AIで文字起こしをする2つの方法を解説|精度を上げるための工夫や注意したいポイントも紹介
会議やインタビューの音声を、AIで文字に起こす方法が広がってきました。
ただ、いざ自社で使おうとすると、
- AIで文字起こしをする方法にはどんな種類があるのか
- 自分の用途にはどちらの方法が合っているのか
- 精度や情報漏えいの面で気をつけることは何か
といった疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。
そのためこの記事では、AIで文字起こしをする2つの方法の違いと選び方、精度を高める工夫、事前に押さえておきたい注意点までを解説します。
「音声を文字に起こすところまではできたのに、その後の要約・共有・検索でつまずいて、結局これまでと同じくらい時間がかかっている」。そんな声がよく聞かれます。文字起こしはあくまで途中工程で、会議後の議事録作成や情報活用まで一気通貫でつなげて初めて、時間削減の実感が生まれます。
Otolioは、録音・文字起こしから要約、決定事項の抽出、共有までを1つのAIエージェントでまかなえるサービスです。まずは自社の会議で試してみたい方は、以下から無料トライアルへお進みください。
Otolioがわかる人気3点セット資料(サービス概要・導入事例・機能詳細)をみる
AIで文字起こしをする2つの方法
本記事では、AIを使った文字起こし方法を、利用の流れに応じて2つに整理します。
1つ目は、すでに録音・録画された音声や動画のファイルを生成AIにアップロードして文字に起こす方法です。2つ目は、録音から文字起こし、要約までを一気通貫でこなすAI議事録ツールを使う方法です。
どちらもAIで文字を起こすという点は共通ですが、使いどころも準備の手間も、後工程との相性も大きく異なります。まずは全体像を押さえてから、自分の会議・用途に合うほうを選んでいきましょう。
方法A:音声・動画を生成AIにアップロードする
録音済みの音声ファイルや動画ファイルを、Google AI Studioなど、音声ファイルの入力に対応した生成AIへファイルをアップロードし、文字起こしを指示する方法です。Web会議ツールで書き出した動画や、ICレコーダーで録った音声を、そのまま生成AIに渡すイメージです。
すでに契約・利用している生成AIを使える場合は、新たなツールを導入するより試しやすい一方で、ファイルのやり取りや長時間の音声には手間がかかります。
方法B:AI議事録ツールで録音から一気通貫で行う
録音・文字起こし・要約までを1つのツール内で行うのがAI議事録ツールです。対応するツールでは、会議中に録音と文字起こしを行い、終了後すぐに文字起こし結果や要約を確認できます。
リアルタイム文字起こしに対応したツールでは、会議中の発言をその場で確認できるため、その場で読み返しながら議論を進めることもできます。運用ルールを整えることで、録音から議事録の確認・共有までを会議業務の流れに組み込みやすくなります。
2つの方法の違いを1枚の表で比較
「どちらを選べばよいか」を判断しやすいよう、要点を1枚の表にまとめました。
| 比較軸 | 方法A:生成AIアップロード型 | 方法B:AI議事録ツール型 |
|---|---|---|
| 導入コスト | 低め(既存の生成AIを流用) | 月額の利用料が発生 |
| 会議直後の確認 | ファイルのアップロードと処理に時間がかかる場合がある | 会議終了とほぼ同時に確認可能 |
| 得意な音源 | 単発の音源・過去録音の整理 | 定例会議・商談などの継続運用 |
| 後工程(要約・共有) | 都度プロンプトが必要 | ツールによっては、テンプレートやAI機能を使って要約・要点整理を自動化できる |
| セキュリティ | サービスの学習利用ポリシー確認が必要 | 業務用途を前提とした設定を選びやすい |
| 向いている用途 | 単発の音源を処理したい場合や、既存環境で試したい場合はこちら | 議事録運用まで含めるならこちら |
つまり、「今ある1件の音源をとにかく早く文字にしたい」なら方法A、「定例や商談で議事録づくりまで自動化したい」なら方法Bが基本の判断になります。
なぜ今、AIでの文字起こしが求められるのか
そもそもなぜ、これほどAIによる文字起こしが求められるようになったのでしょうか。背景には、大きく2つの流れがあります。
人手不足で議事録作業の効率化が急務になった
