AIに学習させない3つの方法|オプトアウト設定と利用規約の読み方・学習させない設計の選び方
ChatGPTやGeminiなどの生成AIを、日々の業務で使う場面が増えています。
一方で、利用にあたっては次のような不安もあります。
- 会議の内容や顧客情報をAIに入力して、学習されないか不安
- そもそも「AIに学習される」と何が起きるのかが分からない
- オプトアウト設定をすれば本当に安全なのかも判断できない
そのためこの記事では、AIに学習させない3つの方法(設定・契約・設計)を、主要なAIで設定を切り替える場所から順に解説します。
会議の音声や議事録は、社内でもとくに機密性の高いデータです。Otolioは、会議業務を丸ごと自動化するAIエージェントです。入力されたデータや音声をAIの学習に使わず、特許を取得した独自技術で認識精度を高めています。データは国内データセンターで暗号化して保管しています。
情報セキュリティの国際規格「ISO/IEC 27001(ISMS)」の認証も取得済みで、累計8,000社以上にご利用いただいた実績があります。「学習されない安心感」がどんなものか、まず自社の会議で確かめてみてください。
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主要なAIで学習をオフにする場所と手順
AIに学習させない方法は3つあります。学習利用のオプトアウト、学習に使わない条件が適用される法人向けプランやAPIの利用、入力データを学習に使わない設計のサービス選びです。このうち、今日のうちに手を動かせるのは1つ目です。主要なAIで学習をオフにする場所を、先にまとめます。
| サービス | 学習をオフにする場所 | 個人プランの既定 | 法人プラン・APIの扱い |
|---|---|---|---|
| ChatGPT(OpenAI) | 設定 →「データコントロール」→ モデルの改善に使う項目をオフ | Free・Plus・Proの個人向け利用では既定でオン | 法人向けプランとAPI経由は学習に使わない扱いが示されている |
| Gemini(Google) | Geminiアプリのアクティビティ →「アクティビティの保存」をオフ | 18歳以上の個人利用ではオン | 仕事用・学校用のGoogleアカウントには別の規約が適用される場合がある |
| Claude(Anthropic) | 設定 →「プライバシー」→ モデルの改善に協力する項目をオフ | 設定画面で現在の状態を確かめる | 法人向けのClaude for WorkとAPIには別の条件が適用される |
| Copilot(Microsoft) | 新版はデータ利用条件を確認。旧版はプライバシー設定で学習利用をオフ | 新版では基盤モデルの学習に利用しない旨が示されている | 法人向けMicrosoft Copilot(旧Microsoft 365 Copilot)は基盤モデルの学習に使わない方針が示されている |
各社の公式ヘルプの記載にもとづく、2026年10月時点の内容です。画面の名称や既定値はアップデートで変わります。設定の前に、各社の公式ヘルプもあわせてご確認ください。
表の読み方を補っておきます。「個人プランの既定」が「オン」の行は、学習利用を許可する設定が有効な状態です。「設定画面で現在の状態を確かめる」と書いた行は、プランや利用状況に応じて設定を確認する必要があることを示しています。オフだと決めつけず、自分のアカウントを開いて今の状態を見てください。
1. ChatGPTで学習をオフにする手順
設定を開き、「データコントロール」の階層へ進みます。ここに、入力した内容をモデルの改善(学習)に使うかどうかの項目があります。これをオフにすると、新しい会話は原則としてモデルの学習に使われません。
ただし、回答に対してフィードバックを送信した場合は、そのフィードバックに関連する会話が学習に使われることがあります。
もう1つ、OpenAIのプライバシーポータルから学習利用の停止を申請する方法も用意されています。設定画面を触らずにアカウント単位で止めたいときは、こちらが早いでしょう。
一時チャットを利用する方法もあります。一時チャットは通常の履歴に表示されず、モデルの学習にも使われません。ただし、安全上の理由から最大30日間保持される場合があります。会話ごとの設定に頼らず学習利用を止めたい場合は、データコントロールから切り替えてください。
