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生成AI

AIの値段はなぜ下がり続けるのか|2026年夏の価格の動きと費用の前提

生成AIの利用料は、この数か月で何度も書き換わっています。2026年7月30日には、OpenAIがGPT-5.6 LunaとTerraのAPI価格を引き下げました。

ただ、費用を見る立場になると、こんな迷いが残ります。

  • 安くなったと聞くが、自社の見積もりをどこまで下げてよいのか
  • 安いモデルに切り替えれば、同じ仕事が同じようにできるのか
  • 特定のモデルを前提に社内の仕組みを組んで、来年もそのまま使えるのか

そのためこの記事では、2026年8月4日時点の公式な価格をもとに、値段の下がり方・下がっていない価格の帯(以下、帯)・安いモデルへ乗り換える前に確かめる点を整理していますので、「AIの価格の値下げをどう見積もりに反映するか」を決めたい方はぜひ最後までご覧ください。

価格表を見比べている間も、会議は毎週やってくる

一覧は数か月で書き換わります。追いかける時間は、できれば目の前の仕事に戻したいところです。Otolioは、会議業務を丸ごと自動化するAIエージェントです。カレンダーに予定を入れておくだけで、録音から議事録の作成までを自動で仕上げます。自社の会議でそのまま動かして確かめられます。

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AIの値段はなぜ下がり続けるのか?

2026年7月30日、OpenAIは軽量モデルの価格を80%引き下げました。下がったのは一部のモデルだけで、上位モデルは据え置きです。そして値下げの理由は、公式には説明されていません。

この記事で示せるのは、下がり方の形です。どこがどれだけ下がり、どこが下がっていないのか。公表されている価格を並べると、そこまでは読み取れます。

8割下がったのは軽量モデルだけ

OpenAIの公式チェンジログ(変更履歴)には「7月30日から、GPT-5.6 Luna は80%安く、GPT-5.6 Terra は20%安くなる」と記載されています。改定後の金額は次のとおりです。トークン(AIが文章を扱うときの単位)100万個あたりの価格で並べます。

モデル位置づけ入力出力
GPT-5.6 Luna軽量$0.20$1.20
GPT-5.6 Terra中位$2.00$12.00
GPT-5.6 Sol上位$5.00$30.00

いずれも開発者向けAPI(外部のプログラムからAIを呼び出す仕組み)の公表値で、アプリやサブスク型の料金とは別に決まっています。軽量・中位・上位は、公表されている価格から本記事で分けた区分です。

値下げの対象は Luna と Terra の2つでした。上位の Sol は、この改定に入っていません。8割という数字が付いたのは、いちばん軽いモデルです。

参照:Changelog | OpenAI API

参照:Pricing | OpenAI API

新しいモデルが前の主力より安く入る

値段が下がる形は、2つに分かれます。1つは単価の改定です。もう1つは、新しいモデルが前の主力より安い値段で入ってくる形です。

Googleの例が分かりやすいところです。Gemini 3.6 Flash は2026年7月21日に一般提供が始まり、出力の単価は100万トークンあたり$7.50です。前の主力だった 3.5 Flash は$9.00です。入力はどちらも$1.50で同じですが、出力だけ新しいほうが安く置かれています。

「値段が下がった」という一言には、この2つが混ざっています。いま使っているモデルの単価が下がる場合と、乗り換え先として安いモデルが増える場合。後者は、乗り換えの作業をしないと費用に反映されません。見積もりを直すだけでは終わらない、ということになります。

参照:Gemini Developer API pricing | Gemini API | Google AI for Developers

公式は値下げの理由を説明していない

なぜ下がるのか。OpenAIのチェンジログには、値下げの理由が書かれていません。価格がいくらになるかと、適用が始まる日付だけです。

値下げの背景をめぐる解説は出回っています。ただ、公式のページで確認できた説明ではないため、この記事では理由として扱いません。分かっているのは、下がったという事実と、下がった幅です。

もう一つ、費用を見る立場で押さえておきたい点があります。開発者向けAPIの単価が下がっても、会社が実際に払う金額がそのまま下がるとは限りません。多くの会社が契約するのは、利用者1人あたりで金額が決まるライセンスの形です。単価の改定は、そこに直接は効きません。

