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AIエージェント

AIエージェントの種類とは|3軸12タイプと会議業務での使い分けを解説

AIエージェントの種類とは

AI(人工知能)の活用は、単にコンテンツを生成する段階から、業務そのものを任せる段階へと広がりつつあります。「AIエージェント」という言葉を目にする機会も増えました。

ただ、いざ調べ始めると、

  • どんな種類があるのか、軸がバラバラで整理しづらい
  • 自社が検討しているツールは、結局どの種類に当たるのか
  • 種類を覚えても、業務のどこに使えばよいかが決められない

といった疑問を抱えている方も少なくないでしょう。

そこで本記事では、AIエージェントの種類を3つの分類軸で整理し、合計12タイプの違いと、自社に合う種類の選び方までを解説します。

種類を並べる前に、任せたい仕事を1つ決める

AIエージェントは、種類を覚えるだけでは選べません。「自社の業務のどこを任せたいか」を明確にすると、必要な種類を絞り込みやすくなります。Otolioは、会議業務を丸ごと自動化するAIエージェントとして、記録・要約・共有までを一つの流れで担います。まずは会議業務で試すところから、種類選定の感覚をつかめます。

目次

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AIエージェントの種類が多く見える理由と分類フレーム

AIエージェントの種類を調べると、記事や資料ごとに違う切り口で語られています。記事や資料ごとに分類の軸が異なるためで、「何種類あるのか」に答える前に、この混乱の構造を整理しておく必要があります。

AIエージェントの種類は、

  1. 行動・意思決定モデル別(単純反射型・モデルベース型・目標ベース型・効用ベース型・学習型の5種類)
  2. 技術・実装方式別(ルールベース・機械学習ベース・LLMベースの3種類)
  3. 用途・役割別(業務自動化・対話支援・分析意思決定支援・マルチエージェントの4種類)

の3軸で整理できます。詳細に入る前に、この3軸を1枚で見渡しておきましょう。

AIエージェントとは

AIエージェントとは、周囲の環境を認識し、状況に応じて意思決定を行い、目的に沿った行動を自律的に実行するシステムです。状況を理解して動く点が、単に情報を生成する生成AIとの大きな違いです。

業務システムと連携し、入力データをもとに判断を下し、必要な処理を自動で実行する仕組みがその典型例です。認識・判断・行動という一連のプロセスを継続的に回しながら機能します。

生成AIとの詳しい違いは、記事末のよくある質問で整理しています。

種類が多く感じられる本当の理由

AIエージェントの種類が多く見える最大の理由は、異なる分類軸が混ざったまま語られることにあります。ある記事は技術で分け、別の記事は用途や賢さで分けるため、全体像がつかみにくくなります。

AIエージェントは、単一の基準だけでは整理しきれません。意思決定の仕組み、内部構造、使われ方といった複数の観点が重なり合っています。「軸をそろえて読む」だけで、印象は大きく変わります。

一覧|3軸で見るAIエージェントの種類

以下の表は、3軸12タイプを「何を任せられるか」「向く業務例」と一緒に並べたものです。同じ列で比べているのは同じ軸の中の種類だけで、軸が違う種類同士は直接比較できない点に注意してください。

分類軸種類何を任せられるか向く業務例
行動・意思決定モデル単純反射型条件に対する即時反応定型入力の即時処理・単純アラート
行動・意思決定モデルモデルベース型状態を見立てた判断変化のある環境の監視・制御
行動・意思決定モデル目標ベース型ゴールから逆算した行動選択業務プロセスの自動化
行動・意思決定モデル効用ベース型複数指標の総合判断コスト・リスクを含む意思決定支援
行動・意思決定モデル学習型経験からの継続改善継続的に精度を上げたい業務
技術・実装方式ルールベース明示ルールでの安定処理固定業務・監査要件のある業務
技術・実装方式機械学習ベースデータからの予測・分類需要予測・異常検知
技術・実装方式LLMベース自然言語での推論・ツール操作対話支援・複合タスクの遂行
用途・役割業務自動化定型業務の自律実行データ入力・システム間連携
用途・役割対話・支援質問応答・ナレッジ検索ヘルプデスク・社内Q&A
用途・役割分析・意思決定支援判断材料の整理と提示需要予測・リスク評価
用途・役割マルチエージェント役割分担での協調動作複雑タスクの自律遂行

