業務効率化の進め方を4段階で解説|棚卸しの表・優先度の付け方・効果の測り方まで紹介
「業務を効率化してほしい」と言われても、どこから手をつけるかはすぐに決まりません。毎週の会議と、そのあとの議事録づくりで一日が埋まっている方ならなおさらです。
ただ、いざ進めようとすると、
- 最初に何を書き出せばいいのかがわからない
- どの業務から手をつければ効果が大きいのか迷う
- 効果が出たことを上司にどう示せばいいのかわからない
といった壁にぶつかる方も少なくないでしょう。
そのためこの記事では、業務効率化の進め方を4段階に分け、棚卸しの項目例や優先順位の判断表、効果測定の方法とあわせて解説します。「今週から手をつけられる形がほしい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
毎週の定例、月次の経営会議、持ち回りで書く議事録。会議まわりは回数が決まっていて、前後にかかる時間も数えやすい業務です。Otolioは会議業務を丸ごと自動化するAIエージェントです。連携したカレンダーの予定に合わせてWeb会議を自動で記録し、決めた書式の議事録を会議後に作成します。累計利用社数は8,000社以上です。
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業務効率化は何から始めればいい?進め方は4段階
最初に手をつけるのは、今の作業にどれだけ時間がかかっているかを数えることです。業務効率化は、現状の見える化・無駄の特定・打ち手の実行・定着と測定の4段階で進みます。
ここでめざすのは、単に作業を速くすることだけではありません。仕事の進め方そのものを見直し、同じ成果をより少ない時間と労力で出せる状態を目指します。4段階で改善前後の効果を確かめ、作業手順も共有することで、担当者が変わっても品質を保ちやすくなります。
業務効率化の考え方と、打ち手にどんな種類があるかの全体像は業務効率化の方法と打ち手の種類にまとめています。この記事はその中の「進め方」を受け持ちます。似た言葉として使われる生産性向上との違いが気になる方は、業務効率化と生産性向上の違いもあわせてご覧ください。
4段階の全体像と、各段階で作るもの
4つの段階には、それぞれ終わりの合図があります。次の表の右端が、その合図です。
| 段階 | やること | この段階で作るもの(次に進む合図) |
|---|---|---|
| 1. 現状の見える化 | 業務を書き出し、1回あたりの時間と月の回数を数える | 棚卸しの表が1枚(主要業務の担当・頻度・時間が埋まっている) |
| 2. 無駄の特定 | 重なり・待ち・やめられる作業を見つけ、手をつける順番を決める | 手をつける業務が1つに決まり、その理由が書かれている |
| 3. 打ち手の実行 | 打ち手を1つ選び、範囲と期限を決めて試す | 新しいやり方が動き、今までのやり方を止める日が決まっている |
| 4. 定着と測定 | 決めた指標で前後を比べ、現場での使われ方を確かめる | 前後の数字が並んだ1枚と、次に手をつける業務の候補 |
各段階では、次の段階に必要な記録や決定事項を残します。成果物がそろっているかを確認してから、次へ進みます。会議を開いて「見える化しよう」と決めただけの日は、まだ1段目の途中です。
最初の一周では、対象部署を1つに絞り、その部署の主要業務を棚卸しします。改善する業務は、その後の優先順位付けで1つ選びます。
現状の見える化|1か月分の作業時間を数える
現状の作業時間を把握しておかないと、改善後にどれだけ負担が減ったか判断しにくくなります。改善前後を比較するため、この段階では業務の棚卸し表を作ります。
業務の棚卸しは6つの列で足りる
まずは次の6項目で棚卸し表を作ります。ただし、承認待ちや確認待ちが課題の場合は、作業時間とは別に待ち時間も記録してください。
| 列 | 書くこと | 書き方の目安 |
|---|---|---|
| 業務名 | 何をしているか | 「経営会議の議事録作成」「会議前の資料確認」など、改善対象となる作業が分かる名前で書く |
| 担当 | 誰がやっているか | 個人名ではなく役割で書き、複数人が関わる場合は人数も記録する |
| 頻度 | 月に何回あるか | 対象の1か月に実際に発生した回数を数える |