同じ費用の話でも、ライセンスの側は別の決まり方をします。会議のAI要約に誰のライセンスが必要で、費用がどう決まるのかを公式情報で整理した記事があります。

参考記事:Teams会議の要約に必要なライセンスと費用|Copilot Chat標準搭載でも別料金

OpenAIでは上位モデルのSolは据え置き

「AIは安くなっている」は、半分だけ当たっています。下がったのは軽量と中位の帯で、上位の帯は据え置かれたままです。値段の幅は、むしろ広がっています。

上位の帯は値下げに入っていない

7月30日の改定で、上位の Sol は対象外でした。入力$5.00・出力$30.00のままです。

同じ日、価格表に別の選択肢が加わりました。Fast mode です。公式の記載は「GPT-5.6 Sol では、Fast mode は標準の処理より最大2.5倍速く、価格は2倍になる」。今までの優先処理(Priority Processing)を置き換える扱いになっています。

価格表では、Fast mode は3モデルすべてで標準のちょうど2倍です。Sol なら入力$10.00・出力$60.00、モデルは同じまま、処理を速める設定に切り替えるだけです。速さは、別料金で売られていると言えます。

上位の帯で起きたのは、値下げではありませんでした。上に選択肢が1段増えた、というのが2026年7月30日の中身です。

参照:Changelog | OpenAI API

参照:Pricing | OpenAI API

無料枠が付くのは軽量の帯だけ

無料枠の有無も、帯によって分かれています。Googleの現行ラインを、100万トークンあたりの価格で並べます。

モデル入力出力無料枠
Gemini 3.6 Flash$1.50$7.50あり
Gemini 3.5 Flash$1.50$9.00あり
Gemini 3.5 Flash-Lite$0.30$2.50あり
Gemini 3.1 Flash-Lite$0.25(音声は$0.50)$1.50あり
Gemini 3.1 Pro Preview$2.00(20万トークン超は$4.00)$12.00(20万トークン超は$18.00)なし

Flash系とFlash-Lite系には無料枠があり、上位の Gemini 3.1 Pro には付いていません。3.1 Pro はプレビュー(仕様が動く前提の段階)で、20万トークンを超える長いプロンプト(AIへの指示文)を渡すと単価が上がります。長い会議録を丸ごと渡すような使い方は、この上がる側に入ります。

軽い処理を試す分には、お金がかからない。重い処理を任せると、単価も上がる。この形は価格表の上でしばらく続いています。

参照:Gemini Developer API pricing | Gemini API | Google AI for Developers

単価は使い方でも動く

同じモデルを使っても、金額は一つに定まりません。先ほどのOpenAIの価格ページとGoogleの価格ページには、使い方に応じた単価が並んでいます。

  • 同じ内容を繰り返し渡すとき(キャッシュ入力): OpenAIの3モデルはいずれも標準の入力の10分の1。Luna なら$0.02
  • 急がない処理をまとめて出すとき(バッチ処理): Geminiは各モデルで標準の50%。3.6 Flash なら入力$0.75・出力$3.75
  • 長い資料を預けて使い回すとき(コンテキストキャッシュ。キャッシュ入力とは別で、資料そのものを預ける方式): Geminiの3.6 Flash と 3.5 Flash なら100万トークンあたり$0.15。これに、預けている間の保管料が100万トークン・1時間あたり$1.00

見積もりを「モデルの単価×トークンの量」だけで立てると、この幅が丸ごと抜け落ちます。急ぐのか、まとめてよいのか、同じ資料を何度も渡すのか。使い方の設計まで決めないと、金額は出ません。

安いモデルに乗り換えていいのか?

安いモデルに替えても同じ品質が保たれるとは限りません。ただし、価格差がそのまま性能帯の差を意味するわけでもありません。乗り換える前に確かめたいことが3つあります。

安いのは帯が違うから

改定後の Luna と Sol を並べると、入力は$0.20と$5.00、出力は$1.20と$30.00。どちらも25倍の差です。同じ会社の同じ世代のモデルで、これだけ開いています。

25倍の差が付いているものを「安くなったから」で置き換えてよいかは、価格表だけでは決まりません。これは、どちらが優れているかを決める話ではありません。違うのは、想定している仕事の重さです。軽い処理に上位モデルを固定すると、必要以上のコストになる可能性があります。

社内の議論では、値段の話が性能の話に混ざりやすいところがあります。AIの性能を客観的に測る共通のものさしは、まだ定まっていません。そのため「他社のAIが安くて優秀らしい」という伝聞で、いったん決まった話が振り出しに戻ります。契約更新の場面で「別のツールがよいと聞いたので、もう一度比べよう」となる。こうしたやり直しは、エピックベースの商談でも起きています。

では、世代が変わるだけでも出力は変わるのか。ここは公表値からは分かりません。新旧のGeminiに同じ会議データを渡し、議事録と共有メールがどう変わったかを実際に比べた記事があります。差が出た箇所と、出なかった箇所の両方を載せています。

