AI議事録の精度が低い4つの原因とは?原因別の直し方と見分け方を解説
AI議事録ツールを導入したのに、「思っていたより精度が低い」と感じる場面は珍しくありません。
ただ、
- 「精度が低い」が具体的に何を指すのか、うまく整理できていない
- 誤変換なのか、文章の読みにくさなのか、原因の見当がつかない
- ツールを変えるべきか、使い方を直せば済むのか判断できない
といったところで止まってしまう方も多いのではないでしょうか。
そのためこの記事では、AI議事録の「精度が低い」を4つの原因に切り分ける見分け方と、原因ごとの直し方を解説します。特定のツールに偏らない、中立的な視点でお伝えします。
「精度が低い」と一言でいっても、その原因は人や環境によってかなり違います。同音異義語の誤変換に悩む方もいれば、「あー」「えー」がそのまま残って読みづらい方もいます。
自分が使っているAI議事録の精度が低い原因がどれなのかがわかると、やるべきことがはっきりします。逆に、そこが曖昧なままツールを乗り換えても、同じ原因が残っていれば精度は改善されません。まずはこの記事で原因を特定し、AI議事録の精度を上げていきましょう。
AI議事録の精度は、公称スペックよりも「自社の録音環境」と「自社で使う言葉」に大きく左右されます。
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AI議事録の精度が低い4つの原因とは?
AI議事録の「精度が低い」は、大きく4種類に分けられます。
- 誤認識・誤変換
- フィラーなど不要な言葉が残る
- 表記揺れ
- 話し言葉のままで不自然
の4つです。それぞれ直し方も違うため、まず自分の精度が低い原因がどれに当てはまるかを見極めることが、改善の近道になります。
4つの原因の見分け方
自分の精度が低い原因は、次の4つで見分けられます。
- 誤認識・誤変換:会社名・人名・専門用語・同音異義語が、違う言葉になって出てくる
- フィラー・言い淀み:「あー」「えー」「えーっと」や言い直しが、そのまま文字になっている
- 表記揺れ:同じ言葉が、ひらがな・カタカナ・漢字でバラバラに書かれる
- 不自然な文章:単語は合っているのに、句読点や語順が話し言葉のままで読みにくい
多くの場合、これらの原因は一つだけでなく、複数が重なって「精度が低い」と感じます。実際、Web会議ツールに付属する文字起こしをそのまま使った方からは、「誤変換とフィラーが多くて、そのままでは議事録に使えない」という声も聞きます。
会議業務を自動化するAIエージェント「Otolio」の250件以上の導入企業アンケートでも、ツール選定の決め手として最も多く挙がったのが「精度」でした。それだけ多くの担当者が精度に悩み、重視しているテーマだといえます。まずは自分の精度が低い原因が、この4つのどれに当てはまるかを確認してみましょう。
原因別|それぞれの直し方
ここからは、4つの原因それぞれについて「なぜ起きるのか」と「どう直すのか」をセットで見ていきます。自分に当てはまるところから読み進めてください。
1. 誤認識・誤変換
会社名・人名・業界特有の言葉が別の言葉に変換されるのが、誤認識・誤変換です。たとえば「決裁をとる」が「掲載をとる」に、製品型番の「AZ-100」が「エーゼット百」になる、といった形で現れます。同音異義語や、辞書にない固有名詞で特に起こりやすく、社内の専門用語が多い会議ほど修正の手間が大きくなります。
これが起きる要因は大きく二つあります。一つは、AIがその言葉を知らないこと。もう一つは、そもそもの音声が聞き取りにくいことです。ある製造業では、「型番が一発で正しく変換されるか」が導入前の一番の心配ごとでした。
直し方は、この二つに対応します。まず、社内の専門用語や固有名詞を登録できるツールなら、よく出る言葉をあらかじめ登録しておきます。登録すべきは、会議で頻繁に出るのに一般の辞書にない言葉です。具体的には、自社の製品名・サービス名、部署名や役職名、取引先の社名、業界固有の略語などが優先度の高い候補になります。過去の議事録から誤変換されやすい言葉を拾って登録していくと、効率よく精度を底上げできます。もう一つは、後述する録音環境を整えることです。