| 1回あたりの時間 | 関係者全員が実際に作業した時間の合計(承認待ちなどの時間は別に把握する) | 1か月を目安に複数回を実測し、1回あたりの平均を出す |
| 月の合計時間 | 頻度 × 1回あたりの時間 | 表計算ソフトの自動計算でよい |
| 何のためにやるか | 誰が受け取り、何に使うか | 用途や受け取り手が不明な業務は、必要性を確認する対象にする |
会議のように複数の作業が束になっている業務は、1行にまとめず分けて書きます。例えば、会議前の過去の議事録の確認とアジェンダ作成、会議中の記録、会議後の内容整理と議事録作成、関係者への連絡に分けます。
こうして分けると、どの作業に時間がかかっているかを行ごとに確認できます。会議前の確認とアジェンダ作成だけで毎回30分使っているなら、それは独立した1行として数える価値のある作業です。
最後の列が、次の段階でそのまま材料になります。「何のためにやるか」を説明できない業務は、関係者に目的や必要性を確認します。そのうえで、不要と判断できるものを廃止の候補にします。
全社ではなく、1部署・1か月から始める
対象は、自部署で作業時間がかかっている主要業務5つ程度を目安にします。作業時間を比較できるよう、業務の区切り方はできるだけそろえてください。計測期間は1か月を目安にします。月末月初などの業務量の偏りを把握できるよう、業務の周期に応じて期間を調整してください。
忙しい職場ほど、ここを省きたくなります。分かっているから早く手を打ちたい、という気持ちです。ところが記録を取らずに打ち手へ進むと、4段階目で比べる基準がなくなります。1か月だけ計る、と決めてしまうのが続けるコツです。小さく始めた取り組みを続く形にする考え方は、DXのはじめの一歩の選び方でも扱っています。
無駄の特定|手をつける順番を2軸で決める
棚卸しの表から無駄を探し、手をつける業務を1つに絞り込んで、その理由まで書き残します。ここまでがこの段階です。
無駄は「重なり」「待ち」「やめられる作業」で探す
まずは、次の3つの観点から無駄を探します。手戻りやミスによる再作業が多い場合は、それらも改善候補に加えてください。
- 重なり:同じ情報を別の場所に入れ直している。議事録を書いたあと、同じ内容を報告メールに書き写す形が代表です
- 待ち:承認や確認の順番待ちで止まっている。決裁者が出張の週だけ3日遅れる、という形で現れます
- やめられる作業:成果物の利用実態や業務上の必要性を確認し、廃止できると判断した作業。「何のためにやるか」が不明な行は、まず確認の対象にします
見つけ方は、数字と聞き取りの両方です。月の合計時間が大きい行から順に、担当者へ「どこがいちばん面倒ですか」と聞いてみてください。数字は場所を教えてくれますが、理由までは教えてくれません。
ここでつまずきやすいのは、自部署の中だけを見てしまうことです。営業の対応を早くしても、後工程の請求で作業が止まれば、顧客から見た処理全体の時間は短くならない場合があります。
複数部署が参加する会議でも、会議後の確認や情報共有まで含めて流れを見直すことが大切です。会議そのものの見直し方は、会議を効率化する方法にまとめています。
効果と着手しやすさの2軸で順番を決める
候補が複数残ったら、次の2軸で置き場所を決めます。
| 着手しやすい | 着手しにくい | |
|---|---|---|
| 効果が大きい | ここから着手する(最初の一周はここだけ) | 2周目に回す。先に関係者の合意を取る |
| 効果が小さい | 時間が空いたときに片づける | やらない(候補から外す) |
効果の大きさは、月の合計時間を参考に、改善によってどの作業をどれだけ減らせるかを見積もって判断します。着手しやすさは、他部署の承認や追加予算の要否、変更の影響範囲などから評価します。他部署との調整や新しい予算が必要な施策は、実行までに時間がかかる場合があります。最初の一周では、効果の大きさと調整にかかる負担を比較して判断してください。
最初の一周では、効果測定と現場の負担を管理しやすくするため、改善対象を1業務に絞ります。改善策が複数ある場合も、まずは1つを選んで試し、実施時期と結果を記録してください。
打ち手の実行|1つだけ小さく試す
対象が決まったら、打ち手を1つ選び、効果を測る指標と試行期間を決めて小さく試します。新しいやり方の品質を確かめ、切り替えの条件と予定日まで定めたら次の段階へ進みます。
ツールを入れるのは、どの段階がいい?