参考記事:Gemini 3.6 Flashは何が変わった?サンプル会議データで新旧モデルを比較

安くなったモデルが消えることもある

安いモデルには、もう一つ確かめる点があります。いつまで使えるのか。

Gemini 3.5 Flash は、Gemini Enterprise の global リージョン(世界共通の提供地域)から2026年8月4日付で削除されることが、7月21日のリリースノートで告知されました。同じ7月21日には、Gemini 3.6 Flash が同じリージョンで使えるようになったという案内も出ています。新しいFlashが入った日に、前のFlashに退場日が付きました。

この 3.5 Flash は、5月19日にGlobal・US・EUで一般提供が始まったモデルです。6月には全ユーザーで既定で有効になり、オフにできなくなりました。全員が使う前提に整えられた直後に退場日が付く形で、一般提供からは2か月半ほど。移行先の案内は、同じリリースノートには書かれていません。

告知された削除日は、この記事の公開時点で過ぎています。リリースノートには実行を伝える追加の記載がないため、自社の状態は管理コンソールで確かめてください。

なお、対象は Gemini Enterprise の global リージョンです。開発者向けAPIのモデル一覧では、3.5 Flash は引き続き提供されています。「どこで使っているか」によって、影響の出方が変わります。

参照:Gemini Enterprise release notes

消える日付が先に決まる形は、他社の製品でも起きています。個人向けCopilotアプリでは、2つの機能に2026年8月18日という廃止日が付きました。同じ日に消える機能でも、記録の扱いは正反対だった、という整理をした記事があります。

参考記事:Copilotがスーパーアプリに統合|2026年8月18日に消える2機能と会議の記録

まずは、そのモデルを自社のどこで使っているかを確かめておくと、消える日が決まったときに手当ての範囲がすぐ分かります。

出てこないモデルもある

待っているモデルが、予定どおりに出てこないこともあります。Gemini 3.5 Pro は、2026年8月4日時点で公式のモデル一覧に記載がありません。

公式の書き方をたどると、時期は後ろへずれています。2026年5月19日のブログには「社内ではすでに使っており、翌月に展開することを楽しみにしている」とありました。7月21日のブログでは「現在パートナーとテスト中で、準備ができ次第、広く提供する予定」という書き方に変わっています。同じ7月21日、Googleは次の世代にあたる Gemini 4 の事前学習(AIに大量のデータを読み込ませる最初の訓練)を始めたことも明らかにしました。

上位モデルを前提に費用を組んでいた場合、この2か月半は待ち時間になります。遅れの理由は公表されていないため、いつ出るかを前提にした計画は立てられません。

参照:Gemini 3.5: frontier intelligence with action

参照:Introducing Gemini 3.6 Flash, 3.5 Flash-Lite, and 3.5 Flash Cyber

参照:Models | Gemini API | Google AI for Developers

Geminiのどれを業務に載せるかは、値段とは別の判断になります。現行のモデルと価格、そして最新を追わずに用途で選ぶ考え方を、別の記事にまとめています。

参考記事:【2026年8月版】法人のためのGeminiモデル選び|追わずに選ぶ3つの軸

値段の前提は数か月で書き換わる

2026年の5月から8月までのあいだに、モデルをめぐって3つのことが起きました。8割安くなったモデル、消えるモデル、出てこないモデル。どれも同じ数か月の出来事です。

3つのことが同じ数か月に起きた

3つは、2社がそれぞれ別の判断で決めたことです。利用者の側に共通しているのは、どれも自分では動かせなかったという点だけです。

どのモデルがいちばん新しい位置にいるかは、利用者の外側で決まります。選定の時点で最も新しいものを、最も安い条件で選んでも、その位置は数か月で入れ替わります。選んだ側が何かを間違えたわけでもありません。

製品の中で入れ替わる例もあります。Microsoft 365 Copilot では、中で動くモデルが利用者の操作なしで切り替わりました。画面も操作も変わらないまま、答えを作るモデルだけが新しくなる。この動きを追った記事では、何が変わって何が変わらないのかを公式情報から整理しています。

参考記事:Microsoft Copilot優先モデルがGPT-5.6に|企業の業務はどう変わるのか?

