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【面接官向け】採用面接を成功に導く3つのポイント|注意点や面接後の対応も紹介

採用面接とは

採用活動において、最も重要なプロセスのひとつが「採用面接」です。採用面接は、ただ応募者の経歴やスキルを確認する場ではなく、企業文化やチームとの相性を見極めたり、自社の魅力を伝える重要なコミュニケーションの場となっています。そのため面接官が準備不足のまま採用面談に臨めば、本来見抜くべき資質を見落としたり、応募者に不信感を抱かせてしまうこともあるため、事前の準備と理解が欠かせません。

しかし面接官として初めてその役割を担う方は「どんな準備をすればいいのか」「何を確認すべきなのか」「どんな点に注意すれば良いのか」「どんなアクションが必要なのか」などのお悩みを抱えている方も多くいるのではないでしょうか。

本記事では、採用面接における目的や面接官の役割、成功させるためのポイントや注意したいポイントについてご紹介します。これから採用面接に臨む方、もっと採用面接を良くしていきたいという方は、ぜひ本記事を参考にご覧ください。

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採用面接の3つの目的

より良い採用面接を実施するためには、まず採用面接の目的を理解することが必要不可欠です。ここでは採用面接の主な目的を3つご紹介します。

1.企業文化・チームの適合性の判断

採用面接は、ただ候補者の経歴やスキルを確認する場ではありません。特に、現代の企業経営において重視されているのが、「企業文化やチームとの適合性」の見極めです。どれだけ優秀なスキルや豊富な経験を持つ方であっても、会社の理念や価値観、または一緒に働くメンバーの雰囲気に合わない場合、入社後にミスマッチが生じやすくなります。

こうしたミスマッチは、早期離職やモチベーション低下、場合によってはチーム全体のパフォーマンス低下にもつながるため、企業側としては最も避けたいリスクの一つです。たとえば「自発的に提案できる人が多い会社」で、与えられた業務を淡々とこなすことに重きを置いてきた方が入社すると、組織とのギャップを感じやすいでしょう。

採用面接では、「どんな人か」だけではなく、「自社でどのように活躍できそうか」という未来をイメージしながら質問をしていくことが重要です。また、候補者の価値観や過去の行動パターン、働くうえで大切にしていることなどを具体的にヒアリングすることで、表面的なやりとりだけでは分からない内面を知ることができます。採用面接は「合格・不合格」を決めるためだけの場ではなく、双方のミスマッチを防ぐ大切な対話の時間であるといえます。

2. スキルや経験の確認

採用面接のもう一つの大きな目的は、応募者が業務を遂行するために、必要なスキルや経験を持っているかどうかを確認することです。求人票や履歴書、職務経歴書だけでは分からない、実際の業務への適応力や、これまでの実績に裏打ちされたスキルの深さ・応用力を見極めることがポイントとなります。

たとえば、前職でどのようなプロジェクトに関わり、どんな役割を担っていたのか、そこで直面した困難をどのように乗り越えたのか、といった具体的なエピソードを引き出すことが重要です。また、特定の業務に限らず「新しいツールをキャッチアップするのが得意」「チーム内で分からないことを積極的に質問できる」など、ポテンシャル面もあわせて評価することで、即戦力だけでなく将来性も見極めやすくなります。

また「できること」や「強み」だけではなく、応募者が自らの失敗経験や弱みをどう捉えているかを聞くことで、成長意欲や自己認識の高さを見極めることができます。単に「スキルがあるか」だけでなく、「今後どのような成長を期待できるか」という視点も持って面接を行うと、より良い人材の見極めにつながることができます。

3. 企業情報の提供

採用面接は、企業が応募者を評価するだけでなく、応募者が企業を知り「自分に合っているか」を判断する場でもあります。そのため、企業側が一方的に質問をするだけでなく、自社のビジョンや働き方、キャリアパス、実際の業務内容、福利厚生や評価制度など、リアルな企業情報をきちんと伝えることが大切です。

実際に働く環境や社内の雰囲気、今後の事業展開など、ネットや求人票だけでは分からない情報を積極的に共有するようにしましょう。応募者の「知りたいこと」を丁寧に説明することで、不安や疑問を解消し、入社後のミスマッチを未然に防ぐことができます。

