ミーティング

キャリア面談を実施する3つの目的とは?上手く進めるための5つのステップも紹介

キャリア面談とは

キャリア面談とは、従業員と上司が定期的に対話を行い、これまでの業務の振り返りや今後のキャリアビジョンについてすり合わせを行う重要な場です。キャリア面談は人事評価面談などとは異なり、成果の良し悪しを評価する場ではありません。

むしろ、今後どのような仕事にチャレンジしたいのか、どのようなスキルを身につけたいのか、将来的にどのようなキャリアを築きたいのかといった、本人のキャリア観をじっくり掘り下げ、会社としてそれをどうサポートできるかを模索する機会となります。

そんなキャリア面談ですが、実際にキャリア面談を実施しようとすると「そもそもなぜキャリア面談が必要なのか整理ができていない」「目的が分からない」「進め方が分からない」とお悩みの方も多いと思います。本記事では、キャリア面談の必要性、目的や進め方、成功させるため・注意したいポイントについてご紹介します。キャリア面談のやり方を改善したい、これからキャリア面談を実施したいと考えている方は、ぜひ参考にご覧ください。

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キャリア面談とは

キャリア面談とは、企業が従業員と定期的に行う1対1の面談であり、従業員のキャリアに関する希望や不安、将来像などを共有し、会社としてのどうサポートできるかや育成計画についてのヒントを得るための場です。一般的には人事担当者や上司が面談相手となり、従業員のキャリア形成をサポートする目的で実施されます。

また、キャリア面談を通じて従業員の本音を把握することができ、日々の業務では見えにくい不満や悩みを早期にキャッチすることも可能です。結果的に離職の防止やエンゲージメント向上にもつながります。従業員の意欲やモチベーションを引き出すための重要な対話の場として、キャリア面談はますますその価値を高めています。

キャリア面談が求められるようになった3つの背景

ではなぜそもそもキャリア面談が注目されるようになったのでしょうか。ここではキャリア面談が必要になった主な背景を3つご紹介します。

1. 働き方が多様化した

今までの日本企業では、終身雇用や年功序列が一般的であり、多くの従業員は1つの会社でキャリアを積み、定年まで働くという前提で仕事をしていました。しかし、現代ではそのような働き方は大きく変化しています。テレワークの普及、副業解禁、フリーランスの増加など、働く環境やスタイルが多様化する中で、従業員一人ひとりのキャリア観もそれに伴って変わりつつあります。

こうした状況では、企業と従業員の間でキャリアに対する認識のズレが起こりやすくなります。たとえば、企業側が長期的な戦力としてのキャリアプランを期待していても、従業員側は短期間でスキルを習得し、次のキャリアに進む意志を持っているケースもあります。そのようなズレを放置すると、従業員の離職やモチベーションの低下につながる可能性があります。

キャリア面談は、このような働き方の多様化に対応するために重要な機会となります。従業員が今どのような価値観を持って働いているのか、どのようなライフスタイルや働き方を理想としているのかを把握し、それに応じたサポートを行うことで、企業は従業員のエンゲージメントを高めることができます。また、従業員にとっても、自身の働き方に合ったキャリアパスを模索するうえで、自分の考えを言語化し、整理する場として有効です。

2. キャリアに対する意識が変化した

働き方が多様化したことで、「企業が用意したレールの上を進む」ことが一般的だったキャリア形成が、今では「自分でキャリアを描く」ことが求められる時代へ変化しています。さらに経済や技術の変化が早く、どんな職種でも将来的な保証がない時代において、従業員自身が主体的にキャリアを考え、選択していく重要性が年々高まっています。

このような変化の中で、「どうなりたいか」「何を大切にしているか」「どんな働き方が理想か」といった本人の内面にフォーカスした対話を行うことは、従業員がキャリアを考える機会になるため、とても重要な場となります。

企業側にとっても、こうした従業員のキャリア意識を正しく把握することは、将来の配置や育成方針を考えるうえで極めて重要です。意欲が高い人材を適切に抜擢できたり、キャリアに不安を抱える人材に対して適切なサポートができることで、組織全体のパフォーマンス向上にもつながります。

3. リスキリング需要が高まっている

DX(デジタルトランスフォーメーション)やAIの普及、産業構造の変化により、企業が求めるスキルや知識は大きく変化してきています。現在持っているスキルが将来的に通用しなくなる可能性もある中で、従業員には継続的な学び直し、いわゆる「リスキリング」が求められるようになりました。