多くの企業で、限られた人員で会議・商談・面談をこなす体制が続いています。今までは担当者が手作業で議事録をまとめていましたが、その時間を本業に振り向けたいというニーズが年々強まってきました。
会議の議事録は、意思決定を確実に残すために欠かせない一方で、作成そのものに大きな工数がかかる作業です。AIによる文字起こしは、この工数を圧縮するための現実的な打ち手として注目されています。
オンライン会議の普及と記録管理の必要性が高まった
もう1つの流れは、オンライン会議の普及と、記録保存・管理への社内・法務の必要性が高まった点です。オンライン会議では聞き取りにくい発言が出やすく、後から内容を確認できる状態を用意しておく重要性が高まりました。
同時に、決定事項や議論の経緯を後から追えるようにしたいというコンプライアンス面の要請も強まっています。録音そのものは以前から可能でしたが、AIで文字起こしまで自動化できるようになったことで、記録の活用範囲が一気に広がりました。
方法A:生成AIアップロード型の特徴と向き不向き
メリット|すぐ試せて要約まで同じ画面で完結
生成AIアップロード型(方法A)の最大のよさは、導入のハードルが低いことです。社内で利用が認められている生成AIがあれば、新規契約をせずにそのまま活用できます。
さらに、文字起こしをしたあと、同じ画面のまま要約や整理まで依頼できるのも強みです。単発で「この1件だけ内容を整理したい」というときには、シンプルで扱いやすい方法です。
デメリット|アップロードに時間がかかり会議直後は不向き
一方で、ファイルのアップロードには一定の時間がかかります。長時間の音声や高画質の動画の場合、ファイル容量や通信環境によっては、アップロードや処理に時間がかかることがあります。
会議終了後すぐに共有したい場合は、アップロードと処理にかかる時間を事前に確認しましょう。ファイルサイズの上限で音源を分割する必要があるケースもあり、そのたびに手作業が発生します。「会議のたびに毎回この方法で議事録をまとめる」となると、思ったより負担が積み上がりやすい方法です。
向いているケース|単発の音源を手早く処理したいとき
こうした特徴から、生成AIアップロード型(方法A)は以下のようなケースに向いています。
- 単発のインタビュー・講演の書き起こし:継続運用ではなく、その1本だけ処理したいとき
- 過去録音の掘り起こし:以前録りためた音源を、時間を見つけて少しずつ整理したいとき
- まずAIでの文字起こしを試したいとき:予算をかける前に、精度や使い勝手を体感したいとき
逆に、毎週の定例会議や商談ごとに議事録をつくる用途では、次に紹介する方法B(AI議事録ツール型)が向いています。
方法B:AI議事録ツール型の特徴と向き不向き
メリット|会議終了と同時に文字起こし・要約が完了
AI議事録ツール型(方法B)のメリットは、会議の流れそのものに文字起こしが組み込まれることです。会議中の発言がリアルタイムで文字化されるため、終了と同時に議事メモの下地ができあがっています。
AI議事録ツールは要約や要点整理の機能を最初から備えているケースが多く、ボタン1つで議事録形式の整理へ進めます。「決定事項」「ToDo」「質疑応答」だけを抜き出すといった使い分けもしやすく、記憶が鮮明なうちに次のアクションへつなげられます。
AI議事録ツールの種類や選び方をもう少し詳しく知りたい方は、法人向けの主要ツールを5軸で比較した以下の記事をあわせてご覧ください。
参考記事:【2026年最新】法人向け文字起こしソフト比較|PC・会議業務で使える主要ツールを5軸で徹底解説
デメリット|利用料がかかり自社に合うツール選定が要る
一方で、AI議事録ツールは月額の利用料が発生します。会議の頻度や参加人数によっては、コスト負担が意識されやすい方法です。
精度・話者分離・連携先の会議ツールなど、ツールごとに強みが異なります。自社に合うツールを選ぶ比較検討に、ある程度の時間を確保しておきたいところです。導入後は、社内のどの会議から使い始めるかを決め、少しずつ運用ルールを整えていくとなじみやすくなります。
向いているケース|定例会議や議事録運用まで効率化したい
AI議事録ツール型(方法B)は、以下のようなケースに向いています。
- 定例会議・商談で毎週議事録をつくる:会議ごとの記録・共有を継続的に自動化したいとき
- 議事録の後工程(要約・共有)まで楽にしたい:文字起こしだけでなく、その後の作業も含めて効率化したいとき