見積もりに入れておく3つの前提

値段が動くこと自体は、止められません。見積もりの側で吸収できる前提が3つあります。

  1. 下がる帯と下がらない帯を分けて見積もる: 軽い処理の単価が下がっても、重い処理の単価は据え置かれています
  2. モデル名を指定している箇所を数える: そのモデルが消えたときに手当てが必要な範囲が、数で見えるようになります
  3. 使い方で単価が動くことを前提にする: 急ぐか、まとめるか、使い回すかを決めてから金額を出します

全体を一律に何割減で置くと、重い処理の分だけ足が出ます。3つとも、次の価格改定が来ても形を変えません。動くのは金額で、見方のほうは動きません。あわせて、見直す周期を先に決めておくと、値段が動いたときに慌てずに済みます。

入れ替えを誰が見るか

値段が下がるという話は、裏返せば入れ替えが増えるという話です。安いモデルが出るたびに検討が発生し、消えるモデルが出るたびに手当てが発生します。この作業を誰が見るのかは、費用の見積もりには載りにくいところです。

エピックベースでは、国内のセキュリティ基準を満たすAIを6ヶ月から1年ごとに見直し、より適したものへ切り替える運用を取っています。実際に乗り換えを繰り返してきた立場から言えるのは、この作業が一覧を追いかけるより重いということです。私たちは、AIは「その時点の数字」より「上げ続ける取り組み」で選ぶほうが、長い目で見て合理的だと考えています。

まとめ|値段は下がる帯と下がらない帯に分かれる

2026年7月30日の改定で下がったのは、軽量と中位の2モデルでした。上位は据え置きで、代わりに2倍払えば速くなる選択肢が増えました。値段は一律には下がらず、幅が広がっている、というのが公表値から読み取れる形です。

安いモデルは、帯が違います。消えることもあれば、待っていても出てこないこともある。特定のモデル名を前提に仕組みを組むほど、数か月ごとの手当てが増えていきます。

見積もりに残すのは、金額そのものより見方です。手当ての範囲が数で見えると、値段が動いたときの判断が速くなります。値段は動きます。動かないのは、追い続ける仕組みを持っているかどうかです。3つのうち先に手を付けるなら、モデル名を指定している箇所を数えるところから始めてみてはいかがでしょうか。

価格表を並べて比べている時間そのものが、実は費用です。しかも比べ終わったころには、次の一覧が出ています。どの帯で足りるのかは、いま動かしている業務で一度確かめたほうが早く分かります。

入れ替えの手当てを、自社で抱えるかどうか

安いモデルが出れば検討が増え、消えるモデルが出れば手当てが増えます。その作業を誰が持つのかは、見積もりの外に置かれがちです。Otolioは、会議の準備から録音、議事録の作成、会議後のメール文面までを自動で仕上げます。国内のセキュリティ基準を満たすAIへの切り替えは、こちら側で続けています。まずは14日間、いまの会議で確かめてください。

この記事を書いた人
エピックベース株式会社|マーケティング部|青木喬平

2023年にエピックベースに入社し、累計利用社数8,000以上「Otolio」のマーケティングを担当。 本ブログでは、議事録・文字起こし・生成AI・AIエージェントに関するノウハウや、企業が業務効率化の実現・DXの推進に必要な情報を現場のリアルな視点からお届けしています。 ※ 本ブログはOtolio運営元であるエピックベース株式会社の社員が執筆・編集しています。

よくある質問とその回答

Q. AIの利用料金は今後も下がり続けますか?

今後の値動きは公表されていないため、下がり続けるという前提は置けません。2026年7月30日の改定では、GPT-5.6 Luna が80%、Terra が20%下がり、上位の Sol は据え置きでした。分かっているのは、下がる帯と下がらない帯に分かれているという形までです。

Q. 安いモデルに切り替えれば費用は下がりますか?

単価は下がりますが、同じ仕事が同じようにできるとは限りません。改定後の GPT-5.6 Luna と Sol では入力・出力ともに25倍の差があり、想定されている仕事の重さが違います。切り替える前に、いまの業務で結果がどう変わるかを確かめてください。

Q. 使っていたモデルが消えることはありますか?

使っていたモデルが消えることはあります。Gemini 3.5 Flash については、Gemini Enterprise の global リージョンから2026年8月4日付で削除されることが、2週間前の7月21日のリリースノートで告知されました。移行先の案内は、そのリリースノートに書かれていません。特定のモデル名を指定して動かしている仕組みほど、影響を受けます。

Q. AIの費用はどう見積もればいいですか?

モデルの単価とトークンの量だけでは出ません。急ぐ処理か(Fast mode は標準の2倍)、まとめて出せる処理か(Geminiのバッチ処理は標準の50%)、同じ内容を繰り返し渡すか(キャッシュ入力は標準の10分の1)で単価が動きます。使い方の設計を決めてから金額を出す順番にすると、差異が小さくなります。

Q. 記事に載っている価格はいつ時点のものですか?

この記事の価格は、すべて2026年8月4日時点に各社の公式ページで確認した公表値です。開発者向けAPIの価格であり、アプリやサブスク型の料金とは別に決まっています。値段は数か月で書き換わるため、実際の見積もりでは公式ページを開いて確認してください。

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