しかし、リスキリングを個人だけに任せてしまうと、多くの従業員が「何を学べばいいかわからない」「学ぶ時間が取れない」といった課題に直面します。企業としても、どの従業員にどのスキルを身につけさせるべきか、戦略的な視点で考える必要があります。

このような背景の中で、キャリア面談はリスキリングの必要性や方向性を共有する絶好のタイミングとなります。従業員が将来どのような役割を担いたいと考えているのか、どんなスキルギャップがあるのかを把握し、それに応じた育成計画や研修プログラムを設計することで、効果的な人材開発が可能になります。

また、リスキリングを通じてキャリアの選択肢を広げられるという前向きなメッセージを伝えることも重要です。「スキルアップ=企業の要請」という受け身の姿勢ではなく、「新たなキャリアへのステップアップ」という前向きな意味づけを行うことで、従業員のモチベーション向上にもつながります。

キャリア面談を実施する3つの目的

次にキャリア面談を実施する主な3つの目的についてご紹介します。

1. 従業員のエンゲージメント向上

キャリア面談は、従業員のエンゲージメントを高めるための有効な手段です。エンゲージメントとは、従業員が自分の仕事や職場に対してどれだけ前向きな気持ちで取り組めているかを示す指標であり、高いエンゲージメントは企業の生産性や定着率の向上に直結します。

しかし、日々の業務が忙しい中で、個々の従業員が自分のキャリアや将来について考える時間を持つことは難しく、また上司との対話の機会も限られているケースは少なくありません。そうした中で、キャリア面談は、上司と部下が一対一で向き合い、これまでの業務やスキル、価値観を棚卸ししながら、今後の方向性を一緒に考える貴重な時間になります。

特に、日頃の業務では見落とされがちな従業員の想いや悩みに向き合うことで「自分のことをしっかり見てくれている」「会社は自分の成長を考えてくれている」といった信頼感を醸成することが可能になります。これは、ただ同じ場所に居続けるという意味ではなく、会社のミッションやビジョンと自分の仕事が結びついている実感、つまり「意味のある仕事をしている」という実感を生み出す重要な効果があります。結果として、従業員のエンゲージメントが向上し、主体的な行動や提案が増えるなど、組織全体の活性化にもつながります。

2. 従業員のキャリア意識向上

キャリア面談には、従業員自身のキャリアに対する意識を高める目的があります。日常の業務に追われていると、将来どのようなスキルを身につけたいのか、自分は何を目指して働いているのかといった長期的な視点を持ちにくくなりがちです。

キャリア面談を実施することで、従業員自身が、あらためて自分の経験や価値観、得意なこと・苦手なことを棚卸しする機会になり、自分の働き方や進みたい方向性を言語化するきっかけになります。

特に、若手社員やキャリア初期の段階にある人材にとっては、キャリア面談のような機会がないと、自身の将来像を描くことは容易ではありません。逆に言えば、このタイミングで適切な問いかけやフィードバックがあることで、職種変更やスキルアップ、部署異動といったキャリア形成の道筋を自分ごととして捉えられるようになります。

3. 企業と従業員のミスマッチ防止

最後に、キャリア面談には企業と従業員のミスマッチを未然に防ぐという目的も果たします。近年、人材の流動性が高まっていますが、従業員の価値観や希望と企業の方針や職務内容が合わなくなることは珍しくありません。このようなズレが放置されると、エンゲージメントの低下や早期離職といった問題につながる可能性があります。

キャリア面談を通じて、従業員が現在の仕事にどのような意義を感じているのか、今後どのようなキャリアを描きたいのかを丁寧にヒアリングすることで、企業側も人材活用の見直しや配置転換、育成方針を考え直すきっかけになるなど、早期に打ち手を講じることが可能になります。

また、ミスマッチを防ぐことは、単に人材の定着率を高めるだけでなく、組織全体のリスクマネジメントにもつながります。適材適所が実現されることで、従業員一人ひとりのパフォーマンスが最大限に引き出され、生産性の向上にも寄与します。

キャリア面談の進め方5ステップ

では具体的にキャリア面談をどのように進めればいいか、お悩みの方も多いと思います。ここではキャリア面談の進め方を5つのステップに分けてご紹介します。

1. 目的を共有する

キャリア面談を実施するうえで最初に重要なのは、面談の「目的を従業員に事前に共有する」ことです。これは、ただ「面談をする」という事実を伝えるだけではなく、面談を通して何を得たいのか、会社としてどんな意図を持っているのかを、従業員に対して明確に伝えるという意味です。