実際、応用地質株式会社では、部門特有の専門用語が多い経営会議で、この二つを組み合わせました。参加者にマイクが行き渡るよう連結できるマイクを使い、会議で出る専門用語を用語登録したのです。その結果、文字起こしの精度は体感で80〜90%まで安定し、議事録の作成時間は約60%削減できたといいます。
参考記事:聞き直したい音声を探す時間がゼロに。専門用語が多い経営会議の議事録作成時間を60%削減し働き方改革を実現
2. フィラー・言い淀みが残る
「あー」「えー」「えーっと」や、「そのー、なんというか」といった言い直しが、そのまま文字になっている状態です。単語の変換は正しいのに、読み返すと情報量に対して文章が長く、要点が埋もれてしまいます。
これは、人が話すときに自然に出る言葉を、AIがそのまま忠実に書き起こしているために起こります。話し言葉には、意味を持たないつなぎの言葉がとても多く含まれています。忠実であるほど、かえって読みにくくなるという面があります。
たとえば、こんな発言がそのまま文字になります。「えー、今日はですね、あの、来期の予算について、まあ、話したいと思います」。フィラーを取り除けば「今日は来期の予算について話します」と一文で済み、要点がすぐに伝わります。
直し方は、こうした不要な言葉を自動で取り除く機能を使うことです。たとえばOtolioには、「あー」「えー」などのフィラーを自動で削除する機能があります。手作業で消していくと時間がかかりますが、自動で除去できれば、残った文章の見通しが一気によくなります。フィラーが減るだけで「精度が上がった」と感じるケースは少なくありません。
一点だけ気をつけたいのは、発言の細かなニュアンスや言い淀みそのものが記録として重要な会議もあることです。議事録なら要点が伝わればよいので自動除去が向きますが、逐語の記録が必要な場面では、元の音声も残しておくと安心です。用途に応じて使い分けてみてください。
3. 表記揺れ
同じ言葉が、ひらがな・カタカナ・漢字、あるいは全角・半角でバラバラに書かれるのが表記揺れです。「お客様」と「お客さま」、「Web」と「ウェブ」が一つの議事録に混在すると、読みにくくなります。後から検索するときにも、引っかかりにくくなります。
これは、AIが文脈ごとに「もっともらしい表記」を選ぶために起こります。人間なら社内ルールで統一するところを、AIは一文ごとに判断するため、結果としてゆらぎが生まれます。
直し方は二つの方向があります。一つは、AIの校正・清書機能で、生成された文字起こしの表記を整えることです。もう一つは、社内で「この言葉はこう書く」という簡単な表記ルールを決めておくことです。ツール側の整える力と、人側の決めごとを組み合わせると、揺れはかなり抑えられます。
表記ルールは、最初から完璧を目指す必要はありません。まずは会議で頻出する5〜10語だけ、「お客様で統一する」「英数字は半角にする」などと決めます。議事録テンプレートの隅にメモしておくだけでも効果があります。運用しながら気になった言葉を足していくと、無理なく揃っていきます。
4. 話し言葉で不自然
単語は合っているのに、句読点の位置や語順が話し言葉のままで、文章として読みにくい状態です。会話をそのまま文字にすると、主語が抜けたり、一文が長く続いたりします。議事録として共有すると「読む気をなくす」と言われることもあります。
これは、話し言葉と書き言葉の構造の違いから生まれます。会話は前後の文脈やその場の空気で通じますが、文字だけになると、その補いが効かなくなります。たとえば「で、それはさっきの件と同じで、まあ進める方向で」という発言は、文字にすると主語も結論も曖昧です。「先ほどの件と同様に、進める方向で合意した」と整えて、はじめて議事録として読めます。
直し方は、表記揺れと同じく、AIの清書機能で話し言葉を読みやすい文章に整えることです。あわせて、議事録のフォーマットを決めておくと効果的です。たとえばOtolioのカスタムテンプレート機能を使えば、あらかじめ決めた形式に沿って議事録が整います。そのため、誰が担当しても同じ品質に近づきます。
4つの原因への対処をしても精度が上がらないときは?