参照:データコントロールに関する FAQ | OpenAI Help Center
2. Geminiで学習をオフにする手順
Geminiアプリのアクティビティの画面を開き、「アクティビティの保存」をオフにします。オフにすると、以後のチャットはアクティビティに表示されず、原則としてAIモデルのトレーニングにも使われません。ただし、サービスの提供や安全性の確保などのために、チャットは72時間保存されます。Googleの公式ヘルプにそう明記されています(2026年10月時点)。
18歳以上の個人用Googleアカウントでは、アクティビティの保存が既定でオンになっています。変更していなければ、チャットがモデルの学習に利用される可能性があります。
注意点が2つあります。1つは、アクティビティの保存をオフにしていても、フィードバックとして送信した内容などがサービスの改善に利用される場合があることです。回答に「よくない」などの評価を送ると、フィードバックや関連するチャットの内容がGeminiアプリの維持・改善に利用されることがあります。
もう1つは、仕事用・学校用のGoogleアカウントでGeminiを使う場合、データの取り扱いに別の規約が適用される場合があることです。会社から配られたアカウントを使っているなら、設定を切り替える前に管理者へ確認してください。
参照:Gemini アプリのプライバシー ハブ | Gemini アプリ ヘルプ
3. Claudeで学習をオフにする手順
設定を開き、「プライバシー」の階層へ進みます。モデルの改善に協力するかどうかの項目があるので、これをオフにします(2026年10月時点)。
シークレットチャットには、別の扱いがあります。シークレットチャットでのやり取りは、プライバシー設定でモデルの改善をオンにしていても、原則としてClaudeの改善には使われません。ただし、学習に使われないことと、機密情報を入力してよいことは別です。業務で利用する場合は、会社の情報管理ルールにも従ってください。
ただし、公式ヘルプでは例外も説明されています。安全性の分類器によって会話が問題のある内容として検出された場合は、設定にかかわらず社内の安全性モデルの改善などに使われることがあります。そのため、学習利用をオフにしても、すべての目的でデータが利用されなくなるわけではありません。
法人向けのClaude for WorkとAPIには、個人向けとは別の条件が適用されます。会社の契約で使っているなら、設定画面よりも契約書とセキュリティ資料のほうを確認してください。
参照:How do I change my model improvement privacy settings? | Anthropic Privacy Center
4. Copilotは種類ごとに学習の扱いが違う
Copilotは、名前が同じでも系統が分かれています。系統ごとに学習の扱いが違うため、「Copilotの設定」と一括りにできません。
個人向けのCopilotは、2026年8月18日から提供されている新版と、それ以前の旧版でデータ利用に関する案内が異なります。新版では、プロンプトや回答、ファイル内容を基盤モデルの学習に使用しない方針が示されています。
一方、旧版では、プライバシー設定から会話アクティビティと音声会話のトレーニングをオフにできます。利用中のバージョンに応じて、公式情報を確認してください。
法人向けのMicrosoft Copilot(旧Microsoft 365 Copilot)でも、プロンプトや組織のデータを基盤モデルの学習に使わない方針が示されています(2026年10月時点)。個人向けは利用中のバージョンに応じた公式のプライバシー情報を、法人向けは契約条件や組織の管理者向け資料を確認してください。
自分が使っているCopilotがどの系統なのか、組織として学習させない状態をどう担保するのかは、Copilotの系統ごとの違いと組織での防ぎ方を整理した記事で解説しています。
参照:個人向けの Microsoft Copilot: プライバシー コントロールと選択 | Microsoft Support
参照:Microsoft Copilot のデータ、プライバシー、セキュリティ | Microsoft Learn
設定だけで安心できない理由|規約の確認と3つの限界