表の読み方は「軸をまたいで比較しない」です。「LLMベース」と「業務自動化」を比べても意味がなく、技術の話と用途の話は別の観点で並んでいます。

種類を覚える前に「業務のどこを任せるか」を決める

種類選びの起点は、自社の業務のどこを任せたいかを決めることです。それが言葉になると、選ぶべき種類は自然に絞れます。

「毎日のデータ入力を減らしたい」なら、目標ベース型で用途は業務自動化、実装はルールベースか機械学習ベースが有力候補です。「会議の記録と要約を任せたい」なら、学習型でLLMベース、用途は対話・支援と業務自動化の組み合わせが当てはまります。任せたい業務が決まって初めて、3軸のマッチが見えてきます。

分類①:行動・意思決定モデルによる5種類

行動・意思決定モデルによる分類は、AI研究の基礎として長年使われてきた整理の仕方です。AIエージェントが「どのように考えて、どう行動を決めるのか」に注目するため、概念理解と検索の両面で起点になります。

単純反射型エージェント

単純反射型エージェントは、現在の状態にのみ反応して行動を決定する、最も基本的なAIエージェントです。あらかじめ定義されたルールに基づき、「この条件ならこの行動」という形で即座に反応します。

内部に記憶や環境モデルを持たないため、過去の状態や将来の変化は考慮しません。処理は非常に高速で、動作も安定しています。ただし、想定外の状況やルールに含まれていないケースには対応できません。シンプルな自動化や、環境がほぼ変化しない領域に向いています。

任せられるのは「条件を満たしたら決まった処理をする」タイプの業務です。閾値監視や単純なアラート通知など、ロジックが固定されている場面が該当します。

モデルベース反射型エージェント(モデルベース型)

モデルベース型エージェントは、環境の状態や変化を内部モデルとして保持するエージェントです。現在の観測情報に加えて、「環境がどのように変わるか」を推定しながら行動を決定します。

この内部モデルにより、部分的にしか情報が得られない状況や、変化のある環境にも対応できます。単純反射型では難しい、少し先を見越した判断が可能になります。ただし、環境モデルの精度が低ければ判断も不正確になり、モデル設計と更新が運用の要です。

任せられるのは、状況が刻々と変わる中で「一歩先を読む」判断が必要な業務です。設備稼働のモニタリングや、変化のある現場の制御などが該当します。

目標ベース型エージェント

目標ベース型エージェントは、特定のゴールを達成するために行動するエージェントです。現在の状態からゴールに到達するために、どの行動が適切かを検討します。

複数の行動候補を比較し、「目標に近づくかどうか」を基準に選択する点が特徴です。計画立案や問題解決のタスクに強く、業務プロセスの自動化で多く使われます。一方で、目標が曖昧だと期待した行動になりません。ゴール設計そのものが成果を左右します。

任せられるのは、複数ステップで進む業務プロセスの自動遂行です。稟議申請の下書き作成から承認ルートの提案までを一気通貫でこなす、といった使い方が典型例です。

効用ベース型エージェント

効用ベース型エージェントは、行動の結果を数値的な「効用」で評価して判断するエージェントです。ゴールへの到達可否に加えて、どれだけ価値が高いかを基準に行動を選びます。

効率、コスト、満足度、リスクなど、複数の要素を総合的に考慮できます。複数の評価指標を効用として扱い、より望ましい行動を選択できる点が特徴です。設計は複雑になりますが、柔軟で最適化された判断が可能です。