ツールを入れるのは、3段階目の打ち手の実行です。現状の見える化と無駄の特定を飛ばして先に入れると、何がどれだけ良くなったのかを説明できません。
ツール以外にも、作業手順の標準化、承認経路の短縮、会議そのものの削減といった打ち手があります。これらも3段階目に検討する選択肢です。手順を決めて残す進め方は業務標準化の進め方で扱っています。目的別にどんな道具があるかを見比べたいときは、業務効率化ツールの選び方が参考になります。
今までのやり方をいつ止めるかまで決める
試す前には、効果を測る指標と試行期間に加え、運用面で次の4つを決めておきます。
- 誰が使うか
- 今の仕事のどこに入れるか
- いつから新しいやり方にするか
- 今までのやり方をいつ止めるか
今までのやり方を止める条件を決めないと、新旧の運用が必要以上に長く併存するおそれがあります。ただし、試行期間中は品質を確認するために併用が必要な場合もあります。新しいやり方に問題がないことを確かめたうえで、切り替えの予定日と判断条件を関係者に共有してください。
会議と議事録なら、前後の数字が取りやすい
最初の1業務に迷ったら、会議とその記録づくりが候補になります。ほとんどの部署にあり、回数が決まっていて、前後の作業がそろっているからです。1段階目で作業時間を数えやすく、4段階目でも前後の効果を比較しやすい業務です。手順を一周させる練習台として向いています。
Otolioが実施した250件以上の導入企業アンケートでは、議事録の担当者についての声が繰り返し挙がりました。記録を取ることに追われ、会議の中身そのものに参加できていない、という内容です。時間の問題にとどまりません。発言を追うことに集中している人は、その場の判断に加われないままです。
会議業務を丸ごと自動化するAIエージェントの「Otolio」は、ここを対象にしています。会議前の準備から、会議中の記録、会議後の共有やToDoの整理までを支援し、複数の工程で作業負担を減らすことが期待できます。
累計利用社数は8,000社以上、累計ユーザー数は59,000人以上です(エピックベース株式会社調べ)。会議記録の仕組み化でつまずきやすい形は、議事録のDXが失敗する理由にまとめています。

実例を1つ挙げます。株式会社東京ドームの秘書室では、1〜2時間の経営会議に対して、議事録の作成に毎回3〜6時間かかっていました。毎週開かれるため、月に直すと最大で約24時間です。Otolioの導入後、作成時間は約1.5〜3時間になり、約50%短縮しました。
この事例では、導入前後の議事録作成時間が示されているため、削減効果を具体的に確認できます。業務効率化でも、導入前の作業時間を記録しておくことが、効果を測定する際の基準になります。
参考記事:最大6時間かかっていた経営会議の議事録作成時間を50%削減!他部署にもOtolioを推進した理由とは
定着と測定|前後を比べて効果を示す
最後の段階で作るのは、前後の数字が並んだ1枚と、次に手をつける業務の候補です。ここまで来て、ようやく一周が終わります。
何を・どこから・いつ取るかを表にする
効果を測る指標は、打ち手を始める前に決めておきます。作業時間や発生回数を基本とし、承認待ちを改善する場合は、依頼から処理完了までの時間も記録してください。
| 指標 | どこから取るか | いつ取るか | 報告のときの言い換え方 |
|---|---|---|---|
| 作業時間 | 棚卸しの表の「1回あたりの時間」を同じ数え方で測り直す | 打ち手の前に1か月、後に1か月 | 「月◯時間を削減。1日8時間換算で約△日分」 |
| 発生回数 | 会議の予定表、申請や依頼の件数 | 前後とも同じ1か月 | 回数が減ったのか、1回が軽くなったのかを分けて言う |
| 手戻りの件数 | 差し戻し・修正依頼・やり直しの記録 | 前後とも同じ1か月 | 「手戻りが月◯件から△件に減少。担当部門の再作業も削減」 |
| 現場の声 | 担当者への短い聞き取り(3人程度) | 打ち手の1か月後 | 数字で拾えない変化をそのまま引用する |
大事なのは最後の行です。数字だけを並べると、「作業時間は減ったが、確認の手間が増えた」という変化を拾えません。3人に5分ずつ聞くだけで、表の見え方が変わることもあります。
90日で一周させるときの進め方の例
4つの段階を一周させる期間は、90日を目安に置くと組み立てやすくなります。
| 時期 | 段階 | やること | 終わりの合図 |
|---|---|---|---|
