つのトラブルは、ほとんどが設定と環境に原因があります。
1. Copilotボタンが表示されないときの確認ポイント
Copilotのボタンが会議画面に表示されない場合、以下の3点を確認してください。
ライセンスの確認
Microsoft CopilotライセンスがTeamsと紐づいているかを、IT管理者に確認します。ライセンスが付与されていても、管理者ポリシーでCopilot機能が無効化されている場合があります。
管理者ポリシーの確認
組織のTeams管理センターで「Copilotのポリシー」が有効かを見ます。この設定を変更できるのはIT管理者だけなので、管理者に依頼して確認してもらうのが最短でしょう。
E2EE設定の確認
エンドツーエンド暗号化が有効な会議では、Copilotは動作しません。Copilotを使いたい会議にはE2EEを適用しない設定が要ります。セキュリティポリシーとの兼ね合いで判断してください。
2. 議事録が生成されないときのトランスクリプト設定の見直し
会議後にIntelligent Recapや要約が表示されない場合、最も多い原因はトランスクリプト(文字起こし)が記録されていないことです。
以下の手順で確認してください。
- 会議中に「トランスクリプトを開始」が押されていたか確認する
- 会議後のTeamsチャットに文字起こしデータが保存されているか確認する
- 管理者設定でトランスクリプト機能が有効になっているか確認する
トランスクリプトが途中で止まっていた場合、Copilotが参照できる情報が欠損するため、Recapの内容が不完全になることがあります。
会議後もCopilotやRecapを利用する場合は、必要なトランスクリプトを確実に記録する運用を設けましょう。録画については、会議の目的や社内のデータ保持ルールに応じて判断してください。
3. 日本語の認識精度が低いときの運用改善策
日本語の認識精度が低い場合、以下の改善策を試してください。
言語設定の確認
Teamsのトランスクリプト言語が「日本語」になっているかを確認します。会議ごとに設定がリセットされるケースもあります。
専門用語の事前共有
会議前にTeamsの招待文やチャットへ、会議で使う専門用語や固有名詞のリストを貼っておきましょう。Copilotが文脈を把握しやすくなります。
音声環境の改善
マイクの品質・設置位置・環境ノイズは、日本語の認識精度に直結します。ハンズフリー対応のヘッドセットや指向性マイクが有効でしょう。
プロンプトで補正する
「専門用語を補足して要約してください」「〇〇という用語は△△という意味で使われています」。このように文脈情報を足すと、認識の誤りを補正できます。
まとめ|Copilotで議事録作成の負担を減らし会議の価値を高めよう
Copilotを使えば、会議中の要約・決定事項の抽出・アクションアイテムの整理をまとめて効率化できます。Intelligent Recapがあれば会議後の振り返りも短時間で済むため、「議事録担当者が会議に集中できない」という長年の課題は大きく変わるでしょう。
一方で、会議中に任意の内容をCopilotへ質問するにはプロンプト操作が必要であり、要約の最終確認は人が行う必要があります。また、Teams以外の会議ではTeamsのCopilot機能を利用できません。
「Copilotに任せれば完全自動」と考えるのではなく、「AIが下書きを用意し、人が仕上げる」運用にすることで、安定した成果につながります。
まずはCopilotの基本4ステップを実践しながら、自社の会議スタイルに合わせた議事録フローを整えてみてはいかがでしょうか。
ここまで読んで、Copilotで対応しやすい会議と、専用ツールを検討すべき会議の違いが見えてきたのではないでしょうか。
対面やハイブリッド、人数の多い会議、ツールが混在する環境まで含めて「会議のたびに発生する作業」をまとめて軽くしたいなら、議事録作成の前後まで自動化する選択肢を一度比べてみる価値があります。
企業で導入しているCopilotで議事録を作るとき、以下のお悩みはありませんか。
- Copilotに出させた議事録が毎回そのままでは使えず、修正時間のほうが長くなる
- 人によって指示の仕方が異なり、上手く活用ができず組織全体に定着しない
- どう指示すれば意図した形で出るのか、思いつきではなく根拠のある書き方を知りたい
Microsoftが公式に公表している書き方をもとに、そのまま貼って使えるプロンプトをまとめました。会議の目的別に4つ、できた議事録にあとから足す応用を3つ掲載しています。Copilotの社内定着に悩んでいる方はぜひ資料をご覧ください。
よくある質問とその回答
Q. Copilotの無料版(Copilot Chat)でTeams会議の議事録は作れますか?
いいえ。Copilot Chat(無料版)はTeams会議のIntelligent Recapや要約生成には対応していません。Teams会議でCopilotを利用するには対象となるMicrosoft Copilotのライセンスが必要です。一方、Intelligent RecapはTeams PremiumまたはMicrosoft Copilotの対象ライセンスで利用できます。まずIT管理者にライセンスの有無を確認することをおすすめします。
Q. Copilotが生成した議事録は参加者全員に自動共有されますか?
Copilotとの個別のやり取りは他の参加者には表示されません。一方、会議後の要約・AI要約・トランスクリプトなどは、会議のアクセス設定に応じて参加者がTeams上から閲覧できます。必要に応じて要約へのリンクを別途共有することも可能です。機密性の高い会議では、共有範囲を慎重に設定することをおすすめします。
Q. Copilotで議事録を作成すると、会議音声やデータはどこに保存されますか?
会議の録画・トランスクリプトは、組織のMicrosoft 365環境内で管理されます。Copilotのプロンプト・応答も組織の保持ポリシーやコンプライアンス設定の対象になる場合があるため、保存期間や扱いは管理者に確認してください。
Q. Copilotで話者ごとの発言を区別できますか?
CopilotはTeamsの話者識別機能を活用して、発言者ごとに内容を区別して要約できますが、精度は音声品質・マイク環境・人数によって変動します。複数人が同時に発言した場合や雑音が多い環境では、話者の識別が正確にならないことがあります。なお、話者識別の仕様はMicrosoft側で継続的に更新されているため、最新の対応範囲はMicrosoft Teams の要約のヘルプページでご確認ください。