さらに、最近では「選ばれる企業」であるために、面接中の対応や情報提供の仕方も問われています。企業側が誠実かつ率直に情報提供を行うことで、応募者に「信頼できる会社だ」という印象を与え、入社意欲を高めることにもつながります。企業情報をしっかり伝えることは、長期的な人材定着やエンゲージメント向上のためにも非常に重要なポイントです。

採用面接官に求められる2つの役割

採用面接を担当する面接官には2つの役割が存在します。

1. 採用ミスマッチを防ぐ

採用面接官にとって最も重要な役割のひとつが、「採用ミスマッチを防ぐこと」です。企業にとって採用活動はコストも時間もかかる重要なプロセスであり、入社後に「思っていた職場と違った」「求められる業務内容が合わない」といった理由で早期離職が起これば、その損失は決して小さくありません。面接官には、応募者が企業文化や業務内容、チーム構成に本当にマッチしているかを見極める力が求められます。

ミスマッチを防ぐためには、応募者のスキルや経験だけでなく、価値観や働き方に対するスタンス、コミュニケーションスタイルなど、定性的な情報を丁寧に拾い上げることが欠かせません。たとえば、「自律的に動くのが得意」と話す応募者が、実は明確な指示がないと動きにくいタイプかもしれません。そういったギャップを見抜くためには、表面的なやりとりだけではなく、過去の具体的なエピソードを深掘りして聞き出すことが効果的です。

また、面接官自身が企業やチームの現状を正確に理解していることも重要です。現場のリアルを伝えずに理想的なイメージだけで語ってしまうと、応募者側に誤解を与えてしまい、結果として入社後のギャップが生まれやすくなります。採用は「相手に選んでもらう場」でもある一方で、「適切に選ぶ責任」も求められます。そのため、企業と応募者の間にある情報の非対称性を埋める努力が求められるのです。

さらに、採用ミスマッチは「応募者の問題」ではなく「面接官の準備不足」や「ヒアリングスキルの未熟さ」に原因があるケースも存在します。たとえば、「この人は優秀そうだ」と直感的に感じてしまった場合、その印象を裏付ける情報だけを探してしまう「確証バイアス」が働くことがあるため、意識的にフラットな視点を保つことも、面接官に求められる大切な資質です。

2. 入社意欲を高める

もうひとつの重要な役割が、「応募者の入社意欲を高めること」です。採用面接というと「選考する場」という印象が強いかもしれませんが、実際は企業が応募者に選ばれる立場でもあります。特に優秀な人材ほど複数の企業からオファーを受けていることが多く、面接時の印象が入社の意思決定に大きな影響を与えることを忘れてはなりません。

応募者の入社意欲を高めるためには、面接官が企業の魅力をわかりやすく、かつ誠実に伝える必要があります。仕事内容のやりがい、チームの雰囲気、成長できる環境が整っているかどうかなど、応募者が不安に感じやすいポイントにしっかりと触れることが大切です。ただし、過剰に理想を語るのではなく、課題やリアルな側面も包み隠さず伝えることで、かえって信頼感を得ることができます。

さらに、応募者の話をしっかりと聞く姿勢も、入社意欲を高めるうえで重要です。自分の話を真剣に聞いてくれた、自分に興味を持ってくれたという実感は、応募者にとって「ここで働いてみたい」という気持ちを芽生えさせるきっかけになります。また、面接の終盤で質問を受けた際には、「どうしてこの質問をしているのか」という応募者の意図を汲み取りながら、丁寧に対応することも好印象につながります。

見落としがちですが、面接の場での小さな気遣いも大きな差になります。たとえば、緊張している応募者に対して少し雑談を挟んで場を和ませたり、相槌やうなずきで安心感を与えたりすることで、応募者の本来の魅力を引き出すと同時に、「この会社の人たちは温かい」という印象を残すことができます。

採用面接を成功させるための5つのポイント

誰もが採用面接をより良いものにしたいと考えているかと思います。採用面接をなんとなく実施していても、満足のいく結果にはつながりません。ここで採用面接を成功させるためのポイントを5つご紹介します。