目的を共有せずに面談を始めてしまうと、従業員は「何のための面談なのか」「評価に関わるのか」といった不安や誤解を抱く可能性があります。その結果、本音を語れず、建設的な対話が生まれないまま時間だけが過ぎてしまうケースもあります。

たとえば、「この面談は評価には関係ないので、安心してご自身のキャリアの希望や悩みを話してください」といったように、面談の性質や目的を事前にしっかりと伝えることで、従業員の心理的なハードルを下げることができます。また、「中長期的なキャリア形成のサポートが目的です」と伝えれば、従業員自身も未来志向で考えるきっかけを持つことができます。

2. 情報を収集する

目的を明確に共有した後は、面談を効果的に進めるために必要な「情報を収集する」ステップに入ります。ここでいう情報とは、主に従業員の現在の業務状況、過去のキャリア、今後の希望、スキル、パーソナリティ、過去の評価データなどを指しています。

たとえば、上司や人事担当者が「最近の業務ではどんなことに力を入れているのか」「今後チャレンジしたいことは何か」といった観点で社内インタビューやアンケートを実施したり、業務レポートや自己評価シートを確認したりするのが一般的です。

ここで意識すべきなのは、単に表面的なデータを集めるのではなく、従業員の内面的なモチベーションや価値観も含めて理解しようとする姿勢です。たとえば「なぜその業務にやりがいを感じるのか」「どんな働き方が自分に合っていると感じているのか」といった深掘りが、面談の質を高める鍵となります。

また、キャリア面談は個人情報を扱うため、情報の取り扱いや管理には十分な配慮が必要です。従業員の信頼を損なわないよう、収集した情報は目的外利用をせず、適切に管理するルールを整備しておくことが求められます。

3. キャリア面談を実施する

十分な準備を経てあとは、いよいよ「キャリア面談を実施する」段階に入ります。このステップでは、これまでの情報収集をもとに、従業員と一対一でじっくりと対話を行い、将来的なキャリアの方向性を一緒に考えていきます。

キャリア面談の実施にあたっては、まず「傾聴の姿勢」が最も大切です。上司や面談者が一方的に話すのではなく、従業員の言葉に耳を傾け、考えや感情を丁寧に受け止めることで、信頼関係が生まれます。そのためには、質問の仕方を工夫する必要があります。「今後どうなりたいですか?」という抽象的な問いではなく、「3年後にどのような業務を担当していたいですか?」「これまでで一番やりがいを感じた仕事は何でしたか?」といった具体的な問いを重ねることで、従業員の思考を自然に引き出すことが可能になります。

また、実際にキャリア面談を実施すると、キャリアだけでなく、現在の業務に対する不安や働き方に対する悩みが語られることもあります。そうした声をきちんと受け止め、必要に応じて他部署や人事部門と連携しながら対応することも、信頼構築の一環です。

4. キャリア面談のドキュメントを共有する

キャリア面談が終了したら、面談内容を正確にドキュメントとして残し、関係者と共有することが重要です。ドキュメント化する目的は、面談内容を「記録」として残すだけでなく、従業員本人と上司、必要に応じて人事部門が「次のアクション」や「目標設定」に向けて共通認識を持つためです。面談で話された内容が曖昧なまま時間が経ってしまうと、当事者同士の認識にズレが生じやすく、せっかくの面談の効果が薄れてしまいます。

ドキュメントは一方通行で終わらせるのではなく、従業員が内容に対してフィードバックを返せるようにする仕組みを取り入れると、より建設的な活用が可能になります。たとえば、キャリア面談後に内容確認の機会を設けたり、簡易的なリアクションコメントを残せるようにしたりといった工夫が考えられます。

とはいえ、実際には複数名のキャリア面談を実施する必要があり、その人数分のドキュメントをまとめるのはかなり大変な作業です。AI議事録ツールを活用すれば、これらの面談内容の記録を自動でAIがまとめてくれます。AI議事録ツールについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

参考記事:【2025】AI議事録ツールおすすめ14選!事例や機能についても解説

5. フォローアップをする

キャリア面談は、面談当日で完結するものではありません。むしろキャリア面談後のフォローアップこそが、面談の成果を実際の行動や成果につなげる上で欠かせないプロセスです。面談で設定された目標やアクションプランをそのままにしてしまうと、「言っただけ」「聞いただけ」で終わり、従業員のモチベーション低下や信頼関係の喪失につながりかねません。