任せられるのは、複数の指標を天秤にかけて動く業務です。コスト最小と品質維持を同時に狙う調達判断や、顧客満足度とリスクを両にらみで動く提案設計などに向きます。

学習型エージェント

学習型エージェントは、経験を通じて行動戦略を改善していくエージェントです。過去の行動結果を学習し、次の判断に反映させます。

最初は不完全な行動でも、試行錯誤を繰り返すことで性能が向上します。環境の変化にも適応できる点が大きな強みです。他のエージェントモデルと組み合わせて使われることが一般的で、LLMベースAIエージェントの中には、フィードバックや評価結果を用いて振る舞いを改善する仕組みを備えるものもあります。

任せられるのは、正解が一つに決まらず、使いながら精度を上げていくタイプの業務です。ユーザー行動に基づくレコメンド最適化や、環境から得た報酬をもとに行動方針を改善するシステムなどが例です。

分類②:技術・実装方式による3種類

行動や意思決定の考え方を押さえたうえで、次に見るのが「どの技術で実装されているか」という視点です。AIエージェントの内部構造や仕組みを理解するための入口になります。

ルールベースAIエージェント

ルールベースAIエージェントは、if-then形式の明示的なルールによって動作します。「条件が満たされたら、この行動を実行する」というロジックを人が事前に設計します。

処理の流れが明確で、動作が予測しやすい点が大きな強みです。安定性が高く、業務ルールが固定されている場面では今でも広く使われています。一方で、ルールの追加や変更が増えるほど管理が複雑になります。想定外のケースや曖昧な状況には弱く、柔軟な判断が求められる業務には向きません。

任せられるのは、監査要件があってロジックを人が説明できる必要のある業務です。定型稟議のチェックや、規則に沿った振り分け処理などに向きます。

機械学習ベースAIエージェント

機械学習ベースAIエージェントは、過去のデータを学習して行動や判断を行うエージェントです。個々の判断をif-then形式で網羅的に記述せず、学習データからパターンを獲得できる点が特徴です。

目的に適した質・量の学習データとモデルを用意できれば、予測や分類で高い性能を発揮する場合があります。需要予測や異常検知など、定量的な判断が求められる領域で活用されています。

ただし、判断の根拠が分かりにくい点と、学習データに強く依存する点には注意が必要です。環境や前提条件が変わると、性能が急激に落ちることもあります。

任せられるのは、履歴データが十分にあり、統計的なパターンが判断の中核になる業務です。設備の異常予兆検知や、案件受注確度の予測といった使い方が典型例です。

LLM(大規模言語モデル)ベースAIエージェント

LLMベースAIエージェントは、大規模言語モデルを中核に据えたAIエージェントです。自然言語を理解し、推論や計画を立てながら行動を選択します。

外部ツールやAPIを呼び出せるよう設計することで、情報検索やシステム操作を含むタスクを実行できます。指示が曖昧でも意図をくみ取れる文脈理解力も強みの一つ。対話型の業務全般に活用が広がっています。

LLMベースAIエージェントを実際に組み立てるプラットフォームの一つに、Microsoftが提供するCopilot Studioがあります。何が作れて何が作れないか、料金の考え方は次の記事で解説しています。

参考記事:Copilot Studioでできること・できないこと|非エンジニアが作れる範囲と料金

任せられるのは、文書処理・対話・意思決定支援など、自然言語が中心に来る業務全般です。議事録の要約や、顧客対応の下書き生成といった使い方が広がっています。

分類③:用途・役割別の4種類

ここまでの分類は、理論や技術に寄った視点でした。実務では「どんな役割を担うのか」という視点でAIエージェントが語られることが多くあります。用途・役割別の分類は、自社業務への導入イメージを具体化する足場になります。