設定を切り替えただけで、会社の情報を入力してもよいのでしょうか。オプトアウトの設定だけで安全性を判断することはできません。オプトアウトには届かない範囲があり、その範囲は設定画面を眺めていても見えてきません。規約の読み方と、設定そのものの限界を順に押さえます。
1. 利用規約・プライバシーポリシーで確認する4つのポイント
設定画面だけでなく、利用規約やプライバシーポリシーも確認してください。特に学習利用の条件については、次の4点を重点的に確認すると整理しやすくなります。業務利用の場合は、契約書やセキュリティ資料の確認も欠かせません。
1. 学習利用の有無が明記されているか
「入力データをサービス改善・モデルの学習に利用する」といった記載を探します。「学習」のほか「モデルの改善」「品質向上のための利用」という表現で書かれていることもあります。
2. オプトアウトの手段は設定で完結するか、別途申請が必要か
設定画面のスイッチひとつで完了するサービスもあれば、フォームからの申請や問い合わせが必要なサービスもあります。「学習しない」と書かれていても、契約後に別途申請しないと適用されないケースが実際にあります。商談の場でも、この読み違いに後から気づいたという話を耳にします。
3. 適用範囲はどのプラン・どのデータが対象か
無料プランと有料プランで扱いが違う、フィードバックとして送った内容は対象外、といった条件の差があります。自分の使い方が対象に入っているかを確認します。
4. 「外部に出さない」と「学習しない」は別
「第三者に提供しない」と書かれていても、事業者の内部でデータを活用する余地が残っている場合があります。不明な点は、提供元に「入力したデータを学習に使いますか」と直接たずねるのが確実です。
この4点は、生成AIに限りません。AI議事録ツールのような業務向けのAIサービスを検討するときにも、そのまま使えます。
2. オプトアウト設定の3つの限界
オプトアウトは有効な自衛策ですが、万能ではありません。限界を知ったうえで使うことが大切です。
1. 設定が個人任せになり、漏れが生じる
オプトアウトは原則としてアカウントごとの設定です。自分は設定していても、同僚が設定しているかは分かりません。組織に数十人の利用者がいれば、設定漏れが起きやすくなります。
2. 設定前に完了した学習は取り消しが難しい
オプトアウトは、主に設定後の新しい入力に適用されます。ただし、過去のデータを今後の学習に使わない扱いに変更できるサービスもあります。一方、すでに完了した学習に反映された情報を、モデルからさかのぼって取り除くことは困難です。
3. 機能が制限される場合がある
サービスによっては、オプトアウトすると、それ以降のチャットが履歴に保存されなくなる場合があります。利便性とのトレードオフが生じる点は知っておきたいところです。
オプトアウトは「個人の自衛」としては優れています。ただ、会社の機密を守る仕組みとしては心もとないといえます。契約で担保する道と、設計で解決する道が、このあとに控えています。
AIに「学習される」と何が起きる?「参照」との違い
AIの学習利用と、回答を作成する際のデータ参照は、異なる仕組みです。この違いを理解すると、学習をオフにしたあとも確認すべきデータの取り扱いが見えてきます。
1. 学習とは、データを使ってAIモデルを更新すること
生成AIでは、利用者が入力した文章や音声を、モデルの性能を改善するための学習用データとして利用する場合があります。学習では、データをもとにモデルのパラメータなどを更新します。そのため、入力した文章がそのまま保存されるとは限りませんが、入力内容がモデルの振る舞いに影響する可能性があります。
ここが、データの保存と学習の大きな違いです。保存されたデータは、サービスの削除機能や保持ポリシーに従って削除できる場合があります。一方、学習に使われたデータの影響は、モデルのパラメータなどに反映されるため、特定の入力だけを後から取り除くことが難しくなります。
たとえば、未公表の新製品情報を含む会議メモを外部のAIサービスに入力した場合、その情報はサービス提供元でも取り扱われます。さらに学習に利用された場合、後から元データの削除を依頼しても、学習済みモデルへの影響まで取り消せるとは限りません。
2. 「学習」と「参照」はまったく別の仕組み