1. 採用要件を明確に定義する

採用面接を成功させるうえで最初に重要なのが、「採用要件を明確に定義する」ことです。面接はあくまで、組織にとって適切な人材を見極めるためのプロセスです。しかし、そもそも「適切な人材」とはどのような人物なのかが曖昧なまま面接に臨んでしまうと、判断基準があいまいになってしまい、感覚的な評価や印象に左右されてしまう可能性があります。そうならないためにも、まずは採用ポジションに求められるスキルや経験、マインドセット、期待される役割などを具体的に洗い出し、言語化することが不可欠です。

たとえば、同じ「営業職」でも、既存顧客の深耕を重視するのか、新規開拓がメインなのかによって、求められる能力は大きく異なります。また、チーム内でどのような役割を担ってほしいのか、将来的にどのようなキャリアパスを歩んでほしいのかといった中長期的な視点を取り入れるのも効果的です。加えて、「この職種には向いていない特性」も定義しておくと、より判断がしやすくなります。

こうした採用要件を明確にすることで、面接官の間で評価の軸を統一でき、候補者に対しても一貫した質問ができるようになります。結果として、採用の判断がブレにくくなり、ミスマッチのリスクを大きく減らすことができます。

またスキル面だけではなく、可能であればカルチャーフィットに関する要件もできるだけ定義するようにしましょう。スキルや経験は申し分ないのに、入社後にチームに馴染めなかったり、企業文化とそぐわないといった理由で早期離職してしまうケースも少なくありません。そのため、企業の価値観や働き方に共感できるかといった観点も要件に含めることが重要です。面接での質問項目や評価項目を策定するときにも、このような観点を反映させることで、より実態に即した判断が可能になります。

2. 事前準備を徹底する

採用面接は、応募者の資質を見極めると同時に、企業としての誠実さや姿勢を伝える重要な場でもあります。だからこそ、面接官がどれだけ事前準備をしているかは、候補者からの印象に直結します。事前準備が不足していると、的外れな質問をしてしまったり、候補者の経歴に十分に触れられなかったりと、せっかくの面接の時間を十分に活かすことができません。

まず最初に取り組むべきは、候補者の履歴書や職務経歴書をしっかり読み込むことです。特に、これまでのキャリアの中でどのような役割を担ってきたのか、どんな実績があるのか、転職理由や志望動機など、候補者が書いた内容の背景にある意図や価値観を読み取るように意識するようにしましょう。そうすることで、面接中の質問の質が高まり、より深い情報を引き出せるようになります。

また、候補者に対してどのような点を重点的に確認するべきか、面接官同士で事前にすり合わせをしておくことも大切です。特に複数の面接官で対応する場合、質問が重複したり、聞き漏れが生じたりするリスクがあります。役割分担を明確にしておくことで、スムーズな進行と網羅的なヒアリングが可能になります。

さらに、「どのような印象を企業として与えたいか」を意識することも準備の一環です。候補者は面接を通じて、働く環境や上司・同僚となる人たちの雰囲気を敏感に感じ取っています。清潔感のある服装や応対、時間厳守はもちろん、面接の冒頭で企業やチームの紹介を簡潔に行うなど、候補者に安心感や信頼感を持ってもらう工夫も準備の中に含まれます。

3. リラックスできる雰囲気を作る

面接の場があまりにも緊張感のある空気になってしまうと、候補者は本来の力を発揮できず、せっかくの情報を引き出せないまま終わってしまうことがあります。だからこそ、候補者がリラックスして話せるような雰囲気づくりは採用面接を成功させるためにも重要なポイントです。

最初の数分のやりとりが、その後の面接の空気を決めると言っても過言ではありません。たとえば、「今日はお越しいただきありがとうございます。道中はスムーズでしたか?」といった軽い雑談から始めることで、候補者の緊張を和らげることができます。また、面接官自身が笑顔でハキハキとした話し方を心がけるだけでも、場の雰囲気はずいぶんと柔らかくなります。

さらに、話の途中で相槌を打ったり、「それは興味深いですね」といった反応を返すことで、候補者は安心して話を続けやすくなります。このような応対を通じて、候補者は「しっかり話を聞いてもらえている」「この会社は丁寧に対応してくれる」といったポジティブな印象を持つことにつながります。