業務自動化エージェント

業務自動化エージェントは、定型業務や繰り返し作業を自律的に実行するエージェントです。人が行っている作業手順を理解し、必要に応じてツールやシステムを操作します。

データ入力、ファイル整理、システム間連携など、バックオフィス業務で多く活用されています。単なるRPAと異なり、状況に応じて判断を変えられる点が特徴です。業務ルールがある程度整理されているほど、高い効果を発揮します。

向く業務は、手順が固まっていて、月に何度も繰り返される作業です。請求書の仕訳補助や、社内システムへの転記処理などが該当します。

対話・支援エージェント

対話・支援エージェントは、人とのやり取りを通じて業務や判断を支援するエージェントです。自然言語でのやり取りを前提としており、質問への回答や作業の補助を担います。

社内ヘルプデスク、カスタマーサポート、ナレッジ検索などで利用されます。利用者の意図を理解し、文脈に沿った支援ができる点が重要です。LLMベースAIエージェントが最も活躍しやすい領域でもあります。

向く業務は、社内ナレッジやFAQを起点に「聞かれたら答える」やり取りを繰り返す仕事です。情シスや人事の一次窓口、営業担当への社内Q&Aなどに向きます。

分析・意思決定支援エージェント

分析・意思決定支援エージェントは、データを分析し、人の判断を補助する役割を担います。結果そのものを決めるのではなく、判断材料を整理して提示します。

売上分析、需要予測、リスク評価など、経営や戦略判断に関わる場面で使われます。複数の選択肢を比較し、それぞれのメリットとデメリットを示せる点が特徴です。人とAIが協調して意思決定する前提のエージェントといえます。

向く業務は、意思決定の材料集めが重く、最終判断は人が担う場面です。経営会議での予実分析や、投資判断の材料整理などに向きます。

マルチエージェントシステム

マルチエージェントシステムは、複数のAIエージェントが役割分担し、協調して動作する仕組みです。単一のエージェントでは対応しきれない複雑なタスクを扱うための構成です。

調査担当、計画担当、実行担当といった役割を持つエージェントが連携し、相互に情報を共有しながら最適な結果を目指します。高度な自律性と拡張性を備えており、今後のAIエージェント活用の中核になる可能性が高い形態です。

実務では、Microsoft 365 Copilotでは、複数のエージェントを利用・構築できる環境が提供されています。Copilotのエージェント機能で何を任せられるかを、次の記事で一覧に整理しています。

参考記事:Copilotのエージェント機能とは?標準エージェント一覧と組織での使い分け

AIエージェントを動かす技術要素と意思決定の仕組み

ここまで整理してきた種類は、すべて共通した技術要素の組み合わせで成り立っています。AIエージェントがどのような仕組みで動いているのかを、構成要素ごとに分解して確認します。

認識・意思決定・行動の3要素

AIエージェントは大きく分けて、「認識」「意思決定」「行動」という3つの要素で構成されています。この流れを押さえると、どの種類のAIエージェントも同じ枠組みで捉えられるようになります。

認識(Input)

認識は、AIエージェントが外部環境から情報を受け取るプロセスです。入力となるのは、データベースの数値、テキスト情報、操作ログ、ユーザーの指示など多岐にわたります。重要なのは、データを受け取るだけでなく、文脈や状況を正しく把握することです。認識の精度が低いと、その後の判断や行動も誤ったものになります。

意思決定(Reasoning / Planning)

意思決定は、認識した情報をもとに「次に何をするか」を決める中核部分です。ルールに従って判断する場合もあれば、推論によって選択肢を比較する場合もあります。目標が設定されている場合は、ゴールに向けた計画を立てながら行動を選択します。このプロセスの深さが、AIエージェントの賢さを大きく左右します。

行動(Action)

行動は、意思決定の結果を実際の操作として実行する段階です。APIを呼び出したり、外部ツールを操作したり、テキストや結果を出力したりします。行動が環境に影響を与え、その結果が再び認識に戻る点が重要です。この循環によって、エージェントは最新の状況を反映しながら次の行動を選択できます。