AIツールを検討していると、「過去のデータを使って精度を上げる」という説明をよく見かけます。このとき混同されやすいのが、「学習」と「参照」の違いです。両者はAIモデルへの影響が異なります。
参照とは、AIが回答や文字起こしを作る際に、過去のデータを読み込んで処理に利用する仕組みです。参照するだけでモデルのパラメータが更新されるわけではありません。ただし、参照したデータの保存や利用の条件はサービスによって異なります。
本で例えるなら、学習は「読んだ内容を暗記して自分の知識にする」ことです。参照は「必要なときに手元の資料を開いて確認する」ことに近いといえます。
| 項目 | 学習 | 参照 |
|---|---|---|
| データの行き先 | モデルの更新に利用される | 処理時に読み込む(保存条件はサービスによる) |
| モデルへの影響 | モデル自体が作り替えられる | モデルは変わらない |
| 後から取り消せるか | 困難(データがモデルに溶け込む) | 参照元からの削除などで、新たな参照を止められる場合がある |
| 機密データのリスク | 学習後のモデルへの影響を取り除くことが困難 | モデルの学習には使われないが、保存・管理条件の確認は必要 |
この違いを知っておくと、ツールの説明文の読み方が変わります。「データを活用して精度を高めます」と書かれていたら、それが学習なのか参照なのかを確認してください。これだけで、機密データの扱いに対する判断の解像度が大きく上がります。
3. 何がリスクになるのか|学習後の影響を取り除く難しさと説明責任
学習利用に伴うリスクは、大きく2つに整理できます。1つは、機密情報が学習に使われた場合、その影響をモデルから取り除くことが難しくなる点です。会議の録音や議事録には、経営方針、人事情報、取引先との交渉内容などが含まれます。
こうした情報が学習に使われても、内容がそのまま第三者に表示されるとは限りませんが、学習済みモデルへの影響を完全に取り消すことは困難です。
もう1つは、取引先や社内への説明責任です。「お預かりした情報はどう管理していますか」と聞かれたとき、「AIに入力しましたが、学習されたかは分かりません」では説明になりません。契約上の秘密保持義務に触れる可能性も出てきます。
この不安は、決してめずらしいものではありません。Otolioが実施した250件以上の導入企業アンケートでも、「録音した内容がAIに学習されるのが不安だった」という声が繰り返し挙がっています。「利用データをAIの学習に使わないこと」が選定の決め手になったという回答も少なくありません。機密性の高い会議を扱う組織ほど、学習の有無は避けて通れない確認事項になっています。
社外の相手が入る会議では、話がもう一段むずかしくなります。自社が録音した音声を他社のサービスに預けること自体が、取引先から見れば説明を求められる事柄になるためです。検討担当者が探しているのは技術的な担保だけでなく、それを相手に伝えるときの言い方でもあります。
ただし、リスクがあるからAIを使わない、という結論に飛ぶ必要はありません。学習させずにAIを活用する道筋は、設定のほかにも残っています。
AIに学習させない3つの方法|設定・契約・設計
個人のオプトアウト設定だけでは、組織全体のデータ利用を管理することは難しい場合があります。法人向けプランや学習させない設計のサービスを利用する方法も含め、3つの選択肢を比較します。
| 方法 | 手軽さ | 守れる範囲 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 1. オプトアウト設定 | 今すぐできる | 主に設定後の対象データ | 個人でまず自衛したい |
| 2. 法人向けプラン・一括管理 | 契約・設定の手間あり | 組織のメンバー全体 | 会社としてAI利用を管理したい |
| 3. 学習させない設計のサービスを選ぶ | ツール選定から行う | サービスが学習不使用の対象とするデータ | 会議など機密データを日常的に扱う |
3つの方法は、学習利用を防ぐ仕組みが異なります。個人の設定に頼る方法は設定漏れの影響を受けやすい一方、法人契約や学習させない設計のサービスを利用すれば、個人ごとの設定に依存しにくくなります。ただし、どの方法でも、利用するサービスの条件を組織として確認・管理することが必要です。
1. 法人向けプラン・APIでは学習に使わない扱いが一般的