- セキュリティを社内基準に合わせて運用したい:ビジネス利用を前提とした学習利用の設定を選びたいとき
「文字起こしはできるようになったが、そこから先の議事録作成に時間を取られている」という声は、Otolioに寄せられる相談のなかでも多く聞かれます。大切なのは、文字起こしをゴールにせず、議事録・情報活用まで一気通貫でつなぐ発想です。これがAI議事録ツール型(方法B)を選ぶ理由になります。
文字起こしの精度を高める2つの工夫
「AIで文字起こしをするなら、まず気になるのは精度」という方は多いでしょう。文字起こしの精度は、大きくは音声品質とAI・音声認識エンジンの性能に左右されます。どちらか片方だけを整えても、期待どおりの精度にはなりません。
なお、精度を高める具体的な音声品質の整え方は、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
参考記事:文字起こしの精度を上げる4つの方法|マイク距離・向き・環境音・話し方
工夫1|録音環境を整えてノイズを減らす
1つ目の工夫は、録音環境を整えることです。Otolioの独自調査でも、音声品質の差だけで正答率が16ポイント前後変わることが確認されています。同じAIを使っていても、録音側の条件で結果が大きく振れるのが実情です。
具体的には、次の3点を意識するだけでも精度は変わります。
- 周囲のノイズを抑える:空調音や周囲の会話が入りにくい静かな場所で録音する
- マイクとの距離を保つ:近すぎず遠すぎない位置で話す。息づかいや音割れを避ける
- 録音デバイスを見直す:会議の人数や距離に適したマイクを使用する
Web会議の場合は、参加者一人ひとりがマイク付きヘッドセットを使うだけでも認識精度が安定します。
工夫2|精度の高いAIを見極めて選ぶ
2つ目の工夫は、精度の高いAIを選ぶことです。ただし、どのAIが自社の会議に一番強いかを個別に検証するのは、現実には難しい作業になります。
そこで有効なのが、AI議事録ツールを介して間接的に精度の高いAIを使う方法です。一部のAI議事録ツールでは、複数の音声認識エンジンを検証し、採用するエンジンを更新しています。
AIの技術は日々進化しており、音声認識エンジンの性能や対応範囲は、継続的に更新されています。注目したいのは、「常に精度の高い認識エンジンを選び続ける」という運用まで任せられるかどうかです。ここはAI議事録ツール型(方法B)を検討するうえでの隠れた判断軸になります。
AI文字起こしで注意したい3つのポイント
導入前に一度立ち止まって確認しておくと、あとから慌てずに済む注意点が3つあります。
注意1|学習利用・人による確認・データ保存に関するリスク
もっとも重要なのが、セキュリティに関わる注意点です。利用するサービスやプランによっては、入力した音声・テキストや出力結果がサービス改善に利用され、人による確認の対象になる場合があります。
経営会議・人事評価・契約交渉など、機密性の高い会議で使う場合には、この点の確認は欠かせません。具体的には、次の順で確認を進めるとよいでしょう。
- 利用規約とプライバシーポリシーで、データの取り扱い方針を確認する
- 学習利用に同意しない設定が可能か、あるいは業務用途では学習しない前提のサービスかを見極める
- 社内で「どの種類の会議でAI文字起こしを利用できるか」というルールを言語化する
無料の文字起こしツールを業務利用する際の注意点は、以下の記事でさらに掘り下げています。あわせてご確認ください。
参考記事:無料の文字起こしツールは安全?音声を貼る前に確認すべき4つのポイントと社内ルール
注意2|固有名詞・専門用語は誤変換されやすい
日常会話は高い精度で文字に起こせるようになった一方で、社内の固有名詞や業界の専門用語は、いまも誤変換されやすい領域です。日本語は同音異義語が多く、文脈から漢字を選ぶ判断が難しいためです。
たとえば「こうじょう」は「工場」なのか「向上」なのか。「かいしゃ」は「会社」なのか「解社」なのか。AIが企業ごとの文脈から即断するのは容易ではありません。人名や商品名も同じで、そのまま議事録に載せると意味が通らないケースが出てきます。
対策としては、事前に固有名詞をツールに登録できる辞書機能を使うのが一般的です。ただし、Otolioが導入企業を対象に実施したアンケートでも「辞書登録に時間がかかりすぎて追いつかない」という声が多く挙がっています。回答は250件以上寄せられており、業界を横断して共有される悩みであることがうかがえます。