意思決定プロセスの3タイプ

AIエージェントの違いは、「何ができるか」と「どのように考えて行動を決めるか」の両方に表れます。代表的な意思決定プロセスは3つに整理できます。

反射型の意思決定フロー

反射型の意思決定フローは、最もシンプルな構造です。エージェントは環境を認識し、その状態に対応する行動を即座に実行します。計画や将来予測は行わず、「条件に一致したら行動する」という直線的な流れだけで動作します。

処理が高速で分かりやすい一方、状況の変化や例外には弱い。単純反射型エージェントや一部のルールベースAIがこのフローを採用しています。

目標・計画型の意思決定フロー

目標・計画型の意思決定フローでは、最初に達成すべきゴールが設定されます。エージェントは現在の状態と目標を比較し、そこに到達するための行動を検討します。複数の行動候補を洗い出し、それぞれの結果を想定しながら計画を立て、必要に応じて修正しながら段階的に実行します。

目標ベース型や効用ベース型エージェントに多く見られるフローです。業務プロセス全体を扱うAIエージェントでは、欠かせない考え方になります。

LLMベースエージェントの推論・実行プロセス

LLMベースエージェントの意思決定は、これまでのフローを内包しつつ、より柔軟です。中心となるのは、自然言語による推論と計画です。

まず、プロンプトとして与えられた指示や文脈を理解します。そのうえで、必要な情報や手段を判断し、外部ツールの呼び出しを計画します。行動の途中で得られた結果を再評価し、次の行動を修正することもあります。推論・ツール実行・結果評価を繰り返す点が大きな特徴です。

LLMベース特有の3つの技術要素

現在のLLMベースAIエージェントでは、メモリ・ツール連携・評価ループなどを組み合わせる設計がよく用いられます。これらが高い自律性と柔軟性を実現しています。

メモリ(短期・長期)

LLMエージェントは、短期メモリと長期メモリを使い分けます。短期メモリは現在のタスクや会話の文脈を保持し、長期メモリは過去の経験や重要な情報を蓄積します。この組み合わせにより、継続的な振る舞いが可能になります。

ツール・API連携

LLMエージェントは、外部ツールやAPIを自律的に利用できます。情報検索、データ処理、システム操作などを組み合わせてタスクを遂行します。文章生成にとどまらない実務での活用範囲が、ここで一気に広がります。

自己評価・改善ループ

一部のLLMエージェントは、自分の出力や行動を評価します。結果が不十分だと判断した場合、別の方法を試すこともあります。この自己評価と改善のループがあることで、より人に近い試行錯誤が可能になります。これは、評価結果をもとに出力や次の行動を改善する反復的な設計です。

自社に合うAIエージェントの種類はどう選べばよいか?

自社の業務のどこを任せたいかが決まると、選ぶべき種類は自然に絞れます。業務起点で絞り込む手順を2ステップで整理し、最後に会議業務を例に当てはめます。

Step1:任せたい業務を1つ切り出す

最初に行うのは、社内で「AIに任せたい業務」を1つに絞ることです。複数を並行で検討すると、種類の話と業務の話が混ざり、判断が動きません。

任せたい業務を選ぶ入口は、「時間を最も食っている業務は何か」を洗い出すことです。Otolioが実施した250件以上の導入企業アンケートでは、会議業務にかかる時間が本業を圧迫しているという声が最頻出でした。

会議のたびに議事録に追われ、本来の業務が後回しになる、という記述が具体的に多く語られています。時間の重い業務は、任せる価値が最も見えやすい入口です。

切り出す粒度は「1業務・数十分〜数時間の範囲」を目安にします。粒度が大きすぎると、複数の種類のエージェントが同時に必要になり、判断が難しくなります。

Step2:横断利用の汎用型か、業務特化型かを決める

任せたい業務が決まったら、次に「その業務は複数部署で横断的に使うのか、特定業務に深く踏み込むのか」を判定します。この選択で、選ぶべき種類の候補が大きく絞られます。