OpenAIやAnthropicなどの主要サービスでは、法人向けプランやAPI(システム同士をつなぐ接続方式)の入力データを、原則としてモデルの学習に使わない方針が示されています。ただし、適用条件や例外はサービスごとに異なります。個人向けプランにも学習利用を停止できるものがあるため、無料・有料だけで判断せず、利用形態と契約条件を確認してください。
2. 設定を個人に委ねず、組織として環境を用意する
法人向けプランには、管理者が組織の利用状況や設定を管理できるものがあります。利用者それぞれのオプトアウト設定に頼る運用では、人の入れ替わりや設定変更によって管理が行き届かなくなるおそれがあります。組織全体の方針を管理者が適用・確認できる機能を活用すれば、設定漏れのリスクを減らせます。
実際、Otolioの商談や同社のアンケートでは、全社標準のAIツールを定めたいという相談が繰り返し寄せられます。部署ごとにバラバラのツールが使われている状態を整理し、セキュリティ要件を満たす1つに揃えたい、という動機です。
そのとき要件の筆頭に挙がるのが「データをAIの学習に使わないこと」です。学習の有無は、いまや個人の設定項目というより、組織がツールを公式採用する際の必須要件になりつつあります。
あわせて意識したいのが、データが誰に紐づくかという視点です。個人アカウントにデータが紐づくツールでは、担当者の退職や異動とともに、記録が失われたり管理の目が届かなくなったりします。
組織として環境を用意するなら、データも組織側に紐づく設計が望ましいといえます。利用のルールづくりまで踏み込みたい場合は、会議・議事録のシャドーAIを統制する手順もあわせてご覧ください。
録音した会議をAIに学習させずに、議事録を作成する方法はある?
あります。たとえばOtolioは、顧客のデータや音声をAIの学習に一切使いません。過去の議事録をその場で参照する特許取得済みの独自技術で、学習させずに認識精度を高めています。学習させない設計のサービスを選ぶという道を、会議・議事録の場面に即して掘り下げます。
1. 「学習させない」と「精度」は両立できる|参照型という設計
「学習させないなら、AIはいつまでも賢くならないのでは」という疑問は自然なものです。実際、多くのAIサービスが利用データの学習を精度向上の手段にしています。しかし、学習に頼らず精度を上げる設計も存在します。
鍵になるのが、さきほど整理した「学習」と「参照」の違いです。Otolioでは、過去に作成した議事録のテキストを文字起こし時に参照し、会議で使われる固有名詞や専門用語の認識精度を高めています。
用語登録は不要で、顧客のデータや音声をAIモデルの学習に利用することもありません。ただし、データの保存や管理については、学習の有無とは別に確認する必要があります。
2. 自前主義の企業が、機密会議にあえてSaaSを選んだ実例
機密性の高い会議で外部SaaSを導入する際、企業はどのような点を確認しているのでしょうか。実際の導入事例を紹介します。
物流事業を展開するニッコンホールディングスは、社内で使うシステムの多くをグループ企業で開発・保守する自前主義の企業です。外部のSaaSを導入すること自体が、稀なケースでした。
そのなかで課題になっていたのが、重要な定例会議の議事録です。機密情報を多く含むため特定の社員が一人で作成しており、他の業務と兼務するため完成までに複数日を要していました。
ツールの検討を始めたとき、社内には「自社で開発すればよい」という声もありました。関係会社にシステム専業の企業があることに加え、議事録という重要な機密情報を扱うセキュリティ面の不安があったためです。
同社は自社開発と外部サービスを比較検討し、セキュリティ面でも納得できたうえでOtolioを導入しました。決め手になったのは、疑問や確認が出るたびに実際の環境で確かめてもらえる、対応の丁寧さだったといいます。
結果として、これまで複数日かかっていた議事録の共有が、翌営業日には完了するようになりました。情報の鮮度が落ちないうちに会議参加者へ届けられるようになった点も、同社は効果として挙げています。
機密データを外部のツールに渡すことへの不安は、多くの企業に共通します。その不安を解くのは、「データがどう扱われるのか」を確かめられる状態をつくることです。
参考記事:システムも自前主義の老舗企業が、あえてSaaSのOtolioを導入した理由とは?