原因別の対処をしても改善しきらないときは、より根っこにある二つの要素を見直します。ここは深追いせず、詳しい解説は関連記事に譲ります。
まず「音声品質」を整える
AI議事録の精度は、AIエンジンの優劣以上に、そもそもの音声のクリアさに大きく左右されます。ノイズが多い、マイクが遠い、複数人が同時に話す、といった環境では、どのツールを使っても誤認識は増えます。用語登録や清書は、聞き取れている音声に対してこそ効きます。土台となる音声が崩れていると、そこから先の機能も力を発揮しにくくなります。
気をつける点は、会議の形式によって少し変わります。対面の会議では、一つのマイクで離れた席の声まで拾おうとすると、遠い人の発言がかすれて誤認識が増えます。参加人数が多いなら、席に行き渡るよう連結できるマイクを使う、声の小さい人にはマイクを近づける、といった工夫が効きます。一方、オンライン会議では各自が自分の端末で話すため、音声は拾いやすくなります。反面、ネット環境の乱れやマイクの品質差は精度に響きます。
まず試したいのは、マイクを話者に近づける、静かな部屋を選ぶ、一人ずつ話すよう会議のルールを整える、といった基本です。音声品質を上げる具体的な方法は、次の記事で手順とともに解説しています。
参考記事:文字起こし精度を上げる方法を2つの要素で解説|音声品質を上げるための4つの方法も紹介
「個別最適」の仕組みがあるか
音声を整えても専門用語の誤変換が残るなら、ツール側に「使うほど自社に合っていく仕組み」があるかを確かめます。ポイントは、すべての利用者に共通で効く工夫だけではありません。自社の言葉に合わせて精度が伸びていく個別最適の仕組みがあるかが、長く使ったときの差になります。
たとえばOtolioには、過去に作成した議事録のテキストを、AIが文字起こしのときに都度参照する仕組みがあります。これにより用語登録をしなくても、認識精度が上がっていきます。使い始めた瞬間の精度より、半年使った後の精度に効いてくる部分です。Web会議ツール付属の文字起こしや汎用ツールには、この個別最適が弱いものも多くあります。その場合、業界用語の誤変換がいつまでも残ることがあります。
個別最適があるかどうかは、無料トライアルの期間中に確かめられます。自社でよく使う専門用語が、どれくらい正しく出るかを見てみましょう。用語登録や利用を重ねるうちに変換が改善していくかを、試してみてください。使うほど自社の言葉に馴染んでいく手応えがあれば、長く使っても困りごとが残りにくいツールだと判断できます。
なお、ここまで試しても満足できず「そもそもツールを選び直すべきか」と迷うこともあります。その場合は、精度そのものの決まり方と選び方を整理した記事が参考になります。導入時点の数字だけで選ぶと再検討を繰り返しやすい理由も含めて解説しています。
参考記事:AI議事録の精度は何で決まる?|差が出る本当の理由と失敗しない選び方
まとめ|AI議事録の精度が低いと感じたら原因を切り分けよう
本記事では、AI議事録の「精度が低い」を4つの原因に切り分け、それぞれの直し方を解説しました。
誤認識・誤変換、フィラーの残り、表記揺れ、不自然な文章は、起こる仕組みも打ち手も別物です。まずは自分の精度が低い原因を見極めるところから始めましょう。それでも上がらないときは、音声品質という土台と、使うほど自社に合っていく個別最適の仕組みを見直してみてください。
記事を最後までご覧いただいた方は、「自分の原因はたぶんこれだ」と当たりがついたのではないでしょうか。とはいえ、実際に自社の会議でどこまで直るかは、公称スペックを眺めていてもわかりません。ふだんの会議を一度そのまま文字起こしにかけてみるのが、いちばん確かめやすい方法です。
「誤変換が多いのか、フィラーが残るのか」は、自社の会議で試すと一目でわかります。
Otolioの14日間の無料トライアルなら、ふだんの会議をそのまま文字起こしし、用語登録や自動のフィラー除去、清書でどこまで読める議事録になるかを確認できます。10時間相当の会議・ユーザー数の制限なしで、最短翌営業日から試せます。
よくある質問とその回答
Q. AI議事録の精度が低いと感じるとき、まず何を見直せばいいですか
まず「精度が低い理由」を切り分けることをおすすめします。誤変換、フィラーの残り、表記揺れ、不自然な文章では、直し方が異なります。症状がはっきりしたら、専門用語の誤変換なら用語登録と録音環境、フィラーなら自動除去、というように対処を選びます。それでも改善しないときは、音声品質を整えることが土台になります。
Q. ZoomやTeamsの文字起こしが誤変換だらけで使えません
誤変換とフィラーが同時に多い状態だと考えられます。Web会議ツール付属の文字起こしは、手軽なのが利点です。一方で、専門用語の用語登録やフィラーの自動除去、といった機能が弱いものもあります。専門用語の誤変換や読みにくさが業務の負担になっているなら、そうした機能を備えたAI議事録の活用を検討してみてください。
Q. 専門用語や社内用語の誤変換はどうすれば減らせますか
よく出る専門用語や社内用語を登録できるツールなら、あらかじめ登録しておくことで誤変換を減らせます。あわせて、マイクを話者に近づけるなど録音環境を整えると効果が高まります。使うほど自社の言葉に合わせて精度が上がっていく仕組みがあるツールを選ぶと、長期的な負担も軽くなります。
Q. 新しいAIエンジンのツールに変えれば精度は上がりますか
必ずしもそうとは限りません。精度は、AIエンジンの新しさよりも、録音環境などの音声品質に左右される部分が大きいためです。まずは音声品質と、用語登録などの個別最適の仕組みを見直すことをおすすめします。ツールの選び直しを検討する際の判断軸は、精度の決まり方を解説した関連記事も参考にしてください。
Q. 精度100%は目指せますか
現実的には、精度100%を前提にしない運用がおすすめです。話し言葉には誤認識やフィラーがつきものだからです。多くの場合は、AIで大部分を自動化して作成時間を大きく削減し、最後に人が要点を確認する形が現実的です。この進め方なら、負担と品質のバランスが取りやすいといえるでしょう。