横断利用の汎用型は、Microsoft Copilotのように部署をまたいで幅広く使うタイプです。多くはLLMベースの対話・支援エージェントで、社内Q&Aや文書作成の下書きなど広く浅く使う場面に向きます。

業務特化型は、議事録・営業・分析など業務の中核に深く入り込むタイプです。LLMベースに業務自動化・分析支援を組み合わせた設計が多く、その業務の中で完結する運用フローを持っている点が大きな違いになります。

同じAIエージェントを検討しても、社内の階層で重視するポイントは違います。同アンケートでも、現場は工数削減、マネージャーは品質の均一化、経営層は資産化やROIといったように、決裁ラインが上がるほど「時短」の言葉は弱くなります。

種類を選ぶときは、社内で説明する相手の階層に応じた判断軸を持っておくと、稟議の場面でつまずきにくいでしょう。種類の分類がある程度絞れたら、具体的なツール例を眺めるとイメージがつかみやすくなります。

参考記事:AIエージェントツール6選を紹介!活用メリットや課題にも解説

会議業務を例に汎用型・業務特化型を比較する

任せたい業務を「会議業務」に置いてみると、種類の選び方が具体的に見えてきます。

会議業務を横断利用の汎用型に任せる場合、Microsoft Copilotのような対話・支援エージェントが候補になります。会議中のメモの下書きや、会議後の要点整理などに使え、業務ごとの立ち上げ工数が小さいのが強みです。ただし、議事録の粒度や保管ルールを部署ごとに合わせにくく、深い運用には向きません。

会議業務を業務特化型に任せる場合は、LLMや音声認識、業務システム連携などを組み合わせたエージェントが候補になります。会議前の準備、会議中の記録、会議後の要約や共有までを一つの流れで扱います。

会議の会話をもとにしたフォローメールの下書き作成と送信も、同じ画面で完結するという点が、汎用型との差です。記録の粒度や保管ポリシーも、業務側に合わせて設計できます。

どちらが正解というより、「会議業務のどこまでを任せたいか」で分岐します。単発の要約補助でよければ横断型で足り、記録から共有までの流れごと任せたいなら業務特化型が合います。

業務特化型を選ぶなら、その業務の「精度」を分ける要因を押さえておくと、種類の判断がぶれません。会議業務の場合の考え方は、次の記事にまとめています。

参考記事:AI議事録の精度は何で決まる?|差が出る本当の理由と失敗しない選び方

まとめ|自社の業務起点でAIエージェントの種類を絞り込む

AIエージェントの種類は、一見すると非常に多く、複雑に感じられます。しかし、その感じ方の原因は、異なる視点の分類が混ざって語られていることにあります。AIエージェント自体が難しいわけではありません。

本記事で見てきたように、AIエージェントは行動・意思決定モデル、技術・実装方式、用途・役割別という3つの視点で整理できます。行動・意思決定モデルはどのように考え判断し行動するのかを整理する軸、技術・実装方式はその判断をどの技術で実現するかを見る視点、用途・役割別は実務でどのように使われるかをイメージするための軸です。

この3軸を混ぜずに使い分けると、「高性能そうという理由で導入する」といった曖昧な選択を避けられます。自社業務に必要な自律性や判断力が言葉になり、AIエージェントを現実的に活用しやすくなります。

重要なのは、種類の話に入る前に「自社の業務のどこを任せたいか」を言葉にすることです。横断的に使う汎用エージェントと業務を丸ごと担う特化型エージェントの役割の違いは、その言葉が生まれて初めて意味を持ちます。分類軸を押さえつつ、業務起点で絞り込む。これがAIエージェントを選ぶ最初の一歩です。