また、候補者が企業に対して抱いている不安や疑問を自然に聞き出すためにも、リラックスした雰囲気は重要です。たとえば「気になることや不安に思っていることがあれば、ぜひ率直に教えてください」といった一言を添えることで、表面的なやり取りだけでなく、本音に近いコミュニケーションが生まれやすくなります。

採用面接は候補者を評価する場であると同時に、企業として「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえるかどうかを左右する重要な接点でもあります。リラックスできる雰囲気づくりを意識することで、候補者が本来の魅力を発揮しやすくなり、より質の高い相互理解が可能になるでしょう。

4. 一つの質問を深ぼっていく

採用面接を成功させるために欠かせない要素が質問力です。具体的には複数の繋がりがない質問をするのではなく「一つの質問を深ぼっていく」ようにしましょう。たとえば「これまでで最も大変だった仕事は何ですか?」という質問に対して、応募者が「新しいシステムの導入プロジェクトです」と答えたとします。ここで終わってしまうのではなく、「なぜ大変だったのか」「そのときどう対処したのか」「結果はどうだったのか」「振り返ってどう感じているか」といったように、質問を連鎖的に深めていくことで、その人の思考の深さや仕事に対する姿勢、課題への向き合い方を把握することができます。

このような深掘りによって、単なる経歴の確認では得られない「人となり」も把握することができるようになります。また、深掘りする質問を通して、応募者のコミュニケーション能力や論理的な思考力を確認することも可能です。答えに詰まったり、話が飛躍したりする場合は、実務でも同じような傾向が見られる可能性があるため、慎重に観察しましょう。

このポイントは単に応募者の理解を深めていくメリットだけではなく「面接官が興味を持って話を深掘ってくれている」と感じ、その場での信頼感や心理的な安心感が高まり、より率直で本音に近い話を引き出しやすくなるという効果もあります。逆に、テンプレート的に質問を次々とこなすだけの面接では、応募者のモチベーションも上がらず、企業の印象を悪くしてしまうリスクもあります。

このように、ひとつの質問に対して丁寧に向き合い、対話のキャッチボールを意識することで、表面だけでは分からない深い情報を得ることができ、より納得感のある採用判断につながります。

5. 過去の行動をヒアリングする

さらに質問についてはできるだけ過去の行動をヒアリングするようにしましょう。応募者の未来のパフォーマンスを予測するうえで最も信頼性が高い情報は、「過去にどう行動してきたか」です。これを踏まえ、採用面接では応募者の過去の経験や具体的な行動に焦点を当てて質問することが極めて重要です。

たとえば「プレッシャーがかかる状況で実際にどう対応しましたか?」「これまでで最も成果を上げた経験は何ですか?」といった質問を投げかけ、具体的なエピソードを語ってもらうのが効果的です。これを過去の行動を聞くのではなく、「プレッシャーがかかる状況だとどうなりますか?」といった曖昧な質問をしてしまうと、回答も曖昧になってしまい、相互理解を深めるのが難しくなります。

さらに、「成功体験」だけでなく「失敗経験」や「葛藤があった場面」についても尋ねることで、応募者の誠実性、課題への向き合い方、成長志向の有無など、より深い人物理解が可能になります。また、ここで可能なら過去の行動に「再現性」があるのかにも着目することが重要です。つまり、その成功や工夫が特定の環境下だからこそ発揮されたものなのか、それとも今後も活かせるポータブルスキルなのかを見極める視点を持つと、より実践的な評価ができます。

また、過去の行動をヒアリングする際は、応募者に過度なストレスを与えずに話しやすい空気を作ることも大切です。とくに失敗体験を引き出すときには「この経験をどう乗り越えたか、今ならどう対応するか」など、前向きに語れるような聞き方を意識しましょう。

過去の行動を丁寧にヒアリングすることで、履歴書や職務経歴書だけでは分からない「その人らしさ」を掘り下げることができ、自社にフィットする人材かどうかを見極める精度を大きく高めることができます。

採用面接で注意したい3つのポイント

では逆にどのようなポイントについて注意すればいいのか、ここでは3つのポイントでご紹介します。

1. 先入観や偏見を持たない

採用面接で最も注意すべき点の一つが、先入観や偏見を持つことです。応募者が面接室に入ってきた瞬間、服装や話し方、年齢、性別、学歴といった表面的な情報から無意識に判断を下してしまうケースは少なくありません。人は誰しも何らかのバイアスを持っており、それが面接の評価に影響を及ぼす可能性があります。たとえば、職務経歴所から分かる情報で「この大学の出身者は優秀な人が多い」「この年齢層は柔軟性が低い」といった先入観があると、実際の面接での受け答えや能力評価に正当性を欠いてしまうことになります。