この点でOtolioは、特許取得済みの独自アルゴリズムを備えています。機密情報を学習させずに、使い続けるほど各社の固有名詞・専門用語の認識精度が上がる仕組みです。専門用語が多い会議の議事録作成時間を90%削減した事例(コクヨ株式会社)もあり、辞書登録や修正にかかる負担を抑えたい企業にとって、比較材料の一つになります。
注意3|精度が低いと修正の手間で効率化が消える
精度が低い状態のまま議事録づくりを続けると、誤変換の修正コストが積み上がります。単語の置換だけでなく、文脈を追いながら意味を通す修正になるため、思った以上に時間を取られます。
「AIで文字起こしはできたが、修正と要約でこれまでと同じくらい時間がかかった」という声は、同アンケートでも少なくありません。文字起こしだけでなく、議事録として整える手間まで含めて効率化の効果を見極めることが大切です。
音声品質、AIの性能、文字起こし後の確認・共有方法まで含めて運用を設計しましょう。
まとめ|AI文字起こしの2つの方法と選び方
AIで文字起こしをする方法は、方法A(生成AIアップロード型)と方法B(AI議事録ツール型)の2つに整理できます。単発の音源を手早く処理したいなら方法A、定例会議や商談で議事録運用まで効率化したいなら方法Bが基本の使い分けです。
精度は、音声品質とAIの品質の2要素で決まります。録音環境を整えつつ、認識エンジンを常に最適化できる仕組みごと任せられるかも、あわせて確認しておきましょう。学習利用・固有名詞の誤変換・修正コストの3点は、導入前に必ず押さえておきたい注意点です。
自分の会議・用途に合う方法を選び、まずは1本の会議で試すところから始めましょう。
2つの方法を並べて比べても、「自社の会議でも実際に作業時間を削減できるのか」までは、机上だと判断しきれないところがあります。判断が難しい場合は、定例会議を1件選び、AI議事録ツール(方法B)を実際に試すのが近道です。
Otolioは、累計利用実績8,000社以上・59,000人以上の会議業務を丸ごと自動化するAIエージェントです。文字起こしから要約・共有までを1つのサービスで完結できます。まずは自社の1会議で、議事録づくりがどこまで変わるかを確かめてみてください。
よくある質問とその回答
Q. AIの文字起こしに費用はかかりますか?
生成AIにファイルをアップロードする方法A(生成AIアップロード型)は、既存の無料プランのなかで試せるケースが多く、追加費用を抑えやすい選択肢です。一方、方法B(AI議事録ツール)は月額の利用料が発生しますが、そのぶん会議中のリアルタイム文字起こしや要約、社内での共有まで一気通貫でまかなえます。
費用だけで比較せず、そのあとにかかる修正時間・議事録作成時間まで含めて評価するのがおすすめです。
Q. AI文字起こしの精度はどのくらいですか?
精度は、録音環境と使うAIの性能の2要素で大きく変わります。静かな環境で適切に集音できれば、日常会話では比較的良好な結果を得られる場合があります。
一方で、固有名詞・専門用語・同音異義語には、いまも誤変換が残りやすい傾向があります。辞書登録の機能や、学習させずに認識精度が上がる仕組みなど、AI側でのフォローがどこまで用意されているかもあわせて確認しましょう。
Q. 機密情報を含む会議で使っても大丈夫ですか?
判断には、学習利用の有無に加え、利用目的、保存期間、保管場所、暗号化、アクセス権限、削除方法、外部委託先などの確認が必要です。学習利用の可否を利用規約で確認したうえで、業務用途を前提としたサービスか、学習しない設定を選べるサービスを選ぶことが基本です。
そのうえで、「どの会議まで使ってよいか」を社内ルールとしてそろえておくと、現場が判断に迷いません。より詳しい確認ポイントは「無料の文字起こしツールは安全?」の記事にまとめています。
Q. 生成AIとAI議事録ツールはどちらがよいですか?
会議の頻度と、議事録運用まで自動化したいかで判断できます。単発の音源を手早く処理したいなら、生成AIへのアップロード(方法A)が向いています。定例会議・商談で毎回議事録をつくるなら、リアルタイムで文字起こしから要約までまかなえるAI議事録ツール(方法B)を選びましょう。
迷った場合は、いま抱えている会議のうち1本だけをAI議事録ツール(方法B)で試すと、時間の削減幅が具体的につかめます。