比較や検討を続けてきた方こそ、一度手を動かして触ってみると、種類の話が自分の業務に着地します。

種類を並べて疲れたら、業務を任せて感覚をつかむ

分類軸を押さえても、実際に触るまでは「自社のこの会議にどう効くか」が言葉にならないことがあります。会議業務を丸ごと自動化するAIエージェントとしてのOtolioを、まずは自分たちの1つの会議で試してみてください。記録から共有までの流れを体験すると、どの分類のどの種類を選ぶかが自然に見えてきます。

この記事を書いた人
エピックベース株式会社|マーケティング部|青木喬平

2023年にエピックベースに入社し、累計利用社数8,000以上「Otolio」のマーケティングを担当。 本ブログでは、議事録・文字起こし・生成AI・AIエージェントに関するノウハウや、企業が業務効率化の実現・DXの推進に必要な情報を現場のリアルな視点からお届けしています。 ※ 本ブログはOtolio運営元であるエピックベース株式会社の社員が執筆・編集しています。

よくある質問とその回答

Q. AIエージェントの種類はいくつありますか?

AIエージェントの種類に、決まった数はありません。行動や意思決定の仕組み、実装技術、用途や役割など、複数の分類軸で整理されるため、どの軸を基準にするかによって種類の数や名称は変わります。

理論的には単純反射型・モデルベース型・目標ベース型・効用ベース型・学習型といった分類が用いられます。実務では、用途別や技術別に分類されることもあります。重要なのは、種類の数を覚えることより、どの分類軸で説明されているかを理解することです。

Q. AIエージェントと生成AI(ChatGPTなど)の違いは何ですか?

生成AIは、主にコンテンツを生成するAIです。文章や画像、コードなどを入力に応じて生成することを目的としています。

AIエージェントは、環境を認識し、意思決定を行い、行動することを目的としたAIです。必要に応じて生成AIを内部の構成要素として利用しながら、タスクの実行や目標達成までを担います。

生成AIは主にコンテンツ生成を担うのに対し、AIエージェントはモデルにツールやワークフローを組み合わせ、目標に向けて複数の処理を進められる点に特徴があります。ただし、自律性の程度はシステムによって異なります。

Q. LLM(大規模言語モデル)エージェントは、独立した1つの種類ですか?

LLMエージェントは、技術・実装方式の観点では独立した一つの種類です。ただし、行動・意思決定モデルとして見た場合は、既存分類の延長上にあります。LLMはAIエージェントを実装するための手段であり、これを使うことで目標設定、推論、計画立案、ツール操作などが可能になります。その結果、目標ベース型・効用ベース型・学習型といった複数の行動モデルを実現できます。

Q. 自社に合うAIエージェントの種類はどう選べばよいですか?

種類から入らず、任せたい業務から入るのが近道です。まず「時間を最も食っている業務」を1つ切り出し、次に「その業務を複数部署で横断的に使うのか、特定業務に深く踏み込むのか」を判定します。この2ステップで、行動モデル・実装方式・用途役割の3軸が自然に絞られていきます。

社内で説明する相手の階層によって、響く判断軸も違います。現場には工数削減、マネージャーには品質の均一化、経営層には資産化やROIといった形で階層別の言葉を用意しておくと、稟議のときに種類の話がぶれにくいでしょう。

Q. 会議業務を任せたい場合はどの種類を選べばよいですか?

会議業務を単発の要約補助にとどめたいなら、対話・支援エージェント寄りの汎用型で足ります。会議前の準備・会議中の記録・会議後の共有までを一つの流れで任せたいなら、学習型かつLLMベースで、業務自動化と対話・支援を組み合わせた業務特化型が向きます。

「どこまで任せたいか」を先に決めると、汎用型と業務特化型のどちらを選ぶかが自動的に決まります。業務特化型を選ぶ場合は、精度を分ける要因(音声の取り方・話者の識別・要約テンプレートの設計)を押さえておくと、種類の判断がぶれません。

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