面接官としては、候補者をフラットに見る意識を常に持ち、事実ベースで評価することが求められます。そのためには、評価項目や採点基準を事前に明確にし、どの項目に対してどういった回答が期待されるのかを整理しておくことが有効です。また、面接は複数名で行い、評価をすり合わせることで個人の主観による偏りを減らす工夫も大切です。

また、候補者側にも面接官に対する先入観があるという点を認識しておくようにしましょう。たとえば、面接官が腕を組んで話を聞いていると「この人は冷たそうだ」「圧迫面接かもしれない」と受け取られてしまうことがあります。採用面接は一方通行ではなく、相互理解の場です。面接官自身が与える印象にも注意を払い、偏見を生まない雰囲気づくりを意識することで、より公平で信頼性の高い評価が可能になります。

2. 一方的な情報提供だけをしない

採用面接において、企業側が一方的に情報を提供するだけの場になってしまうことも注意すべきポイントです。特に、面接官が緊張していると「自社の魅力をしっかり伝えなければ」との思いから、会社紹介を延々と話し続けてしまうことがあります。しかし、それでは面接という対話の場が成立せず、応募者の適性や志向性を深く知ることはできません。

面接の本来の目的は、候補者との相互理解です。企業が候補者を見極める場であると同時に、候補者にとっても企業を見極める重要な機会です。そのため、面接では適切なバランスを保ちながら、候補者の話を引き出すことに重点を置く必要があります。

3. 不適切な質問を避ける

採用面接では、質問がとても重要であることを先ほどご紹介しましたが、その質問内容にも十分な注意が必要です。意図せずとも不適切な質問をしてしまうと、候補者に不快感を与えるだけでなく、法的なリスクを招くこともあります。たとえば、家族構成や結婚予定、宗教、出身地といったプライバシーに関わる質問は、原則として聞くべきではありません。

また、たとえば「残業は大丈夫ですか?」「飲み会は参加しますか?」といった一見何気ない質問も、応募者にプレッシャーを与える場合があります。あくまで業務に直結する質問に絞り、評価項目に沿って質問を組み立てることが重要です。

また、質問内容だけではなく質問のトーンや言い回しにも注意するようにしましょう。たとえば、「なぜ前職を辞めたのですか?」という聞き方は、問い詰められているような印象を与えることがあります。代わりに「次のキャリアとして何を重視されたのですか?」という言い回しに変えるだけで、応募者の心のハードルが下がり、本音を引き出しやすくなります。

採用面接後に必要な3つの対応

採用面接は面接が終われば、全てが完了するというものではありません。採用面接後の行動ができ、はじめて良い活動ができたといえます。ここでは採用面接後に必要な対応を3つご紹介します。

1. 採用面接の内容を記録する

採用面接が終わった後、まず最初に行うべきことは、面接で得られた情報を正確に記録することです。面接中には、応募者の発言や表情、態度など、多くの情報が飛び交います。面接官の記憶に頼ってしまうと、後日詳細を思い出せず、評価が曖昧になる恐れがあります。面接直後にメモや評価シートに記録を残すことで、主観的な印象に左右されない客観的な評価が可能になります。

また、記録には応募者の強みや懸念点、特に印象に残ったエピソードや回答なども詳細に記しておきましょう。これにより、複数回面接を行う場合や他の担当者に引き継ぐ際にも、一貫した判断がしやすくなります。さらに、将来的に再応募があった際にも過去の情報を参照でき、採用活動の質を向上させることができます。

意外な観点として、記録する際には「応募者が面接中に質問した内容」も残しておくと良いでしょう。これはその応募者が企業に対してどれほどの興味を持っていたか、どのような価値観を持っているかを知る手がかりになります。また、後述する応募者フォローアップ時にもその内容を踏まえた対応ができるため、印象をより良くする要素になります。