| 1〜4週目 | 1. 現状の見える化 | 自部署の主要業務を棚卸しし、1か月分の時間を記録する | 棚卸しの表が1枚埋まっている |
| 5〜6週目 | 2. 無駄の特定 | 重なり・待ち・やめられる作業を洗い、2軸で1つに絞る | 手をつける業務が1つ決まっている |
| 7〜8週目 | 3. 打ち手の実行 | 打ち手を1つ小さく試し、今までのやり方を止める日を決める | 新しいやり方が動いている |
| 9〜13週目 | 4. 定着と測定 | 前後の数字を並べ、現場に聞き取りをする | 報告できる1枚と、次の候補がある |
90日という長さは目安で、業務によって前後します。この長さを置いているのは、四半期の報告に間に合い、現場が息切れしない区切りになるためです。
新しいやり方が現場の操作や確認の手間を増やすと、以前の運用に戻ってしまう場合があります。特にITに不慣れな人が多い職場では、設定や保存場所を毎回選ぶ手間が、利用を妨げる原因になることがあります。定着したかどうかは、実際の利用状況に加え、作業時間や品質が維持・改善されているかも確認してください。
まとめ|4段階を一周させると、次の業務にも手が伸びる
業務効率化は、現状の見える化・無駄の特定・打ち手の実行・定着と測定の4段階で進みます。各段階で必要な記録や決定事項を残し、次の段階につなげることが大切です。棚卸しの表、改善対象を選んだ理由、試行と切り替えの計画、効果測定の記録をそろえることで、次の業務にも同じ進め方を活用できます。
1周目の記録が残っていれば、2周目では棚卸しの項目や測定方法を再利用できます。ただし、業務によって関係者や評価指標が異なるため、必要に応じて調整してください。
まずは自部署で時間がかかっている主要業務を5つ程度書き出し、1か月だけ作業時間を計るところから始めてみてはいかがでしょうか。他社がどこから手をつけたのかを知りたい方は、業務効率化の成功事例もあわせてご覧ください。
会議を改善候補として考えている方もいるでしょう。会議は開催回数や議事録作成にかかる時間を把握しやすく、改善効果を比較しやすい業務です。90日の取り組みでは、最初の1か月で議事録作成にどれだけ時間を使っているかを記録し、その結果をもとに改善対象を選んでください。
Otolioの無料トライアルでは、カレンダー連携によるWeb会議の自動記録や、決めた書式による議事録作成を試せます。会議後の決定事項やToDoの整理にも活用できます。導入前の同種の会議でかかった議事録作成時間を控え、無料トライアル中の作成時間と比較してみてください。会議の回数や条件をそろえることで、効果を判断する材料になります。
よくある質問とその回答
Q. 業務の棚卸しは、どこまで細かく書き出せばいいですか?
改善できる作業の単位で書くのがおすすめです。例えば、議事録作成のような成果物単位で書き、負担が大きい場合は会議前の資料確認や会議後の内容整理など、工程ごとに行を分けます。短時間の作業は関連業務にまとめても構いません。ただし、発生頻度が高く月間の負担が大きい作業や、独立して改善できる作業は別の行にします。細かく分けすぎず、改善策を検討できる単位で書き出してください。
Q. ツールを入れれば、業務効率化はすぐに実現できますか?
ツールを導入するだけでは、必ずしも業務効率化につながりません。導入前の作業時間や課題を確認し、誰が使うか、いつから使うか、今までのやり方をいつ、どの条件で止めるかを決めて試します。導入後は作業時間や品質を比較し、実際に改善できたかを確かめてください。
Q. 業務効率化は一度やれば終わりですか?続ける必要はありますか?
続ける前提の取り組みです。事業の状況や人の配置が変われば時間が溜まる場所も変わりますが、改善会議を常設する必要はありません。四半期に1回、前後の数字を並べて次の候補を1つ選ぶ場があれば十分です。
Q. 業務効率化と生産性向上は何が違うのですか?
業務効率化は、作業の無駄を減らして時間や労力を抑える取り組みです。生産性向上は、投入した時間や労力に対して得られる成果の割合を高めることを指します。同じ成果をより少ない時間で達成する場合も、生産性の向上につながります。2つの言葉の使い分けは、業務効率化と生産性向上の違いで詳しく整理しています。
Q. 業務効率化の成功事例をもっと知りたい場合はどうすればよいですか?
業種や課題が近い事例を探すと、自部署に当てはめやすくなります。どの業務から手をつけたのか、効果をどう測ったのかを見ると、自分の棚卸しの表に足りない視点も見つかります。施策別の課題と打ち手は、業務効率化の成功事例にまとめています。