3. 学習の有無だけで決めない|選定時に見るべき残りの観点
学習の有無は最優先の確認事項ですが、AI議事録ツールのセキュリティはそれだけでは判断できません。データの保管場所(国内か海外か)、通信・保存時の暗号化、第三者認証の有無は代表的な確認事項です。加えて、議事録を閲覧できる人を管理者が制御できるかという運用面の観点も欠かせません。
導入前に確認すべき観点の全体像は、技術と運用の2つの視点から6つのポイントに整理した記事で詳しく解説しています。
参考記事:AI議事録のセキュリティ|導入前に確認したい6つのポイントと選び方
まとめ|AIに学習させない鍵は「設定」より「設計」の理解
AIに学習させない方法は、オプトアウト設定、学習に使わない条件が適用される法人向けプランやAPIの利用、学習させない設計のサービス選びの3つです。AIの学習では、データをもとにモデルが更新されます。一度完了した学習への影響を後から取り除くことは難しいため、機密情報を扱う際には、入力先のサービスが定めるデータ利用条件を確認する必要があります。
ここまで読んだ方には、着手の順番が見えているはずです。まずは、自分が使っているAIの設定を開き、学習利用の項目をオフにしてください。次に、会社で契約しているプランのデータが学習対象になるかどうかを、規約と契約書で確認しましょう。
会議の録音のように機密性の高いデータを扱う場合は、個人の設定に依存せず、学習に使わない条件が適用されるサービスを選ぶ方法もあります。ただし、サービスの設計に任せるだけでなく、契約条件やデータの管理体制を組織として確認することも必要です。
ここまで読んで、確認すべきことは整理できたと思います。一方で、規約を読み比べ、設定を一つずつ確かめ、それを組織全体に徹底する手間を想像すると、気が重くなった方もいるかもしれません。機密性の高い会議データについては、「そもそも学習されない環境」を最初から選んでしまうほうが、考えることは少なくて済みます。
Otolioなら、オプトアウトの設定や申請をしなくても、入力されたデータ・音声がAIの学習に使われることはありません。役員会のような機密性の高い会議でも、外部に議事録作成業務を委託せず、自社で議事録を作成する運用を効率化できます。
過去の議事録をその場で参照して精度を高める独自技術は、特許を取得済みです。データをAIの学習に使わない設計を、普段の会議で確かめてみてください。
よくある質問とその回答
Q. ChatGPTに入力した内容を学習させない設定はできますか?
できます。設定内の「データコントロール」から、入力内容をモデルの改善に使わせない設定に切り替えられます。また、OpenAIのプライバシーポータルから学習利用の停止を申請する方法もあります。画面の名称や手順は変わることがあるため、最新の情報は公式ヘルプで確認してください。
Q. Geminiで学習をオフにするには、どこを設定すればよいですか?
Geminiアプリのアクティビティの画面で「アクティビティの保存」をオフにします。オフにすると、以後のチャットはアクティビティに表示されず、AIモデルのトレーニングにも使われません。ただし、フィードバックとして送信した内容は対象外です。仕事用・学校用のGoogleアカウントでは別の規約が適用される場合があるため、会社のアカウントなら管理者にも確認してください。
Q. オプトアウトすれば、過去に入力したデータも学習対象から取り消せますか?
すでに完了した学習への影響を取り消すことは困難です。ただし、サービスによっては、過去のチャットを今後のモデル学習に使わないよう変更できる場合があります。学習済みモデルへの影響を取り除くことと、将来の学習利用を停止することは別です。機密情報は、会社が利用を認めた環境以外には入力しないようにしてください。
Q. AIに学習させないと、AIの精度は上がらないのですか?
学習させなくても精度を上げる方法はあります。過去のデータを、処理するそのときだけ読み込む「参照型」の設計であれば、モデル本体にデータを取り込まずに認識精度を高められるからです。たとえばOtolioは、過去の議事録をその場で参照して精度を向上させる独自技術で特許を取得しています。学習させない方針と精度は両立できます。
Q. 会議の録音データを学習に使わないAI議事録ツールはどう見分ければいいですか?
利用規約・プライバシーポリシー・セキュリティ資料で、「入力データを学習に使わない」と明記されているかを確認します。不明な場合は、提供元に直接たずねるのが確実です。あわせて、オプトアウトが設定で完結するのか別途申請が必要か、どのプランが対象かも確認しておくと、契約後の行き違いを防げます。