フォローアップでは、まず「振り返りのタイミング」をあらかじめ設定しておくことが重要です。たとえば、面談から1ヶ月後や四半期ごとの定例面談など、時間を区切って進捗確認や課題の再検討を行う仕組みを設けるようにしましょう。このような継続的なやり取りは、従業員にとって「自分のキャリアが組織に本当に大切にされている」という実感にもつながります。

キャリア面談は、面談の「質」だけでなく、その後の「継続性」によって真の成果が決まります。フォローアップを通じて、面談の意義を日常業務に落とし込み、従業員と企業がともに成長していくための土台を築くことが、これからのキャリアサポートの在り方として求められています。

キャリア面談を成功させるための2つのポイント

キャリア面談の目的と進め方を理解したところで、次にキャリア面談を成功させるためのポイントを2つに分けてご紹介します。実際にキャリア面談を実施するときはぜひ参考にするようにしましょう。

1. 事前準備を徹底する

キャリア面談は、当日の面談だけで完結するものではなく、準備段階からすでに面談の質が決まっているといっても過言ではありません。事前準備を徹底することは、面談の時間をより意味のあるものにするためにも、とても重要なポイントです。

準備においては、まず従業員のこれまでの実績や評価、過去の面談記録などを確認するようにしましょう。どのような業務に携わってきたのか、どのような成果を挙げてきたのか、何に課題を感じていたのかなどを事前に把握しておくことで、具体的かつ効果的なフィードバックが可能になります。

また、従業員が記入する事前アンケートやキャリアシートなどのツールを活用することも有効です。従業員の価値観や希望を言語化する機会を与えることで、面談当日もスムーズに話を進められます。さらに、面談を行う上司や人事担当者の側も、「この従業員にどう成長してほしいか」「どんな選択肢を提示できるか」など、複数のシナリオを想定しておくといいでしょう。

2. 従業員の話を傾聴する

キャリア面談では、上司や人事担当者が一方的に話すのではなく、従業員の声にしっかりと耳を傾ける「傾聴」の姿勢が何よりも重要です。キャリアに対する考え方は人それぞれであり、現在抱えている不安や希望、職場での課題なども多岐にわたります。それらを丁寧に引き出し、受け止めることが、従業員との信頼関係の構築やモチベーションの向上につながります。

傾聴の基本は、相手の話を遮らず、評価せず、共感を持って聞くことです。特に注意したいのは、従業員の発言にすぐにアドバイスを返したくなる場面です。上司としての立場から「こうした方がいい」と言いたくなることもあるかもしれませんが、まずは相手が本当に何を感じているのかを理解することを優先するようにしましょう。

さらに、話を傾聴することで、本人も自分の思いやキャリア観に気づくきっかけになります。上司の問いかけやフィードバックを通じて、漠然としていた不満や目標が言語化され、次のアクションが明確になることも少なくありません。

キャリア面談は、従業員一人ひとりの人生に寄り添うコミュニケーションの機会です。そのためには、傾聴のスキルを日々磨き、組織全体で「対話を重視する文化」を育てていくことが大切になってきます。

まとめ

キャリア面談とは、企業が従業員と定期的に行う1対1の面談であり、従業員のキャリアに関する希望や不安、将来像などを共有し、会社としてどうサポートできるかや育成計画についてのヒントを得るための場です。一般的には人事担当者や上司が面談相手となり、従業員のキャリア形成をサポートする目的で実施されます。

近年、働き方が多様化したことで、キャリアに対する意識が変化したり、リスキリングの需要がますます高まってきています。そのためにもキャリア面談を実施する企業が増えていますが、キャリア面談はただ、キャリアについて会話をすればいいというわけではなく、「従業員のエンゲージメント向上」「従業員のキャリア意識向上」「企業と従業員のミスマッチ防止」といった重要な目的を持っています。

「そもそもの目的を整理したい」「どのように進めればいいか分からない」「もっとキャリア面談を上手く実施したい」とお悩みの方はぜひ本記事でご紹介した内容をもとに、よりよいキャリア面談を実践していきましょう。

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この記事を書いた人
スマート書記ブログチーム

エピックベース株式会社が運営する「スマート書記」のブログ編集部です。議事録や文字起こし、生成AIやAIエージェントに関するノウハウなど、企業が業務効率化を実現し、さらにはDXを推進するための情報をお届けします。

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