2. 評価・フィードバックを社内に共有する

面接の内容を記録した後は、社内の関係者と評価やフィードバックを適切に共有することが必要です。特に複数の面接官が関与する場合や、現場担当者と人事部が連携して採用判断を行う場合には、面接情報の共有が欠かせません。誰がどのような観点で応募者を評価したのかを明らかにすることで、主観に偏らない客観的な判断が可能になります。

共有方法としては、面接後に評価会議を設ける、あるいは評価シートをクラウド上で共有するといった手法が考えられます。また、共有内容には「その応募者が入社した場合、どのようなポジティブな影響があるか」「懸念点があるとすれば何か」といった具体的なコメントも含めましょう。

とはいえ、採用面接中の中身を分かりやすく伝えるために、情報をまとめたり、記録の残し方を工夫するのには多大な時間がかかってしまうケースがあります。そのようなときはAI議事録ツールの活用も検討するようにしましょう。AI議事録ツールを活用すれば、採用面接の内容をAIが自動でまとめてくれるだけではなく、面接の音声をピンポイントで聞き直すことができるため「志望動機だけ聞きたい」といった場合に当時の発言を簡単に確認することができます。AI議事録ツールについてより詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にご覧ください。

参考記事:【2025】AI議事録ツールおすすめ14選!事例や機能についても解説 

3. 応募者のフォローアップをする

評価・フィードバックを社内に共有し、企業としての判断が決定したあと、応募者に対して適切なフォローアップを行うことも非常に重要です。特に候補者体験を意識した採用活動が重視される近年では、この対応が企業の印象を左右すると言っても過言ではありません。

まず、合否連絡はできるだけ早く行うようにしましょう。応募者は結果を待っている間、不安を感じたり、他社への応募を進めたりする可能性があります。早めに連絡をすることで、企業としての誠実な姿勢を伝えることができます。また、不採用の場合であっても、一言でも理由や感謝の言葉を添えることで、今後の応募や紹介につながる可能性もあります。

加えて、内定者に対しては、入社までの間にフォローアップを継続することが重要です。例えば、業務内容やチームメンバーを紹介するメール、社内報の共有、歓迎ランチの案内など、小さなことでも「自分はこの会社に歓迎されている」という安心感を持ってもらうことが、入社意欲を高め、辞退リスクを下げる要因になります。

そして、面接時の会話を覚えておき、その内容を踏まえてコミュニケーションを取ることで、応募者に対する信頼感や関心の高さを伝えることができます。例えば「面接で〇〇に興味があるとおっしゃっていたので、こういったプロジェクトがあることをご紹介します」といった一言は、応募者に強い好印象を与えるでしょう。

採用は内定を出して終わりではなく、良い人材に長く活躍してもらうためのスタート地点です。だからこそ、面接後のフォローアップは採用活動の最後のステップではなく、未来の成果につながる第一歩として、丁寧かつ戦略的に行うことが求められます。

まとめ

採用面接は、応募者のスキルや経験だけでなく、企業文化やチームとの相性、自社の魅力を伝える重要な機会です。本記事では、採用面接の目的や面接官の役割、成功に導くポイント、注意点、さらには面接後に必要な対応までをご紹介しました。まず、面接の目的は「企業文化・チームの適合性の判断」「スキルや経験の確認」「企業情報の提供」の3つに大別されます。面接官には、採用ミスマッチを防ぐことと、応募者の入社意欲を高める2つの役割が求められます。

採用面接を成功させるためには、採用要件を明確にし、事前準備を徹底し、リラックスできる雰囲気を作ること、一つの質問を深ぼること、過去の行動に着目することが重要です。また、先入観や偏見を持たない、一方的な情報提供だけにならない、不適切な質問を避けるといった注意点も忘れてはいけません。

面接後は内容の記録・共有、迅速かつ丁寧な応募者フォローを通じて、企業の信頼性や採用活動の質を高めることができます。ぜひ本記事を参考に、より納得感のある採用面接を実践していけるようにしましょう。

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この記事を書いた人
スマート書記ブログチーム

エピックベース株式会社が運営する「スマート書記」のブログ編集部です。議事録や文字起こし、生成AIやAIエージェントに関するノウハウなど、企業が業務効率化を実現し、さらにはDXを推進するための情報をお届けします。

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